2010年8月14日土曜日

【社説】頑張れ朝日新聞! マッチポンプ・ジャーナリズム vs ホメオパシー

 山口県で、ホメオパシーをめぐる民事訴訟が起こされて以降、朝日新聞がホメオパシーに疑問を呈する素晴らしい記事を連発。しかし朝日新聞社と子会社の朝日カルチャーセンターはこれまで、ホメオパシーの宣伝に貢献してきました。火をつけた責任をとって、全力で消火活動をしてください。マッチポンプ・ジャーナリズムの腕の見せどころです。

■先制攻撃は朝日、ホメオパシーが反撃

 発端となったのは、本紙でも紹介した<ホメオパシー?で乳児死亡、母親が助産師を提訴(山口地裁)>の一件。これ以降、朝日新聞は、担当記者のブログも含めて以下の記事を配信しています。

記者ブログ 第4弾 「赤ちゃんは治療法を選べない」(岡崎明子)(2010/8/12)
代替療法ホメオパシー利用者、複数死亡例 通常医療拒む(2010/8/11)
記者ブログ 第3弾 続々「ホメオパシー療法 信じる前に疑いを」(長野剛)(2010/8/8)
ビタミンK2投与を 周産期・新生児医学会が緊急声明(2010/8/6)
記者ブログ 第2弾 続「ホメオパシー療法 信じる前に疑いを」(長野剛)(2010/8/5)
「ホメオパシー」トラブルも 日本助産師会が実態調査(2010/8/5)
5600万円の賠償求める 山口地裁 ホメオパシー絡みトラブル(2010/8/5)
記者ブログ 「ホメオパシー療法 信じる前に疑いを」(長野剛)(2010/8/3)
問われる真偽 ホメオパシー療法(2010/8/3)

 記事の本数も多いですが、個々の記事も、かなりの分量を割いています。両論併記の姿勢もバランスがよく、それでいてホメオパシーの問題点をしっかり押さえています。国内の複数の死亡例について言及しており、情報面でも参考になります。

 この朝日新聞の記事に対して、日本ホメオパシー医学協会(由井寅子会長)が、ウェブサイト上で執拗に反論と朝日新聞批判を行っています。

8/5付 朝日新聞 「ホメオパシートラブルも 日本助産師会が実態調査」記事への見解
7/31付 朝日新聞 Be report 「問われるホメオパシーの真偽」における取材と報道姿勢の問題
8/11付 朝日新聞の誤解を招く報道に対しての見解

 「朝日新聞 vs 日本ホメオパシー医学協会」の戦いの様相も呈していて、見ごたえがあります。

■朝日新聞の過去

 朝日新聞は日本ホメオパシー医学協会を目の敵にしているわけではなく、ホメオパシーという似非医療手法そのものを検証しています。非常にまっとうな報道です。

 しかし、朝日新聞がなぜいまになってホメオパシー叩きに熱心になったのかがいまいち理解できなかったので、朝日新聞の過去のホメオパシー記事を探してみました。すると……

【朝日新聞 2003年04月12日夕刊】健康マニア サンプラザ中野さん(科学してますか?)
 (ミュージシャン)

 「健康のためなら死ねる」とギャグをとばし、125歳まで生きると公言する過激な「健康マニア」。ついには、ここ5年間ほどの研究成果をもとに、「痩(や)せ方上手」(講談社)という本まで出してしまった。
 「ダイエット本じゃないんですよ。知らない間に中年太りしてしまった人に、痩せて健康を取り戻してもらいたくて書いたんです」
 10年ほど前のバブリーな時代に、イタリアン・カジュアルがかっこよく着られる身体をつくろうと、ジムに通い、プロテイン剤を大量に摂取した。ところが、スキーでけがをしてトレーニングを中断したとたん、みるみる体重は82キロに。眠れなくなり、短気になった。そのうち父親がガンで亡くなり、自分の健康状態に疑問を持つようになって、健康本を読みあさるようになった。
 「太ることで軽いうつ状態になっていたらしいんです。『少食が健康の原点』という本に出合って、半年で20キロ以上体重を落として、気持ちも明るくなりました」
 朝は野菜ジュース、昼は軽く、夜は好きなものをきちんと食べるダイエット法だ。冷え性を治した温冷浴や、便秘の克服に役に立った縄跳びなど、自分の体験をもとにした健康法がいくつも紹介されている。
 最近興味を持ったのは、ホメオパシー。病気の原因になるのと同じ物を投与し、逆に身体の治癒力を高めて治療する古くからある自然療法だ。
 「おかげで花粉症が治りました。科学的じゃないと受け入れられない人もいるだろうけど、恋心だって科学じゃ分析できないでしょう」
 (文・服部桂 写真・水村孝)
 サンプラザ中野氏は、06年に一時的に「サンプラザ・ホメオパス・中野」と改名したほどで、ホメオパシー業界の事実上の広告塔です。

【朝日新聞 2004年04月30日】多国籍の花粉症(特派員メモ ロンドン)
 鼻がムズムズ、目がかゆく、涙が止まらない。ヘイフィーバー(枯れ草熱)が再発したようだ。日本で言うところの花粉症である。
 東京にいた5年前に花粉症になったが、英国に来て1年半ほどは症状が出なかった。以前にもましてひどいアレルギーに悩まされるようになったのは昨年の今ごろである。
 木々が芽吹くころに悪化するのは東西共通だ。ただ、スギやヒノキの花粉が大問題の日本と異なり、英国の主犯はイネ科の植物らしい。最も身近にあるのが芝である。
 春が訪れたロンドンの町を歩いていると、緑豊かな公園に寄り道したくなるのだが、芝アレルギーの自覚があるなら要注意だ。広大な緑地を脱出するまでに、鼻水を垂れ流し、目を腫れ上がらせる悲劇を招きかねない。
 英国では6人に1人がヘイフィーバーで苦しんでいるという。知人からよく飲まれているという薬をもらった。天然成分が売りもので、最近注目のホメオパシー(同類療法)を応用しているという。幸いにもよく効いた。
 芝アレルギーの我が身が、再びスギやヒノキの花粉が乱れ飛ぶ日本に戻った時のことを考えると、ちょっと不安になる。多国籍化した花粉症の症状はどんなものだろうか。
 (福田伸生)
 記者が、ホメオパシーが花粉症に効いたとか書いています。

 朝日新聞社の子会社である「朝日カルチャーセンター」ではホメオパシー講座が開催されており、朝日新聞紙面でも紹介されています。

【朝日新聞 2005年11月02日】朝日カルチャーセンター マリオン
●東京(03-3344-1941)
 秋川リサの花のブローチ 女優の秋川リサ氏。華やかさを演出。12月7日[水][前]10時半。3670円、教材費2620円。
 英語で学ぶテーブルマナー 中里クララ氏ら。12月2日から3回、[金][後]1時半。最終回はホテルオークラで。1万9740円(食事代含む)。
 ホメオパシー 板村論子氏。ホリスティック医学を分かりやすく紹介。12月7日、21日[水][後]6時半。6510円。
(略)
 日本ホメオパシー医学協会の由井寅子会長が、朝日カルチャーセンターの特別講座で講演したこともあります。

 わりと最近も、朝日カルチャーセンターでのホメオパシー講座は朝日新聞紙面で紹介されています。

【朝日新聞 2009年01月28日】朝日カルチャーセンター 1-3月期おすすめ講座 【大阪】
(略)
■ホメオパシー入門 欧州では広く知られている代替医療のホメオパシー。効能や対応法などを分かりやすく解説する。片桐航ら(2月17日[火]13時半、2835)
(略)
 朝日カルチャーセンター横浜では、今年2月にもホメオパシー講座をやってます。3月には同湘南教室で「他力と自力の統合 特に気功とホメオパシーについて」という講座が行われ、これも紙面で紹介されていました。

 朝日新聞は、ホメオパシーの信憑性を疑う論文が発表されたというニュース報道や、『代替医療のトリック』という書籍の書評なども掲載してきました。ですから、ことさらにホメオパシー称賛に偏向していたわけではありません。しかし自らの取材によってホメオパシーの問題を検証する記事を掲載したのは、冒頭に紹介した一連のキャンペーンが初めてのようです。

■「マッチポンプ」って知ってますか?

 つまり朝日新聞はこれまで、ホメオパシーの問題点について自ら検証することはせず、主に朝日カルチャーセンターの宣伝の形でホメオパシーの普及に一役買ってきました。それがいまになってホメオパシー叩きです

 ホメオパシー批判キャンペーンの皮切りとなった今年7月31日の紙面で、朝日新聞はこう書いています。

【朝日新聞 2010年07月31日】(be report)問われる真偽、ホメオパシー療法 自然派ママの心つかむ
(略)
 「本当にいいものだから、みんなに知って欲しいんですよ。(中略)病名のつかない症状やメンタルな問題まで対応できる自然療法なんです」

 女優の沢尻エリカさんはホメオパシーについて、講談社のファッション誌「グラマラス」5月号のインタビューでそう語った。作家の落合恵子さん経営のクレヨンハウスが出す育児誌「クーヨン」も2007年以降、ホメオパシー関連の記事を掲載している。

 クーヨン編集長の吉原美穂さんは「自然な子育てに関心が集まり、化学物質が入った医師の薬に不安を持つ人が多い」と、育児の最中の母親らがひかれる理由を説明する。

 国内の代表的なホメオパシー業界団体のひとつ、日本ホメオパシー医学協会(東京)によると、ホメオパシーは今年だけで20回近く雑誌などで紹介され、利用者は国内に数十万人はいるとみられるという。
(略)
 「自然派ママ」のホメオパシー人気を焚きつけているのは沢尻エリカや雑誌だ、と言わんばかりの書き方です。しかし実際は、朝日新聞と朝日カルチャーセンターも、「自然派ママ」のホメオパシー人気を焚きつける側でした。それがいまになってホメオパシー叩きです

【朝日新聞 2010年08月05日】ホメオパシー実態調査、助産師会乗り出す 限りなく薄めた毒を飲み「治癒力高める」
 「ホメオパシー」=キーワード=と呼ばれる代替療法が助産師の間で広がり、トラブルも起きている。乳児が死亡したのは、ホメオパシーを使う助産師が適切な助産業務を怠ったからだとして、損害賠償を求める訴訟の第1回口頭弁論が4日、山口地裁であった。自然なお産ブームと呼応するように、「自然治癒力が高まる」との触れ込みで人気が高まるが、科学的根拠ははっきりしない。社団法人「日本助産師会」は実態調査に乗り出した。 (福井悠介、岡崎明子)

(略)

 「科学と神秘のあいだ」などの著書がある大阪大の菊池誠教授(物理学)の話
 原子や分子の存在が分かった今では、「元の物質の分子が残らないほどに希釈した水を含む砂糖玉が体に作用を及ぼす」との考えが科学的におかしいのは明らか。科学的なものは不自然で体に優しくないという信念など、「ファッショナブルな自然志向」の存在が、ホメオパシーをはやらせる背景にあるのではないか。ホメオパシーに頼り、医療を拒否する危険性を理解する必要がある。
 そんな「ファッショナブルな自然志向」の装いでホメオパシーの宣伝に協力してきたのが、朝日新聞と朝日カルチャーセンターでした。それがいまになってホメオパシー叩きです

 こういうのを業界用語(?)でマッチポンプといいます。

 これまで放火を手伝ってくれていた朝日新聞が突然バケツリレーを始めたわけですから、日本ホメオパシー医学協会が怒るのも当然です。

■それでも頑張れ、朝日新聞

 もっとも、メディアの中で朝日新聞だけがことさらにホメオパシーを称賛してきたわけではなく、たいがいの新聞・雑誌は同じようなものだろうと思います。たまたま朝日新聞がホメオパシー叩きに情熱を注ぎ始めたために、これまでとの矛盾が際立ってしまうだけでしょう。

 冒頭に書いたとおり、朝日新聞の一連のホメオパシー批判記事自体は、非常にまっとうで有意義な内容です。また、朝日新聞社や朝日カルチャーセンターの姿勢について、ホメオパシー問題を担当する記者個人に責任はありません。担当記者には、会社の過去とのつじつまなどお構いなしに、これからもホメオパシー問題に対するいまの報道姿勢を貫いてほしいと思います。

 本来なら、似非科学や民間療法の普及におけるメディアの責任も追及してほしいし、その場合は朝日新聞自らの過去も振り返ってほしいところですが、朝日新聞にそこまで望むのは無謀でしょう。とりあえず、ホメオパシーそのものの問題を世に伝えるという点において、朝日新聞の今後の報道に期待しましょうか。

27 コメント:

匿名 さんのコメント...

サンプラザ中野くんさんは、ユニークな人ですね。
なまじ早稲田に在学していたもんだから、何をやっても
適当に説得力をもってしまうというか。

ていうかこの記事、朝日を褒めてるんだか貶してるんだか・・・???

匿名 さんのコメント...

新聞記事が、真実か考えながら読む人は、少なくとも週刊誌記事を読む人よりは少ないと
思うので、現時点の真実を知れる事は良い方向だと思います。
今後、問題もあるが広い認識もある療法などと、再び軌道修正しなければ良いですが。

匿名 さんのコメント...

いつも素晴らしい記事をありがとうございます。ホメオパシーを本気でメディアが検証しようとするのは、いい傾向だと思います。
マッチポンプというよりは記事の執筆者が違うだけなのではないでしょうか。朝日新聞という一個の人格は存在せず、記者それぞれが勝手なことをやってるだけなのかもしれません。
山本化学の水着騒動というのがかつてありました。マスコミは「なぜ山本化学の水着を使わない?」と騒ぎ立てました。ところがその水着は大学や研究機関によって調査されておらず高速で泳げるという根拠は立証されていません。また山本化学工業の商品が癌に効果があることもマスコミに繰り返し報道されました。
そしてしばらくしてニュースになったのが、「山本化学工業関連会社、販売会社、薬事法違反で逮捕」の記事でした。どちらの記事を書いた記者も自分なりのルールで書いただけでしょう。バラバラなのだと考えると矛盾はないです。

藤倉善郎 さんのコメント...

> マッチポンプというよりは記事の執筆者が違うだけなのではないでしょうか。
> 朝日新聞という一個の人格は存在せず、記者それぞれが勝手なことをやってる
> だけなのかもしれません。

 記者ごとの違いはあると思いますが、いわゆる「組織ジャーナリズム」媒体である朝日新聞は、記者それぞれが勝手なことをできるほど無軌道ではないし、メディアとしての責任やモラルを総合的に評価されるのは当然のことです。

> そしてしばらくしてニュースになったのが、「山本化学工業関連会社、販売会社、
> 薬事法違反で逮捕」の記事でした。どちらの記事を書いた記者も自分なりのルール
> で書いただけでしょう。バラバラなのだと考えると矛盾はないです。

 ホメオパシー問題も同じなんですが、矛盾しているかどうかより、過去にそういったものをヨイショしてきた事実が問題なんです。過去がおかしいわけだから、いまそれと矛盾することをやるのは、むしろいいことでしょう。だからぼくは、いまの朝日新聞の記事を褒めているんです。

 記者ごとに方向性や問題意識が違うのは健全なことですが、インチキなものをヨイショすることは「記者ごとの違い」で許されるレベルではありません。そういうものの宣伝に荷担しておいて、問題が起こると素知らぬ顔で「問題視」して叩く。反省はしない。反省しないから、やがてまた同じように別のものの宣伝に荷担する。

 もしこれを「記者ごとに違うだけでしょ」で済ませてしまうなら、これから先も永遠に繰り返されます。メディアが社会問題を誘発し、被害が出てからメディアが問題視するというマッチポンプ・ジャーナリズムが、常に有害なブームと被害者を再生産していくんです。

 ぼくはこれを「記者ごとに違うだけでしょ」で済ませる気はないので、今回の記事を書きました。

匿名 さんのコメント...

藤倉さん。
霊友会が記事にならないのは何ででしょうか?
霊友会はたちあがれ日本の支持団体なので
ネトウヨを恐れているのかな?

藤倉善郎 さんのコメント...

 その団体と社会問題的な側面にかかわるニュースがあれば、何でも書きます。霊友会に限らず、特定の団体について扱わないと決めているわけではありません。

匿名 さんのコメント...

先週の週刊朝日も帯津先生を登場させてるしな.

匿名 さんのコメント...

朝日カルチャーセンターですが、帯津良一がいまだに講座をもっているので、ホメオパシーと縁が切れたわけでないでしょう。

http://www.asahiculture-shinjuku.com/LES/detail.asp?CNO=75965&userflg=0

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮 さんのコメント...

今回の朝日新聞の記事の問題は、
代替医療に対する一般人の知識の低さや偏見を利用して
特定の代替医療団体をカルトに仕立て上げ、
キャンペーンを張ったところにあるでしょう。

まるで
現代医学(≒西洋医学)=実証的な科学
代替医療=魔術 
という図式が自明であるかのように記事は語っていますが、
実は現代医学も治療における因果関係は実証されていないことが多いのです。
(wikipedia「西洋医学」を参照のこと)

さらに、朝日はなぜかいくつかあるホメオパシーの団体のうち、日本ホメオパシー医学協会だけを執拗に攻撃しています。

「医療敬遠に危機感 学術会議、ホメオパシー否定(2)」
http://www.asahi.com/health/feature/homoeopathy_0825_02.html


「 同協会(日本ホメオパシー医学協会のこと)はこれまでの朝日新聞の取材に対し、「現代医療は否定しておらず、協力する立場」と答えてきた。その一方で、8月13日のメールマガジンでは「一連の報道は、日本の国民により一層広く普及していくために通らなければならないステップのようなものだと思います」と、会員に結束を呼びかけていた。

 ホメオパシーを行う団体は他にもある。協会とは一線を画し、患者から必要な治療機会を奪わずにホメオパシー療法を勧める、と主張する。」

この部分を見ると、ホメオパシーのどの団体も現代医療を否定しないという見解を出しているのに、日本ホメオパシー医学協会だけメルマガで会員に結束を呼びかけたという事実を取りあげてカルト路線を突き進んでいるような印象を与えようとしています。

この意図的な印象操作、公正な報道機関にあるまじき小細工だと思うのですが、いかがですか?
「マスコミなんてそんなものだよ」と言われたらそれまでですが。

藤倉善郎 さんのコメント...

> 日本ホメオパシー医学協会だけメルマガで会員に結束を呼びかけたという
> 事実を取りあげてカルト路線を突き進んでいるような印象を与えようとし
> ています。

 言行不一致である証拠を朝日新聞が押さえることができたのが、たまたま日本ホメオパシー医学協会のものだっただけ、という可能性もあります。だから、こんなにソッコーでバレるくらいあからさまな言行不一致をやらかす日本ホメオパシー医学協会が、ほかのホメオパシー団体に比べて抜きんでてバカである可能性もあります。よって、上記の記事が、朝日新聞が印象操作を意図的した結果であるとは断定できません。

 意図的な印象操作であると断定できる根拠がないのに断定してしまうのは、科学的根拠を示せていないのに「科学的根拠はある」と言い張る日本ホメオパシー医学協会と同類です。

> 「マスコミなんてそんなものだよ」と言われたらそれまでですが。

 代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮さんのコメントを読むと、どちらかというと、代替医療ビリーバーってそんなもんなの?と言いたくなりました。

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮 さんのコメント...

>藤倉善郎さま

ご返事ありがとうございます。
少し意図が伝わらない部分があったようなので、補足します。

今回、朝日が取りあげた助産師の事件は、誰がどうみたって助産師に非がありますよね。だって、ユーザーの理解が不足したまま代替医療を奨めて、結果人の命が失われたわけですから。

ただ、問題なのはその助産師の事件を取りあげて日本ホメオパシー医学協会をここぞとばかり叩いているのが変な気がします。なぜなら、ホメオパシー医学協会は再三再四「現代医療を否定しない」と主張し続けているのですから。
三、四年前、私はホメオパシー医学協会の講演会を覗いたことがあります。そこで印象に残ったのが、講演の最後の質問タイムで、切羽詰まった女性がこう質問していた時のことです。
「子供がアトピーで、ホメオパシーを受けさせたいんですが、旦那がどうしても病院行けっていってホメオパシーを受けさせてくれないんです。どうしたらホメオパシーを受けさせてくれるようになりますか?」
これを聞いた講演者(由井氏だったと思います)が、「あなたのような人がホメオパシーをダメにするんです!」と一喝しました。
その後「まず、子供を病院に連れて行って、夕食のおかずを一品でも増やして旦那と仲直りしなさい。理解がないのにホメオパシーを無理に進めたら絶対ダメです」と諭していました。

という光景を目撃しているので、朝日新聞の報道に違和感を覚えるわけです。そういう私から見ると、 「現代医療は否定しておらず、協力する立場」と表明しているホメオパシー医学協会と、「患者から必要な治療機会を奪わずにホメオパシー療法を勧める」と主張する団体を「協会とは一線を画し、」という表現で敢えて区別している部分に朝日新聞の作為を感じます。「他の団体も怪しい」と匂わせるのなら朝日の主張に一貫性を感じますが。

これが私の主張の根拠です。あなたのいう「科学的」かどうかはわかりませんが、わたしなりに論理的だと思っています。

最後に私の立場をいいますと、「代替医療ビリーバー」っていうのですと少し違うかもしれません。代替医療に興味津々な人間、くらいですね。
今でも代替医療は、かぜやインフルエンザの時にホメオパシーを、腰痛の時に整体を利用しています。

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮 さんのコメント...

ご返事ありがとうございます。
私の意図が伝わらなかった部分があるようなので補足します。

私が朝日の印象操作だと感じた根拠は、上記の記事でホメオパシー医学協会と他の団体の主張がほぼ同一(「現代医療は否定しておらず、協力する立場」「患者から必要な治療機会を奪わずにホメオパシー療法を勧める」)なのに、他の団体のことを「協会とは一線を画し」と表現してあたかも同協会が「患者から必要な治療機会を奪」っている印象を与えているところです。

あと、私がそう感じるのはもう一つ理由があります。
三、四年前、ホメオパシー医学協会の講演会に行ったことがあるのですが、その時に印象に残った光景がありました。講演の参加者から講演者(たしか由井氏)に質問がありました。
「子供のアトピーにホメオパシーの治療を受けさせたいんですけど、旦那が病院行けって聞かないんです。どうしたらいいでしょうか?」
「あなたのような人がホメオパシーをダメにするんです!」と講演者が一喝しました。
「子供を病院に連れて行って、夕食のおかずを一品増やして旦那と仲直りしなさい。理解がないのにゴリ押ししてはダメです」と諭していました。
そういうやり取りを目撃しているので、朝日新聞が執拗にホメオパシー医学協会の「現代医療を否定しない」というコメントを疑っている態度に疑問を感じるのです。
もちろん、助産師が当事者の理解がないままホメオパシーの処置を施したのは無理があります。でも、それを同協会全体の姿勢とすること自体無理がある気がします。

ちなみに、私は「代替医療ビリーバー」というか、代替医療に興味津々な人間、くらいのものです。今でもやっている代替医療は風邪やインフルエンザや下痢の時にホメオパシーを、腰痛の時に整体をやっています。

藤倉善郎 さんのコメント...

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮さん

 補足ありがとうございます。

> ただ、問題なのはその助産師の事件を取りあげて日本ホメオパシー
> 医学協会をここぞとばかり叩いているのが変な気がします。なぜな
> ら、ホメオパシー医学協会は再三再四「現代医療を否定しない」と
> 主張し続けているのですから。

 記事を読めばわかりますが、朝日新聞が紙面で紹介している問題事例にかかわったホメオパスが日本ホメオパシー医学協会認定のホメオパスなわけなので、日本ホメオパシー医学協会の登場頻度が高いのは当たり前です。ほかの団体のコメントも載っているし、ぼくはとくだん恣意性を感じません。

 日本ホメオパシー医学協会が「現代医療を否定しない」と主張しているのは、ぼくも知っています。しかし朝日新聞にも書かれているように、由井寅子氏自身が「予防接種はがんを作っています」と、現代医療と逆行する発言をしている事実もありますよね。

 また、日本ホメオパシー医学協会が「現代医療を否定しない」のだとしても、日本ホメオパシー医学協会の信者の間で医療拒否が起こっていないかどうかとは別問題です。というか、実際に起こっていることを朝日新聞が丁寧な取材によって明らかにしています。仮に協会として「現代医療を否定しない」のであれば、協会が認定したホメオパス医療拒否のケースに関わっているのは、協会の指導力不足(認定と言っているくせに、最低限の指導もできずホメオパスを野放しにしている)ことになります。結局、協会が口先レベルで「現代医療を否定しない」といおうが、否定していることを公然と認めようが、どのみちこの協会には問題があります。

> これを聞いた講演者(由井氏だったと思います)が、「あなたのような人が
ホメオパシーをダメにするんです!」と一喝しました。
> その後「まず、子供を病院に連れて行って、夕食のおかずを一品でも増やし
> て旦那と仲直りしなさい。理解がないのにホメオパシーを無理に進めたら絶
> 対ダメです」と諭していました。

 これは「現代医療を否定してはいけない」と語ったエピソードではなく、単に「旦那の意見を否定していはいけない」と言っているにすぎないエピソードに読めます。なので、日本ホメオパシー医学協会が現代医療を否定しているかどうかを判断する参考になりません。

> 他の団体のことを「協会とは一線を画し」と表現してあたかも同協会が
> 「患者から必要な治療機会を奪」っている印象を与えているところです。

 朝日新聞の実際の記事を引用します。

>  ホメオパシーを行う団体は他にもある。協会とは一線を画し、患者から必要な
> 治療機会を奪わずにホメオパシー療法を勧める、と主張する。

>  医師や歯科医師ら約400人の会員を抱える日本ホメオパシー医学会専務理事の
> 板村論子医師は「ホメオパシーのみを信じ、必要な現代医療を受けなかった人々が
> 出たことは残念。ホメオパシーは医療の選択肢の一つとして、医師が行うべきだ」
> と話す。日本ホメオパシー振興会の永松昌泰代表は「医学協会の活動や言動がいた
> ずらに現代医学に否定的な行動を誘発している。当会は細心の注意を呼びかけてい
> る」と説明する。

 日本ホメオパシー医学会は「ホメオパシーは医師が行うべき」と言っており、医師以外を認定している日本ホメオパシー医学協会と「一線を画している」ことを主張しています。日本ホメオパシー振興会は「医学協会の活動や言動がいたずらに現代医学に否定的な行動を誘発している」として、日本ホメオパシー医学協会を悪者にすることで自分たちは悪くないかのようなコメントを、日本ホメオパシー振興会自身が行っています。

 彼らのコメント自体が「うちはあそことは違うんだ」と一線を画す主張であり、朝日新聞の記事としては「彼らは一線を画しているように主張していますよ」という文脈です。朝日新聞自身が、「他の団体は一線を画しており、日本ホメオパシー医学会だけがおかしいのだ」と報じている文章には読めません。ほかのホメオパシー団体が「一線を画すような発言をしている」という事実を報じているだけではないでしょうか。

 人によって読み方の違いはあるかもしれませんが、朝日新聞の印象操作だと決めつけるだけの根拠になるほどのものに見えません。記事全体、一連の報道全体として、朝日新聞の報道は「日本ホメオパシー医学協会」の問題性を世に問うのではなく「ホメオパシー」の問題性を世に問うているように、ぼくには見えます。

> 最後に私の立場をいいますと、「代替医療ビリーバー」っていうのですと
> 少し違うかもしれません。代替医療に興味津々な人間、くらいですね。
> 今でも代替医療は、かぜやインフルエンザの時にホメオパシーを、腰痛の
> 時に整体を利用しています。

 それは、効果を信じているからではないんですか。

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮 さんのコメント...

ご返事ありがとうございます。

私も、日本ホメオパシー医学協会の登場頻度が高いのは当たり前だと思っています。さきほど私が引用した部分が引っかかっただけですが、そうとは読めない方もいらっしゃることはわかりました。

朝日の記者のblogを読むと、日本ホメオパシー医学協会の問題性も問うているし、ホメオパシーそのものの問題性も問うているのがよくわかります。
で、どうもその文章を読んでいると、「わたしがあなた方の迷信を解いてあげる」みたいな上から目線な態度が散見されます。そこが怖いんですね。

私が一番怖いのは、ホメオパシーへのネガティブキャンペーンが張られることによって現代医療への盲信が広がることです。そういった盲信があるからこそ、昨年新型インフルが流行った時、弱毒性にも関わらず高齢者や病人にもワクチンを打って、死亡者が続出したのではないですか。

「新型ワクチン、93人に重い副作用…死亡26人」
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091126-OYT1T01055.htm


最後に、代替医療を利用している人をビリーバー(直訳で信者ですかね)と呼ぶのは、やっぱり的外れではありませんか。
だって、現代医療の効果を信じて利用しているだけで「現代医療ビリーバー」って呼ばれるのは変な気持ちがしませんか?

私が代替医療を使うのは、現代医療で効果が薄いものに関して使用しています。特にインフルでは、タミフルの副作用が怖いので。

藤倉善郎 さんのコメント...

> さきほど私が引用した部分が引っかかっただけですが、そうとは
> 読めない方もいらっしゃることはわかりました。

 読み方が人によって分かれるということは、朝日新聞の記者が自分で「印象操作を意図して書いた表現だ」と言わない限りは、他人が「印象操作だ」と断定することまではできません。だからこの部分を根拠に印象操作だとして朝日新聞を批判するという論法は厳しいと思います。

> で、どうもその文章を読んでいると、「わたしがあなた方の
> 迷信を解いてあげる」みたいな上から目線な態度が散見され
> ます。そこが怖いんですね。

 まあ、ここも読み方や印象の問題としか言えないんですが、もともと「上から目線」と言われやすい朝日新聞ですから、そういう批判をすると賛同しちゃう人は多いかもしれませんね。でもやはり批判したり記事の意義を疑問視する場合には、印象ではなく、客観的根拠をともなう批判方法を取るべきだと思います。

> 私が一番怖いのは、ホメオパシーへのネガティブキャンペーンが
> 張られることによって現代医療への盲信が広がることです。そう
> いった盲信があるからこそ、昨年新型インフルが流行った時、弱
> 毒性にも関わらず高齢者や病人にもワクチンを打って、死亡者が
> 続出したのではないですか。

 代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮さん自身が新聞記事を挙げているように、医療についても、問題が起これば報道されるし医師や医療機関の責任も問われます。ホメオパシーが否定されたとしても、通常の医療を検証・批判する社会の構図が変わるわけではないと思います。

 もともとホメオパシーと医療は別物ですから、ホメオパシーが否定されれば医療が正しいということになるわけではないし、医療が間違っていればホメオパシーが正しいということになるわけでもありません。それはそれ、これはこれ、です。朝日新聞のホメオパシー報道だって、医療が絶対に間違いのない完全に正しいものであると読者に思いこませるような「印象操作」はないように見えますし。

> 最後に、代替医療を利用している人をビリーバー(直訳で信者ですかね)
> と呼ぶのは、やっぱり的外れではありませんか。
> だって、現代医療の効果を信じて利用しているだけで「現代医療ビリーバー
> 」って呼ばれるのは変な気持ちがしませんか?

 根拠があるものを利用することと、根拠のないものを「信じる」こととは違います。現代医療の場合、国家資格を有した人が根拠のある治療を行うことが基本的な前提なので、現代医療を利用する人を「ビリーバー」とは呼べません。まあ、「現代医療の治療を受ければ、金運が上昇し大金持ちになれる」「現代医療の治療を受ければカワイイ彼女をゲットできる」とか言ってる人がもしいれば、そういう人はビリーバーと呼んでいいかもしれませんが。

 客観的根拠がなくても「信じる」人がビリーバーです。特定の人物・教団の教えを信じるというのとはちょっと違うので、「信者」という言葉を使いませんでしたが、客観的根拠がなくても「信じる」点では信者と道義です。

> 私が代替医療を使うのは、現代医療で効果が薄いものに関して
> 使用しています。特にインフルでは、タミフルの副作用が怖い
> ので。

 現代医療の副作用を避けるという判断は、必ずしも根拠のないものを「信じる」ことにはなりませんが、代わりに何を使うかという判断の際に、根拠のないものを「信じる」のであれば、その点はビリーバーなのではないかと。

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮 さんのコメント...

藤倉さんの現代医療を認める根拠は「国家資格を有した人が根拠のある治療を行うこと」なんですね。
で、この「根拠のある治療」の「根拠」ってなんでしょうか。

現代医療は、最初にWikiの「西洋医学」のを挙げたように、必ずしも科学的根拠がある(=生化学的に投薬と治癒結果の因果関係が証明され、かつ臨床試験で信用できる効果例が得られている)わけではありません。生化学的に因果関係が証明されていないものはけっこうあるのです(一つの例が麻酔です)。使ってみたらイケた、ということですね。でも代替医療だって同じことはやってますよ。

私が今でも代替医療を利用し続けているのは、自分で試しに使ってみて効果があったと思うから続けているのです。それって根拠のないことですかね。「それってプラシーボでしょ」と藤倉さんは仰るかもしれませんが、では現代医療にプラシーボはないんでしょうか? たとえば、現在日本で認可されている抗うつ薬でプラシーボ以上の効果が認められているものって非常に少ないんですよ(Wiki:ミルタザピン「作用機序」を参照のこと)。

私がいいたいことを整理しますと、ホメオパシーは及び代替医療は生化学的な因果関係が立証されておらず、プラシーボの可能性も高いと言われている。でも、現代医療だって同じなんじゃないかと思うのです。そうすると、片方に客観的根拠がなく、片方にはあるとするのは無理があると思うのですが。

藤倉善郎 さんのコメント...

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮さん

> 現代医療は、最初にWikiの「西洋医学」のを挙げたように、必ずしも科学的根拠が
> ある(=生化学的に投薬と治癒結果の因果関係が証明され、かつ臨床試験で信用で
> きる効果例が得られている)わけではありません。

 Wikipediaの「西洋医学」のページを根拠にするのであれば、そこに書かれている内容を正しく読むべきです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E6%B4%8B%E5%8C%BB%E5%AD%A6
> なお、"西洋医学は実証的"というようなイメージだけは一般の人々の間で
> 先行していたものの、その実態としては、実は、個々の治療法の効果は統
> 計的・科学的には十分に検証されないまま、医師個人やグループがめいめ
> いの少数の経験や「勘」で判断し、その怪しげとも言える知識が師から弟
> 子へと伝承されるような状況が長らく続いていた。が、近年(ほんの10年
> ~20年前)になって、ようやく、本当の意味でのより厳密な実証を求める
> エビデンスに基づく医療が真正面から提唱され、この数年、次第に医学界
> に浸透しつつあり、標準的/望ましい とされる治療法が一部で毎年少しず
> つ入れ替わるようになった(つまり「エビデンスに基づく医療」という手
> 法が実際に効果を挙げつつある)。

 根拠のない治療法もあったが、現在では「エビデンスに基づく医療」に入れ替わりつつあるという説明が書かれています。従来定着していたものであっても科学的根拠を再検証するという姿勢そのものが「科学的」です。科学的に実証する前に宣伝しまくって定着させてしまおうという(海外では定着してしまっているケースもある)ホメオパシーのような疑似医療を、Wikipediaのこの説明をもって西洋医療と同等に扱うことはできません。

> 生化学的に因果関係が証明されていないものはけっこうあるのです(一つの
> 例が麻酔です)。使ってみたらイケた、ということですね。でも代替医療だっ
> て同じことはやってますよ。

 Wikipediaのこの説明には、「麻酔」に根拠がないとは一言も書かれていません。

 ただ、「使ってみたらイケた」が、必ずしも非科学的とは限りません。それがプラセボ効果レベルのものではなく、誰に対しても有効であり、体質や健康状態による効果の違いやリスク、副作用の有無、対処法などが検証されてさえいれば、医療として実用化する科学的根拠としては充分だと思います。まあ、実際の医療現場に、「理由はさっぱり分からないが、効果があることだけは科学的に立証できている」という治療法がどのくらいあるのかは知りませんが。

 ホメオパシーについては、医療として実用化に値する科学的根拠はありません。実験などをせずとも、「存在しない物質が効果を及ぼすわけがない」「水に記憶があるわけがない」「ただの水と砂糖玉」という説明だけで、充分に科学的だと思います。


> 私が今でも代替医療を利用し続けているのは、自分で試しに使ってみて効果があった
> と思うから続けているのです。それって根拠のないことですかね。

 ないですね。「自分でやってみたら効果があった」というのは、単なる主観的な個人体験です。因果関係の立証にはならないし、他人にも効くという証拠にもなりません。「思い込みに過ぎない」という可能性が排除されていることを立証しなければ、「使ってみたらイケた」とすら言えません。

 それでもそれが効くのだという主張は、因果関係を主観的に断定して「信じている」だけであって、根拠のある判断ではありません。



 いい例があります。「藤倉自身が実際に効果を体験した」、もしかしたら世界初かもしれない画期的な疑似医療です。

 ぼくは3年前と昨年末、チェルノブイリに行きました。もともと腰痛持ちだったんですが、3年前のチェルノブイリ取材で、腰痛がきれいさっぱり治りました。2年過ぎたらまた少し痛みが出てきましたが、2度目のチェルノブイリ取材で、これもまたきれいさっぱり治りました。いまは腰痛持ちだったことがウソのように快調です。

 だからぼくは「チェルノブイリ療法」ビリーバーになりました。自分で体験して、間違いなく腰痛が治ったからです。しかも2度も。因果関係なんか知りません。ぼくが実際にやってみたら治ったんだから間違いありません。

 「チェルノブイリ療法」なんて聞いたことないので、ぼくはビリーバーどころか、「チェルノブイリ療法」の発見者かもしれません。

 さて、この話に「根拠」があると思いますか?

※あくまでも個人の体験であって、同じ効果を約束するものではありません。自己責任でご利用ください。



> 私がいいたいことを整理しますと、ホメオパシーは及び代替医療は生化学的な因果関係
> が立証されておらず、プラシーボの可能性も高いと言われている。でも、現代医療だっ
> て同じなんじゃないかと思うのです。

 違います。現代医療は、プラセボ効果に過ぎないものと、そうでないものを区別しますし、そもそも、ただの水と砂糖玉で患者を騙してカネぶんどったりしません。何より重要なのは、「科学」に軸足を置く現代医療は、自らの治療法を科学的に検証するということもできます。

 いまの時点での現代医療が全て正しいとは限らないつぃても、科学的発想・手順を重視した改善・向上の姿勢は、「自分でやってみたら治った!」という個人的体験のみに基づいた疑似医療より、はるかに根拠のある医療です。現代医療の科学的姿勢に信頼性を見出すことは、それ自体が根拠のある判断であって、現代医学が全て正しいと「信じる」のとは違います。

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮 さんのコメント...

>根拠のない治療法もあったが、現在では「エビデンスに基づく医療」に入れ替わりつつあるという説明が書かれています。

ですから、現代医療といっても十年二十年前は「エビデンスに基づく医療」が少なくて、現在でも基づかない医療が残っているわけですよ。

>麻酔
これについて私はwikiを参照といっておりません。ディスカバリーチャンネルのテレビ番組からの引用ですが、番組名が思い出せず、書きませんでした。

藤倉さんは、私が抗うつ薬で挙げた、現代医療もプラシーボを越えない薬を正式認可しているという問題を無視して「現代医療はプラセボではない」と主張されてますが、私の反論としては弱いですね。

>チェルノブイリ療法
機会があったらやってみたいです(笑)。でも森林火災で放射能レベルが上がっていそうなので、やめておきます。
ちなみに、私にとってのホメオパシーのメリットって、「ただの水」っていう点なんですよね。だって、もし効果がないとしても「ただの水」で害がないですから。漢方薬も副作用を起こす場合がありますし、もちろんチェルノブイリ療法も(笑)。抗うつ薬だって、副作用はかなりキツいものがあります。プラシーボ効果を越える作用が認められない薬を患者に売りつけるのは、「患者を騙してカネぶんど」ることなんですよね?

藤倉さんは「科学に軸足を置いているから違う!」と
主張されるかもしれません。では、科学って何ですか? 論理的検証や実験を通じて信頼性のある因果関係を見いだして結論づけることじゃないんですか? ホメオパシーの創始者のハーネマンは現代医療の源流である西洋医学が寫血のような非科学的な治療を行なったり、新生児や産婦を非衛生的な処置をして産褥
でうしなっていたころからそういった検証を行なってきました。
藤倉さんが現代医療が「科学」に軸足を置いていて、代替医療は違うと主張されてるのは、結局のところ権威によるバイアスがかかっているように見受けられます。

長々と議論にお付き合いいただいて感謝致します。
最後に、砂糖玉でカネ云々という点について申し上げますと、私がホメオパシーの利点として感じているのは、代替医療にしては安い点です。私が使用しているインフルエンザのレメディは、30粒580円です。なので、数年これでもたせています。

藤倉善郎 さんのコメント...

> 「それってプラシーボでしょ」と藤倉さんは仰るかもしれませんが、では現代医療に
> プラシーボはないんでしょうか? たとえば、現在日本で認可されている抗うつ薬で
> プラシーボ以上の効果が認められているものって非常に少ないんですよ(Wiki:ミルタ
> ザピン「作用機序」を参照のこと)。

 だから、それを検証しながら進めていくのが科学的姿勢であって、その姿勢があるのが現代医学であり、それがないのが「ビリーバー」だと言ってるだけです。科学や現代医療のビリーバーになれと言っているわけでもありません。

 非科学的な部分があるなら、非科学的な部分を批判するのが科学的な姿勢です。非科学的な一例を挙げて(それが本当に非科学的かどうかぼくは知りませんが)非科学的ではない部分まで全て非科学的だというのは、非科学的な発想です。

 それに、現代医療をいくら批判したところで、それは代替医療を正当化することには全くならない。だから「現代医療はダメだから」という根拠で代替医療を称賛する人の論理は、全てペテンです。

 この程度の理屈がわからないなら、これ以上議論しても意味がないですよ。

> ちなみに、私にとってのホメオパシーのメリットって、「ただの水」っていう
> 点なんですよね。だって、もし効果がないとしても「ただの水」で害がないで
> すから。

 ちなみに、ぼくがチェルノブイリで飲まされたウォッカも、ただのウォッカでした。

 効きもしないが害もない砂糖玉の存在意義については、朝日新聞に掲載された日本学術会議副会長のインタビューでも言及されていますね。

http://www.asahi.com/health/feature/homoeopathy_0828_02.html

 その存在意義は飽くまでも「害がない」点であり、医療による有効な治療がない場面の話なので、やっぱり「現代医療」とは別物なんですよ。ていうか、「害がない」ことが重要なら、もはや水である必要も砂糖玉である必要もホメオパシーである必要もないんですが。

 それでもやりたい人は勝手にやればいいし、ビリーバーは勝手にビリーバーであり続ければいい。他者をそれに巻き込んだり、他者や社会に対してそれを正当化するなと。


> ホメオパシーの創始者のハーネマンは現代医療の源流である西洋医学が
> 寫血のような非科学的な治療を行なったり、新生児や産婦を非衛生的な
> 処置をして産褥でうしなっていたころからそういった検証を行なってき
> ました。

 その結果が「ただの水と砂糖玉」だったのなら、ハーネマンの検証が間違っていた、ということです。

> 藤倉さんが現代医療が「科学」に軸足を置いていて、代替医療は違うと
> 主張されてるのは、結局のところ権威によるバイアスがかかっているよ
> うに見受けられます。

 ご心配ありがとうございます。どんなに権威ある団体がホメオパシーを認めたとしても、「ただの水と砂糖で病気が治るわけねえだろ」と主張することを忘れないようにしたいと思います。



 結局、これだけ字数を使ってやりとりしても、わかったことは「ビリーバーに何を言っても無駄」ということだけでした。で、そんなことは誰もがわかっているから、まともな医者や科学者は代替医療ビリーバーと改めて議論しようなんて思わないんでしょうね。

> 私が使用しているインフルエンザのレメディは、30粒580円です。
> なので、数年これでもたせています。

 ぼくが吸ってるタバコは、20本で320円です。15年間、これでもたせています(何を?)。

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮 さんのコメント...

>この程度の理屈がわからないなら、これ以上議論しても意味がないですよ。

と切り捨てられたので、これで本当に最後にします。

私は現代医療を全否定などしていません。
「現代医療といっても十年二十年前は「エビデンスに基づく医療」が少なくて、現在でも基づかない医療が残っているわけですよ」と書いた通り、「エビデンスに基づく医療」が現在あることも認めているわけですよ。現代医療についても、代替医療についても、科学的(どうも私と藤倉さんとでは「科学的」の意味がズレているようですが…)検証の眼が入ることは歓迎です。
逆に、「分子がないほど薄めた水」という一点のみでホメオパシーを否定する藤倉さんの姿勢こそ、私への批判がぴったりあてはまってしまうように思えてなりません。

私が現代医療がエビデンスに基づく医療があることも認めて、今回の助産師に利用者への理解が不足したまま治療を行なった点を批判して、ホメオパシーのレメディがただの水かもしれないという懐疑をいただきつつ利用していることを文章で書いても、読んで下さらないで「ビリーバー」とレッテルを貼ることにご執心なんですね。ツイッターで「チェルノブイリ療法」を冗談めかして取りあげている様は、朝日新聞の記者blogの琵琶湖を例に挙げた非論理的な例え話を語る上から目線な姿勢にそっくりで、正直驚きました。
カルト新聞が人をカルトに仕立て上げるのに熱心なカルトにならないよう、お願い致します。

匿名 さんのコメント...

憂慮さん

なんだかおかしな論を展開されてますね。

「現代医療は、最初にWikiの「西洋医学」のを挙げたように、必ずしも科学的根拠がある(=生化学的に投薬と治癒結果の因果関係が証明され、かつ臨床試験で信用できる効果例が得られている)わけではありません。生化学的に因果関係が証明されていないものはけっこうあるのです」

現在の医療では科学的な根拠を重視しています。そういう方向に行ってることは間違いないでしょう。

薬効が科学的に証明されておらず、臨床で統計的にも効果がないとされるが現在行われている治療方法というは本当にあるのですか?可能であれば具体的に示していただけませんか。

抗うつ薬については上記の例とはなりえません。うつ自体が病態メカニズムが明らかになっておりませんが、最初に抗うつ作用があると証明されたiproniazid、また偶然、効果があったイミプラミンなども1950年代に発見されているはずです。それからどれだけ臨床があったかは想像できますか?日本の認可が遅いとか関係ないでしょう。

ここ10年で新しいアプローチであるSSRI,SNRIなどが開発されてきたことはご存知でしょうか。

さらに現在では新薬候補としてNMDA受容体アンタゴニスト、ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト、nitric oxide合成酵素阻害剤、ヒペリカムなどが期待されているところです。

うつのメカニズムについても、Emirichらは、多くの臨床研究の結果、うつ病患者の脳脊髄液中でGABA(ニューロアクティブ・ステロイド)が減少することを明らかにしました。日々研究が続けられているのです。

これが科学なんですよね。科学は誤りと表裏一体です。しかし仮説を立て、臨床、観察、実験を積み重ねて理論を検証していきます。現象を説明できない理論は捨てられていくのです。西洋医学は科学なんです。

一方、ホメオパシーはどうでしょうか。科学的な根拠はまったくないです。正直、ホメオパシーが西洋医学と変わらない、といった主張は非常に不快に思います。ただの水を高値で売りつけるようなトンデモ・ビジネスが科学を同等であるのかのように語るなど不遜なことですよ。

藤倉善郎 さんのコメント...

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮さん

 現代医療を否定しまくる発言をしていながら「私は現代医療を全否定などしていません」と言う辺り、完全に日本ホメオパシー医学協会と同じパターンですね。

> 読んで下さらないで「ビリーバー」とレッテルを貼ることにご執心

 いや、読んだ上で「やっぱりビリーバーだ」と思うから、撤回せず何度もビリーバーという言葉を使っているだけです。

> ツイッターで「チェルノブイリ療法」を冗談めかして取りあげている
> 様は、朝日新聞の記者blogの琵琶湖を例に挙げた非論理的な例え話を
> 語る上から目線な姿勢にそっくりで、正直驚きました。

 お話にならない人に対するぼくの「上から目線」ぶりは、朝日新聞なんかよりはるかに上だと自負しています。
 ちなみにチェルノブイリ療法は本気です。ぼくは本当にチェルノブイリに行ったら腰痛が治りました。「自分の体験談だけで根拠になる」と思う方にとって(だけ)は、チェルノブイリ療法も根拠のある治療法のはずです。

> カルト新聞が人をカルトに仕立て上げるのに熱心なカルト
> にならないよう、お願い致します。

 代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮さんの文章を読んでも、やや日刊カルト新聞がどうやって人をカルトに仕立て上げる可能性があるのかさっぱり想像できないので、お願いされてもお受けできません。「カルト新聞がカルトだ!」みたいのは、言うに事欠いた人間の悪態としてしか見たことがありません。現状で特に問題はありません。

 そんなことより、疑似医療ビリーバーの代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮さんが、他人に疑似医療を勧めることがないよう、お願いします。科学と疑似科学、医療と疑似医療の違いを理解していない人間が疑似医療にかかわると、人が死にかねません。


 あと、茶化すだけで真面目なツッコミを書いていなかった部分があるので、追加しときます。


> 最後に、砂糖玉でカネ云々という点について申し上げますと、私がホメオパシーの利点
> として感じているのは、代替医療にしては安い点です。私が使用しているインフルエン
> ザのレメディは、30粒580円です。なので、数年これでもたせています。

>  ぼくが吸ってるタバコは、20本で320円です。15年間、これでもたせています(何を?)。

 「ただの水と砂糖玉」がタバコより高いわけですね。それだけでも「安くねえだろ」と思います。効果もない「ただの水と砂糖玉」が「代替医療にしては安い」のは何の自慢にもなりません。レメディが「ただの水と砂糖玉にしては安い」なら、「安い」と言っていいと思いますが。

 ちなみに、ネットのある通販ショップで「激安」と書かれたグラニュー糖3kgが1029円でした。これを使って30粒580円の砂糖玉を作るなら、1粒約58グラムになります。角砂糖14.5個相当くらいみたいです。でっかいですね。

匿名 さんのコメント...

憂慮さん

西洋医学が少し前まで科学的でなく、実質ホメオパシーと変わらないという御主張について前回反論させていただきました。

科学って何なんだ、という疑問も呈されていますが、科学って仮説を立てて観察、実験を行い理論を検証するプロセスのことなんです。そして反証可能かどうかがもっとも重要です。そして現象を説明できない理論を捨て、説明できる理論をさらに検証していく考え方が科学です。

科学は万能どころかいつも誤りと表裏の関係にあります。ただ反証可能なので間違いを正すことができるのです。科学は誤りやすい人間にはぴったりの方法なのです。

今のところ「うつ」の例しか出されてないので「うつ」で説明でします。
1960年代、50年ほど前だとモノアミン仮説がありました。説明が難しいのですがシナプス間隙におけるモノアミン濃度の上昇によって抗うつ作用が発揮される、という仮説です。iproniazidとイミプラミンなどの機序を調べる中で出てきた仮説です。

iproniazidの機序とは主要なモノアミン分解酵素であるmonoamine oxidaseを阻害し、再取り込みされたモノアミンの分解を抑制するということがわかったのです。

その後、モノアミンの中でもとりわけセントニンとノルアドレナリンの関与が指摘されてことで、前述のSSRI、SNRIの開発へと進んでいった経緯があります。

例に出されていたwikipediaの「西洋医学」のページは今年に入って急に作られたようですね。内容もスカスカで短く、少し西洋医学への批判があるだけで出典の価値はないでしょうね。僕も時間があれば修正したいとは思いますが、今はちょっと無理です。

うつだけに関して考察しても、50年ほど前からずっと科学的に研究、臨床が繰り返されて来たことをご理解いただきたいのです。これまで科学者がホメオパシーなどの代替医療への批判が少なかったのはそれが効果があったり正しいからではなくて、語るに値しないからなのです。現在もホメオパシーの団体が日本学術協会に公開討論を申し入れてますが相手にされることはないでしょう。「水の記憶」とか言われても何を議論すればよいのでしょうか。

ここも科学の大事な点であり、科学的に効果がないと証明することはとても困難です。これは幽霊がいないことが証明できないのと同じことです。幽霊や代替医療のように科学的に扱えないようなものは、科学的に扱える信頼できるデータが得られるまで保留」ということでいいと思います。

西洋科学とホメオパシーがどちらも非科学的、という見解への反論となっておりますでしょうか。
これは上記で1つの論点だったと認識しております。

別の論点で、個人が代替医療を行うこと自体は誰も批判していないと思いますよ。自己責任ですし。今、新聞などで問題になっているのは医療関係者と患者であったり、親と子供であったり、一方的な信頼関係、力関係がある場合の代替医療(ホメオパシーなど)の傾倒であって、理性のある成人については個人で楽しむには自由だと思います。

匿名 さんのコメント...

憂慮さん

ここでの論点を整理したいと思います。

まず最初の論点である報道に関するものです。ホメオパシーだけが批判されているのでないか、という点です。これが印象操作や叩きでないのかというご指摘ですね。k2シロップの事件では助産師が悪いのであって、ホメオパシー医学協会は西洋医学に協力する立場だったと。

もう1つが西洋医学自体が少なくとも最近まで「科学的でなかった」という議論です。ホメオパシーと変わらないだろうという御主張ですね。そもそも科学ってどういうことなのかという疑問も呈されています。これはちょっと誤解だろうと感じています。

ここまではいいでしょうか。おかしかったらご指摘願います。
僕が関心があるのは論点2だけなんです。

科学って何なんだ、という疑問も呈されていますが、科学って仮説を立てて観察、実験を行い理論を検証するプロセスのことなんです。そして反証可能かどうかがもっとも重要です。そして現象を説明できない理論を捨て、説明できる理論をさらに検証していく考え方が科学です。

科学は万能どころかいつも誤りと表裏の関係にあります。ただ反証可能なので間違いを正すことができるのです。科学は誤りやすい人間にはぴったりの方法なのです。

今のところ「うつ」の例しか出されてないので「うつ」で説明でします。
1960年代、50年ほど前だとモノアミン仮説がありました。説明が難しいのですがシナプス間隙におけるモノアミン濃度の上昇によって抗うつ作用が発揮される、という仮説です。iproniazidとイミプラミンなどの機序を調べる中で出てきた仮説です。

iproniazidの機序とは主要なモノアミン分解酵素であるmonoamine oxidaseを阻害し、再取り込みされたモノアミンの分解を抑制するということがわかったのです。

その後、モノアミンの中でもとりわけセントニンとノルアドレナリンの関与が指摘されてことで、前述のSSRI、SNRIの開発へと進んでいった経緯があります。このプロセスは科学そのものです。

うつだけに関して考察しても、50年ほど前からずっと科学的に研究、臨床が繰り返されて来たことをご理解いただきたいのです。

憂慮さんが例に出された「抗うつ剤がプラシーボ程度がほとんど」でよって科学的でない、という説は取り下げていただけるでしょうか。

例を挙げていただけるならどのような例でもこの論点ならば議論にお付き合いさせていただきたいと思っております。

匿名 さんのコメント...

すいません、2回投稿してしまいました。
2010年8月31日15:21 のはスルーしていただけたらと思います。言いたいことがごちゃごちゃしてわかりにくかったので整理したのが、次の2010年8月31日16:05 です。
(内容は大体同じですが)。

匿名 さんのコメント...

代替医療否定と朝日の印象操作に憂慮 さんへ

>私が一番怖いのは、ホメオパシーへのネガティブキャンペーンが張られることによって現代医療への盲信が広がることです。そういった盲信があるからこそ、昨年新型インフルが流行った時、弱毒性にも関わらず高齢者や病人にもワクチンを打って、死亡者が続出したのではないですか。

「新型ワクチン、93人に重い副作用…死亡26人」
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091126-OYT1T01055.htm


大いなる誤解があるようなので。
お年をめされた方や基礎疾患のある人にとっては、弱毒性のインフルエンザであっても、それが死への最後の一押しになることがしばしば見られます。これをインフルエンザによる超過死亡といいます。
インフルエンザ感染後の肺炎による超過死亡によって、毎年日本だけで万単位の死者をだしているのをご存知でしょうか。
あと新型インフルエンザのワクチンで死者が続出していると誤解しているようですが、通常の季節性インフルエンザワクチンでも接種後にこのくらいの死者は毎年出ています。(もともと高齢と病気の方に接種するのですから健康な若い人に接種するのに比べリスクはあるわけです)
しかしワクチンの接種によって超過死亡が6割減らせます。
効果のある医療には、必ず副作用がつきものなのです。
ですから現代医療は、必ずメリットとデメリットをはかりにかけておこなっているのです。
このことを踏まえて、新型インフルエンザのワクチンをおこなうべきでなかったとお考えでしょうか?

あと弱毒性にも関わらずとおっしゃっておりますが、強毒性への変異がなかったのは流行が収束してから初めて言えることです。それに今シーズンの流行の第2波で強毒性に変異する可能性も残っております。実際、世界で2千万に以上死亡したスペイン風邪は、流行の第2波で強毒性に変異しております。

ワクチンでお亡くなりになった方は、けして「現代医療への盲信」でお亡くなりにはなっておりませんので。

匿名 さんのコメント...

帯津三敬病院にてCT画像検査で転移を見過ごされてしまい、娘は命を落とした。

娘は癌を患った当初から、抗がん剤の副作用等への不安を抱いていた。

知人から、帯津氏を紹介されて、書籍を読み、ホメオパシー、レメディ、自然療法などの

代替療法に興味を持ち、受診した。

受診後、CT画像検査を診ても、帯津氏は「キレイです。問題無いです。」と言っていたが、

娘の容態がだんだんとおかしくなっていき、不安になり、セカンドオピニオンを希望し、

そこで専門医に同じCT検査画像を持って行き診てもらうと、こう言われた。

医師「キレイどころか、無数にありますよ!」

家族「帯津先生はCT画像を診ても、問題無いと言っていましたが!!?」

医師「帯津氏はガンを診る腕は無いですよ。プロなら、このCT画像を診て転移だと気づかないはずがない」

大分前のCT画像にも転移が認められ、完全に手遅れの状態で、かけこむこととなってしまった。

悔やむに悔やみきれない。

もっと早く気づき、強引にでも、専門医を探しておけばよかった。

自分を責め続けたが、やはり納得がいかない。

帯津氏に問い、どう返答が帰ってくるのか確かめたかった。

彼の本心、人間性を見たかったのかもしれない。

そして経緯を説明した手紙を出した。

こちらが何かを要求しているのではないか?面倒なことは御免だ。そう受け止められたのだろう。

当院に責任は無いことと、それについてのいくつかの理由をあげただけの返事が帰ってきた。

CT画像の見落としについては言及されず、私には落ち度が無いということだけ強調されていた。

何かしら人間らしい悼む言葉が欲しかったが、期待するだけ無駄だった。

しかし…

自分を頼ってきた患者がそういう結果になり何も感じなかったのだろうか?

CT画像の見落としは明白なのに、自分の腕に狂いは無いと思いこむ鈍い人間なのだろうか。

もやもやする思いが消えないので、書き込みはしたが、

このような人間について、あれこれ考えることはもう無意味なのかもしれない。