2011年3月7日月曜日

米最高裁判断「”イラク戦没兵葬儀で『死んで良かった』とプラカード”表現の自由にあたる」

去る3月2日、米連邦最高裁判所は、イラクで戦死した米兵の葬儀が営まれている近くで、「兵士の死を神に感謝する」「神は同性愛者を憎む」などと書いたプラカードを掲げてデモを行い、遺族から訴えられた米キリスト教会の行動は、米憲法で保障された表現の自由にあたるとの判断を下しました。

この教会ですが、以前、オタクの祭典に攻撃を仕掛けて見事に返り討ちにあったウエストボロ・バプティスト教会です。


【AFPBB News 2011年3月3日】イラク戦没兵葬儀で「死んで良かった」とプラカード、米最高裁判断は「表現の自由」
【3月3日 AFP】イラクで戦死した米兵の葬儀が営まれている近くで、「兵士の死を神に感謝する」「神は同性愛者を憎む」などと書いたプラカードを掲げてデモを行い、遺族から訴えられた米キリスト教会に対し、米連邦最高裁判所は2日、教会側の行動は米憲法で保障された表現の自由にあたるとの判断を下した。

 この教会はウェストボロ・バプティスト教会(Westboro Baptist Church)で、創始者フレッド・フェルプス(Fred Phelps)牧師の親族が主な信者。同教会は「同性愛に寛容な米国に怒った神が米兵を殺した」と主張し、2006年にメリーランド(Maryland)州の教会でマシュー・スナイダー(Matthew Snyder)海兵隊兵長の葬儀が営まれた際、教会の外で抗議行動を展開した。

 スナイダー兵長は同性愛者ではなく、父親のアルバート・スナイダー(Albert Snyder)氏は名誉毀損、プライバシー侵害、故意に精神的苦痛を与えたなどとして、フェルプス牧師を訴えていた。

 しかし、最高裁は判事9人のうち8人が、教会を訴えることはできないと判断。ジョン・ロバーツ(John Roberts)最高裁長官は、「表現がもたらす影響力は大きい。人々に行動を起こさせ、喜びや悲しみの涙を流させ、本訴訟の例のように大きな苦痛をもたらすこともできる。本法廷に提示された事実からは、表現者を罰することによって(遺族がさいなまれた)苦痛に対処することはできない」と説明した。

 最高裁の意見書によると、スナイダー兵長の葬儀でウェストボロ・バプティスト教会側が掲げたプラカードには、「神は米国を憎んでいる」「9.11を神に感謝する」「アメリカは破滅する」「ゲイ軍団」「お前たちは地獄に落ちろ」などと書かれていた。

 ただ、抗議行動そのものは葬儀会場から約300メートル離れた私有地で平和裏に行われ、事前に警察の許可も得ていた。

 したがって最高裁は、プラカードは「社会的にも政治的にも洗練されたとはいえない内容ながら、(中略)現代社会に対して教会側が募る不満を抱えていたことを反映している」と判断。教会側の主張について「社会的関心をめぐる表現」とみなした。さらに、「(表現の場が)葬儀会場であるかどうかによって、以上の結論は変わらない」とも指摘した。(c)AFP/Edouard Guihaire


妥当な判断であると、私は思います。
表現の自由は、このような反吐が出るような表現についても、保証されなければならないからです。
プラカードの内容は、リンク先のAFPBB Newsの記事を見て頂ければ分かりますが、このような最低の行為を目の当たりにしながらも、最高裁判事は冷静に、正しい判断を下したと思います。


しかし、本当に胸糞悪い連中ですね、このウエストボロ・バプティスト教会は!

11 コメント:

匿名 さんのコメント...

キリスト教自体がカルトなんですけどね。

違いますか?

藤倉善郎 さんのコメント...

人生いろいろ、キリスト教もいろいろ。

似非 さんのコメント...

米国が嫌いなカルト(反社会的な)宗教は米国を出ていけばよいと思います。

米国の最高裁が、宗教の表現の自由を保証したとしても、遺族の事を考えると、社会的倫理観が欠如しているカルト団体だと捉えます。

この協会には、激しい怒りを覚えますね。

TY さんのコメント...

ウエストボロ・バプティスト教会の方達には「表現の責任、自由の
責任」というものだけは忘れないで欲しいと思います。
葬儀会場から離れた私有地で平和裏に行われたというのも抗議として
気に入りません。 見えるところで行っても見えないところで行って
も、相手方の感情としては同じことですから。

しかし、記事の最後のコメントでスッキリしました。
カルトもいろいろ、アンチもいろいろ、それもスッキリしない問題
ではありますが・・・。

藤倉善郎 さんのコメント...

 まあ、こういう団体に「責任」とか言ってもムダなんだろうなという気がします。もっとも、この判決の通りの考え方に立つなら、誰かがウェストボロ・バプティスト教会を口汚く非難しても「表現の自由だからOK」ってことじゃないかと。

 フレッド・フェルプスが死んだ時には、下品な英語をたくさん覚えて、葬式に参列したいですね。

TY さんのコメント...

主筆藤倉様はそういう事を書くから口が悪いとか言われるのです。
まったく。   読んでいて面白いじゃないですか。

藤倉善郎 さんのコメント...

フレッド・フェルプスが死んだら、下品なプラカードを持って葬式に参列するオフを企画する。その時、奴らは気づくだろう。主筆藤倉様は口が悪いだけじゃない、行動もサイテーだ、と。

オホーツク海岸の論客 さんのコメント...

300m・・・・・・微妙ですね。身内が亡くなって悲しみにくれている所に「国家のバカヤロー」という意思がお葬式をつぶすように出現した・・・・・・ご遺族の皆様の苦痛をどうやって取り除きましょうか?

私が住んでいる近辺の冠婚葬祭についても、「テロにはチャンスである」という不謹慎な事を申し上げる事ができますが・・・・・・

匿名 さんのコメント...

言論の自由も大事ですが、精神的被害に対する無関心さについてはもっと議論の余地があるのではないか、色々考えさせられる一件です。
空間的な距離の問題だけでなく、意図的に時間を合わせてでデモ活動したことも考慮されないのはなぜでしょうか。
どの文化でも喪に服する期日はあると思いますし、遺族の死者を弔う権利を組織的に妨げる行為は、注意勧告くらい受けるのが当然ではないでしょうか。

グレモリィ さんのコメント...

とても攻撃的な信仰もあったものですわね。

>「(表現の場が)葬儀会場であるかどうかによって、以上の結論は変わらない」とも指摘した。

とてもイヤな話ね。
これが判例として罷り通る米国になってしまうなら、精神的被害を考慮しない表現のしかたが常に通ってしまうのかしら。

グレモリィ さんのコメント...

2011年3月10日11:48 の私のコメントに対する補足です。
ウィキペディアのウエストボロ・バプティスト教会の項目によると、ミシガン州とイリノイ州には葬儀や追悼式の場での抗議行動などを牽制する法があるようですわ。

なので、主筆藤倉様のオフの企画はフレッド・フェルプスの葬儀がこれらの州で行われない事を前提でお願いします。