2014衆院選、カルト団体との関係を指摘された候補者の当落まとめ一覧・統一教会編

全くの無名候補だった2007年の“統一教会
信者運動員大量動員”区議選から7年、
ついに国政選挙の候補者にまで登り詰めた
長谷川たかこ氏

自民党の圧勝に終わった第47回衆議院議員総選挙、カルト問題に特化した報道メディアである本紙は独自視点で今回の衆院選を総括する。

当記事では、過去に統一教会やその関連団体との関係が指摘された候補者の当落をまとめた。

今回の衆院選候補者の中には、本紙が過去に統一教会との関係をスクープとして報じた人物も数人含まれていた。

～落選～

◆長谷川たかこ(41歳／東京13区／前足立区議)【民主党】比例区東京ブロック復活ならず

2007年に統一教会足立教会青年部署グループ（ビギン、世界平和青年連合たんぽぽ、草の根ムーブメントなど）の全面バックアップを受け、多くの信者を運動員として使い選挙運動を展開、知名度ゼロの無名候補からトップ当選を果たし足立区議会議員となった民主党の長谷川たかこ（貴子）氏。次々と発覚した統一教会とのただならぬ関係についての一連の疑惑を報じた本紙に対し、長谷川氏は政権与党（当時）民主党中央本部の顧問弁護士を筆頭に9人の弁護士の連名による催告書を本紙記者に送信、訴訟恫喝を仕掛けてきた経緯がある。
民主党への逆風の中で行なわれた2011年の区議選でも4位で当選を果たした長谷川氏は、2期目の任期を1年残し2014年12月、衆院選に立候補（足立区議は自動失職）した。2011年年当時の民主党東京都第13区は総支部長の平山たいろう衆議＞大西さとる都議＞長谷川たかこ区議という序列ラインだったため、“3P不倫”スキャンダル報道後に平山たいろう氏が離党した現在は、本来の序列からして大西都議が衆院選に立候補するやに思われたが、民主党は民主党東京都第13区総支部長として長谷川氏を抜擢、自民党の鴨下一郎氏への対抗馬として衆院選に担ぎ出した。

選挙戦最終日の12月13日、記者は長谷川氏を直撃するため選挙事務所のある足立区梅島へ赴いた。選挙事務所スタッフによると、選挙運動が終わる20時前に長谷川氏が梅島駅前で最後の街頭演説を行なうという。足立区梅島といえば、日々偽装勧誘に勤しむ統一教会の信者が共同生活をする合宿所「ホーム」ばかりか「対策ハウス」「対策アパート」と呼ばれる親対策の偽装アパートまであるという統一教会所縁（ゆかり）の街だ。

体調不良を押して現地で張り込む記者。しかし漸く到着した長谷川たかこ選挙カーに候補者本人の姿はない。体調不良で帰宅した長谷川氏に替わって大西さとる都議が熱弁を奮う。

選挙カーに長谷川たかこ候補は不在

自分の頭越しに党公認衆院選候補者となった長谷川氏への投票を呼びかける大西都議。その心中は如何なるものか。

自分の頭越しに衆院選候補者となった長谷川たかこの代理で演説する大西都議

2007年の足立区議選で、アベル（上司）の指示もあり「統一原理を受け容れた長谷川さんを応援すれば摂理が進む」との思いから身を削って選挙運動に参加した大勢の統一教会信者。彼らを「大量の選挙ビラ配りやポスター貼り、雨天時の傘さし要員として散々利用するだけ利用（元統一教会信者談）」しておきながら、関係を指摘された途端に「初めて聞きました。関係ありません」「統一教会だとは知らなかった」と、それまで支えてくれたその信者らを切り捨てて幕引きを図ったばかりか、疑惑を報じたメディア側をも訴訟恫喝するという“暴挙”に出た長谷川氏サイド。
政治家としての出発点に消せない汚点を刻んだ長谷川氏を、本紙は今後も“注目”してゆく。

東郷哲也が来賓挨拶、鳩山邦夫が祝電を打った統一教会イベント

◆東郷哲也(43歳／愛知2区／前衆議)【自民党・青年局次長】比例区東海ブロック復活ならず

今年9月、千葉の幕張メッセで開催された統一教会の青年イベントに来賓出席し壇上から挨拶をしたのが衆議院議員（当時）の東郷哲也氏だ。

この東郷衆議、本紙が当該スクープ記事を報じた後に、東郷氏の学生時代の先輩に当たるという元武蔵野市議が記者との共通の知人を介して本紙に以下の働きかけをしてきた。

「東郷議員が『あの記事から、東郷哲也の名前を削除してほしい。あれでは信者だと思われてしまう』と言っている。対応していただくことは可能でしょうか？」

記者は「『ご要望があるなら、直接やや日刊カルト新聞宛てにメールで構わないので文書でください。内容が面白ければそれをまた記事にしますから』と東郷議員に伝えてください」と回答した。以降、東郷氏から要望書は届いていない。


◆中山義活（６９歳／東京2区／元衆議）【民主党】比例区東京ブロック復活ならず

・2011年12月、都内で開催された統一教会系政治団体の全国集会に参加、来賓として挨拶

◆田母神敏雄（66歳／東京12区／新人）【次世代の党／元自衛隊航空幕僚長】比例区東京ブロック復活ならず

・2009年5月、沖縄県で統一教会機関紙・世界日報が実質主催した講演会で講演

～落選　→　比例ブロック復活当選～

◆秋元司（43歳／東京15区／前衆議）【自民党】比例東京ブロック復活当選

・参議院議員時代の2010年2月、統一教会関連政治団体・世界戦略総合研究所の定例会で講演
・同年5月、参議院決算委員会で統一教会が推し進める“拉致監禁キャンペーン”に則った立場で質問をしたとして非難を受ける。秋元氏は「あれはアレフのことを質問しただけだ」と統一教会との関係を否定しているが、ある統一教会本部関係者は「支援している、そうでなければ国会であんな質問しない」と明かす

◆義家弘介（43歳／神奈川16区／前衆議）【自民党】比例南関東ブロック復活当選

・2010年6月、統一教会関連政治団体・世界戦略総合研究所の定例会で講演

『統一教会のダミー団体「世界戦略総合研究所」』サイトより

◆長島昭久（52歳／東京21区／前衆議）【民主党・元防衛副大臣】比例東京ブロック復活当選

・2011年5月、統一教会系のワシントンタイムス紙に掲載された全面意見広告に賛同者として名を連ねる

◆下地幹郎（53歳／沖縄１区／元衆議）【維新の党／元国民新党幹事長】比例九州ブロック復活当選

・国民新党幹事長時代の2010年12月、、統一教会系団体・全国拉致監禁被害者の会が行なった“拉致監禁キャンペーン”デモ行進で秘書がデモ隊の請願書を衆議院面会受付所前で受け取る

～当選～

◆山際大志郎（46歳／神奈川18区／前衆議）【自民党】

・2011年12月、都内で開催された統一教会系政治団体の全国集会に参加、来賓として紹介を受ける

◆白石徹（58歳／愛媛3区／前衆議）【自民党】

・ 2011年1月、統一教会系政治団体・世界平和連合の事務総長からマンツーマン原理講義を受け「宇宙の真理」について学ぶ
・2012年1月、世界平和連合の事務総長の講演会で世話人として挨拶
・2013年、世界平和連合のメンバーと韓国麗水万博へ旅行

世界平和連合に作ってもらった後援会の発会式で熱唱する白石徹（白石徹のブログより）

・2013年3月、世界平和連合による講演会・愛和会の総会で教祖・文鮮明夫妻の写真が飾られた壇上から「皆さんのおかげで当選できた」「なんなりとお申し付け下さい」と挨拶＝「統一教会の御用聞き」と呼ばれる　

文鮮明夫妻の写真の横で挨拶する白石徹

◆鳩山邦夫（66歳／福岡6区／前衆議）【自民党】

・2014年9月、幕張メッセで開催された統一教会主催青年イベントに祝電


◆萩生田光一（51歳／東京24区／前衆議）【自民党・総裁特別補佐】

・2014年10月、都内で開催された日本統一教会徳野英二会長の講演会に出席、来賓として挨拶

◆稲田朋美（55歳／福井1区／前衆議）【自民党・政調会長】

・2006年4月、統一教会系の女性団体・世界平和女性連合福井県連合のつどいで講演
・2009年11月、福井県職員会館で開催された統一教会計政治団体・世界平和連合福井県大会で講演
・2010年4月、世界平和女性連合福音連合会の『春のつどい』に出席、講演

（稲田朋美のブログより）

◆安倍晋三（60歳／山口4区／前衆議）【自民党総裁／内閣総理大臣】

統一教会幹部と握手する安倍晋三

 ・2006年、官房長官時代に統一教会系団体・天宙平和連合（UPF）の合同結婚式を兼ねたイベントに祝電
・2010年2月、 統一教会関連政治団体・世界戦略総合研究所の定例会で講演
・2011年5月、統一教会系のワシントンタイムス紙に掲載された全面意見広告に賛同者として名を連ねる
・2013年7月の参院選全国比例区で、同郷の北村経夫を当選させるために「日本統一教会徳野会長と取引をした」と北村候補への期日前投票を指示された同教団信者たちに伝わる


◆菅義偉（66歳／神奈川2区／前衆議）【自民党／内閣官房長官】

・2013年7月の参院選の運選挙動期間中に、安倍晋三総理肝いりの候補者だった全国比例区の北村経夫が極秘に統一教会の福岡県内の地区教会2箇所で礼拝に参加し講演を行なった件で、その“仕切り”をしたとされる

教会地区教会から北村経夫事務所へ送信されたFAX
選挙事務所の担当者は「菅官房長官の仕切り」と証言

◆麻生太郎（74歳／福岡8区／前衆議）【自民党／元首相】

・2011年5月、統一教会系のワシントンタイムス紙に掲載された全面意見広告に賛同者として名を連ねる

◆保岡興治（75歳／鹿児島1区／前衆議）【自民党・元法務大臣】

・2000年に法務大臣の秘書官として統一教会信者を登用
・2006年、統一教会系団体・天宙平和連合（UPF）の合同結婚式を兼ねたイベントに祝電
統一教会顧問弁護士を務めた稲見友之氏と『敬天総合法律事務所』を運営
妻が霊感商法商品の壺を購入、熱心に統一教会の集会に出席していたとされる

◆高村正彦（72歳／山口1区／前衆議）【自民党・第13代自民党副総裁】

・弁護士時代に日本統一教会の訴訟代理人を務める。1989年、統一教会の霊感商法商品取扱い会社・ハッピーワールドから高級車の提供を受ける

◆亀井静香（78歳／広島6区／前衆議）【無所属／元国民新党代表／元金融担当相】

・2009年、統一教会系の印鑑販売会社・新世の特商法違反事件の際、統一教会系政治団体・国際勝共連合の梶栗会長（当時）に頼まれ、日本統一教会松濤本部への“ガサ入れ”を阻止したとされる元警察官僚

◆前原誠司（52歳／京都2区／前衆議）【民主党・元代表／元外相】

・2011年5月、統一教会系のワシントンタイムス紙に掲載された全面意見広告に賛同者として名を連ねる

安倍晋三、麻生太郎、前原誠司、長島昭久らが名を連ねた統一教会系新聞・ワシントンタイムスの全面広告

～番外編～

◆若狭勝（58歳／比例東京ブロック当選／新人）【自民党／弁護士・元東京地検公安部長】

・2013年7月の参院選全国比例区で「統一教会による約8万票の上積みで当選した北村経夫」のあおりを喰って次点で落選。その雪辱を果たす。「去年のトラウマが悪夢のように頭をよぎった」と安堵


◆本紙【カルトと政治】シリーズ記事を担当する鈴木エイト記者は語る

「来年1月4日に阿佐ヶ谷ロフトで開催される【やや日刊カルト新聞新年会～創刊5周年記念！これからどうなるカルト新聞!?～】では、今回の記事には書けなかった政治家のスキャンダル話を暴露します。興味のある方は是非、1月4日のカルト新年会に御来場ください」

（文中敬称略）

参考資料：

長谷川区議側の言動・行動の変遷

本紙関連記事：

統一協会・新世　霊感商法事件

［カルトと政治］統一協会系政治団体の全国集会に参加した２人の現役国会議員

［カルトと政治］足立区議選に見るカルトの影（１）

［カルトと政治］足立区議選に見るカルトの影（２）

［カルトと政治］足立区議選に見るカルトの影（３）

［カルトと政治］足立区議選に見るカルトの影（４） 

ピースレンジャーと統一協会イベントに参加していた足立区議

足立区・長谷川貴子区議が記事削除を求め本紙を恫喝＝本紙は拒否回答

統一協会「反拉致監禁」キャンペーンにつるむ国会議員たち

第46回衆院選、本紙注目の候補予定者一欄（統一教会編）

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週刊朝日に『安倍帝国vs宗教』が掲載。創価学会や統一教会についても言及

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