福島みずほ氏・SEALDs本間信和氏らに公選法違反疑惑＝参院選・石川

柴田氏への投票を呼びかけた「いしかわ市民連合」のデモ

5月29日に金沢市内で行われた「いしかわ市民連合」のデモについて、弁護士から公職選挙法の「事前運動禁止に違反する可能性が高い」等の指摘が上がっています。デモでは、社民党・福島みずほ副党首やSEALDs・本間信和氏らが公道で、野党4党が石川選挙区推薦する柴田未来（しばた未来）氏への投票を呼びかけていました。柴田氏は、浄土真宗親鸞会の信者で偽装勧誘にも関与していましたが、特に反省もないまま選挙対策のために脱会したと表明しています。公職選挙法は、カルト信者や元信者が立候補することは禁じていませんが、立候補の届け出前の選挙運動を禁じています。

問題となっているのは、石川選挙区の野党統一候補（予定）の柴田氏を支援する「いしかわ市民連合」が金沢市内の公道で行ったデモ行進。柴田氏本人のほか、福島氏、本間氏、法政大学の山口二郎氏らがサウンドカーの上でマイク片手に、柴田氏への投票を有権者に呼びかけました。

デモにおける各氏の主な発言は以下のとおり。

本間信和氏（SEALDs）

「福島みずほを国会に送ろう！　柴田未来を国会に送ろう！」（本間氏）

「この石川でも、みんながまとまって野党と一緒になったら、絶対に柴田さんを国会に送ることができます！」（山口氏）

「柴田未来を国会へ～！」（福島氏）

このうち、本間氏の発言はシュプレヒコールとして行われたもので、デモ参加者たち（主催者発表で200人）もこれに応えて「福島みずほを国会に送ろう！　柴田未来を国会に送ろう！」と叫んでいました。デモには18歳に満たない小さな子供たちも動員されていました。

これに関連して、デモの映像を見た紀藤正樹弁護士と山口貴士弁護士がそれぞれ、Twitter上で、こう指摘しました。

【Twitter 2016年05月31日】紀藤正樹
この映像を見ると、事前運動の禁止に触れないかが心配・・・・
石川県選挙区の話＝参考：石川県選挙管理委員会＞...

【Twitter 2016年06月02日】山口貴士
いしかわ市民連合のデモにおいて、SEALDs本間氏等が、「柴田未来を国会へ送ろう」等と叫んでいますが、事前運動禁止（１年以下の懲役若しくは３０万円以下の罰金）に違反する可能性が高い。

告示前の選挙運動は「事前運動」と呼ばれ、禁止されています（公職選挙法１２９条）。選挙運動とは、「特定の選挙について、特定の候補者に当選を得させるため、投票を得若しくは得させる目的をもって、直接又は間接に必要かつ有利な行為をすること」を意味します。

現行実務上、「～を国会に送ろう」と叫ぶことは、事前運動の禁止に該当すると判断される可能性が高いと考えます。東京都の資料参照→ http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/uploads/7-1.pdf 立候補予定者は弁護士です。思わぬところで足元をすくわれぬよう用心すべきでしょう。

柴田未来氏

山口弁護士が提示した選挙運動の定義は、総務省のウェブサイト内「現行の選挙運動の規制」でも、「判例・実例」に基づくものとして示されています。選挙運動が可能な時期、違反者への罰則についても、山口弁護士の指摘と同様の内容が総務省サイト内に掲載されています。

また、山口弁護士が示した東京都選挙管理委員会の文書では、「○○○○君を国会へ送る会」「○○党公認」「立候補予定者」といった文言も「選挙運動にあたるおそれのある文言」として列挙されています。

いしかわ市民連合のデモと同じ日の夕方には、金沢駅前で本間氏や柴田氏と共同で街宣した福島みずほ氏が、こんな発言もしています。

福島みずほ氏（社民党）

「みなさん、今度の参議院選挙、自民党・公明党に入れると、とんでもないところに連れて行かれる。だから、だから、選挙区は柴田未来、そして比例区は福島みずほ」（福島氏）

「ほんとにほんとに素晴らしい候補者、柴田未来さん、柴田未来さん」（福島氏）

特定の選挙をはっきり挙げた上で、その候補者として特定の候補予定者の氏名を挙げています。

立候補予定者の柴田氏は弁護士ですが、この福島氏も弁護士。公選法に抵触しかねない街宣をするとは、「強力女性弁護士コンビ」（福島氏）などと浮かれている場合ではありません。

本紙が石川県選挙管理委員会に問い合わせたところ、「事実関係を確認していないので、（いしかわ市民連合や福島氏の件については）何とも言えない」と前置きした上で、こう説明します。

「一般論として、特定の候補者に当選を得させるために必要かつ有利な行為であれば選挙運動に当たります。どのような発言が選挙運動にあたるのかについては、そこで使った単語だけではなく、その発言があった場面や文脈なども含めて判断します。たとえば、“投票してください”といった単語を使わなければ問題ないというものではありません」

実際に選管や警察などが問題視するレベルにあるのかどうかは、わかりません。しかし、社民党、SEALDs、いしかわ市民連合などが、カルト宗教との関係が指摘される柴田氏を応援するために、かなりギリギリの手法をとっていると言えそうです。

本紙では、特に直接的な表現だった福島みずほ氏と本間信和氏の発言について、社民党本部、SEALDs、いしかわ市民連合に見解を求めましたが、回答はありませんでした。

なお、デモや街宣における上記の発言は、YouTubeで確認できます。



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◇参考リンク
浄土真宗親鸞会被害 家族の会
さよなら親鸞会
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