幸福の科学が書籍で大川総裁の言葉を改変＝専門家は“神への冒涜”

神の言葉を改変するな！

先の参院選での公職選挙法違反の疑いに関連して幸福実現党本部が警視庁の家宅捜索を受けましたが、それに対して幸福の科学・大川隆法総裁はエドガー・ケイシーの霊を召喚。遠隔透視で家宅捜索を自公政権による陰謀と語り、その映像を全国の教団施設で上映しています。ところが、それを書籍化した『幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る』の内容のうち、大川総裁としての発言の一部が、実際の発言と違う内容に改変されていることが本紙の取材でわかりました。一部専門家の間では、「神に対する冒涜」との指摘も挙がっています。



『幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る』は、家宅捜索が行われた翌日の8月3日に収録されたエドガー・ケイシー霊言を、8月5日に書籍として緊急発刊されたもの。これについて本紙は、教団施設で上映されている『幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る』の霊言映像を拝聴し、書籍の内容と比較しました。

その結果、ケイシー霊を召喚する前の大川総裁による「前説」にあたる部分に、実際の発言とは意味が変わってしまうような改変や削除が数か所あることを確認しました。

【幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る】映像
参院選の時の、いまおっしゃったことが事実であるならば、あまりにも周到に準備しているはずですね。ですからこれは、張り込みないしは囮捜査的に入ってて。封筒渡すところを写真に撮るなんてできるはずがありませんので、あらかじめ仕掛けたか、張り込んでいて撮ろうとしてやっていたか、十分、最初から周到に仕込まれているようには思いますね。

【幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る】書籍　p.20
ですから、もし、いまの話が事実であるならば、これは、あらかじめ「張り込み」的に入るなど、最初から十分に周到に仕組まれているようには思います。

大川総裁は映像の中で、警察の囮捜査だった可能性にも言及しています。しかし書籍のほうでは、この部分が削除され「張り込み」だけに言及する内容に変わっています。

これについて、霊言に詳しい本紙・藤倉善郎総裁は、こう解説します。

「大川総裁は、地球至高神であり宇宙の根本仏である主エル・カンターレ。日本では原則として囮捜査は違法で、映像では神が違法捜査の可能性を指摘していた。なのに書籍では、この重大な指摘が削除されている。神が言い間違いなどするはずはないので、この部分を削除したのは、幸福の科学による神の言葉への検閲だ。重大な背信行為である」

次の大川総裁の発言は、この部分。

【幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る】映像
神聖な活動でございますので、土足で上がり込んで勝手に押収して、まるで犯罪でもあるかのように報道していいような案件ではないわけです。

【幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る】書籍　p.24
神聖な活動でございますので、そこに〝土足〟で上がり込んで勝手に物を押収し、まるで重大な組織犯罪でもあるかのように報道してよい案件ではないはずです。

映像で神は「まるで犯罪であるかのように報道していいような案件ではない」と断言しています。つまり神は「犯罪ではない」とおっしゃっているわけです。ところが書籍では、「犯罪」が「重大な組織犯罪」という条件付きの表現に変えられた上に、「はず」と遠慮がちな表現にされてしまっています。

【幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る】映像
もちろん私の方はテレンス・リーなんて、そんなような存在そのものを知りませんし、これが日本人だったなんていうのも記事を読んで初めて知ったぐらいで、全く存在も知りませんし、幸福の科学も幸福実現党も、こんな人に応援してほしいなんていう、そんなお願いをしたことは一度もございませんので。たまたま人間関係とか誰か知り合い関係といったのか知りませんが、思想的に近いのかどうかも私は存じ上げません。

【幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る】書籍　p.25
私のほうは、テレンス・リー氏などという人は、もちろん、存在そのものも知りませんでしたし、この人が日本人だったというのも、記事を読んで初めて知ったぐらいでした。たまたま誰かの知り合い関係で行ったのか、思想的に当会に近いのかどうかも、私は存じ上げません。

映像で神は、「テレンス・リーなんて知らねえし、そんなヤツの応援なんて頼んでねえよ」とおっしゃっています。なのに、この部分がきれいさっぱり削除されています。

本紙・藤倉総裁のコメントです。

「テレンス・リーさん見てますか？　神様からこんな言われようですけど」

これらは全て、エドガー・ケイシーの霊を召喚する前に神である大川総裁自身の言葉として語られた部分です。ケイシー霊言の部分も改変されている部分は少なくありませんが、多くは、言葉を補足したり整えたり、ケイシー霊や質問者の教団職員が映像で呼び捨てにしていた人物名に敬称を付けたり、特定の人物に対する職員の暴言を削除するといったものでした。

たとえば、酒井太守・幸福の科学宗務本部担当理事長特別補佐がケイシー霊に質問した際の発言。

【幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る】映像
菅、麻生、安倍、この辺りの神仏の意向を冒涜するようなこの連中の、将来のビジョンをリーディングしていただけますか。

【幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る】書籍　p.123
菅氏、麻生氏、安倍氏などの未来をリーディングしていただけないでしょうか。

神でもないたかが教団職員が、首相をはじめとする政府関係者を呼び捨てにし「この連中」などと呼ぶのは、やりすぎだったということでしょうか。

これに対するエドガー・ケイシー霊の返答も、内容が変わっている部分がありました。

【幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る】映像
エドガー・ケイシー　東京を中心にこれから非常に具合の悪いことは続くでしょうね。それから麻生、麻生自身だけでも十分こたえてるんじゃないですか、本当は。麻生だけで、数兆円規模の対策を打たなきゃいけなかったんでしょ？　これは大変な被害ですよね。

【幸福実現党本部　家宅捜索の真相を探る】書籍　p.123
　いや、東京を中心に、これから非常に具合の悪いことは続くでしょうね。
　まあ、熊本の地震だけでも十分にこたえているんじゃないですか、ほんとは。それだけで、一兆円規模の対策を打たなきゃいけなかったんでしょう？　これは大変な被害ですわね。

映像の発言だけだと、麻生氏がなぜ何に対して「数兆円規模の対策を打たなきゃいけなかった」のか、さっぱり意味がわかりません。しかし書籍と比べることで、これが熊本地震のことを指しているのだということがわかります。

つまりエドガー・ケイシー霊は、「熊本地震で数兆円規模の対策だって、麻生太郎ザマアw」みたいなことを言っているわけで、これはこれで意味不明な暴言です。書籍では「麻生」を「熊本の地震」に改変したため、暴言ではなくなりました。しかし代わりに「菅氏、麻生氏、安倍氏の未来をリーディングして」という職員の質問に対してケイシー霊が熊本地震について語りだすという、支離滅裂な会話になってしまっています。

収録から2日で書籍化され全国の支部に出回るという幸福の科学の仕事の速さには驚かされますが、スピード出版だけに作りは荒っぽいということでしょうか。

本紙・藤倉総裁のコメントです。

「書籍の内容が実際の神の言葉と違うなら、こんな物理的にも内容的にも薄っぺらい本に1400円+消費税を払う意味がなくなってしまう。神の言葉を読むために書籍を買う信者たちが気の毒だし、何よりも神に対する冒涜だ。神は、今回の警察の捜査が違法である可能性を指摘し、応援演説者への買収は犯罪ではないと、香ばしいトンデモ発言をなさっている。これが神の意志である。同情はするが、これが、あなた方の信じる神なのだ。こうした神の言葉を違（たが）えることなく正確に人々に伝えることが、幸福の科学でいう“仏弟子”の勤めではないのか」

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