2022年3月18日金曜日

“宗教2世”マンガが連載終了 集英社の対応に批判の声

集英社「よみタイ」より
 集英社は3月17日、同社が運営するウェブサイト「よみタイ」上で、菊池真理子氏のマンガ『「神様」のいる家で育ちました ~宗教2世な私たち~』の連載終了を発表した。集英社は今年2月、連載第5話の幸福の科学2世の体験談を掲載直後に削除。「第5話についてはあたかも教団・教義の反社会性が主人公の苦悩の元凶であるかのような描き方をしている箇所がありました」などとする謝罪文を掲載し、第1~4話も全て削除していた。


幸福の科学からの抗議か

 同連載は、昨年9月にスタート。タイトルの通り、様々な宗教団体の「2世信者」として育った人々の体験談を描くノンフィクションマンガで、毎回1人ずつ違う団体出身の元信者が登場していた。

 今年1月26日に第5話として、団体名は伏せられていたものの幸福の科学の元2世信者が登場。信仰熱心な親との関係等とあわせて、幸福の科学学園での体験等も描かれていた。

 しかし集英社は2月1日に、この第5話を削除。2月10日には幸福の科学と何の関係もない第1~4話も全て削除し、第5話が掲載されていたページに〈あたかも教団・教義の反社会性が主人公の苦悩の元凶であるかのような描き方をしている箇所がありました〉〈結果として特定の宗教や団体の信者やその信仰心を傷つけるものになっていたことは否めません〉などとする謝罪文を掲載した。

関連記事:集英社が“宗教2世”の体験談マンガ連載を全削除 きっかけは幸福の科学2世の体験談

 集英社側は、幸福の科学からの抗議があったかどうか公表していないが、共同通信の取材に対して〈信仰心を傷つけられたと受け止めた方がいた〉と答えている。作者や作品に登場した当事者からの要望ではなく外部からの働きかけがきっかけであることから、幸福の科学からの抗議によるものである可能性が高い。

参考:よみタイの連載「宗教2世」、公開終了 集英社「信仰心傷つけた」(毎日新聞)


菊池氏が連載終了の経緯を説明

 この間、作者の菊池氏と集英社との間で話し合いが行われていたようだ。連載終了を受けて、菊池氏がTwitterで事情を説明した。話し合いの中で菊池氏は集英社から、元信者1人の話を元に描くのは取材不足であり、「嫌な思い出しかなかったような描き方は現役信者を傷つける」といった趣旨のことを言われたとしている。この点について菊池氏は、こう反論している。


 その上で菊池氏は、集英社に対して自ら連載終了を申し出たことを明かした。


 連載再開の可能性も含め話し合っていたものの、集英社側の方針に従うと作品の本来の内容を維持できず、妥協点が見つからなかったということのようだ。担当編集者の「板挟み」に言及している点から、集英社の方針と現場担当者の認識の隔たりも垣間見える。

 一方で菊池氏は、一連のツイートをこう締めくくっている。


 別の場所での発表を模索しているようだ。


集英社の対応に批判の声

 作品が削除された直後からTwitter上では、「#菊池真理子先生の宗教2世漫画を読ませて下さい」「#集英社は菊池真理子先生のマンガを消さないで」などのハッシュタグで、連載再開を求める声が多数あがった。

 今回、連載終了が発表されたことで、改めて集英社の対応を批判する声があがっている。幸福の科学や「2世問題」について論文発表等の実績を持つ宗教社会学者の塚田穂高氏は、Twitterでこう指摘している。


主張:表現の自由を放棄した集英社は歴史的反面教師だ

 集英社の対応は団体側からの抗議を恐れてのものと思われるが、集英社が特に繰り返し強調しているのが「信仰を持っている人を傷つける」という論理だ。菊池氏も塚田氏も、この点に強い反発を示している。現役信者や団体を「傷つけない」ことを最優先の判断基準とするのであれば、信仰によって傷つけられた人たちの声は発信できない。

 教団側には信教の自由だけではなく、信仰をめぐる美談をたとえ創作や思い込みや誇張があったとしても発信する「表現の自由」がある。特定の団体を「カルト」として批判する人々ですら、団体側の発信を批判することはあっても、表現を不可能にさせる威嚇や妨害活動は展開していない。

 これに対して、信仰をめぐって傷ついた側の発信が自由に行えないのは、あまりにアンバランスだ。ましてや、出版社自身が団体側を「傷つけない」ことを優先し作家を萎縮させるのは、「表現の自由の放棄」どころか団体側の「表現弾圧の手先」になるに等しい。

 クレーム対応にかかるコストと作品発表の意義とのバランスを考慮し妥協することは、商業メディアでは当然のことではある。しかし、団体側からのクレームがあったわけでもない回も含めて全て削除し、さも作品に問題があったかのような全面降伏の声明文まで出すのは、常軌を逸している。

 仮に、菊池氏が今後別の場で作品を発表し、幸福の科学に限らずどこかの団体がクレームを付けた場合、団体側は「集英社がこうして非を認め謝罪したような作者や作品を採用した責任」を声高に叫ぶだろう。少なくとも幸福の科学なら必ずそうする。全く別の人物による表現についてすら、教団が今回の件を活用して抗議する可能性は大いにある。集英社の対応は、将来にわたって広範囲に「表現の自由」の足を引っ張りかねない。

 集英社に、妥協しつつも作家や作品や取材協力者を守る意識があれば、ここまで極端にはならないだろう。現場の担当編集者はこれらを守ろうとしたからこそ「板挟み」になったのだろうから、集英社は自社の編集者をも苦しめたことになる。言うまでもなく、連載に期待を寄せていた読者も蔑ろだ。

 加えてに問題なのは、集英社が「両論併記」論を振りかざして個人の体験談というフォーマットそのものを否定している点だ。塚田氏の指摘通り、「社会学等におけるライフヒストリーアプローチを全否定」だ。アカデミズムに限らない。事実上、2世自身の手による手記の出版等の意義も否定するに等しい。集英社は、自ら表現の自由を放棄することで、歴史的反面教師の地位を手に入れた。

 表現を守る最も有効な手段は、表現を続けることだ。

 「もうちょっとあがきますね」という菊池氏には、ぜひ別の場所で連載を再開してほしい。本紙も協力を惜しまない。

6 コメント:

匿名 さんのコメント...

この作品を読みたかったです。ぜひやや日刊カルト新聞で最初から見せていただきたいと思います。
しかし出版社はおかしいです。これじゃ北朝鮮から脱北してきた人が、北朝鮮はこんなに貧しくひどい場所だと書いた本を出すのもいけないことになります。主体思想を信じている人を傷つけないように配慮するより、北朝鮮の貧しさや自由のなさを発信する方が大切です。主体思想を信じる人は、その手の本を読まずに北朝鮮プロパガンダ本だけ見ていればいいだけの話です。見る自由もあれば見ない自由もあります。信者にこう言いたいです「いやなら見なきゃいい」。

匿名 さんのコメント...

今思いついたのですが、二世シリーズをコミケで売ってはいかがでしょう?(情報・評論でスペースをとるのも難しいと思いますので、やや日刊カルト新聞のスペースを借りるとか)
ちゃちなコピー本でもかまいません。読みたい人はオフセットでなくても買います。本は内容が大切なのですから。

匿名 さんのコメント...

https://creators.yahoo.co.jp/nagatsukayo/0200206184

匿名 さんのコメント...

公式サイトは削除されても、内容をコピーした魚拓を読むことはできますよ。「まりめっこ
@mrmk0120」という人のサイトです。
https://nitter.net/i/status/1492929215200591872

Ubnutu初心者 さんのコメント...

本作品を画像化PDF化(画像化していないと、Googleなどによって端末の日本語システムフォントに捻じ込まれた大陸の簡体字が表示されて、日本語が読めないから)したうえで全既刊分だけでも無料配布し、ネットを通じてばら撒くのがいいでしょう。
そうして内容を世に問うのです。「この内容は本当に教団側の言うとおりなのか?」と。

現状、幸福疑似科学邪教などの破壊的カルト教団は日本全国を制圧してはいない。まだ、無宗教/未入信日本国民の方が数は多い。この人達を味方に引き入れれば対抗できます。

Shapemyhoouse さんのコメント...

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