鈴木エイト主筆の統一教会ルポが緊急発刊

　本紙・鈴木エイト主筆の初の単著『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』が小学館から緊急発刊されることが21日、わかった。発売は岸田文雄首相が勝手に決めた安倍氏の国葬の前日、9月26日。すでにAmazonなどで予約受付が開始されている。

　参院選のさなかの7月8日、安倍晋三元首相が暗殺された。現行犯逮捕された山上徹也容疑者は、自身の母親が統一教会信者であり、教団への恨みから、教団と近しい安倍氏を狙ったと供述していると報じられている。

　山上容疑者が安倍氏と統一教会の関係を強く意識したきっかけの1つに、昨年9月の安倍氏による統一教会関連団体「天宙平和連合」（UPF）イベントへのビデオ出演があると見られる。当時、安倍氏の出演をあらゆるメディアに先んじて本紙でスクープしたのが、鈴木主筆だった。

　鈴木主筆は本紙「やや日刊カルト新聞」に2009年の創刊時から参加。統一教会が正体を隠して勧誘活動をするための施設や、路上での偽装勧誘の現場などに突撃取材を繰り返した。また政治家との関わりについても取材し、政治家への直撃取材も行った。その過程で、マザームーン山本こと山本朋広衆議院議員への取材中に警察を呼ばれ、一時警察車両に拘束されたこともある。カニメロン菅原こと菅原一秀・元経産相への取材では、事務所に取材を申し入れに行っただけで建造物侵入罪だとして本紙・藤倉善郎総裁とともにカニメロン側から刑事告訴されたこともあった（不起訴）。

　鈴木氏は本紙以外の一般メディアでも、統一教会問題や2世問題に関するルポを執筆。特に2014年創刊の扶桑社「ハーバー・ビジネス・オンライン」（2021年に配信停止）でも、多数執筆した。

　統一教会に限らず「カルト問題」はメディア上でタブー視され、記事を発表できるメディアは年々減っていた。そんな中でも「政治家と統一教会の関わり」について現場に足を運んで取材し続けた、おそらく日本で唯一のジャーナリストと言える。

　今回発刊が決まった書籍は、こうした取材の蓄積を元に、安倍氏の事件以前から鈴木主筆が出版を目指して原稿をまとめていたものがベースとなっている。本紙・藤倉総裁は、こう語る。

「もともと鈴木氏の書籍は、カルト問題や統一教会問題をタブー視する出版業界の壁に阻まれ、出版の見通しが立たずにいた。安倍氏暗殺事件によって鈴木氏が大きく注目され、出版が実現したようだ。しかしこの書籍は、事件が起こっていなくても、出版さえされていれば大きな話題になったはずの内容。いまの統一教会騒動や政治家との関わりが、どのような形で決着するにせよ、数十年後に振り返る際にも必読の資料となる書籍だ」

　自民党と統一教会との関わりは、国際勝共連合設立の1960年代にまでさかのぼる長い歴史がある。しかし2000年代に一時距離ができ、第2次安倍政権下で再び強まった。鈴木主筆の取材期間は、安倍政権下で両者の関係が新たな局面を迎えたまさにその時期と重なる。

　書籍発刊日は、よりによって、岸田文雄首相が勝手に決めた安倍氏の国葬の前日だ。

鈴木主筆のコメント：

「この本には約10年にわたる取材の蓄積が詰まっています。第2次安倍政権におけるカルトと政治の問題の本質は、継続した流れとして見ないと捉えきれません。この書籍の内容は読者の方々の抱く疑問に最大限応えるものになっていると思います」