幸福の科学学園関西校周辺で、反対のぼり巡りトラブル続発

昨年春に幸福の科学学園関西校が開校し、いまだに住民の反対運動が続いている滋賀県大津市仰木の里地区で1月15日夜から16日朝にかけて、幸福の科学進出に反対する住民ののぼりが盗難にあう事件が発生。また同日、反対派住民を非難する別ののぼりが盗難現場周辺の公道に4本が違法設置されているのが発見され、市の職員によって撤去されました。

盗難にあったのは、地元住民宅に設置されていた「STOP 断固反対！幸福の科学グループ進出」と書かれたのぼり2本。地元住民によると、この家では正月休みの間にものぼりが盗まれており、1月12日に再設置したばかりでした。

また、幸福の科学に反対するのぼりが盗まれたのと同じ1月15日夜から16日朝にかけて、盗難現場周辺約200メートルの範囲内に、4本の違法なのぼりが設置されていることが出勤途中の住民からの通報で判明。

住民が設置している学園反対ののぼり

違法のぼりは、従来掲出されていた「STOP 断固反対！幸福の科学グループ進出」とは別のもので、教団に反対するのぼりを非難する内容。

「あなたの街の景観は？　これが良識ですか　この狭い住宅地　のぼり800本　まち連自称　通りすがりの人がこの街異常だと！　仰木の里街並みを真剣に考える会」

と印刷されていました。教団に反対する住民ののぼりが各住民宅の敷地内に設置されているのに対して、これを非難するのぼりは、市道上にスタンドとともに設置されていました。

違法のぼりを撤去する大津市職員

路上に設置された4本ののぼりは、住民からの通報でかけつけた大津市職員が、不法設置として撤去しました。

幸福の科学の進出に反対してきた地元住民は、本紙の取材に対してこ語ります。

「仰木の里街並みを真剣に考える会という団体は、初めて聞いた。道路という、自分の管轄ではない公の場所に自分の主張を表明するのぼりを置くのはおかしい。盗難の件もあるので、地域での監視を強めていきたい」

仰木の里では、幸福の科学学園関西校の開校計画が明らかになった直後の2010年末から、地元住民による反対運動が行われてきました。反対署名は約30800人分にのぼりましたが、学園側は住民からの質問に答えず、住民側が求める説明会の開催も拒否。住民との日程調整も行わずに一方的に開催する「対話会」を開いては住民から無視され、さらには学園の林正敏副理事長が教団イベントで住民を「最強最大の敵」などと罵ったことが発覚するなど、地域との対話が行われないまま2013年春に開校しました。

違法のぼりを撤去する大津市職員

これに対して住民側は、個別の自治会のほか、地元自治連合会や連合会に加入していない自治会で作る「仰木の里まちづくり連合協議会」などが学園開校に反対する決議や声明を発表。開校前から、「STOP 断固反対！幸福の科学グループ進出」とするのぼりが学園周辺の民家に掲出され、開校決定後も900本を超えるのぼりが掲げられています。

一方学園側は、開校後、学園生との保護者らが大津市に対してのぼりを撤去させるよう求めているほか、法務局人権擁護委員会に対して申し立てを行うなどしており、のぼりをめぐって学園と周辺住民との緊張が高まっていました。

幸福の科学では2013年2月、教祖であり学園創設者でもある大川隆法総裁が信者向けの講演の際に「（幸福の科学学園受験生の）保護者が地元の反対運動を抑えこむと、補欠合格の順位が上がったりする」といった旨の発言もしています。

しかしのぼりの盗難事件については容疑者が特定されておらず、違法のぼりについても設置主は現時点ではわかっていません。