■44万円で運動員を“買収”?
【毎日jp 2010年03月24日】公選法違反:衆院選立候補者買収で有罪判決--仙台地裁 /宮城
09年8月の衆院選に幸福実現党公認で立候補し、選挙運動員に現金を渡したとして公職選挙法違反(買収など)の罪に問われた栗原市若柳の経営コンサルタント、氏家次男被告(61)に対し、仙台地裁(吉野内謙志裁判官)は23日、「当選目的で投票を依頼した」として懲役10月、執行猶予3年(求刑・懲役10月)を言い渡した。
また、氏家被告から報酬を受け取った女(32)に対しては同日、求刑通り罰金20万円、追徴金14万6000円を言い渡した。
判決によると、氏家被告は衆院選宮城6区から出馬した際、公示前に自身の氏名や顔写真を記載した「個人ビラ」を戸別訪問で配布。運動員3人に報酬として計44万円を支払った。女は有権者に氏家被告への投票を依頼し、報酬14万6000円を受け取った。
判決後に会見した氏家被告の弁護人は「選挙運動に素人だったため、法規制を知らなかった」などと弁明した。【垂水友里香】
上記記事の最後の弁護人コメントが何を指しているのかは、あとで詳しく説明します。幸福実現党の広報担当者に確認したところ、判決の内容にかんしては新聞報道のとおりで間違いないとのこと。しかし同党は、判決後の記者会見で、メディアに向けて声明文を配布しました。その内容は新聞では全く報じられておらず、なぜか幸福実現党のサイトにも掲載されていないようです。全文を掲載します。
【幸福実現党NEWS RELEASE 2010年03月23日】仙台地裁 判決について
本日の判決に対するコメントは以下の通りです。
今回の判決は、まったく不当で、国民の政治参加の自由を奪うものだと思っております。
候補者自身も、初めての選挙活動で未熟な点はあったかもしれませんが、買収の意思などあろうはずもなく、今回の立件及び判決は、新人の立候補を阻む、まったく誤ったものだと思います。これでは、選挙プロの現役か二世候補しか、立候補できなくなり、日本の政治はますます 貴族制になってしまいます。小沢幹事長の億単位の献金問題への対応と比べ、今回の検察対応は、非常に対照的ではないでしょうか。裁判所、検察当局には、国民の期待に応える適切な法適用を期待します。
幸福実現党 幹事長 林 雅敏
■当選目的ではなかった?
幸福実現党は判決後の記者会見で、上記の声明文のほか、裁判の概要を検察側・弁護側双方の主張を記載した「事案の概要」と、双方の主張の対照表「争点の整理」各1枚の文書を配布しました。これによると、氏家氏が運動員に計44万円を支払い、運動員が衆院選の公示前に個別訪問で有権者に氏家氏の顔写真と氏名が印刷されたビラを渡したという事実関係については、検察側の主張どおり事実であると氏家氏側も認めています。
検察側は、氏家氏が公示前に運動員に選挙運動を行わせ(公職選挙法第129条違反)、当選目的で選挙運動者に金銭を供与した(公職選挙法第221条1項1号違反)として、これを「事前運動」「買収」と主張。さらに、違法性を十分認識していたと主張していました。一方の氏家側は、金銭は渡したが当選目的ではないので「選挙運動」ではなく「(通常許される)政治活動」であると主張していたようです。同党の広報担当者は本紙の取材に対して、こう説明しています。
「(通常の)政治活動では、運動員にアルバイト代を支払っても違法ではない。今回の件は当選目的の行為ではないから事前運動ではないというのが、こちらの主張でした。事前運動でないなら、アルバイト代を支払っても買収にあたらないので無罪だと。当人(氏家氏)には違法性の認識もありませんでした」(広報担当者)
当選目的でなくビラを配る候補「予定」者がいるものなのでしょうか。
「実は氏家氏は当時、事務所に幸福実現党の看板も出しておらず、政策ポスターすらも貼っていなかったんです」(広報担当者)
え……? 選挙直前だったのに?
「いや、(幸福実現党の)ほかの候補者は、そんなことはありませんでしたよ。氏家氏だけです。ただ、実際そういう状況だったので、(その時に個別訪問で氏家氏のビラを配っても)当選目的であるはずがないんです。本人のうっかりミスで違法ビラを撒いてしまったのは事実ですが、違法性の認識もなかった。運動員には党の(アルバイト代支払いの)領収書まで出していたんです。違法性の認識があったら、そんな領収書出しませんよ」(広報担当者)
それが事実なら、氏家氏側の主張も筋が通っていそうですが、それはそれで何だかお粗末な。
■ちゃんとマニュアルで注意してたのに……
本紙・藤倉は今年1月、夏の参院選での候補者擁立を発表した幸福実現党の記者会見で、「選挙違反で逮捕者も出たが、参院選では選挙運動に関して変更や見直しは?」と尋ねました。このとき、林雅敏幹事長の答えは、こうでした。
「警察から指摘を受けた件数は数十件ありましたが、全国では6000件近くあったと聞いています。その割合からすると、初めての挑戦としては、きちっと法令にのっとった選挙戦ができたのではないかと思っています。逮捕者の件については、我々としては冤罪であるという主張で闘っています」
同じ質問を、今回の有罪判決後に党の広報担当者に投げかけてみました。
「もちろん、指導を徹底して適正な選挙をこころがけるつもりです。もともと昨年の衆院選でも、マニュアルには(公示前に顔写真や氏名入りのビラをまかないようにといった)注意は書いてあったんです。氏家氏も、その部分を読んでマークまでしてあったのですが……」(広報担当者)
マークはしてあっても、頭には入っていなかったようです。選挙の素人だからということに加え、初めての選挙で、しかも党結成から3カ月も経たないうちに、「候補者数では第一党」という規模の候補者(337人)を投入したことも、アダになったと言えるかもしれません。
「候補者への指導をどう徹底するかは、なかなか難しい面はあります。でも(昨年の)衆院選では300人以上の候補者がいたわけですが、次の参院選の候補者は50人ですから。衆院選に比べればまだ……」(広報担当者)
有罪判決を受けた氏家氏が控訴するかどうかは、本人とも相談しつつ検討中とのことです。
1 コメント:
言い訳がましいな。
開業して間もない飲食チェーン店で各店舗での接客態度がなってなかったらどんなにうまかろうが寄り付かないぞ。
そんな言い訳などするなら、政治業進出なんか止めてしまえ。
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