2019年1月16日水曜日

三重の麻疹集団感染、発生場所はMC救世神教の中高生2世信者研修会と判明

集団感染で麻疹に罹患した青年信者のものと思われるツイート
昨年12月末に三重県内の「民間団体」が開いた研修会へ参加した10~20代の男女が麻疹(はしか)に集団感染した問題で、この団体が世界救世教の流れを組むMC救世神教であると判明した。

◆三重県内で麻疹の集団感染が発生!
 昨年12月23~30日に三重県津市で開かれた民間団体の研修会参加者が今月5日以降、発熱や咳などの症状を訴え麻疹に集団感染していた騒動で新事実が判明した。

 研修会には10~20代の男女49人が参加、15日の時点で27人の感染が確認されている。 三重県庁医療保健部薬務感染症対策課感染症対策班の発表によると、27人のうち県内に居住する麻疹陽性者は22人。その中の18人に麻疹ワクチンの予防接種歴がないことが明らかにされている。三重県以外に岐阜県、和歌山県、名古屋市から参加した若者の感染も確認されている。
 
三重県医療保健部薬務感染症対策課感染症対策班の発表

三重県が発表した麻疹陽性者のデータ


◆「反ワクチン」宗教団体内で発生?
 この「民間団体」について津市の保健所や三重県庁は団体名を公表しておらず、予防接種率が極端に低い集団内で発生したことから、ネット上では「反ワクチン」を指導する特異な団体内で起こったのではないかと憶測を呼んでいた。

 そんな中、医療関係者から寄せられた情報により、この民間団体がミロクコミュニティ救世神教(MC救世神教)であることが判明した。


◆研修で麻疹に罹患した信者がツイート
 MC救世神教の研集会『SWING』の対象者は中高生で、お世話係として大学生も参加している。『SWING』に参加し、麻疹を発症したと思われるアカウントのツイートを見ると

「はしか、しんどい、誰か助けて」

「俺もはしかになってしんどい!」

「ほぼ間違いなくSWINGやな、、、」

「だってあれやろ!スウィング49名の内36名が麻疹やろ?」

「基本自宅で隔離です」

「そうらしいですね!完全感染するみたいなので!」



とのやりとりが確認できた。

 また2015年にSWINGに参加した女性は9日に「またはしかかよ〜無理〜また出停や」とツイートしており、集団内での麻疹発生が初めてではないことを伺わせる。





◆世界救世教直径分派の宗教団体
「新宗教辞典(1990 弘文堂)」等の記述を総合すると、救世神教は世界救世教が中央集権化を強め多くの分派を生んだ70年代に神慈秀明会などが分派となったのと同時期に分派し、岡田茂吉を教祖と仰ぐ救世教本体からの直系分派と捉えられている。
 世界救世教に所属していた後藤英男(1929~1988)が1970年に独立し創設した救世神教は、2017年12月、教団名を「ミロクコミュニティ救世神教(MC救世神教)」に変更している。



教団HPには後藤崇比古管長の言葉が掲載されている
◆ワクチン否定・現代医療否定の形跡
 教団HPの『浄霊奇蹟の体験』には「浄霊による奇蹟体験談をご紹介しております。神霊のご実在と薬毒・浄化作用の実証体験に是非お触れ下さい」として「ワクチン接種を迫られた私の体に大異変! 浄霊と祈りではしか抗体の数値が10倍に」と題した信者の投稿が掲載されている。
 教団が発行する『神教』紙の平成23年3月号に掲載された「潰瘍性大腸炎、壊疽性皮膚炎がご浄霊で快癒  早く報せたい薬禍とご浄霊の救い」には鈴鹿支部の信者の体験談の中に「三男は、妊娠中からご浄霊を頂く中で育ち、ワクチンや予防接種などは1本たりとも体に入れていない」との一文がある。





 教団は他にも、ニセ科学と指摘されるEM菌を用いた自然農法を推奨しており、HPには「奇蹟体験談で神霊の存在と薬毒・浄化作用を基に心身共なる健康への道を実証」などとの記述もある。これらのことから、教団として信者にワクチン接種しないよう指導しているのではないかとの疑念が湧いた。

 世界救世教系の教団では「浄霊」という儀式が行われており、患部に「手かざし」をすることで病状が癒されるとされている。
  MC救世神教HPの『浄霊奇蹟の体験』のうち「ガン・腫瘍」の項目だけを見ても、以下の題が散見できる。

「ご浄霊で妻のガンが消える奇蹟」
「肺ガンと診断された親戚がで浄霊で快癒」
「再発した子宮頚ガンも浄霊と食事で完治」
「想念切り替えご浄霊で乳ガンが炭化」
「ご浄霊で膵臓ガンの診断覆る」
「 手術不能の前立腺ガン癒さる 仙骨へ転移のガン細胞もろとも消滅」
「食道ガン消滅の寸前に摘出する医療の怖さ 歩行困難の難病者に届ける希望の光 」
「悪性の甲状腺ガン 日々の浄霊と祈りで癒さる」
「子宮体ガン宣告さるるも摘出を回避 妹の胃ガンもステージⅢからⅠへと軽減」

これでは今回、麻疹を発症した若い信者が果たして適切な治療を受けさせてもらっているのかとの懸念も浮かぶ。

◆ 教団は謝罪の上、ワクチン接種は「自己責任」
教団へ電話取材を行った。

 教団広報担当者は昨年12月のSWINGでの研修で感染が拡大したことを認め「こんなことは初めて」と前置きし「最初は風邪と診断され、あとから麻疹だったということもあり時間が経たないと判らないという状況の中、拡まってしまった、大変申し訳ないと思っている」と謝罪、罹患者への対応については「保健所の指導に従い連携してやっている」と話した。

 団体名が公表されていないことについては「今、却って公表するとパニックではないが逆に不安を与えてしまうということで、保健所のほうにもほかにもいろいろ心配とかかけるといけませんので、個人名団体名は伏せていただいてます」と答えた。

 団体として信者に「予防接種をしないでよい」と指導をしているのか訊くと

「いえ、任意なので受けなくてよいという指導はしていません。義務であれば受けなければいけないが麻疹ワクチンについては推奨されているが義務ではないので、最終的には自己責任というか本人の意思で決定しているという具合」と回答。

 また教団HPに『浄霊奇蹟の体験』としてワクチン接種を否定する文章が掲載されていることで信者に各種の予防接種をしなくてもよいというメッセージを与えていることになるのではないかと訊くと、こう答えた。

「そう仰る方がいるかもしれないが、私どもとしては事実を実際に載せているという具合」
 
◆行政は非公表の理由を説明
 三重県津保健所と県庁感染症対策課に、団体名を非公表にしている理由などについて電話取材した。

津保健所

「報道対応は県庁で一括している。うちは感染症法という法律に基づいて実施しているわけで、個人が特定されることかあるとそれはちょっと控えさせていただいているのが原則なので」

県庁感染症対策課

「今のところ、研修会に参加された方々から(外部への)発生はまだ出ていない」
「団体も参加者をすべて把握されていますし、経過観察をしている中で参加者からしか発生していないので」

 団体名公表の基準について

「ケースバイケース、把握されている方々ばかりなので。これが不特定となってくると注意喚起を幅広くしていかねばならないのでまた考えるところ」

 ”団体の公表と発症時の対策は公衆衛生上も重要なので行政機関としてもっと発信してほしい”との意見について

「ご意見はいただいていて検討はしている。絶対にしないということはないし、する段階は保健所とも相談しながらとなってくる」

 団体への指導について

「仮定として、もしそういう(ワクチン接種を勧めない)団体がこういうことを起こしたとなれば、保健所から指導というか助言をしていくと思う」


◆団体名公表の理由
 今回の感染拡大騒動はいまのところこの特定の集団内での発症に留まっており、団体や行政サイドが団体名を公表していないことにはある種の合理性も感じられる。

 但し本紙では、麻疹の感染力の強さなど公衆衛生上の観点及び特定の集団内で「2世信者」という立場にある子どもたちが健康上の不利益をこれ以上被ることがないよう団体名の公表に踏み切ることにした。
 同団体の青年2世信者がこの騒動により学校などで謂れなき差別を受けることがあってはならず、感染症についての正しい知識が流布されることが望ましい。
 また同時に、同教団内で乳幼児へのワクチン接種について受けないよう勧めているとすればそれは是正されてしかるべきである。

 他にも、信仰の力で疾患が治癒すると標榜している宗教団体は数多ある。この「信仰療法」の問題については、3月10日にNAKEDLOFTで開催予定の反ワクチン批判トークイベント第2弾「接種ためらいペアレンツ大歓迎!ワクチン安心講座」でも論じる予定だ。
(文中敬称略)

~本紙関連記事~

乳児死亡「新健康協会」の浄霊治療教義


11 コメント:

大熊真春 さんのコメント...

とりあえず集団感染は起きちゃったんだからそれは認めて「反ワクチン」を教団も再検証してくれ。間違ってたんなら、間違ってたすんませんでしたと信者と世間に謝罪しよう。
役所も相手が宗教だからとビビらず実名発表しよう。さらなる感染の拡大が防げるかもしれんじゃないか。

匿名 さんのコメント...

36人発症してるとなると未受診の参加者がいるのではないかと心配です。
今回の麻疹で医者にかかることが非難されることではないし、隠れて耐えるべきでもないことを分かってくれるかどうか。気になって仕方ない

匿名 さんのコメント...

手かざしで病気治るんでしょ?ガンだって治ったという霊験あるんでしょ?ならはしかくらい手かざしで治しなさいよ!

匿名 さんのコメント...

親が手かざしで治るというかもしれないけど、治らないから医者にかかったほうがいい、
親の意向に背いて医者にかかっても治療してもらえる、なんなら親に内緒で受診してもいいというメッセージを出さないと、カルト2世たちは救われないのでは。

匿名 さんのコメント...

世界救世教は分派が多すぎて、カルトウォッチャーでもどれがなんだかだかさっぱりわからんなあ。
なんにせよ、「薬は全部毒」が明主・岡田茂吉の主張なので、世間と折り合わせるために表向きハイハイ言ったとしても、腹の底では近代医学は忌避するでしょうね、ここの分派の人たちは。

匿名 さんのコメント...

×「津市保健所」
○「三重県津保健所」

すいません、県庁所在地なのに中核市でも保健所設置市でもないので県設置なんです

鈴木エイト さんのコメント...

ご指摘ありがとうございます。当該箇所を修正しました。

匿名 さんのコメント...

エセ科学批判のNATROMが平沢進の勧める怪しい民間療法を批判する時に言ってたなあ。
「強制してるわけでない。信じるかどうかはあなたの自己責任」はエセ科学の常套句だって。

ころころ さんのコメント...

ワクチンで麻疹ウイルスを駆逐するのと同様
社会的ワクチンで駆逐すべきものがある

匿名 さんのコメント...

三重県在住の妊婦です。
麻疹大流行のニュースに不安が募ります
反ワクチンの思想が他人の命をも危険にさらす可能性があるということを知ってほしい
この記事を読んで正直怒りしかないです

匿名 さんのコメント...

ここの教団の標榜する真善美には医学や科学の真は含まれていないんでしょうね
教祖様の思い込みが真で、信徒の体験談がそれを補強する仕組みとなっているようで・・・
ふぅ~~~