2010年1月2日土曜日

初詣の神社で、なぜか悪魔祓い

 大みそかの12月31日、本紙記者陣は神奈川県箱根町の「箱根大天狗山神社」に初詣に行ってきました。年越しの「大祓い」が行われた後、神職の男性が参拝者たちに向かって、「この社に神様はいない」「来年はよくない年」「もっと神様に尽くせ」等々、とてもネガティブなお説教を食らわせていました。この神社によると、今年は地下鉄サリン事件や阪神・淡路大震災が起こった1995年と同じくらい運気の悪い年だそうです。非常に不吉な初詣となりました。


 年末の箱根大天狗山神社の境内は、カラフルなイルミネーションと銀色のリボンが大量に張り巡らされ、箱根の山中の暗闇に光のプールができていました。写真だとわからないんですが、このカラフルなイルミネーションは、ピカピカ点滅しています。まるでパチンコ屋さんのようなセンスでした。

 ここには、「箱根大天狗山神社」と関連施設である「天聖稲荷大権現神社」があります。その両方を見てきました。「天狗神社」「稲荷大権現」という名称ですが、メインとなる信仰対象は水子の霊である幼童神霊(ようどうしんれい)です。神社のいわれを説明するチラシには、「天狗」にまつわる説明は一切ありません。札所職員などの説明にも、一切「天狗」は登場しません。


 境内には、どう見ても欧米風の天使にしか見えない像や絵が飾られていますが、札所の職員たちは口をそろえて「天使ではない」と言い張ります。天使にしか見えない像や絵は、幼童神霊なんだそうです。弓を引いている姿のものや、片手でラッパを吹きながら飛んでいる感じのものもいますが、いずれも天使ではないんだそうです。

 札所の職員の説明や、大祓いの際に神職が信者たちに語っていた話を総合すると、この神社の教義は大雑把には以下のようなものです。

・中絶や死産で亡くなった胎児や、あるいは成人しないうちに亡くなった子どもの霊は、体がバラバラになった姿でその辺をさまよっている。
・子どもと死別したことがない人でも、親や先祖までたどれば必ず水子がいるので、全ての人は水子の霊と関係がある。
・教祖(武田敏男氏)は、体がバラバラ状態の水子の霊を元の形に戻して天国に送ることができる力を神から授かった、日本で唯一の人物である。
・神社のお祓いを受けることで、厄除けや開運ができる。
・悪魔祓いもある(1回1000円)。
・お祓いは何度受けても構わない。足しげく神社に通って神様の庭をにぎわせて、神様の心を和ませなければ、私たちに幸せはない。
・2010年は、地下鉄サリン事件や阪神・淡路大震災が起こった1995年と同じくらい運気の悪い年である。
・神様は写真が嫌いなので、敷地内で写真を撮ってはいけない。

 写真を撮ってはいけない理由は、「神様は写真が嫌いだから」だそうです。ところが札所のある職員は、「献灯式(ロウソクを灯して練り歩く神社の儀式)の写真を撮ったら、神様の行列が写っていた」と話していました。写真が嫌いなはずの神様が、なぜしっかり写真に写っているのか謎です。

 いろいろツッコミ所の多い神社ですが、さしあたって気になったのは、明らかに、ネガティブな情報を相手に与えることでお祓いなどを勧める性格の宗教団体であるという点です。

 1000円払って「悪魔祓い」を受けてみたときのことです。「悪魔祓い」と言っても、教祖が唱える呪文のテープを大音量で聞かされながら、薄暗いお堂の中を歩くだけ。天狗や龍や虎や獅子の人形(みんな目に電球が仕込んであって、赤く光っている)が並ぶ、まるでお化け屋敷のようなお堂でした。ものの数分でおしまいですが、かなりおどろおどろしいお祓い(?)です。お堂から出ると、受付のおばさんにこう言われました。

「来年は、八白土星の人は、地下鉄サリン事件や阪神大震災が起こった年と同じくらい運気が悪い。次の年末にもお祓いをしにきてください」

 神社のお祓いでこんなネガティブな話をされて次回のお祓いの勧誘を受けるというのは、初めての経験です。2010年がよくない年だということは、年明け直前に始まった「大祓い」の儀式後の神職の挨拶にも出てきました。

 神職の話は、これ以外にも、おおよそ新年の挨拶にふさわしくないネガティブなお説教でした。

「さきほどまで先生(教祖)がいらしてまして、『ここに幼神様がいない』『あっちの稲荷神社の方に行ったらいた』とおっしゃっていました。なぜかというと、みなさんはこっちの神社には集まるのに、向こうの社にはあまり人がいなくて寂しい。だから神様はあっちの社に行かれたんだそうです」(男性)

 大天狗神社だけじゃなく稲荷神社にも行け、とお小言を言っているわけです。

「みなさんが神社に来れば、それだけ神様も潤います。今年はなお一層、(みなさんが)神社のために神様のために尽くすようにと、神様も願っています。神様の庭を賑わせて神様の御心を和ませていかなければ、私たちの幸せはないんだということを念頭に置いて、この3が日間大変でしょうけども、よろしくお願いいたします」

「お祓いは何回やっても構わない。何回でもやっていただきたいと思います。それだけ厄がついてるんですから」

 何度も神社に足を運び、お祓いを受けまくれと。そうしないと幸せになれないと。

「明日の朝拝は5時45分です。今日は、残ってくださった方がこんなにたくさんいて、よかったと思います。しかし朝拝になると来ない人も多いので、大勢の方にいらしていただきたい」

 この発言は、1月1日の午前0時すぎです。そんな夜中なのに、次は同じ日の朝5時台にまた来いと。しかも、朝は出席率が悪いぞ、とハッパをかけています。

 札所の人は、「(神社は)昭和50年ごろにできた」と言っていました。信者数は2000~3000人で、大みそかに行われた献灯式には、1000人近くが集まったそうです。真夜中の大祓いにも数百人が集まっていました。山梨県内の信者が多いそうですが、神奈川県のほか九州から来ている信者もいるそうです。この宗教団体をカルトと呼ぶべきかどうかはわかりませんが、ちょっと気になる存在です。

 同時に、キワモノのB級スポットとして面白い要素もかなりあったので、その辺のリポートは追って。

【関連記事】
「水子の霊を祓え」=箱根大天狗神社で不吉な初詣(PJニュース)

1 コメント:

匿名 さんのコメント...

え?
コメント削除された?
別にこの宗教を擁護したわけじゃなく、偶然予言が当たってしまったって書いたのに