12.3大規模デモで見えた統一協会（統一教会）の現在

本紙2010.12.4既報記事　統一協会「反拉致監禁」キャンペーンにつるむ国会議員たち に於いて統一協会（統一教会）と政治家の関わりについて追及が為された。
本記事では当日の様子から見えてきたものをサイドストーリー的に記したい。


■『「守れ！日本の人権・信教の自由」決起集会』から　　

司会進行は小山田秀生元日本統一教会会長の子息と思われる小山田守忠氏。松濤本部では拉致問題対策委員長補佐を務めているようだ（日本拉致監禁対策委員会事務次長と判明）。




元衆議院議員で元文部科学副大臣と
紹介された青山丘氏（国民新党）



参加者に配られた『ご来場の皆様へ』と記されたＡ４紙(参加者提供)

集会の最後にシュプレヒコールの練習をしてデモ行進へ

公園出口へ向かうデモ隊

■記者を目の敵にする『拉致監禁』脱出者

記者の写真を執拗に撮ろうとする女性信者スタッフも現れた。

先頭一番左に陣取る人物が記者の姿を認め指を突き付け食って掛かってきた。



この人物は『拉致監禁・強制改宗 東京被害者の会』代表の小林宗一郎氏。３度の『拉致監禁』から脱出し、統一教会内では英雄視されているが偽装ボランティア団体草の根ムーヴメントの代表を務め、街頭に於いても正体隠しの勧誘の指揮を執っていたとの指摘がなされている（悪質手相勧誘撲滅委員会2010/11/20・悪質手相勧誘撲滅委員会2010/11/21）。

２年前、草の根ムーブメントの実態を暴いた記者の個人サイトＣＵＬＴ＆ＦＲＡＵＤのブログ記事、『荒川清掃ボランティアに注意してください』を配信停止にしようと画策したが、失敗に終わったこと（『統一協会の弁護士からの送信防止措置依頼書』、『送信防止措置依頼書の内容に対する回答書』『、『反撃開始！！！』）を恨んでいるようである。その際に設けられた会談場に小林宗一郎氏は「会う準備ができていないから」との理由で現れなかったのであるが（『統一協会関係者との会談』）、この日は多くの統一協会関係者を従えていたことで強気になっていたと思われる。

■デモ隊（日比谷公園～永田町）　　

公園出口でスタンバイするデモ隊

５列目に天宙平和連合（UPF）の魚谷俊輔氏の姿があった　魚谷氏は今年7月のNEW YORKで開催されたICSAに後藤徹氏を連れて現れ、先月の日本脱カルト協会（JSCPR）の公開講座にも来場していた。声を掛けると「今日は一信徒として」参加しているとのことだった。

街宣車を先頭に出発
弁護士会館の脇を通り
昨年、統一教会の販社【新世】の公判が行われた東京地裁をバックに

デモのルートには、新たなビラを配る女性信者も配置されていた

　「御通行中の皆様！私たちは統一教会の信者です。皆様！私たちは今日！この日本で過去４０年以上に渡り４０００名以上の統一教会信者が拉致監禁されながらも放置され隠されてきた事実を伝えるために参りました！皆様！この写真をご覧ください！この男性は杉並区荻窪のマンションで１２年以上監禁された後藤徹さんです。２年前監禁場所から解放された直後、入院先の病室で撮影されたものです。御通行中の皆様！写真の後藤徹さんは統一教会の信仰を持ったために反対するキリスト教の牧師やプロの脱会屋が家族を唆し拉致監禁されました！後藤徹さんは、１２年５ケ月間信仰を捨てなかったために人間としての尊厳を踏み躙られ続けたのです！」
「霞が関を御通行中の皆様！私たちは拉致監禁強制改宗被害者の会です。写真をご覧ください！写真の後藤徹さんは、１２年５ケ月の拉致監禁を主導した牧師たちを刑事告訴しましたが東京地検は不起訴処分の決定を下しました！人権先進国日本で放置されてきたこの犯罪は、今やジュネーヴの国連人権理事会やアメリカの国務省に於いて問題視されるようになりました。更に韓国の３大ネットワークの一つＳＢＳは１０月６日、１時間のドキュメンタリー番組を放送し、これを受けて韓国から国会議員や宗教者らが我が国政府に対して解決を求めるために来日しました！」
「御通行中の皆様！私たちは統一教会の信者です。皆様！写真の後藤徹さんは、１２年以上マンションで監禁され続けましたが、被害はそれだけではありません！無法地帯と化した密室で繰り広げられる強制・強要・暴行などによって被害者の中には自殺に追い込まれた方、監禁場所からの脱出のためマンションの６階から落下し瀕死の重傷を負い、記憶喪失になった方、更には監禁中に脱会説得の専門家によってレイプされた女性もいます。このようなことは法治国家に於いて許されていいのでしょうか！」
『拉致監禁強制改宗は犯罪だ！』　『犯罪だぁ～！犯罪だぁ～！』
『統一教会信者に対する人権侵害を許すな！』　『許すなぁ～！』『許すなぁ～！』
『拉致監禁強制改宗は民主主義国家・日本の恥だ！』　『日本の恥だぁ～！』『日本の恥だぁ～！』
『政府は統一教会信者に対する拉致監禁事件を解決せよ！』　『解決せよ～！』『解決せよ～！』

隊列は続く



国会議事堂近くでデモは集団行進へ移行　コールは禁止、プラカード・幟を降ろし、後藤氏の写真を首から外し丸めて手に持つようアナウンスが入り、静かに整然と行進するよう注意がされる。

国会記事堂裏へ向かうデモ隊先頭左端、小林宗一郎氏のお尻の部分が大きく膨らんでいる。一人で歩いていたら何を隠し持っているのかと間違いなく職務質問を受けているであろう。







デモ隊は衆議院面会受付所へ
待ち受ける民主党の吉田公一衆議院議員と国民新党下地幹郎幹事長の秘書
請願書を手渡す『拉致監禁被害者』


面会所前を通り過ぎる信者たち
　記者を見て声を親しげに掛けてくる顔見知りの信者も多い。但し、中には睨みつけてくる信者もいた。

老人信者の乗る車椅子を押す青年信者

手を繋ぎ行進する祝福カップルの姿もあった

デモ隊は永田町駅付近で解散


デモを終えた後藤徹氏に話を訊いた。

「『拉致監禁・強制改宗被害者の会』を結成してもうすぐ１年になります。この１年の間様々な活動をしてきて、その集大成として今日の集会とデモは非常に意義深いものとなりました。ただ、拉致監禁は未だ続いているんですよ。ですからこれからも今回の集会とデモを契機として全国の支援者の皆さんと共により一層頑張っていきたい、そのように決意させられた集会とデモ行進でした」

そう語る後藤氏の傍らには多くの青年信者に囲まれ「感動しました！」「いやぁ素晴らしい！」などと称賛を受ける『拉致監禁から脱出した英雄』小林宗一郎氏の姿があった。





■全国の状況は？果たして『神』は『働いた』のか？　　

主催者発表では、集会参加者数は3,200人ということであったが、日比谷野外音楽堂の座席数や空席・立ち見の状況から総数でも2,600名前後であったと思われる。
また、全国の道府県庁所在地で同時多発的に21,000人を動員して行われるとされていた集会とデモであるが、北海道では800人の動員予定が悪天候のため150人しか集まらなかったそうだ。雨天から晴天に恵まれた地区では「清めの雨もあがりました。何か奇跡ですね」（東京・青山丘元議員）、信者からは「神が働いた」などと声があがっていたそうだが、北海道では『神』は働かなかったようである。
また『拉致監禁』に関わったと誹謗・中傷されている牧師の務める教会周辺にもデモ隊が現れたそうである。


■デモ参加者の一部はそのまま偽装勧誘へ

この日の夕方、新宿駅西口では統一教会の婦人部信者による正体隠しの伝道が行われていた




勧誘被害者に訊くと「いいお顔の相ですね」「先祖の因縁が・・・」と言われたそうである。





勧誘グループのリーダーに訊いた。

Q:「食口（統一教会信者）の方ですか？」
A:「ハイ、そうです」
Q:「日比谷の集会とデモは参加されなかったのですか？」
A:「行きましたよ」
Q:「じゃあ終わってからこちらへ？」
A:「ハイ」
Q:「何時頃まで伝道されるんですか？」
A:「そんなに遅くまではやりません」

『統一教会の信者が拉致監禁されている！』と集会＆デモで訴えたその足で正体と目的を隠した勧誘をしている婦人部信者、これが今の世界基督教統一神霊協会の実態である。
翌日の新宿駅、青年部信者は『青年意識調査アンケート』を使った勧誘をしていた。統一教会信者であることは名乗っていたが、アンケートの目的については「意識調査です」と対象者を信者にする目的は偽ったままであった。