◆第10回 学生宗教意識調査報告書
国学院大学の井上順孝教授らが中心となって1995年に発足した【宗教意識調査プロジェクト】。全国の学生に宗教・習俗・呪術・オカルト・精神世界・スピリチュアル・カルト問題などにかかわるアンケート調査を行いその結果を分析している。
先月10日、『宗教と社会』学会・プロジェクトのメンバーと国学院大学日本文化研究所プロジェクト『デジタル・ミュージアムの運営と関連分野への展開』のメンバーが中心となって纏めた【第10回 学生宗教意識調査報告書】全28頁の内容が明らかになった。(調査は2010年4~6月に実施、全国37大学から4.311人の有効回答)
以下、何点かピックアップする。
◆自称『霊能者』への冷ややかな目線
[Ⅲ.宗教や宗教家に関する考え]の項目に於いて『3.「霊魂の存在」を信じるか』の設問に65.5%の学生が〔信じる/ありうると思う〕と答えており、[Ⅳ.宗教に関わる事柄への意見]の項目に於いても『⑦「死後も魂はどこかに存在し続ける。」』との設問に68.6%の学生が〔そう思う/どちらかといえばそう思う〕と答えている。
しかしながら、同じ項目の⑧『テレビに登場する霊能者は、本当に霊と交信している。』との設問には71.6%の学生が〔どちらかといえばそう思わない/そう思わない〕と答えており、霊の存在を多くの学生が信じていても、テレビに出てくるインチキ臭い自称『霊能者』に対しては大半の学生が冷めた目で視ているということが判る。
◆宗教と政治との関わりには?
同項目の④『特定の宗教団体が特定の政党を支持するのはよくない。』の設問に78.6%の学生が〔そう思う/どちらかといえばそう思う〕と答えている。この設問の背景となる宗教団体の政治参加については、創価学会・天理教・生長の家・立正佼成会・霊友会・統一協会(統一教会)などがあげられ、最近では幸福の科学による幸福実現党が宗教団体としては小選挙区制移行後初の本格的な政治参加が記憶に新しい。中でも創価学会が支持政党である公明党の選挙を組織的に行う手法が顕著であるが、設問に〔どちらかといえばそう思わない/そう思わない〕と答えた学生は20.8%、全体の2割程度であり、これは創価学会や幸福の科学など自前の政党を要する宗教団体の信者数の割合や前出団体の総信者数などからみてもさほど大きな解離があるとはいえない。
このことからも一般の学生は、宗教法人の政治的活動や特定政党の指示に対しても冷ややかな捉え方をしていることが判る。
◆「街頭布教は迷惑」、大学の「カルト対策」への期待
また、同項目の⑤『街頭での布教は迷惑だから、法律によって規制すべきだ。』の設問には66.8%の学生が〔そう思う/どちらかといえばそう思う〕と答えている。多くの学生が宗教カルト団体の『布教に名を借りた執拗で悪質な勧誘行為』にNO!を突き付けた形だ。
この他、[Ⅵ.オウム真理教について]の項目に於ける設問『3.「カルト対策」に」ついて』の「大学が主催して、新入生などを対象に『カルト対策』の教育をすることについてどう思いますか」との質問に対して、56.5%の学生が〔ぜひやるべきである/やったほうがよい〕と答え、〔あまりやらなくてもいい〕と答えたのは17.8%、〔やるべきでない〕と答えた学生は僅か4.6%にとどまった。当の学生自身からのカルト対策が必要であるとのお墨付きを得ているのであるから、カルト対策に乗り気でない大学も含め大学側はより積極的に取り組むべきであろう。
また、〔何のことか分らない〕と答えた学生も20.6%に上っていることからも更なる啓蒙・教育・周知が望まれる。
◆カルト側の『対策』は?
大学側の『カルト対策』に危機感を抱き対抗する動きを見せるカルト団体もある。統一協会(統一教会)の学生組織CARP(原理研究会)は、昨年12月と今年2月全国の主要大学当局へ一斉抗議をした。また、統一協会(統一教会)の機関誌TODAY'S JAPAN 2011.2月号には以下の記載がある。
【TODAY'S JAPAN 2011.2】
広報局
差別と偏見に満ちた大学「カルト」対策
-CARPにもさまざまな嫌がらせ-
日本の約60の大学で、いわゆる「カルト」対策という名の> “魔女狩り”が横行しています。
(略)
二〇〇八年三月に発足した「全国カルト対策ネットワーク」には現在百大学が参加、差別と偏見に満ちた「カルト」監視網が確実に広がっています。
(略)
対策は入学直後からスタート
(略)
真理を探究し公正中立であるべき大学が、特定の宗教・団体を一方的に「カルト」と決めつけてこれを排除しようとするのは、大学の本来の姿勢から完全に逸脱したものです。
(略)
公的機関である大学が「カルト」対策の名のもとに公然と学生の思想・信条の自由を侵害することは由々しき事態です。このような危険な動きに歯止めをかけて、大学が本来の役割を果たせるよう取り組んでいきましょう。
◆大学のカルト対策は「学生の思想・信条の自由を侵害する」行為なのか?
このようなカルト側の自論は、当のカルト団体が学生に対して行っている違法勧誘によって総て破綻している。
【全国カルト対策大学ネットワーク】発起人の一人であり、大学でのカルト対策に関する法律問題に詳しい久保内浩嗣弁護士(田村町総合法律事務所)は話す。
「目的を隠した勧誘は、宗教的自己決定権(宗教を信仰し、または信仰しないこと信仰する宗教を選択し、または変更することについて、個人が任意に決定する自由)の前提としてのインフォームドコンセントがなく勧誘される学生の信仰の自由を侵害するものです」
「大学には、カルト宗教団体による人権侵害から学生を守るべき契約上の義務と社会的責任があります。カルト宗教団体の活動によって学生の信教の自由、教育を受ける権利などが侵害されないよう対策を講じる義務があります」
「カルト宗教対策は、学生の信教の自由、教育を受ける権利などの学生の権利を守り、また教育研究機関としての役割を全うするという必要不可欠な目的によるものです。そしてその目的を達成するための最小限度の手段であれば信教の自由の侵害にはなりません」
「学生の権利を守り、教育機関としての大学の責任を果たすために、毅然とした対応が必要です」
◆2010年度・宗教意識調査報告のまとめ
2010年度・宗教意識調査報告には[Ⅰ.宗教への関心]、[Ⅱ.宗教的習俗への関わり]、[Ⅲ.神、仏、霊魂、パワースポットの存在を信じるか]、[Ⅳ.宗教家への期待]、[Ⅴ.宗教に関わる事柄への意見]、[Ⅵ.宗教と教育に関して]、[Ⅶ.葬儀に関して]、[Ⅷ.オウム真理教について]、[Ⅸ.宗教と性差の問題]、[Ⅹ.インターネットと宗教]の全10項目があり、多岐に渡る質問がされている。 これまでの9回の調査と報告書については、『宗教と社会』学会ホームページ内『宗教意識調査プロジェクト』に詳細がある。
26 コメント:
カルト対策に対して、〔何のことか分らない〕と答えた学生たちが
きっと被害者候補生となってしまうのかと(偏見で)考えると無知な
人たちが可哀想になります。その人達こそ純粋な心の持ち主なのか
も知れないのに。
宗教と社会について知っておく事も自分を守ることになると思います。
私も、まさか身内があそこまでハマるとは思っていませんでした。(幸福の科学にまだハマってます)
なりふり構わずハマってしまう人をどこか遠い所の話としてとらえていたので、そういう意味でも、カルトは身近に潜んでいるって事を知っておかなければいけませんね。
宗教の話は確かに触れづらい話ではありますが、触れていかなければ怖さを知らずにハマる人が増えるだけです。
優しくて感じのいい人が正しい考えを持っているとは限らない。いつも優しい人の言う事だとしても、変だと思ったら身を引くこと、です。
大学入学時に 【統一教会の純潔宣言にご用心!】
って書かれたチラシをもらいました。
チラシを配るだけじゃなくて、もっとしっかりと
「カルト対策」をしなきゃダメだと思うわー。
しかも統一教会だけじゃなくて
危ないカルト団体は他にも沢山あるんだから。
カルトに所属している大学生が
学内サークルを乗っ取って活動したり、
所属ゼミで勧誘を行なったりする例もあるのですが、
そういった、目に見えにくい実態の解明も
お願いしたいと思います。
カルトが分からない人は、当然カルト対策教育も分からない
わけで、そういう人たちの賛否で半数を超えたところで
殆ど何の意味もないんじゃないかな。
カルト対策をやるべきか否かとは別の問題としてね。
2011年3月4日17:34の匿名 さん
「カルトが分からない人」ってどういう人の事を指しているのでしょうか?
例えば、統一教会員の人はよく「統一教会を信仰した事の無い人、祝を受けた事の無い人 = 統一教会を知りもしない人が、統一教会を批判したって意味は無い」などと言っていますが、そういう理屈が見当違いである事は理解されていますか?
大学の新入生は、カルト教団にとっては「良いカモ」ですから、この機会にカルト対策の強化が望まれます。
しかし、統一協会のあからさまな詭弁「大学の姿勢から逸脱」はワロタ。
顕正会あたりもどんな顔をしていることやら……。
カルト組織勧誘も問題だが、
共産党の公然組織、民青も対処しないといかんと思うが。
いまはそんなに、民青がボランティアサークルにスパイ潜入とかはないのか?
「民青」か・・・・・・なつかしいな。
私が通った大学にはいたよ。学生自治会が加盟していた全学連もいわゆる民青系。私は民青に入らなかったけど、その存在を苦とは思わなかった。政党と労働組合の関係があったからね。
選挙の候補者事務所でのアルバイトとどんな違いがあるのかな?
信教の自由とか思想及び良心の自由の意味を安全に学ぶ実技はないのかな?
このカルト新聞も、相当カルトだと思うよ。
藤倉さん、すぐキレるし。
カルトって定義さえも議論になるなら
どこかの国みたいに日本でもカルト認定つくって
取り締まれるようになったらいいのに。
そうしたら、大学はその取り締まりに従って対策すればいいし
「カルト教団」からとやかくいわれなくてすむ。
あと、統一協会は正体を隠して伝道したり、
霊感商法とかして犯罪を行っているのだから
大学でもきちんと対策、教育してほしい。
犯罪予防になるし、問題ないと思いますが?
(伝道=犯罪行為となっている統一協会って情けないね!
悔しかったら正々堂々と、犯罪だのカルトだのといわれない伝道だけで
機能できるようになって欲しいね。)
こんな統一協会にクレームつけれられて対策やめるようなことがあったら、
大学はふぬけだよ。がんばってほしい。
朝のニュースで各社占いをしますよね。あれがカルトに対し間接的な影響を与えていると思う。ニュース番組なのに非科学的な占いをやるなんて呆れます。
宗教と政治の関わり、について一言
リーマンショックから世界的な金融危機の連鎖が始まり、依然混迷が続いている日本経済、そしてどこまでもぶざまな政治。
追い打ちをかけるように、未曾有の震災にも見舞われ甚大な被害を受けた。そして未だに原発の見えない恐怖に脅かされ、どこまでも不安は消えない。
日本は今まさにどん底にある。落ちるところまで落ちたのか。
今こそ全力を挙げて日本列島が一丸となり、日本国を立ち直さなければならない。
我々は、日本人の誇りを取り戻さなければならない。
語るに落ちた民主党政権。日本を根底から変革すべきである。そのために取組むべきことはやはり人材育成である。
しかし、松下政経塾の人材育成は不発に終わった。当然の結果だろう。やはり人材育成には宗教の骨格は欠かせない。それが可能なのは宗教団体だけなのである。
宗教家が、各々それぞれの立場で、将来を担う人材を育成すべきなのだ。
最近では、幸福の科学も、その人材育成に乗り出しHS政経塾を作ったり、S学会も、新たな発想からか港区白金の敷地5,000坪で社会人教育をも目指した大学院大学構想を模索しているようだ。
ほんの一握りではあるが、やっと宗教家達は自身で動き出した。応援したい。
宗教と政治との関わり、について一言
リーマンショックから世界的な金融危機の連鎖が始まり、依然混迷が続いている日本経済、そしてどこまでもぶざまな政治。
追い打ちをかけるように、未曾有の震災にも見舞われ甚大な被害を受けた。そして未だに原発の見えない恐怖に脅かされ、どこまでも不安は消えない。
日本は今まさにどん底にある。落ちるところまで落ちたのか。
今こそ全力を挙げて日本列島が一丸となり、日本国を立ち直さなければならない。我々は日本人の誇りを取り戻さなければならない。
語るに落ちた民主党政権。日本を根底から変革すべきである。そのために取組むべきことは、やはり人材育成である。
しかし、松下政経塾の人材育成は不発に終わった。当然の結果だろう。やはり人材育成には宗教の骨格は欠かせない。それが可能なのは宗教団体だけなのである。
宗教家が、各々それぞれの立場で、将来を担う人材を育成すべきなのだ。
最近では、幸福の科学も、その人材育成に乗り出しHS政経塾を作ったり、S学会も、新たな発想からか港区白金の敷地5,000坪で社会人教育をも目指した大学院大学構想を模索しているようだ。
ほんの一握りではあるが、やっと宗教家達は自身で動き出した。応援したい。
再投稿します。重なってたらすいません。
宗教と政治との関わりについて、ひとこと言わせて下さい。
リーマンショックから世界的な金融危機の連鎖が始まり、依然混迷が続いている日本経済、そしてどこまでもぶざまな政治。
追い討ちをかけるように、未曽有の震災にも見舞われ甚大な被害を受けた。
そして未だに原発の見えない恐怖に脅かされ、どこまでも不安は消えない。
日本は今まさにどん底にある。落ちるところまでおちたのか。
今こそ全力を挙げて日本列島が一丸となり、日本国を立ち直さなければならない。
語るに落ちた民主党政権。日本を根底から変革すべきである。そのために取組むべきことはやはり人材育成である。
しかし、松下政経塾の人材育成は不発に終わった。当然の結果だろう。やはり人材育成には宗教の骨格は欠かせない。それが可能なのが宗教団体だけなのである。
宗教家が、各々それぞれの立場で、将来を担うべき人材を育成すべきなのだ。
最近では、幸福の科学もその人材育成に乗り出し、HS政経塾を作ったり、S学会も、新たな発想からか港区白金の敷地5,000坪で社会人教育をも目指した大学院大学構想を模索しているようだ。
ほんの一握りではあるが、やっと宗教家達は自身で動き出した。応援したい。
宗教の影響がどれほどのものかわかりませんが、人材育成に向けた動きは最低限必要ですよね。
それにしても、S学会が白金での大学院大学構想とは、とても興味がありますね。
日本経済そして震災に対しても想定外と言えば国民の理解が得られると思っている政治家達!
今、必要とされているのはリーダーシップと責任感のある人材だと思います。
S学会が社会人教育を目指した大学院大学構想が本当だったら大いに期待したいです。
上記コメントに対して一言...
S学会も以前より色々と土地を探していたようだ。白金は本当にいいところだ。ましてや大学院大学構想とは混迷を深めた現代社会への突破口としては最高の切り口と思う。是非プロジェクトの成功を祈る。力の無さを露呈した泥船民主党に任せておけない。我が国を救うためにも党派を超越した優秀な人材の育成が急務である。
ごめん、S学会が白金に新たな大学院大学についての詳しいソースを求む。
いくら探しても出てこないのだが。
この大震災で、創価学会も義援金を出し、会館を開放し、信者もボランティアに精を出しているみたいですが。
しかしどれを取っても、何をするにしても、やはりどうしても信者を増やすためとしか思えないのは私だけでしょうか。
仮に、大学院大学を、本気で設立・政治を、日本を変えるつもりならいいが、まったく金集めにしか映らないのもやはり私だけでしょうか。
ここで悪口を言うつもりはないですが、やっぱりこの大震災で集めた金といえども他人のために使うとは思えませんね。
金額はさておき、義援金を出したことは、少なからず評価して良いんじゃないでしょうか。
それに信者から集めたお金で大学院を作るのは、それはそれで、立派じゃないですか。何もしない政治家よりは全然マシ。+
しかし本当ですかね、白金に5000坪なんて。しかも白金なら幸福の科学じゃないの?
5000坪って、武道館2個分の広さみたいよ。
一等地にこれ程のボリュームの土地が残っていたことにびっくりした。
この震災の直後で動くとは思えない。といっても許認可含めて
開校まで数年かかるから、着々と準備しているのかな。
そうそう、つまらない政治見ているより よほどワクワクしますよ。
白金に大学院大学ができれば素晴らしいキャンパスになるはず。S学会には何て言ってもメガバンクがずらりバックについている。おそらく許認可なんかも簡単に取ってしまうのだろう。
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