2009年10月20日火曜日

自己啓発界の大御所ジェームズ・アーサー・レイ氏のセミナーで2人死亡(米・アリゾナ州セドナ)

ジェームス・レイ氏の公式サイトより
 「成功の科学」などの自己啓発本や自己啓発プログラムで知られるジェームス・レイ氏のセミナーで、2人の死者が出たようです。場所は、鳩山幸さんのようなスピリチュアル系の人たちの間でパワースポットあるいはUFOが頻繁に飛来するとして人気の米アリゾナ州のセドナという町にある、エンジェルバレー・リトリート・センターという施設です。アメリカの各メディアのニュースを総合すると、ジェームス・アーサー・レイ氏のセミナー会社が、この施設を1週間ほど貸切ってセミナーを行っていたようで、その最終日の締めくくりとして行われた「Sweat Lodge(スウェット・ロッジ)」というセッションで、この死亡事件が起きたようです。

【AFP BBニュース 2009年10月14日】スピリチュアル団体のセミナーで2人死亡、米アリゾナ州
 
高級保養施設が集まる米アリゾナ(Arizona)州セドナ(Sedona)で8日、サウナのような状態になったロッジの中で2人が死亡した。ま た、中にいた19人が病院に搬送された。ロッジではスピリチュアル指導者によるセミナーが行われており、「精神浄化の儀式」の最中に死亡したとみられてい る。2人の死因は明らかになっておらず、警察の捜査が続いている。

 死亡したのは40歳の男性と38歳の女性。セドナにあるエンジェルバレー・リトリートセンター(Angel Valley Retreat Center)で、「精神浄化の儀式」を行っていたとみられ、高級保養施設が多い同地域一帯には衝撃が走っている。

 地元メディアによると、当時ロッジには約60人が詰め込まれており、プラスチック製の防水シートで覆われ、内部は熱した石を使用してサウナのような状態となっていたという。

 ヤバパイ(Yavapai)郡保安官事務所によると、参加者は、著名なスピリチュアル指導者のジェームズ・レイ(James Ray)氏による講義やセミナーを受ける1週間のプログラムに参加。サウナに入る前に36時間の断食を行っていた。報道によると、プログラム参加費用は約 9000ドル(約80万円)だという。

(以下、引用略)

【NewYork Times 2009年10月10日】Questions About 'Sweat Lodge' Rite Where 2 Died


Two people died and an estimated 19 others were taken to hospitals after being overcome while sitting in the sauna-like sweat lodge at Angel Valley Retreat Center, near Sedona, Ariz.

Another person who was at the “sweat lodge” at Angel Valley Spiritual Retreat, about six and a half miles from West Sedona, was listed in critical condition at Flagstaff Medical Center.

(中略)

The Yavapai County sheriff, Steve Waugh, said at a news conference on Saturday that his detectives were investigating the possibility of criminal negligence in connection with the incident. He said that from 55 to 65 people were gathered inside the lodge on Thursday afternoon for the purification ceremony.

Joseph Bruchac, an expert on Native American traditions and author of “The Native American Sweat Lodge,” said that number far surpassed the 8 to 12 typically present at such a rite. “It means that all these people are fighting for the same oxygen,” he said.

The lodge itself was only four and a half feet tall at its highest point, Mr. Waugh said.

A sweat lodge, similar to a sauna, is an enclosed space where water is poured on heated rocks. Such structures are often used in Native American ceremonies and are intended to cleanse the body. Traditional lodges are usually made of willow branches and covered in canvas or animal skins, and are not meant to be air-tight. The authorities said that the lodge at Angel Valley was covered in plastic and blankets.

The people, some of whom paid more than $9,000, were taking part in a program called "Spiritual Warrior, " which was being run by the self-help expert James Arthur Ray. They had been inside the lodge for more than two hours when emergency calls were made about 5 p.m. Friday, the Verde Valley Fire Department said.

Questions have also arisen about the length of time the people were in the lodge — about two hours. A ceremony usually lasts no more than an hour, Mr. Bruchac said.

Investigators said that a test for hazardous materials showed no evidence of carbon monoxide or other airborne poisons at the lodge, though they said they were still testing blood samples for evidence of toxic substances.

(中略)

Mr. Ray, who was in the sweat lodge for the ceremony and has been holding retreats there since 2003, has not yet commented on the incident.

The owners of the resort, identified as Michael and Amayra Hamilton, also declined to comment.

(中略)

The cost of the retreat was listed on Mr. Ray’s Web site as $9,695 per person. In it, he says its participants will “experience a new technologically-enhanced form of meditation that creates new neurological pathways.”

【要約】
 適当に要約してみると、次のように書いてあります。
・現地時間10月8日木曜の午後5時に、救急への連絡があった。
・2人が死亡したほか、19人が病院に搬送され、さらに1名が重態。
・「スピリチュアル・ウォリアー」と称するセミナープログラム(参加費$9,695/人)中の事件であった。
・「スウェット・ロッジ」は元々、小屋の中で、熱した石に水滴を垂らして蒸気を発生させて行うアメリカ・インディアンの浄化の儀式だが、セミナーで行われたものは、幾つかの点で伝統儀式とは異なっていた。
・伝統儀式は、気密性のない、柳の枝の骨組みに布や動物の皮革をかぶせた小屋で行われるが、8人から12人が1時間以内の儀式を行うものだが、セミナーでのプログラムは、狭い小屋に55人から65人が入った状態で2時間も続き、ビニールシートなどで気密状態になっていた。
・一酸化炭素、その他の毒性物質は検出されていない。
・責任者の刑事責任も含めて、捜査中。
・レイ氏本人、施設のオーナーとも、取材には応じていない。
・HP上には、このセミナーの参加者は「新たなる神経経路の創造という、技術によって強化された新しい手法を体験する」と書かれている。
 このプログラムの参加者ガイド(Participants' Guide)がレイ氏の公式サイト内にPDFファイルでUPされていたのですが、これがいつの間にか消えています。残念・・・と思ったら、GoogleさんがHTMLで保存してくれていました。
 
 この参加者ガイドには、参加者が受ける損害(過失による死亡も含まれている)についてジェームズ・レイ・インターナショナル社を免責するという誓約書が含まれています。アメリカではよくあることなのかもしれませんが、まるでバンジージャンプか何かのようです。確かに、プログラムの中には、参加すると医療ケアを要する傷害を受ける可能性があるものがあるとも書かれていますが、「死亡」する可能性があるという書き方はされていません。レイ氏ないしレイ氏の会社が、かなりの危険を伴うものだということを認識した上で、このプログラムを実施していたことが伺えます。こんな誓約書は、消費者との契約として、今回の事件について本当に有効なんでしょうか? 
  
 参加者の輝かしい未来を約束するプログラムを提供するという自己啓発のカリスマが、この事件を受けて、今後どのように対応するのかが、注目されます。死亡したことも全て参加者の自己責任とか言ったりするんでしょうか。


【参考】
日本語訳が出版されている著書2点
『成功の科学』(PHP研究所 、2008/9/6)
『豊かさを引き寄せるシークレット お金、人間関係、心、からだ、スピリチュアル...すべてに成功する法則』(ソフトバンククリエイティブ 、2008/11/28)

公式HP(英語)
ジェームス・アーサー・レイ公式サイト内の、今回の事件に関するコメント

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