2012年7月1日日曜日

岡山で日本脱カルト協会の公開講座開催=脱会者らが体験発表

6月30日、岡山市内で日本脱カルト協会(JSCPR)主催の公開講座「大学でカルトに入った私たち─得たもの、そして、失ったもの─」が開催されました。会場となった岡山国際交流センターの国合会議場は満員となり、4人の脱会者による体験報告や研究者による講演が行われました。


■相変わらず活発な“キャンパス・カルト”の勧誘

岡山県内で初となるJSCPRの公開講座には、167人の来場者(主催者発表)が詰めかけ、会場はほぼ満席。本紙「やや日刊カルト新聞」をはじめとする複数の報道陣の姿もありました。

冒頭、JSCPR代表理事で立正大学教授の西田公昭氏が「カルト勧誘について大学での2500名の質問し調査から」と題して、本州・四国の国公私立大学の学生を対象に行ったアンケート調査の結果を報告しました。

同調査では、学生の17%が「不審な勧誘」を受けており、そのうち勧誘の際に団体の主な活動内容を知らされなかったケースが55%、活動目的を知らされなかったケースが45%、団体の正式飯法を知らされなかったケースが27%ありました。にもかかわらず、「不審な勧誘」を受けた人の52%が勧誘者の説明受け、8%が個人情報を団体側に提供していました。また大学側が行なっている学生への注意喚起活動について、学生の認知率が最も高かった「パンフレット配布」でさえも、認知度が46%しかありませんでした。

「我々が注意を呼びかけてきたにもかかわらず、(大学でのカルト勧誘が)まだまだ行われている。情報伝達のパンフレット配布の認知率が46%しかない。十分な対策がなされているとは言えない。これからも継続して行かなければ」(西田氏)

■親も変わらなければいけない

つづいて、主に統一協会(世界基督教統一神霊協会、統一教会)信者とその家族へのカウンセリングに20年以上取り組んできた元松山東雲女子大学教授で牧師の高木総平氏が、自身の経験を語りました。

「子どもがカルトに入ったときに重要なのは、家族との対話。入信した子どもと向きあうためには、親は信者の気持ちをわからないといけない。親ごさんも、価値観や考えが変わらないといけない。家族が、入信している本人のために命がけで動く。それを見て(信者が)変わっていく。その体験で成長して大きくなる人を私は見てきました」

また高木氏は、統一協会問題に取り組んだことで信者たちから集団暴行を受けたエピソードや、脅迫まがいの電話を受けた体験を語りつつも、「毅然とした態度をとること」としました。

「大学においては、予防も必要ですが、世界の問題、社会の問題、生きる意味、死の問題など、カルトが言ってくるような生き方や世界の問題を大学で受け止めなければいけないのではないか。大学が学生をどう自立させるか。オウムなどでこんなに大きな犠牲を出しているのだから、(その問題に対する)答えを私たちは出していく責任がある」(高木氏)

■得たものの方が多い

体験報告を行ったカルト脱会者は、牧師の竹迫之氏(統一協会脱会者)、親(しん)氏(仮名・浄土真宗親鸞会脱会者)、摂男氏(仮名・摂理脱会者)、摂子氏(仮名・同)。

「私は大学受験生だった時期に入信したが、誘われた時、カルトの勧誘とは思っていなかった。ビデオ見放題だと言われて、それで入った。“若者はなぜカルトに走るのか”という問題の立て方をする人がいるが、それは間違いだと思う。カルトに入ろうと思って入ったわけではない」(竹迫氏)

「脱会して、いまは家族にも仕事にも恵まれている。“失った”というより、(カルトに)入っていた時に“見失っていたもの”があった。親鸞会が論理的に正しいのだと思っていたのに、全くそうではなかった」(親氏)

「学食で隣りに座ったグループから声をかけられて、“サッカーしたくない?”と言われて入った。宗教だと思わなかった。“礼拝に行かない?”と言われて、宗教だとわかり、やめようかどうか悩んだが、もうその人達が好きになっていて、やめなかった。でも教祖の性犯罪の事実を知り、けじめを付けるために脱会した。仲間とわかれるのは辛かった。みんな本当にいい人たちだった」(摂男氏)

「親から説得を受け、脱会者の話も聞いて、教祖の裏の側面を知った。教祖の犯罪が事実なのであれば、(教祖を素晴らしい人物だとする摂理摂理の教えは)ウソであって、それでは天国は作れないと思った。純粋な思いが踏みにじられてショックだった。脱会後は、たった3日間の説得で捨ててしまう程度の信仰だったのかなどと、マイナスの思考の螺旋にはまっていたが、学業で忙しくなったことで環境も変わり、何とか自分を保つことができた。大学院に合格し、新しい友だちができて随分楽になった。失ったものより得たものの方が多い」(摂子氏)

脱会したいまとなっては、カルトに入信し脱会して今に至るまでの体験から「失ったものより得たものの方が多い」という点で、脱会者の心境は共通しているようでした。

■「カルトに入ることはリスクだらけ」

指定討論者として登場した玄照寺住職で大阪大学大学院招聘教授の瓜生崇氏は、自身も親鸞会に所属していた経験を持ちます。

「一番つらいのは、自分がいいことだと思っていたことが全く違ったと知らされること。信者にとって教団での経験は宝物のようなもので、それを否定されるのはとても厳しいことです。(信者との対話で)大切なのは、信頼だと思います。あなたの心は壊れてる、洗脳されている、MCされているなんていう話では、全く信者に伝わらない。あなたの歩んできた道を認めた上で支援したいのだ、という意思を伝えることが重要だと思います」(瓜生氏)

また、脱会者たちが「得たものが多い」と語っている点について、こう補足しました。

「しかし得たものが多いと言えるのは、脱会した後。こう言えるようになってからが本当の脱会なのでは。こういう言い方は、誤解されやすいかもしれない。たとえばオウム真理教の被害を受けた方が、オウム脱会者が“得たものも多かった”と言うのを聞いたら傷つくかもしれません。でも実際、そうなんです」

終盤、フロアからの質問に応える形で、壇上の脱会者からは「カルトに入ることはリスクだらけ」との声も聞かれました。

「ぼくは幸い人を殺すことはなかった。でもサッカーサークルではなくヨガサークル(オウム真理教のダミーサークル)だったら、人を殺していたかもしれない。それは入る段階ではわからない。そのリスクを認識するのは大事だと思います」(摂男氏)

「私達はたまたま出られたけども、カルトに一度入ると、なかなか出られない。やめさせることがどれほど大変か。もしカルトの中で結婚していたらどうなのか。出てきたから良かったと言えるけど、絶対に勧められません」(摂子氏)

■信者の実情に即した支援を

正体を隠して学生を勧誘し、学業や人間関係、家族関係、大学卒業後の進路など、さまざまな側面に悪影響を与えるカルト。大学などによるさらなる対策が求められます。

しかし、すでに入信した信者については、第三者から見てどうであるかは別として、カルトでの体験や仲間たちとの関係が彼らにとって「宝物」であるという現実があります。脱会に向けた支援においても、脱会後の日常生活の再スタートに対して有効な支援においても、この現実は無視できません。

一見、ややこしい心情のように思えるかもしれませんが、「脱会したいまとなっては得るものが多かった」と脱会者たちが語っているということは、「問題ある状態を脱しさえすれば、取り返しのつかないことなどない」という前向きなメッセージとも受け取れます。これは、子どもがカルトに入信したことで思い悩む親たちにとっても、希望を見いだせる点かもしれません。

16 コメント:

匿名 さんのコメント...

だから自業自得だってのw

匿名 さんのコメント...

最近ポストに入ってた幸福の科学のアンケートハガキ

Q 大川きょう子がカルトを脱会したと知っていましたか??
・知っていた ・今知った

なんだこの二択w

匿名 さんのコメント...

脱会したのか?w

匿名 さんのコメント...

週刊誌での大川きょう子氏の発言
「こういうのをカルトと言うのではないでしょうか?」

幸福の科学の雑誌
幸福の科学が大川きょう子氏を永久追放
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1385

匿名 さんのコメント...

読者はコーフクアンチしか
いねーのかよっ。wwwww

匿名 さんのコメント...

幸福の科学ってすごい人気なんだね。
スレの多さでは断然トップ。
別スレでも。書き込まれてる。
幸福の科学信者vs.アンチで新聞つくっとけ。
それだけで成り立つかも。

匿名 さんのコメント...

ちがうよ、コーフクが社会貢献として文化事業をやっていて、ネタを振りまいているんだよ。

匿名 さんのコメント...

素敵やん。

匿名 さんのコメント...

「カルトとは何か」

「『カルト』には様々な定義がありますが、いずれにせよ、学術的にはあくまで既成宗教に対する『新宗教』という価値中立的な用語です。しかし、社会一般においては『私の嫌いな宗教』という意味で使われる、偏見を作り出すための否定的なレッテルにすぎません。これは問題です。単に『悪い』というイメージを表すだけで、何ら正確な情報をもたらさないため、混乱を深めさせるだけだからです」

ロンドン大学社会科学部教授
宗教社会学者、アイリーン・バーカー博士

匿名 さんのコメント...

さすがですね。

匿名 さんのコメント...

>宗教社会学者、アイリーン・バーカー博士

1.『カルト』には様々な定義があります

2.学術的にはあくまで価値中立的な用語

3.社会一般においては、混乱を深めさせるだけ、否定的なレッテル


まあ、使っちゃいけないってわけじゃなかろう

匿名 さんのコメント...

使っちゃいけないとは言ってないが、これは問題です、とはっきり言っているね。

匿名 さんのコメント...

なので、正式には問題のある教団一般を
「破壊的」カルトというらしい。

何をもって「破壊的」というのかの問題じゃないの

匿名 さんのコメント...

その通り。

匿名 さんのコメント...

コーフクコーフク言って矛先を統一からそらそうとする奴がいるようですね。

匿名 さんのコメント...

>「破壊的」カルト

朝鮮進駐軍のことかwwwwwwwww