「恥を知れ！」幸福の科学の霊言本キャンペーンでリブロが批判の的に

リブロ池袋本店

東京・池袋にある書店「リブロ池袋本店」が、幸福の科学・大川隆法総裁によるセゾングループ創始者・堤清二氏の霊言本を大々的に売り出すキャンペーンを展開。よりによってリブロはかつてのセゾングループの一員。加えて池袋本店は、現在も、セゾングループの中核企業だった西武百貨店内に店を構えていることから、ネット上では「恥を知れ」などと批判を浴びています。


堤清二氏は、西武企業グループを母体として、西武百貨店を中心とした流通系企業グループを率いて「セゾングループ」を創設。ファッションビル「パルコ」や大型書店「リブロ」を展開しました。

堤氏が昨年11月25日に死去すると、幸福の科学・大川隆法総裁はさっそく堤氏の守護霊を召喚。例によって大川総裁の口を通じて喋らせ、教団幹部らと対談させた上、その内容を書籍『渋谷をつくった男　堤清二、死後インタビュー』（幸福の科学出版）として12月22日付けで発刊しました。

この書籍を、西武百貨店池袋本店内にある「リブロ池袋本店」が年末に、店舗正面エントランス付近の大棚に派手なポップを付けて大々的に面出し陳列する販促キャンペーンを展開。これに対して、Twitter上では、以下のような非難が挙がっています。

「恥を知れ、リブロ池袋。この大々的展開…。びっくりした。この本売れて嬉しいか？ かつてを知ってる人間として言わせてもらうが、もう辞めてしまえ。」

「先日亡くなった、自分達が働いてる店のかつての生みの親・育ての親である人物の評伝としてリブロが他の本をおいても大推薦したい本なのだと判断されて、店頭で大々的に売り出すことに決めたのがこの「死後インタビュー」だったという事実が悲しいです。」

「リブロ池袋…。これは、ないよ。マジで～」

「リブロ池袋がクソなのは前からだから…_(|:3」∠)_」

「幸福◯◯学の営業がどんだけ予算落としたか知らないけど、さすがにリブロ池袋の陳列は酷いな。」

「リブロ池袋が発狂した……。でなければ素で「霊言本」だと気付かなかったオタンコナスなのか。」

「幹部級の書店員に信者がいた、もしくは幸福の科学ビジネスに頼らなければならないほど売り上げやばいとか…？」

元セゾングループの書店が、幸福の科学によるセゾングループ創始者の霊言本の販促キャンペーンを大々的に展開したわけですから、一般客から呆れられるのも無理はありません。

これについて同店の担当者は、本紙の取材に対してこうコメントしています。

「その件については対応できない。コメントは差し控えさせていただきます」

キャンペーンの展開期間すら「わからない」「答えられない」との返答でした。

すでに同店からこの面出し陳列は撤去されていますが、1階の売り場には幸福の科学だけで書棚1台分のコーナーが設置されており、スティーブ・ジョブズ氏や山崎豊子氏など比較的最近亡くなった人物の霊言や、ビートたけし氏、田原総一朗氏、筑紫哲也氏、池上彰氏、バラク・オバマ氏など、幸福の科学が本人に無断で出版した有名人の霊言本がズラリ。

教団が「HS・ネルソン・マンデラ基金」という名目で信者にお布施をせびる口実にしている霊言本『ネルソン・マンデラ ラスト・メッセージ』も、同店の幸福の科学コーナーでは面出しで絶賛販売中。本紙・藤倉善郎主筆の守護霊を勝手に降臨させて誹謗中傷した『「新潮の悪魔」をパトリオットする』も置かれていました。

なお、リブロ池袋本店が大々的に販売した『渋谷を作った男』では、〈書店「リブロ」をつくった理由〉という章があります。ここで堤清二氏の霊は、

「基本的には、本が学問だし、文化を作る元になるところ」

「リブロだっておたく（幸福の科学）の本は売っているでしょ？」

などと語っています。

客観的事実ではなく「霊がそう言っている」という設定で、名前や顔写真の使用すらも本人や遺族に無断で出版される「霊言本」が、学問だの文化だのと言える代物なのでしょうか。そんなものを、ただ書棚に並べるだけにとどまらず客に対して大々的に推薦するようなことをすれば、幸福の科学だけではなく書店の良識も疑われます。

◇参考サイト
リブロ池袋店がセゾン創設者の故・堤氏の「守護例本」を特設コーナーで販売→批判殺到