イベント後援のつくば市が反ワクチン・反マスク団体に「注意」

問題の講演会で挨拶する国光あやの政務官

　2月19日につくば市内で開催された反ワクチン・反マスク・陰謀論を唱える団体によるノーマスク講演会について、開催後、後援についていたつくば市が主催団体に「注意」を行ったことが本紙の取材でわかった。他に茨城県教育委員会と結城市教育委員会も後援していたが、その中でつくば市は唯一、マスク着用を含む新型コロナ感染対策を後援の条件として掲げていた。

 

　2月19日につくば市の市民ホールやたべで開催された講演会「脳科学から見る『心とカラダを育む子育て』」では、登壇者や約100名の来場者の大半、また託児所の保育士3人がノーマスクだった。この団体を、つくば市等3つの行政機関が後援した。主催団体である「みんなで学ぼう会」は、日頃から会のブログで、極端な反ワクチン・マスクの主張や陰謀論を繰り返している団体だ。

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　つくば市では、マスク着用を含む感染対策を行うおとが後援名義使用の条件。イベント主催団体は後援名義使用の申請の際、同様の趣旨の「確認書」を別途提出することになっている。今回のイベントについても、「みんなで学ぼう会」は、マスク着用を含む感染対策を行うとする項目にチェックを入れた上で「確認書」を提出していた。

　しかしイベント会場では大半がマスクを着用していなかった。そのため本紙では、つくば市の後援名義使用のガイドラインに違反しているのではないかと指摘していた。

　当初、つくば市市長公室秘書課の担当者は、本紙の取材に対して「主催団体に事実確認中」として詳細をコメントしていなかった。3月2日、改めて担当者から本紙に連絡があり、「後援取り消しは行わないが、主催団体に注意をした」との説明があった。

市長公室秘書課：

「主催者によると（後援名義使用の条件にある）消毒、距離の確保等の対応をしたとのことだった。しかし（会場で）多くの方が（同じく名義仕様の条件である）マスクを外していたことを、他方面からも市として確認した。2月の段階ではマスク着用の強要はできなかったが、後援名義使用にあたっては、多くの方がマスクを外すことについて市と事前に共有していただく必要があった。その点、高橋氏（みんなで学ぼう会主宰・高橋広樹氏）に注意をした。3月13日からマスク着用は個人判断となる等、状況が変化している中でもあるため、後援取り消しまではしない」

　改めて、主催団体がマスクを着用しないイベントを開催するつもりでいながら着用するかのような内容を市に申告し、実態を伝えずに後援を取り付けていたことになる。

　この講演会には国光あやの総務大臣政務官が出席し、壇上で挨拶をしていた。本紙は国光氏に取材を申し入れているが、現時点でも返答はない。