2019年1月20日日曜日

社説=メディアは麻疹集団感染の発生源を報道しろ

医療を拒み手かざしで病気が治ったとする体験談が満載のMC救世神教のウェブサイト
三重県津市に本部を置くMC救世神教の研修会で発生した麻疹(はしか)の集団感染は、現在まで二次感染を含め計36人の感染が報道されている。感染者の一人(三重県在住)が大阪・京セラドームで行われたAKB48の握手会に参加していたことから、大阪市やAKB48オフィシャルサイトでも注意喚起がなされるなど、影響が広まっている。しかし未だに、医療を否定し「浄霊」と称する手かざしによって病気を治せると信じるMC救世神教が集団感染の発生源である事実を、行政は発表せず、本紙以外のメディアも報じていない。報道各社は、率先してこれを報じるべきだ。


本紙では、集団感染の発生源がMC救世神教であるとの情報を得た鈴木エイト主筆が、教団や三重県に直接確認し、本紙内部で協議の上、団体名の公表に踏み切った。本紙記事〈三重の麻疹集団感染、発生場所はMC救世神教の中高生2世信者研修会と判明〉にあるとおり、鈴木主筆の取材に対して教団の広報担当者自身が、MC救世神教が集団感染の発生源であることを認めている。

三重県は、MC救世神教の研修会を「民間団体が自施設で開催した研修会」と発表している(麻しん(はしか)患者の発生について 2019年1月10日)。団体名を公表しない理由について、同じく鈴木主筆の取材に対して三重県感染症対策課は「今のところ、研修会に参加された方々から(外部への)発生はまだ出ていない」「団体も参加者をすべて把握されていますし、経過観察をしている中で参加者からしか発生していないので」と説明した。

しかし1月17日には、三重県は研修会に参加していなかった感染者2人の存在を発表している(麻しん(はしか)患者の発生について(第8報))。伊勢新聞の報道によれば、2人は研修に参加した男子大学生の姉ではあるが同居はしていない。研修会内でも家庭内での感染でもない、外部への感染だ。後日さらに2人、研修会参加者以外(参加者の家族)の感染が発表されている。

三重県が言う「研修会に参加された方々から(外部への)発生はまだ出ていない」という理由は、すでに成り立たなくなっている。

「民間団体が自施設で開催した研修会」という三重県の発表もおかしい。

三重県では2017年にも麻疹の集団感染が発生しているが、その際、県は発生から1週間後には発信源を「三重県多気郡内の工場」と発表している(麻しん(はしか)の集団発生について 2017年2月9日)。単なる民間団体ではなく、工場(つまり企業等)であることは発表していた。

それでいて今回は、宗教法人の施設における感染である事実すら発表していない。宗教団体を特別視する意識が見え隠れしている。

すでに本紙で指摘してきたとおり、MC救世神教は医療全般を否定し、いつ死者が出てもおかしくないレベルでその教義を実践している。同教団の公式サイトに掲載された信者の体験談を読むだけでわかるほど、それは実に堂々たるものだ。

ワクチン否定も麻疹発生も、この教義と実践の結果だ。この先も、教団の行事で信者を集めるたびに、麻疹でもそれ以外でも常に信者以外を巻き込む集団感染を起こす可能性がある。

教団や信者たちは、教義を信じているだけであり、生物テロを企てるような人々ではないのだろう。教団を取材した鈴木主筆自身、広報担当者の態度などから「明確な悪意はみられない」としている(本紙記事)。

しかし悪意があろうがなかろうが、生み出す結果は同じだ。ここまで危険な団体の存在を、市民、特に地元住民に伝えずにいる三重県は、市民の安全を守る行政の役割を十分果たしていると言えるのだろうか。

とは言え、感染症に関する法律や行政ガイドラインが、このような特殊な宗教団体による「悪意なき人災」を想定しているとも思えない。行政のルールから軽々に逸脱することなく問題に対処するのも、行政の仕事だ。三重県は今後も公表しないと決め込んでいるわけではない旨をコメントしていることから、今後の動向を見守りたい。

しかし報道機関は違う。報道は権力から独立した存在であり、報道の意義や必要性を独自に判断する権利と責任がある。それによって公共の利益に寄与することが報道の仕事だ。にもかかわらず、MC救世神教の名を報じたメディアも、「宗教団体」が原因であることを報じたメディアも、いまのところ本紙以外に見当たらない。

本紙の報道を自慢したいわけではない。そもそも、本紙による今回の報道は、いわゆる「独占スクープ」ではない。本紙以前にこれを把握していた医療関係者は複数いる。もちろん三重県も把握している。そもそも本紙・鈴木主筆が行った確認作業は、MC救世神教に電話をかけて直接尋ねるという、実に単純なものだ。

本紙が独占的に得ている情報でも、他人が真似できない高度な方法で得た情報でもない。にもかかわらず、いまなお本紙しか報じていないのは異常と言わざるを得ない。

今回の集団感染は偶発的なものではなく、特定の宗教団体によって起こるべくして起こった人災であり、この宗教団体は今回の集団感染以外の面での危険性も持っている。これを人々に伝えなくて、何が報道か。

集団感染問題にAKB48の名が加わったことで騒ぎが起きくなった感がある。そんな中Twitterでは、個人が特定されたわけではないがAKBの握手会に行った感染者をテロリスト呼ばわりする声も挙がった。

しかし握手会に行った10代の感染者は、MC救世神教の信者を親に持つ2世や3世である可能性が高い。医療否定の教義を信じる親に育てられたがゆえに、予防接種を受けさせてもらえず、下手をしたらそのリスクすら教えられていなかった可能性もある。

だとしたら、その若者にさしたる落ち度はないだろう。テロリストどころか、この教団や親による犠牲者ではないか。

集団感染の原因や事情がしっかり報道されていれば、こうした個人バッシングが誤りであることを、多くの人が知ることができたはずだ。これも、本来報道が果たすべき役割だろう。

報道や各自治体の発表を総合すると、現在、研修会に参加した49人中32人の感染と、研修会に参加していなかった4人の感染が確認されている。運良くこれ以上は広まらずに収束したとしても、MC救世神教の危険性は変わらない。

行政はともかくとして、少なくとも各報道機関は、この宗教団体の名称と問題性をいますぐ報じるべきだ。公共の利益に寄与するより行政の判断に右へならえすることのほうが大事だというなら、報道の看板など捨てたほうがいい。

◇関連記事
MC救世神教2世信者の麻疹(麻しん/はしか)集団感染、AKB48握手会などで被害拡散のおそれ
三重・MC救世神教の麻疹集団感染は医療否定カルトの問題
三重の麻疹集団感染、発生場所はMC救世神教の中高生2世信者研修会と判明
乳児死亡「新健康協会」の浄霊治療教義
新健康協会、過去に少なくとも3人死亡?

8 コメント:

匿名 さんのコメント...

あんたはメディアの端くれでしょうに!
様々な方法で情報拡散するなりしないとダメだろ!
記事内容は医療礼讚(嘘です)
世俗的な論調でした
タイトル詐欺www草wwwやん

匿名 さんのコメント...

藤倉くんあんたは刑務所に行きなさい。

匿名 さんのコメント...

行政の担当者は教団名を黙っていなければ
49人全員へのアクセス、
さらに49人の同居人の健康観察という膨大な仕事をなし得なかったと思うし、
発症者が今のところ診察拒否にあってないのも“宗教”を一定期間隠しとおせたからだろう。

この先、宗教への視線を気にしての受診の差し控えが生じないか心配は残る。

匿名 さんのコメント...

菅野完をアメリカに連れて行きなさい。

匿名 さんのコメント...

こういう団体って、薬やワクチンが効かなかった人たちの集まりなんじゃないの?
二世だっていっても、そーゆーのは遺伝するだろうし。
ワクチン効かない人って、約五パーセントなんでしょ?
その五パーセントが集まる団体を批判するのは、『薬が効かないのが悪い』って言ってるように感じる。

匿名 さんのコメント...

朝日新聞が報道しましたね

匿名 さんのコメント...

自分が麻疹の予防接種を受けているのか、記憶にない。
どうしたら良いのだろうか。

匿名 さんのコメント...

普通は抗体があるかどうかの検査ができます。
面倒ならもう一回打てばいいんじゃないですか?