新健康協会、過去に少なくとも3人死亡？

　宗教法人「新健康協会」総本部の職員夫婦が、病気の乳児を死亡させたとして殺人の容疑で逮捕された事件で、過去にも、信者が子どもに必要な医療を受けさせず死者が出た例があったと西日本新聞が報じました。過去の事例では、1997～99年の間に3人の子どもが病院に搬送され、うち2人が死亡したとのことです。

【西日本新聞 2010年01月15日】治療せず別の２人死亡　信者の子　９７‐９９年　搬送時　手遅れ　福岡市の宗教法人

　福岡市東区の乳児治療放棄事件で、殺人容疑で逮捕された夫婦が入信していた同区の宗教法人「新健康協会」（清村秀生会長）で、過去にも、信者を両親に持つ３人の子どもが治療を受けずに重篤な状態になって北九州市内の同じ病院に搬送され、うち２人が死亡していたことが１４日、関係者への取材で分かった。
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　3人の子どもは同じ病院に搬送されており、情報源はその病院の関係者のようです。それによると、搬送された3人はいずれも男の子。

ケース1（死亡）
生後3カ月。結核の父親が治療を受けなかったために感染し、救急搬送されたが、心肺停止状態。核による呼吸不全で死亡。そもそも子どもが結核にかかった原因も、結核の父親が治療を受けずにいたからだという構図です。

ケース2（死亡）
15歳の少年。治療可能な腎不全を両親が５年間放置。けいれんなどの症状で救急搬送されたが、手遅れで腎盂（じんう）腎炎などで死亡。少年は発育障害で体重25kg。

ケース3（回復）
生後6カ月。重症のアトピー性皮膚炎で、発育不十分。治療を拒否した父親を説得し、信仰心の比較的弱い母親が同病院で受診させ、入院１カ月半で回復。

　いずれも診察にあたったのは同じ小児科医だったようで、西日本新聞の取材に対して「医療を受けるかどうかは患者に選択権がある。ただ、意思表示できないか、またはその手段を奪われた乳幼児・学童の場合、医療行為の放棄（医療ネグレクト）は死に直結して極めて危険」と語っています。

　また、朝日新聞も、新健康協会の職員だった60歳代の男性が医療機関の治療を受けず死亡していたケースがあったと報じています。

【西日本新聞 2010年01月15日】以前も「治療せず死亡」　福岡の宗教団体職員

　病状が悪化した長男に適切な治療を受けさせず死亡させたとして、宗教団体職員の両親が福岡県警に殺人容疑で逮捕された事件で、数年前にも宗教団体の職員が医療機関の治療を受けずに死亡していたとみられることが、関係者への取材でわかった。県警は１４日、両親の容疑を裏付けるため、福岡市東区にある宗教団体の本部を家宅捜索。団体の指導内容についても調べる方針。

　宗教団体関係者によると、以前にも６０歳代の職員が体のだるさなど体調不良を訴えていたが、病院などには行かないまま生活を続けていたらしい。３年ほど前、この職員は自宅で倒れて救急車で運ばれ、まもなく亡くなったという。血糖値が高く、糖尿病を患っていたとみられる。
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　大人も含めると、少なくとも過去に3例の死亡例があったことになります。

　今回の事件では、いまのところ、死亡した子どもの両親が殺人容疑で逮捕されています。しかし、過去にこれだけの類似事例があったとなると、両親に重い処罰を科せば済む問題ではないことは明らかです。