2010年2月15日月曜日

宗教法人の源泉所得税徴収漏れ、3年間で10億円以上 - 大阪国税局

 大阪国税局の調査によると、近畿2府4県の公益法人の約6割で源泉所得税の徴収漏れがあり、そのうち徴収漏れ額が最も多かったのが宗教法人で、約10億5700万円にものぼっていたそうです。産経新聞が報じています。


【産経ニュース 2010年02月13日】公益法人調査、6割徴収漏れ 大阪国税局、3年で22億円追徴
 大阪国税局が平成21年6月までの3年間に、約3200の公益法人を税務調査したところ、約6割の法人で源泉所得税の徴収漏れがあったことが12日、分かった。同国税局では「公益法人だから課税されないという誤解が多い」と指摘しているが、中には代表らが法人収入を私的流用し、流用分の源泉所得税を免れていた悪質な例もあった。同国税局は不納付加算税や重加算税を含め約22億円を追徴課税した。

 公益法人は税法上、非営利型の一般財団・社団法人のほか、宗教法人、学校法人など109種類が規定されている。法人税の課税対象は物品販売業などの収益事業に限定されているため、非収益事業が主で課税対象とならない公益法人も多い。このため、国税局では大半の公益法人が対象となる源泉所得税の調査に力を入れている。

 大阪国税局では現在、近畿2府4県で約2万6千の公益法人を把握。3年間で3230法人を調査し、57.7%の1860法人で徴収漏れを指摘した。このうち悪質な仮装・隠蔽(いんぺい)をしたとして、重加算税の対象となったのは230法人にのぼった。

 徴収漏れ額は、18年7月~19年6月が約5億6100万円▽19年7月~20年6月が約5億6800万円▽20年7月~21年6月が約8億4500万円-と年々増加。法人種別の3年間の徴収漏れ額は宗教法人が約10億5700万円と最も多く、次いで学校法人の約4億7千万円だった。

(略)

 寺院を経営する宗教法人では、葬儀や法要で受け取った現金収入や簿外の口座に振り込まれた会費収入について、法人の収入に計上せず住職が個人的に使っていた。国税局では重加算税を含め約2千万円を追徴課税した。

(略)

 記事にあるとおり、3年間の徴収漏れ額合計は約20億円ですが、そのうちの半分が宗教法人です。宗教法人でも職員などの源泉所得税については課税対象で、記事には大阪国税局の「公益法人だから課税されないという誤解が多い」というコメントが紹介されいます。

 「徴収漏れ」全てが意図的な脱税というわけではないようですが、記事で紹介されている寺院のケースでは、住職が会費収入を私的流用することで課税逃れをしています。これは税金の問題だけではなく、横領でもあるのではないでしょうか。

 “聖域”の名の下に宗教団体がやりたい放題であるという現状を、改めて見せつけられます。もちろん、まじめにやっている宗教法人もあるとは思いますが、やりたい放題やろうと思えばできてしまう構造は変える必要があるように思います。

4 コメント:

匿名 さんのコメント...

聖域だから宗教法人がやりたいほうだいというのはかなり決め付けた書き方で不愉快です。
ほとんどの宗教団体(特に伝統宗教)では、壇信徒が持ち回りで寺院会計の監査をやっていますから私的な流用などできるはずはありません。本堂にテレビ一台買うにも檀家の許可が必要なのが「普通の寺」です。もちろん住職の給与が課税されるのは当然です。
カルト問題を扱っている自覚があるのならば、宗教法人そのものに問題があるかのような書き方はしないで、あくまでそれを運営する組織に問題があるということを明確にしていただきたいと思います。企業だって脱税をしているところもありしていないところもあります。企業に問題があるのではなくそういうことをする経営者や役員に問題があるのです。宗教法人も一緒です。

匿名 さんのコメント...

もともとこのブログ(藤倉氏)は宗教・宗教団体そのものに批判的なスタンスですし、基本的に宗教法人の報道なんて問題があった時にしかされないから「やりたい放題」と見られてもしょうがないかな、と。

藤倉氏でなくても、誰かに「やりたい放題やってんだろ」と言われた時に、胸を張って「ちゃんとやってますよ」と、ぐうの音も出ないくらい適正な法人運営であることを示せばいいことです。

それに、今回の新聞記事に関してもそうですが、適正な法人運営に関する啓蒙も(宗教法人の方で意識して)もっとあってもいいと思います。
ウチはしっかりやってますよ、だけではなく。

そして、適正な法人運営に関する啓蒙をしようとすると、法人の責任役員(寺なら「住職」)は勿論のこと、信者の側もしっかりと意識を持ってもらうことが大事だと思います。(「法人」ですから、責任役員だけがちゃんと意識を持てば解決する問題ではないと思います)

寺に限って言えば、法人運営はおろか、「寺で何やってるかわからない」くらいの意識の壇信徒が大勢いるところが実情じゃないでしょうか?それこそ、意識のある住職が何度呼びかけても…

構造よりも意識をしっかり変えていくことの方が、よりあるべき運営になっていくと思います。構造を変えるよりも難しい問題なんでしょうけど…

藤倉善郎 さんのコメント...

 私が宗教そのものに対して批判的かというと、厳密にはちょっと違います。「社会にとって問題がない限り、基本的に宗教には関心がない」「社会的に問題があると感じたものは、差別なく全て批判する」という感じでしょうか。詳しく説明すると長くなるので、気が向いたら個人ブログの方で書くかもしれませんが、とりあえずはこれだけ。

 あと、これは私個人の考えであって、「やや日刊カルト新聞」のほかの記者陣はどうなのか知りません。各記者には、「宗教やカルトをめぐる社会問題」というテーマだけ設定して、内容やスタンスは自由に書いてもらうことを基本路線にしています。記者によっては、私と考えが違うかもしれません。

藤倉善郎 さんのコメント...

 念のため、もう一点。宗教そのものに対して批判的なわけではないですが、宗教「法人」の仕組みには全体的に問題があると思っています。最大の問題点は、脱税というイレギュラーな違法行為ではありません。宗教法人の認証あるいは認証後の宗教法人管理についての制度の問題と、現時点で「合法」である税制優遇が妥当なのかという問題です。

> カルト問題を扱っている自覚があるのならば、宗教法人そのものに問題があるかのような
> 書き方はしないで、あくまでそれを運営する組織に問題があるということを明確にしてい
> ただきたいと思います。

 お言葉を返しますが、カルト問題を扱っているからとって、宗教法人そのものに問題があると言ってはいけない理由にはなりません。統一協会ですら宗教法人格を維持できている以上、宗教法人に関するルールなりルールの運用なりに問題があることは明らかです。むしろ、カルト問題の現状を意識すれば、宗教法人そのものに問題がないなどと言えるはずがないのではないかとさえ思います。

 記事の本文で書いたことを、もういちど繰り返します。

「もちろん、まじめにやっている宗教法人もあるとは思いますが、やりたい放題やろうと思えばできてしまう構造は変える必要があるように思います。」

 問題ある宗教法人も問題ない宗教法人も等しく、「やりたい放題やろうと思えばできてしまう」ことが問題だということを指摘しているまでです。税制優遇問題はまた別の議論ですが、いずれにせよ、個々の宗教法人全てに問題があるなどとは一切書いていません。苦言も反論も大歓迎ですし必要があれば説明はしますが、意見をするのであれば、せめて記事に何が書かれているかくらいは把握してから発言してください。そうでない意見は無視します。