幸福の科学が栃木県那須町で開設した全寮制の中高一貫校「幸福の科学学園」が、4月7日に入学式を開催。「東大や医学部でも合格できる学校を目指す」(教団広報)学園で、高合わせて196人の生活がスタートしました。一方、幸福の科学では、大川隆法総裁編著による大学受験対策の参考書4冊を発刊。“予備校型宗教”と呼ばれる幸福の科学が、“ホンモノの予備校”化への動きを加速させています。
■教団初の受験対策本
出版されたのは、『サクセスNo.1 大学受験 センター必勝 英単熟語集』、『サクセスNo.1 大学受験 英単熟語集─必勝編』、『サクセスNo.1 大学受験 基礎英文解釈第1集』、同『第2集』の4冊です。このうち『基礎英文解釈第1集』は「N.V ピール<積極的考え方の力>を読む」、同『第2集』は「デール・カーネギー<人を動かす>を読む」というもので、どちらも英語の自己啓発本を用いたテキストです。この4冊は、教団にとって初の「受験参考書」で。教団広報によると、幸福の科学学園においてはサブテキストとして使われるとのことです。
幸福の科学は以前から“予備校型宗教”とも呼ばれました。教団内で信者向けに教学の検定試験などを行い、90年代初頭までは、入信の際にも「試験」があったからです。
また幸福の科学では、一般社会での学業も重視されており、特に近年はその傾向を強めていました。「サクセスNo.1」では、「学業修行で“心を鍛える”」として、学校の勉強や受験向けの教科も教えています。2年ほど前からは『英語伝道入門』シリーズ(「超・初級」「初級」「中級」「上級」「実践」各編)を出版し、信者の英語力向上に力を入れていました。幸福の科学学園については、教団広報は「東大や医学部でも合格できる学校」を目指すとしており、受験に必要な主要5科目の授業時間を多く設定しています。「宗教」は週1コマだけ。こうしたもろもろに加えての、今回の受験参考書発刊です。
■でも「非売品」
ただし、今回発売された4冊も含めて、英語の参考書類は全て、一般の書店では販売されません。
「会員向けの書籍なので、『非売品』として幸福の科学の精舎で頒布します。特に植福(布施)の目安は設けず“実費を目安に”ということで、子どもたちが、たとえば数百円くらいの植福をしています」(広報担当者)
幸福の科学では、一般の書店などでも販売する関連会社「幸福の科学出版」名での書籍だけでも膨大ですが、それ以外に支部や精舎などで頒布する「宗教法人幸福の科学」名の書籍も相当数にのぼります。宗教法人名で発刊する書籍は「非売品」と表記され、価格がありません。信者は、本の代金ではなく「植福」といてお金を支払います。たとえば過去の霊言(歴史上の偉人や神の霊が大川総裁の口を通じて語った言葉)をまとめた『大川隆法霊言全集』は1冊1万円など、書籍ごとに目安があります。
「植福は、大川総裁への感謝の気持ちを表すもので、本の“対価”という意味合いとは違います。書籍をいただいた会員さんが実際にいくらの植福をされたかについて教団はチェックしていませんし、植福の目安は“定価”ではありません。こうした書籍については、大川総裁には印税は支払われません」(広報担当者)
私が訪れた地方の幸福の科学施設では、「非売品」の教団書籍の陳列棚にも「植福目安」は記載されていませんでした。受付に書籍を持って行って目安を聞き、専用封筒におカネを入れて植福箱に入れるという方式でした。レジで会計するような仕組みではありませんでした。
しかし施設によっては、書籍やグッズの販売コーナーに「お金や物を盗むのは堕地獄への道です」等の張り紙があったりします。「非売品」ですが、タダで配っているというわけでもなく、しかし教団としては「売っているのではない」という位置づけ。これが「非売品」の書籍です。前述の『英語伝道入門』シリーズも、この部類に入ります。
■教団の予備校化
学園の入学式の際、大川総裁は『基礎英文解釈』をすでに14冊まで書いたと語っていたそうです。つまり、参考書は今後もまだまだ発刊される予定ということになります。
信仰活動の一環とはいえ、「非売品」書籍による植福は幸福の科学の現金収入になるわけですから、世俗的には「書籍販売というビジネスモデル」と捉えることができます。しかし広報担当者によると、今回の参考書については植福目安はないとのことなので、それが事実であれば、従来の「モデル」とはちょっと違います。なのでこの参考書発刊を「受験産業化」と呼ぶと語弊があるのかもしれませんが、幸福の科学の“予備校化”がさらに加速していることは間違いなさそうです。
【追記(2010.04.10)】
教団広報からコメント訂正があったため、記事全体を手直ししました。
5 コメント:
全寮制:逃げ場のない環境
予備校化:高学歴信者の平均年収は、低学歴信者の平均年収より多いことが期待でき、お布施の増加も期待できる。また、上級公務員に信者が増えれば・・・・
非常に危惧します。
幸福の科学の学習塾、サクセスも、あれ宗教教育のボランティア活動というタテマエで、
学費もお布施ということになってるけど
実態は講師に給与も出れば、お布施じゃなく授業料が実態だし
ほとんど脱税狙いでは?という指摘はよく見かけますね
中でやってるのは宗教思想の教育でなく、学習塾ですから。これ信仰行為でお布施だというのは無理があると思います…
値段つけないで目安にしてるのは税金対策のため。
活動してた頃はなんとも思わなかったけど、今考えると相当危ないと思います。精舎や正心館(幸福の科学の研修施設)での研修費用も"目安"。会内文書だと研修費など具体的な金額は書かず、星(☆)の数で表すのはもう常識になってて異論を唱えるひとはいないと言っていい。
あと、サクセスのある戸越精舎は宗教施設なので非課税ですが、そこで開校しているサクセスナンバーワンはお布施という名の月謝を取っています。お布施って便利ですね ^q^
このページちょっと読んでみたいので送って頂けませんでしょうか。幸福の科学のHPからは削除されてるようなので。
yunggun70@hotmail.com どうか宜しくお願いします。
【幸福実現党】の是非について自分なりに調べはじめたところ下記の書き込みを見つけました。【幸福の科学】がカルトであるか否かが問題になると思いますが、これによれば創価学会の公明党よりは遥かにマシな政党だろうと想像できます。ちなみに私は浄土宗+神道ですw
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フランスでのカルト認定は1995年12月22日採択した、フランス国民議会「アラン・ジュスト報告書」による有害セクト(カルト)の定義というものです。
これはフランス政府ではなくて、「下院議会」の出した定義の「10項目の基準」に対して、一つにでも該当すると、それを実名で公表することとしたもの。
1995年といえばオウムがサリン事件を起こし、社会不安を起こしていた時代で、オウムのような反社会団体が他にないか調査し、フランスの社会不安を鎮めるものでした。
その結果172の団体名が挙げられたのだが、「有害カルト」の疑いのあるのを探し出し、監視・検証してゆくための候補を挙げるためのもので、「有害カルト」の認定ではありません。
「10項目の基準」とは、
(1)精神の不安定化
(2)法外な金銭的要求
(3)生まれ育った環境との断絶の教唆
(4)健全な身体の損傷
(5)児童の閉じ込め
(6)反社会的教え
(7)公共秩序の撹乱
(8)多くの裁判沙汰
(9)通常の経済流通回路からの逸脱傾向
(10)行政当局への浸透の企て
1995年当時、ヨーロッパで幸福の科学の会員がいたのは、イギリス、ドイツなどで、フランスにはほとんど会員がいませんでした。
しかも当時は、フランス語のテキストもなく、日本企業の駐在員が中心のサークル的な集まり程度の規模でした。
当時なぜか、幸福の科学(Kofuku-no-kagaku)がこのリストの172団体名の中に入れられましたが、約3年の監視・検証の後、問題無しとされました。
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