【参院選】親鸞会被害者団体が民主・社民に要望書＝柴田氏推薦の取消を

柴田未来氏

夏の参院選に向けて石川選挙区で民主・社民両党が推薦する立候補予定者・柴田未来氏について、「浄土真宗親鸞会」の被害者団体が3月5日、両党に対して柴田氏の推薦を取り消すよう求める要望書を送付しました。本紙の取材に対して両党はほぼ同一の文面で、質問項目を無視し要望書の内容も踏まえない回答で「信教の自由に関わることについては確認していません」などとしています。


■柴田氏推薦に「非常に憤りを隠せません」

柴田氏が学生時代に浄土真宗親鸞会の信者として偽装サークルに所属し、卒業後、弁護士になった後も幹部信者として教団に関わり続けたことは、『日刊ゲンダイ』2月24日発売号や本紙が報じたとおり。これに対して3月5日、「浄土真宗親鸞会　被害家族の会」が、柴田氏を推薦する民主・社民両党それぞれの党本部と党石川県連に宛てて推薦取り消しを求める要望書を送付しました。

「被害家族の会」は、家族が親鸞会に入信したという人々が互いに情報共有をする一方で、親鸞会の問題性を社会に訴える啓発活動を行う団体。同会が民主・社民両党に宛てた要望書には、こう記されています。

【要望書 2016年3月5日】

わが国では信教の自由が保障されております故、柴田氏の信仰について当会が異論を申すのではございませんが、柴田氏が信仰している団体が、社会通念上問題がある団体であるとなりますと、今後中央政界に進出し国民の血税を使われるのは、いささか問題ではなかろうかと思いますし、そのような人物を党として推薦されている事について、被害家族の会としては非常に憤りを隠せません。
（略）
≪添付資料≫消費者法ニュース（消費者問題に精通する弁護士らが購読されている書籍）に、この問題を啓発している浄土真宗の僧侶が寄稿されたものがありますので、添付させて頂きました。この添付資料をお読み下されれば、親鸞会の違法性・問題性が集約されておりご理解頂けるかと思います。
（略）
信教の自由が保障されているにも関わらず、高校を卒業し右も左も判らない１８歳の青年達を、偽装した嘘の勧誘行為（入信の自由を奪い）で入信させるような団体に四半世紀（入信は大学生の時）にわたり所属し帰依し続けているような人物に白羽の矢を立てて推薦された民主党に対しまして、我が子の人格が変り果て毎日苦悩の生活を送っている私たち被害家族の思いを受け止めて頂きたく思います。
（略）
このような事から、当会と致しましては、柴田氏への党の推薦取り消しを強く要望するものであります。

■民主も社民もバカか

これについて本紙は、民主・社民両党の党本部に見解を求めました。具体的な質問項目は以下のとおり（要約）。

(1) 被害者の会からの要望書について、どのような考え方に基づいて対応する方針か。
(2) 現時点で、柴田氏の推薦の是非について、どう考えているか。
(3) 柴田氏が親鸞会信者であることが報道されてすでに2週間近くが経過しているが、この間、どのような事実確認をし、今後の対応についてどのような議論をしたのか。
(4) 一般論として、被害者の会まで存在する反社会的団体の構成員を推薦する是非をどう考えているか。

これに対する、民主党の回答です。

【2016年3月11日　民主党本部の回答】
やや日刊カルト新聞社
総裁　藤倉善郎　殿

貴社からご質問いただいた件についてご回答申し上げます。
候補者選定に際して、信教の自由に関わることについては確認していません。柴田未来氏についても同様です。
柴田氏が、ご指摘の宗教団体に関わり、法に違反する行為に関与したことがあるとは承知していません。
万一、柴田氏が違法行為に関与した事実が判明した場合には、党として適切に対処する所存です。

2016年3月11日
民主党役員室

つづいて、社民党。

【2016年3月10日　社民党本部の回答】
やや日刊カルト新聞社
総裁　藤倉善郎　様

貴社からの取材に関しましてご返事いたします。
候補者推薦に際して、信教の自由に関わることについては確認していません。
柴田未来氏についても同様です。
柴田氏が、ご指摘の宗教団体に関わり、法に違反する行為に関与したことがあるとは承知していません。
万一、柴田氏が違法行為に関与した事実が判明した場合には、党として適切に対処する所存です。

社民党全国連合
選挙対策委員会事務局

回答部分の文章が、ほぼ同一。本紙が尋ねた質問項目を全て無視した回答で、「被害家族の会」からの要望書についてもまったく言及していません。

すでに本紙が指摘しているように、この問題は「信教の自由」とは何の関係ありません。政党が推薦する候補予定者が反社会的活動を行う団体の現役の構成員であるという問題です。「被害家族の会」の要望書もこの点に言及しており、なおかつ親鸞会の違法性も指摘しています。

両党は、このまま「信教の自由」で押し切るつもりなのでしょうか。

本紙・藤倉善郎総裁のコメントです。

「民主も社民もバカか」

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◇参考リンク

浄土真宗親鸞会被害 家族の会
さよなら親鸞会
なぜ私は親鸞会をやめたのか