2016年6月21日火曜日

柴田未来氏問題で見えた市民連合の欺瞞=“夏のファッショ祭り”明日から

市民連合の集会に登壇した野党3党首とSEALDs(19日、東京・有楽町で)
6月22日から始まる参議院議員選挙の公示前、最後の日曜日となった6月19日。東京・有楽町駅前では野党3党首と市民連合が「みんなのための政治を、いま。」と題して集会を開き、安倍政権打倒を訴えました。しかし野党と市民連合は、石川選挙区でカルト宗教「浄土真宗親鸞会」の信者で偽装勧誘にも関わっていた柴田未来(しばた未来)氏を推薦。党首クラスを石川県に投入して支援し、市民連合やSEALDsも、左へならえとばかりにこれに追随しています。カルト問題という人権問題の存在や被害者団体の声を無視した「みんなのための政治」という欺瞞。本紙が繰り返し報じてきた柴田問題から、野党ファシズムの本性を改めて検証します。

■選挙のために“偽装脱会”

柴田未来氏
柴田氏が浄土真宗親鸞会の現役信者であることを最初に報じたのは、今年2月24日の日刊ゲンダイでした(Web配信は翌25日)。翌日、本紙がさらに詳しくこの問題を報じます(本紙2月25日記事

本紙が取材で得た親鸞会元信者の証言や教団の内部資料、その後明らかになった事実をまとめると、柴田氏は神戸大学在学中に親鸞会に入信。大学生を偽装勧誘する親鸞会の学生サークルに所属し、弁護士になった後は教団内の幹部組織「特専部」に所属。一時、弁護士業を休止してアメリカに渡っていた間もアメリカ人を勧誘していました。

2013年から、親鸞会の顧問弁護士で特専部長でもある小堀秀行弁護士が代表を務める兼六法律事務所(金沢市)に勤務。この年、親鸞会の社会人向け偽装サークル「異業種交流会 in 金沢」のイベントで講師を務め、弁護士の立場でありながら偽装勧誘に関与していました。

柴田氏は6月5日に開かれた支援者の集会の中で、偽装勧誘に関与していたことを認めつつも、それを違法とも問題とも認識していないとの立場を表明。それでいながら、選挙で不利にならないようにするために脱会したとも表明しました。これを、柴田氏はこういう言葉で説明しています。

「私の内面は誰も触れませんから、それをどう表現するのかということを、私のわがままを通すのはやめました」

親鸞会信者であることを「表現する」のをやめただけで、反省もせず「内面」の信仰は持ち続けているということです。周囲の警戒心をかわすために形式上、脱会してみせる行為は、カルト問題に取り組む人々の間では「偽装脱会」と呼ばれます。

正体を隠した偽装勧誘については、統一協会をめぐる裁判で違法と認定する判決も出ています。柴田氏は弁護士でもあります。偽装勧誘を違法とも問題とも認識していない柴田氏の見解は、弁護士としての資質も問われる類のものでもあります。

■民進党は知っていて隠していた?

では、この柴田氏に対して野党や市民団体は、どう動いてきたのでしょう。

民進党(民主党=当時)と社民党が柴田氏推薦の方向を固め発表したのが昨年末。今年2月に柴田氏の素性が報道された後、両党は本紙の取材に対して、全く同一の文章でこう回答しています。

「候補者選定に際して、信教の自由に関わることについては確認していません」

ところが柴田氏は前述の会合で、立候補を決めた経緯について、こう説明しています。

「今だから言いますけども民主党からこの(立候補の)お話を頂いた時、“間違いなくこれは批判が起こりますよ”と最初に申し上げました。“確実に、私が所属している団体の問題は批判の対象になるし、皆さんにご迷惑をかけると思います。私は候補者として適していないと思います”と申し上げました」

仮にこれが事実だとすると、民進党は柴田氏が親鸞会信者であることを事前に知っており、前述の「確認していません」というコメントは真っ赤なウソだったことになります。

柴田氏の支援団体のひとつである市民団体の幹部は、本紙の取材に対して、こう説明しています。

「民進党が柴田氏を推薦するということになった際、我々は柴田氏が親鸞会信者だとは知りませんでした。民進党からは、そのような説明はありませんでした」

本紙が柴田未来事務所の事務所開きがあった今年2月に、別の市民団体の関係者に尋ねた際も、やはり柴田氏が親鸞会信者であることは知らなかったとの答えでした。

柴田氏やこの関係者の説明が事実であれば、民進党は支援団体にすら事実を隠して支援させていたことになります。

■すべての政党と市民団体が被害者の声を無視

親鸞会に入信した信者の家族らで作る「浄土真宗親鸞会被害家族の会」は3月に、柴田氏への推薦を取り消しを求め民進・社民に要望書を送付。共産党が独自候補を取り下げ柴田氏に乗る方向で再抽象性に入ったと報道された4月、家族の会は共産党や野党を支援する地元市民団体にも同様の要望書を送付しました。しかし共産党は柴田氏への推薦を発表し、柴田氏は野党統一候補となります。

家族の会による一連の要望書に対して返事を出した政党や市民団体はゼロ。民進・社民は、家族の会からの要望書への対応を尋ねた本紙の質問も無視し、無回答。推薦・支援をやめないばかりか、被害者の声の存在すら、ないことにしてしまいました。

■親鸞会を「カルト」と呼んでいたウソつき共産党

地元関係者によると、共産党が柴田氏推薦を発表するまでは、地元の共産党員の間でも柴田氏推薦への批判があったといいます。

「当初は石川の共産党関係者や若手党員からも、柴田氏推薦に反対する声は聞こえたのですが、ひとり、またひとりと黙ってしまいました。今、県内の共産党関係者で柴田氏推薦に反対し続けているている人は、私が聞いて回った限り、いません」(地元関係者)

本紙はこれをファシズムと呼び、志位和夫委員長のクソコラを作成しました。

共産党の機関紙『しんぶん赤旗』は、2009年に親鸞会を「カルト」とする記事を掲載。その後も、親鸞会を名指ししていないものの、偽装勧誘を行う宗教団体を「カルト」とする記事を繰り返し掲載しています。今年3月にも、統一教会問題にからんで同様の記事を掲載していました。

それから1カ月もたたないうちに、共産党は柴田氏の推薦を発表。その際、党石川県員会の関係者は本紙の取材に対してこうコメントしました。

「団体(親鸞会)の中の問題はいろいろあるかもしれないが、反社会的な存在ではないと確認しました」

『赤旗』で何度も「カルト」と呼んできたものが、突然、反社会的ではないことになりました。

本紙は、党中央委員会に『赤旗』との矛盾について見解を求めましたが、「公党の党首をヒトラーになぞらえるなど、社会的に許されない行為」との理由で、共産党は取材拒否。自分たちは「赤旗まつり」で安倍晋三首相の顔にちょび髭を書いてドラムに貼り付けて叩いていたのに(本紙5月21日記事)。

■野党4党、市民連合、SEALDsが柴田氏支援

柴田氏と講演する民進・岡田克也氏
その後、生活の党と山本太郎となかまたちも柴田氏への推薦を決定。野党4党の共闘が実現し、党首クラスが次々と柴田氏への応援にかけつけます。まず小沢一郎代表が、柴田氏や共産・志位委員長と金沢市内で共同街宣。民進・岡田克也代表が柴田氏と講演。社民・福島みずほ副党首が柴田氏とともに「いしかわ市民連合」のデモに参加して、露骨に柴田氏と自身への投票を呼びかけるとともに、自らも金沢駅前で別途、柴田氏とともに街頭演説を行いました。

「いしかわ市民連合」のデモには法政大学・山口二郎教授(安全保障関連法に反対する学者の会)とSEALDs・本間信和氏も参加。本間氏は福島氏の街頭演説にも登壇しました。またこの日、山口・本間氏が、市民連合と柴田氏の間での政策協定に調印。市民連合も柴田氏を推薦しました。

柴田氏への投票を呼びかけるSEALDs・本間信和氏、法政大学・山口二郎教授、社民・福島みずほ副党首
山口・本間両氏は、本紙の取材に対して、「柴田氏が親鸞会信者であることは知っているが、特に問題とは捉えていない」とする趣旨のコメントをしています。

親鸞会は、偽装勧誘が原因で全国の大学から警戒されているカルト宗教団体です。その信者で偽装勧誘にも関与した人物を、大学教授と大学生の政治団体が「問題ない」として国会議員にすべく有権者を煽る。異常な光景です。

■安倍政権以上に露骨で暴力的な野党ファシズム

本紙・藤倉善郎総裁は、寄ってたかって親鸞会問題や被害者の声をないことにしようとする野党陣営を「野党ファシズム」「数の暴力」と批判してきました。

いしかわ市民連合のデモで暴行される本紙総裁
すると山口・本間・柴田の各氏が参加した集会では、主催者の「いしかわ市民連合」が、「野党ファシズム」と書く本紙は報道とは認められないとの理由で入場を拒否。集会後、公道で行われたデモの際にも、藤倉総裁は同じ人物から「子供を撮るな」などと因縁をつけられ、カメラを遮るなどの物理的な取材妨害を受けたほか、デモ参加者から暴行を受けました。

このデモでは、子供を隊列の先頭に置き、一般マスコミや沿道の人々も自由に撮影させていました(公道で自らアピールしてみせるイベントなのだから当然です)。本紙総裁は子供にカメラを向けていない時ですら「子供を撮るな」という理由で取材を妨害されました。取材妨害や暴力の実際の理由が「子供の撮影」でないことは明らかです。

藤倉総裁は、福島氏の街頭演説においても、支援者や社民党の金沢市議からカメラを遮る取材妨害を受けています。

「ファシズム」と書いた相手には、より露骨で頭の悪いファシズムで応える。それを目前に見ながら、山口教授もSEALDsも知らん顔して「憲法」がどうの「民主主義」がどうのと絶叫する。

野党陣営が言う「市民の声」は、彼らにとって都合のいい「市民の声」だけ。親鸞会被害者は「市民」にカウントされません。彼らが言う「報道」も、彼らにとって都合のいい報道を行うものしか含まれないようです。

■石川ローカルの問題ではない

柴田氏は石川選挙区の立候補予定者です。しかし、この問題はもはや石川ローカルの問題ではありません。

なぜなら、各政党の本部や、市民連合のような中央あるいは全国規模の市民運動が柴田氏を推薦しているからです。ただ「推薦」として名義貸しをしているだけではありません。各党の党首クラスの役員や現職議員、山口教授のような識者、SEALDs関係者などが県外の人々が現地入りして柴田氏を支援し、同時に、その全員が親鸞会問題の存在や被害者の声を黙殺しています。

明らかに、野党各党と「市民を名乗る人々」が一丸となって、柴田氏の問題をないことにして「安倍政権打倒」だけをキーワードに有権者を煽る形です。これは、石川県にとどまらない野党陣営全体のファシズム体質を示しています。

■“新しさ”というウソ

「有権者の声」「市民の声」という言葉は、旧来の政治家たちもさんざん口にしてきました。そんなものは体裁にすぎず、政党や政治家に拾い上げてもらえない市民の声は踏みにじられてきました。

いまの野党陣営でも、それは変わりません。

冒頭で紹介したように、市民連合は「みんなのための政治を、いま。」というキャッチフレーズを掲げています。しかし公示前からすでに、親鸞会の被害者団体の声は黙殺されています。

地元では、親鸞会の社会人向け偽装サークルが「SEALDsとかと非常に関係が深い柴田さんもいるんだよ」との触れ込みで市民を勧誘しているケースが、すでに出ていると言われています。石川県内での親鸞会被害が拡大しかねない状況ですが、柴田氏が関わってきた親鸞会の問題をないことにしたまま柴田氏の名前ばかりを連呼する野党陣営は、選挙のために石川県民の生活上の安全をカルトに売り渡したと言っても過言ではありません。

石川県民に「お前らがカルト被害にあおうと知ったことか。オレたちが安倍政権を倒して権力を握るための票だけよこせないいんだよ」と言っているようなものです。

市民連合にとって都合のいい市民だけのための政治。自分たちに逆らわず群がってくる者のためだけの政治。いままでのくだらない政治そのものです。

SEALDs・奥田愛基氏
6月17日の記者会見で、SEALDs・奥田愛基氏はこう発言しています。

「争点を政治家が決めていって、投票する人たちがそれについていくだけ、フォローしていくだけという選挙は、私達は古いなと思っています」

民進・社民が柴田氏推薦を決めたら、問題を指摘することすらせず追随して「柴田未来を国会へ」と連呼する。「政治家が決めたことをみんながフォローするだけ」の「古い」政治を、いままさに演じているのがSEALDs自身です。「市民による政治」という看板を掲げた、単なる政党の太鼓持ちにすぎません。

SEALDs関係者の能書きはご立派ですが、実際にやっていることは、「いままでと変わらない残念な政治」を新しくて素晴らしいものであるかのように見せかける演出と口先のアジテーション。それによって国民を騙し、権力を握ろうとしているだけのことです。

こういう人々が権力を握っても、日本が良くなるとは思えません。

■“夏のファッショ祭り”開幕へ

ファシズム的な傾向を強く持つという点では、安倍政権も同じです。野党陣営の体たらくによって、「与野党どちらが勝ってもファシズムの勝利。有権者に他の選択肢はない」という構図になってしまいました。

どう転んでも日本が良くなる可能性が見えない、空虚なお祭り騒ぎ。

これまでと変わらない絶望的な参院選挙は明日、公示されます。

公示を前に、本紙・藤倉善郎総裁が、このくだらない選挙への意気込みを語りました。

「祭りだ!ファッショイ!」

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◇参考リンク
浄土真宗親鸞会被害 家族の会
さよなら親鸞会
なぜ私は親鸞会をやめたのか

6 コメント:

匿名 さんのコメント...

柴田さんの写真、厄除けに使えそう。
悪をもって、悪を祓う。(笑)
鬼でもって、鬼を追い払う。(笑)

匿名 さんのコメント...

しかし柴田女史もバカみたい。国立大学出てカルト新興宗教ですか。こんなにばかげた人生を歩んで恥ずかしくないのかな?

匿名 さんのコメント...

おまえ、東大卒の大川隆法、大川きょう子、ドクター中松、ついき秀学・・・・各氏に失礼だぞ。マック赤坂は京大・・・・。

良い大学には行ったらバラ色って、学習塾の主張はデタラメですよね深見東州さん?

キャノン さんのコメント...

藤倉総裁、けがのないようにお願いいたします、はぃっ。
あと、幸福実現党の特集も、是非お願いいたします。

なぜ大川総裁は立候補しないのでしょうか?
総裁、大川総裁の霊言集の出版をぜひお願いいたしました。

匿名 さんのコメント...

ザインの伯教祖も東大でしたっけ。東大は頭のねじが一本多い人たちばかりなので、まともなのもいれば頭狂大学とでもいいたくなるような基地外もいるということですかそうですかw。
東大生の中にはかなりの割合でアスペルガーがいるという話です。変わり者が多いといえるのかもね。

匿名 さんのコメント...

>総裁、大川総裁の霊言集の出版をぜひお願いいたしました。


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