藤倉被告の公判前整理手続10月5日に東京地裁で

幸福の科学「初転法輪記念館」の監視カメラに写った藤倉被告（幸福の科学機関誌『ザ・リバティweb』より）

幸福の科学の一般公開施設に取材に入ったことでジャーナリストの藤倉善郎被告が建造物侵入の罪に問われている事件で、10月5日11時から東京地裁715法廷（7階）で公判前整理手続が行われることがわかった。同手続は通常、非公開で行われるが、弁護団は非公開での裁判は違憲だとして裁判所に公開を要求。藤倉被告の支援者団体は、一般の傍聴を呼びかけている。


この事件は今年1月、藤倉被告が東京・西日暮里にある幸福の科学施設「初転法輪記念館」に取材に立ち入ったことが建造物侵入罪にあたるとして、6月に東京地検が起訴したもの。藤倉被告は警察、検察の取り調べに対して事実関係をすべて認めた上で、公益法人である宗教法人の一般公開施設に立ち入ったのは正当な取材行為であり、現場の教団職員が藤倉の氏名を知った上で立ち入りを承認していたとして、無罪を主張。検察による略式起訴（公開の裁判を開かず罰金刑で終結する手続き）を拒否したため、正式に起訴されていた。検察側は、幸福の科学が藤倉被告に対して事前に施設への立入禁止を通告していたことを主な理由として挙げている。

これについて東京地裁は8月、公開での公判を開く前に非公開で行われる公判前整理手続を行なうと決定。同手続は公判前に検察・弁護人双方が非公開の場で主張と証拠を出し合うもので、その内容に基づいて公判が行われる。公判が始まると新たな証拠を提出することができない。

日本国憲法第82条2が「政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第３章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない」と定めていることから、弁護団は、ジャーナリストの取材活動に関する裁判を非公開で行うのは違憲だとして、東京地裁の決定について特別抗告。最高裁が棄却したため、東京高裁に通常抗告。さらに東京高裁も棄却さいたため、再び最高裁に特別抗告を行ったほか、東京地裁に対して公開での裁判を申し入れている。

これを受けて、「幸福の科学取材で刑事被告人にされた藤倉善郎氏を支える会」（略称：藤倉氏を支える会）はウェブサイト上で、〈公開に備えて皆様に傍聴のためお集まりいただきたくお願い申し上げます〉〈被告人や弁護団以外の一般国民も公開裁判を求めていることを裁判所に示すことにもつながります〉などとして、一般に傍聴を呼びかけている。当日は、公判前整理手続が公開されてもされなくても、終了後に別室で状況報告等を行うとしており、メディア関係者の取材も歓迎するとしている。

藤倉被告のコメント：

「弁護団によると、公判前整理手続を違憲だとして抗告するケースは初めてのようで、建造物侵入罪と取材の自由の兼ね合いが裁判で争われたケースは前例がないとのこと。こうした手続きで私が有罪とされると、悪しき前例ができる。たとえば政治家が特定のメディアの取材を拒否して、記者会見場に記者が入ってきたら建造物侵入罪で告訴し、その記者が一部とは言え非公開の法廷で裁かれるということがまかりとおる。もはや幸福の科学云々ではなく、この国の報道の自由や民主主義に関わる問題です。ぜひ多くの方に関心を持っていただければと思います」

なお「藤倉氏を支える会」では、弁護団の活動費用としてカンパの呼びかけも行っている。

ゆうちょ銀行　〇一八支店（店番０１８）　
普通　口座番号　８０７１５９９
あるいは
１０１５０－８０７１５９９１
幸福の科学から刑事告訴された藤倉善郎氏を支える会
コウフクノカガクカラケイジコクソサレタフジクラヨシロウシヲササエルカイ
（※会の名称は変更手続き中。当面は上記の名義）