前作「心に寄り添う」は一部の人から歴史に残る噴飯映画と言われる程の特殊映画。1年4ヶ月ぶりの今作はどのような出来だったのでしょう。
◆あらすじ
公式サイトによるあらすじ紹介を引用します。
幸福の科学の教育機関・HSU(ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ)で"特別授業"が行われた。テーマは「生きるとは」─講師として招かれたのは、人生経験が豊かなシニア世代の4人。授業に先がけ、HSUや幸福の科学学園を訪れた4人は、そこで学ぶたくさんの学生たちと語り合う。
本作はこの4人の講師を軸に幸福の科学の様々な教育事業を紹介するというものです。
ちなみに、この特別授業が行われたHSUは大学生に相当する年代の若者が通う教育機関で、幸福の科学の世界観では「大学」ですが、一般的には私塾です。
◆出演者は結局信者ばかり
この特別授業の講師達は様々なバックグラウンドを持ったシニア世代といった装いですが、全員幸福の科学と強い繋がりがある(恐らく信者)という共通点があります。
映画の中で紹介される講師陣の人物像は
・自宅に幸福の科学の祭壇がある
・幸福実現党から出馬していた
・10年前に幸福の科学の施設で病気根絶祈願を受けた
・6年前に幸福の科学に入信した
など。
講師の1人である96歳のおばあちゃんは90歳の時に入信し、毎朝大川隆法さんの本を読んでいるそう。
終始穏やかな表情で笑顔を絶やさずにいるおばあちゃんが宏洋批判本を読んでいるのかと考えたら背筋が寒くなりました。
◆HSUを中心とした幸福の科学の教育事業プロパガンダ映画
講師の紹介時間がやや長いのですが、このドキュメンタリー映画が主に見せつけるのは幸福の科学の教育事業についてです。
・ガンを早期発見するシステムの開発に関連してHSU生が特許を4つ取った
・HSUに入ってTOEICの点数が飛躍的にあがった
・東大合格を蹴ってHSUに入学した
・高校のチアリーディング大会で良い結果を出した
といった、目覚ましい活躍を知る事ができます。
高卒生向け私塾HSUや高校だけでなく、幼児向けの塾の様子も紹介されます。
4人の講師達はその活動に終始感心している様子です。
ただ、この講師達は前述のように幸福の科学関係者(恐らく信者)です。
そこに外部の視点はなく、退屈な幸福の科学プロパガンダ映画となっています。
◆結局何を伝えたかったのか
映画に頻繁に出てくるHSUは、幸福の科学大学として開学する予定で作られたものの、文科省から大学設置認可が降りなかったために私塾として運営されています。
幸福の科学の教育事業の素晴らしさを延々と伝えた映画はラストでこの不認可決定の通知書を大写しにし、それに異を唱えます。
そして、2019年10月に大学設置の再申請をすると伝えて幕を閉じます。急に大学設置の話になって思わずずっこけてしまいました。
映画のパンフレットも最終ページに同様の事が書かれています。
若さと老いの対比で「生きるって何だろう」というテーマを描いたなんて言っていても、結局は大学設置不認可に反対したかっただけに見えてしまいます。
◆映画には出てこなかった教育内容
映画では背景にチラチラ映る本棚が大川隆法さんの書籍だらけだったりと違和感を感じる事はありますが、多くは世間受けが良さそうな成果ばかりで、これなら大学設置しても良いと思う人もいるかもしれません。
ただ、映画では紹介されないこれら教育機関の参考書や教科書を眺めると、ギョッとするような記述も散見されます。
映画にも出てくる仏法真理塾「サクセスNo.1」の「大学入試 現代文 最重要語ファイナル」という参考書には、500あまりの「最重要語」が収録されています。
パラパラとページをめくると「現世」「啓示」「霊験」「礼拝」「帰依」「解脱」「憑依」「唯物論」などの言葉が「最重要語」として目に飛び込んできます。
HSUの教科書をめくると
・御法話のCDは、書籍の3倍の霊的パワーがある。
・実際の講演会は、CDの2倍ぐらいのパワーがある。
・すなわち、実際の講演を聴くことは、本を読むときの6倍ぐらいのパワーがある。
・ニュートン、アインシュタインといった偉大な科学者も、人類の進歩に貢献した実績により、霊界ではこの銀色光線の中にいる高級霊として位置づけられている。
・(ピラミッド・パワーは)『太陽の法』などによれば、ムー文明、アトランティス文明において利用されていたとされる。航空技術、航海技術にも応用された。何らかの宇宙のエネルギーを集結させる仕組みのようである。
・アメリカではすでに宇宙人によるアブダクションなどの事例が数百万例も報告されているらしいので、日本でも対策を含めた調査・研究が必要であろう。
なんて事が書いてあります。
「報告されているらしい」ぐらいの情報で結論を導くところに科学に対する姿勢が表れています。
これで大学設置認可は降りるのでしょうか。
前作「心に寄り添う」はBlu-ray化されました。
今作がBlu-ray化される時には幸福の科学大学の再申請の結果が出ている事でしょう。
もし本作もBlu-ray化されるのであれば、大学設置申請云々の部分はBlu-rayに収録されるのか注目したいと思います。
幸福の科学大学の再申請が通らず、この部分がカットされた方が映画としてのまとまりは良いような気がしますが…。
5 コメント:
ピラミッドパワー・・・、、40数年前ピラミッドパワーを信じていた者が作成そしてなんとその中に
卵を入れ宇宙からのパワーにより腐らないと言い始める。しかし見事に腐り、ふててしまった。
ピラミッドパワーは現在死語だと思っていたが、さすが幸福の科学、あっぱれ、さらに映画作って欲しい。
教祖の子供は誰もここにいっていないよねw。
アグネスチョウさんが幸福の科学の被害にあっています!守護霊を語り、勝手な主張
はっきりいって最低!https://twitter.com/chowtingagnes/status/1169594258564644867?s=19
https://twitter.com/kentauro1024/status/1169595223644598272?s=19
幸福なば⚪︎には、形式を整えて認可を申請する能力はなく、上手くいかないのは全て人のせいにして責任逃れでしょう。
もっとも、前回の経緯から、実態まで審査の対象になるかも、それに周氏の霊言のけんもあるし
HSUの入学試験問題はどんなんだろうか?
恐らく、信者じゃなきゃ解けない問題だろうな。
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