親鸞会は、大学生に対して正体を隠した勧誘を行ったり、信者に対して多額の金銭の支払いを求めるといった点から、全国の大学で問題視されています。特にゴールデンウィーク中に行われる合宿は、新入大学生に対する勧誘の“仕上げ”的な意味を持ちます。こうした団体に、青少年育成を目的とした国立施設が活動場所を提供することの問題性は、本紙で指摘してきたとおりです。
立山青少年自然の家の問題を報じた後、親鸞会脱会者を通じて、これまで親鸞会が合宿場所として利用してきた施設の具体的な名称がいくつか寄せられました。インターネット上の情報を含めると、名前が挙がっている施設(立山以外)は、以下の5施設です。
高遠青少年自然の家(長野県)
乗鞍青少年交流の家(岐阜県)
淡路青少年交流の家(兵庫県)
能登青少年交流の家(石川県)
妙高青少年自然の家(新潟県)
高遠青少年自然の家の利用を示す親鸞会ダミーサークルの勧誘チラシ(なぜ私は親鸞会をやめたのかより)、赤線は本紙 |
「乗鞍青少年交流の家」では、「なごやんウォーカー」の名前で、過去数年、毎年5月に利用があり、今年の5月1~3日にも合宿を行っていたとしています。これは、親鸞会脱会者からの情報にあった親鸞会のダミーサークル名と一致します。
「淡路青少年交流の家」では、予想されるダミーサークル名での利用は確認できませんでした。
ダミーサークル名や申込者名がわからないケースでは確認のための手がかりがないため、「能登青少年交流の家」「妙高青少年自然の家」には問い合わせていません。
これら国立施設を統括する国立青少年教育振興機構の担当者は、これらの問題について、こう語っています。
「青少年自然の家や青少年交流の家は、青少年健全育成・青少年教育のための施設です。特定の宗教・政治団体を支持する活動や営利活動での利用は禁止しています。しかし施設内でそういった活動をしているということでなければ、(利用団体が)宗教であるというだけでは禁止できない。申請時に提出される活動内容等の説明が事実と違うと確認できれば、利用をお断りします。今後、問題のある団体について情報収集をし、禁止条項を利用団体に周知徹底します」(国際・研修支援課の担当者)
しかし、今回の親鸞会ダミーサークルによる利用という個別の事例については、同担当者は「問題である」と断定することは避けました。
「本当に無理な勧誘などを行っているのであれば問題です。しかし(利用団体の)施設外部での問題は、わたくしどもの方で情報を収集していくとしか、現段階では申し上げられない。対応については検討中です」(同)
残念ながら、現時点では具体的な対応策は見えてきません。
浄土真宗親鸞会のウェブサイト |
しかしまだ連絡はありません。もし親鸞会のコメントが入れば、追記します。
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■追記(2010.06.14)
6月14日午前中に、浄土真宗親鸞会より「取材はお受けできません」との留守番電話メッセージがありました。取材を受けない理由くらい聞かせてもらおうと思って電話しました。非常に不毛な内容ですが、親鸞会の取材対応姿勢が少しはわかるかと思うので載せておきます。
──取材を受けていただけない理由は?
「留守番電話にメッセージを残させていただきました。それ以上もそれ以下もありません。取材はこちらではお受けできませんので、何か今後ありましたら、取材の申込は書面でお送りいただければと思います」
──それは今回の件も書面でお送りすればお答えいただけるということですか?
「取材の申込みは口頭ではお受けできませんので」
──「取材は受けない」ではなく「口頭では受けない」という意味なんですね。
「何かありましたら書面でお送りいただきたいということです。それで、受けるか受けないかはこちらで判断いたしますので」
──留守番電話には、「取材は受けない」というメッセージが入っていたんですよ。そうではなくて、いまのお話だと「口頭では受けられない」とおっしゃってますよね。
「今後、何かありましたら、まず書面でお送りいただければといま申し上げております」
──今回については、書面を送るまでもなくお受けいただけないということなんですね?
「はい」
──その理由はお聞かせいただくことはできないですか?
「こちらではわかりかねますので……」
──あ、わからないんですね。取材を受けない理由は「わからない」と。
「こちらでの取材はお受けできないということしかお答えできません」
──で、その理由はわからないということですね?
「こちらでお答えする必要はないと思いますので。とにかく取材をお受けすることはできません」
──理由も答える必要はない、と。わかりました。ではそのようなコメントで記事にさせていただきます。どうもありがとうございます。
「……」
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