2021年2月12日金曜日

【建侵裁判傍聴レポート】「折に触れて本教団に対してアドバイスを」大川隆法の“依頼”に応えて問題提起のアドバイスをした宗教社会学者も出禁に

主尋問を行う御船剛弁護士(左)と塚田穂高氏(右)
(法廷画家“BAN苦死慰”氏作)
2月9日、幸福の科学の一般公開施設への立ち入り取材が建造物侵入に問われたジャーナリスト藤倉善郎氏の公判(東京地裁)が開かれた。証人として出廷した宗教社会学者の塚田穂高氏(上越教育大学)は「幸福の科学の特殊性とそれに起因する報道の必要性」「批判者への報復体質」「被告人の取材活動の意義」を詳細に証言した。今回も謎の法廷画家の全面協力を得て傍聴取材レポートを掲載する。(※塚田氏の鍵括弧内の発言内容は傍聴メモから要旨をまとめたもの)


 この日の傍聴希望者は20数名。法廷前では1時間以上前から傍聴券を求め並んでいた支援者にポイフルを半強制的に配る被告人藤倉氏の姿があった。列に並ぶ幸福の科学職員にもポイフルを配給しようとして断られる一幕も。
 傍聴席の幸福の科学関係者は教団弁護士2人を含め3人。
教団職員(右)にポイフルを勧め拒絶される被告人(左)
(法廷画家“BAN苦死慰”氏作)
◆宗教社会学者・塚田穂高氏登場!

 幸福の科学について最も詳しい宗教社会学者・塚田穂高氏が、被告人側の証人として出廷。
法廷前に現れたこの日の主役、宗教社会学者・塚田穂高氏
(法廷画家“BAN苦死慰”氏作)
 主尋問はリンク総合法律事務所の御船剛弁護士。冒頭、塚田氏の経歴等が示された。以下、要約。

 東京大学大学院修士課程と博士課程で宗教学を学んだ塚田氏は2010年4月より約7年間國學院大學研究開発推進機構日本文化研究所助教を務め、現在は国立大学法人上越教育大学に助教として勤務している。2013年4月、東京大学で「幸福の科学についてもかなりの分量を割いた」博士論文を提出し博士(文学)学位を取得。『日本宗教学会』『日本社会学会』『「宗教と社会」学会』『宗教法学会』などの学会に所属し活動している他、文化庁の委嘱を受け国内の宗教事情やカルト問題についての講演も行っている。カルト問題の啓発活動を行う日本脱カルト協会に一会員として参画。
 塚田氏は日本の宗教社会学分野において中心的代表的な学者・論者・研究者であり、2015年に出版した『宗教と政治の転轍点 保守合同と政教一致の宗教社会学』(花伝社)は同年の日本宗教学会賞を受賞している。

◆“アドバイス”には圧力

 御船弁護士の問いかけに答えていく塚田氏

――新宗教そして幸福の科学への取材報道の必要性について

「社会活動を積極的に展開している新宗教一般については、社会への関わり方が適切なものか検討する必要性があり、取材報道の意義がある。幸福の科学については、特に独特の立ち位置や4つの特性『政治活動(独自政党設立、国政選挙大量擁立、公職選挙法違反で逮捕事例)』『教育活動(大学不認可を巡る問題、教育内容についての特殊性)』『群を抜くメディア情報発信』『対外的トラブル(様々なトラブルや問題を起している)』から他の新宗教以上に多面的な取材報道の必要性がある」
被告人藤倉氏の弁護団、欠席者の顔写真は誰だ?
(法廷画家“BAN苦死慰”氏作)
――教団側の取材対応の推移について

「教団は当初、調査に協力的だった。広報へ依頼すると施設訪問やイベントを見ることを許可され、書籍や機関誌が送られてきた。東大大学院生だった2009年夏、岩波書店の月刊オピニオン誌『世界』(2009年9月号)に事実を淡々と追って問題意識を記述した論文『変貌する「幸福の科学」の今昔―政治進出までの二三年間とその国家観―』を発表した際、教団側が好意的に評価、渡邊伸幸広報局長(当時)からの“よく書いてくれている”との手紙に大川隆法のメッセージ『非常によく勉強している。将来性のある学者だ。折に触れて本教団に対してアドバイスをくれるような宗教社会学者になってほしい。成長を願う』が同封されていた」

「現在は調査への協力を得られなくなっている。且つて招待を受けていた各種イベント・行事も一切招待されなくなり、各種イベントに一般の申し込みフォームから申し込んでも『あなたはお断りです、認められません』と断られ、定期的に送られてきていた書籍や雑誌も届かなくなった」

「2013年12月に月刊オピニオン誌『中央公論』(2014年1月号)に論文『偽装・虚勢・無反省 : 「新新宗教」に蔓延する諸問題』を寄稿したことで教団側の態度が一変した。同論文では幸福の科学については2009年以降の攻撃的な霊言が増えた事象への問題提起や各地の大学祭での偽装サークルによる出展・展示での個人情報収集と布教への問題提起を、教祖の手紙にあったように折々に教団に対して重要なアドバイスをすべきと考えて行った。問題点を指摘する内容の論考を行ったことにより、幸福の科学から協力を得られなかったばかりか、編集部宛てに申入れ・抗議・面会要求があり、自身も教団広報局の高間智生広報部長から呼び出され『誰の指示でこういうことを書いたのか』『なぜ藤倉に取材したりコメントを求めるのか』『こういうことを書かないで済ませることはできなかったのか』等の圧力を感じる詰問を受けた」
法傍聴席で取材を行う筆者(手前)と教団弁護士2人、
内一人は爆睡しており幽体離脱していたとみられる

(法廷画家“BAN苦死慰”氏作)
◆SLAPPの先駆け

――教団によるこれまでの抗議活動等の代表的な事例について

「幸福の科学の問題点の指摘や批判的な言論に対するこの手の抗議活動や圧力は、1990年代から。他の新宗教では考えにくい。幸福の科学は群を抜いている。弁護士を伴っての抗議、説明要求、内容証明郵便、教団サイトへの誹謗中傷・罵詈雑言に満ちた反論文掲載、民事訴訟提訴。91年の講談社フライデー事件では激烈な抗議活動、業務に支障をきたすFAX攻撃と全国各地での損害賠償請求。97年には元信者からの献金返還訴訟に対し元信者と代理人弁護人・山口広弁護士への8億円名誉棄損訴訟を起こした。反訴され幸福の科学が敗訴したが、この8億円訴訟は、日本におけるSLAPP・恫喝訴訟の先駆けと法律雑誌『法学セミナー』において評価されている。訴権の濫用、批判に対して正当性のない法的手段に訴えるという教団の性質を反映している」

◆アカデミズムへの執拗な攻撃、教団広報部長が“建造物侵入”

――メディア以外、アカデミズムへの"攻撃"について

「2015年、國學院大學の高橋昌一郎教授(哲学論理学)が週刊新潮の連載で幸福の科学の霊言等を批判的に論じた際に苛烈な抗議を受けた。申し入れ、教団サイトに反論文、“三流教授”といった罵詈雑言による誹謗中傷。國學院大學の研究棟・教室棟に教団の高間智生広報部長が許可なく侵入し待ち伏せ、面会を断られているのにもかかわらず執拗につきまとい恫喝、法的手段を仄めかす文書を手渡しした他、公表していない高橋教授の自宅にも押し掛けた。非常に脅威を感じている、恐ろしい。批判や問題提起といった言論学術活動を封じようとしている。その経緯を知ったのは高橋教授自身の発信や教団サイトからだったが、問題の詳報は被告人藤倉氏の記事を参照した。被告人以外に報じたメディアはなかった」

ーー現在の日本のメディアは幸福の科学についてどう取り扱っているか

「幸福の科学について大手メディアが扱うことは多くない。1990年代初頭からの批判的な報道への圧力や抗議の積み重ねが認知されており『面倒くさい』『波風立てないでおこう』との抑止が働き、萎縮している」
メディアや大学教授への圧力担当者?
幸福の科学広報局の高間智生部長
(撮影:鈴木エイト)
◆唯一無二のジャーナリスト

――その中で取材報道する意義とは

「教団にコントロールされた情報が多く流通している状況があり、他方で様々なトラブルや法的手段の仄めかしから、取材報道の意義・必要性が増す」

――藤倉氏の取材報道活動について

「国内で数少ないカルト問題に特化したジャーナリストであり幸福の科学に対しても唯一無二の専門的なジャーナリスト。幸福の科学に詳しい専門家として名が挙がる。被告人しか報じていない記事が数多くある」
マスクのゴムのズレにも気付かず
公判に集中する唯一無二のジャーナリスト兼被告人

(法廷画家“BAN苦死慰”氏作)
「宗教社会学者として数々の論考を発表。藤倉氏については、これまで書いた書籍や論文でも引用し言及。大学生向けの宗教学の教科書にも掲載。編著『徹底検証日本の右傾化』(2017 筑摩選書)でも幸福の科学については藤倉氏が書いた」 

――今後、幸福の科学について被告人が自由に取材報道ができなくなるとどうなるか

「大手メディアが報じない幸福の科学に関しては公共性や取材報道の意義が非常に強くある。もし本件に関連して被告人が今後取材しづらくなる、萎縮が生じるとすると、極めて日本社会、社会空間・公共空間に流れる情報のアンバランスさ、歪みが生じかねない。国民・市民が幸福の科学に関する教団発信以外の情報に触れる機会が著しく制限、限定されることに危惧を覚える」

――最後に本件について 

「幸福の科学についての特殊性、そういった団体による被害届であるということ、こうした対象の特性、それを報道する被告人の活動の意義、それが無くなった時の社会的損失を検討の上、判断いただきたい」

◆検察の反対尋問は無し

 検察官からの反対尋問はなく、塚田氏への証人尋問は終了。検察側がこの裁判を建造物侵入罪の形式論で押し切ろうとしていることがはっきりした。
反対尋問を行わなかった検察官(左)
(法廷画家“BAN苦死慰”氏作)

◆“エルカンターレ”への証人尋問請求は却下

 ここで被告人弁護団は大川隆法総裁の証人証拠調べを請求。検察官から「公判前整理手続以後のやむを得ない事由ではない」と異議が入り、裁判官も異議を認め、大川隆法の証人採用請求を却下した。
大川隆法の人証請求を却下した裁判官
(法廷画家“信濃川スペシャル”氏作)
 この裁判官の判断に異議を唱えたのが弁護団長の紀藤正樹弁護士(リンク総合法律事務所)だ。紀藤弁護士は公判前整理手続き以後の事情として、初転法輪記念館施設職員・五明智子氏、幸福の科学総合本部事務局総務部長・三浦英俊氏、同本部元広報局長・渡邊伸幸氏への証人尋問から判断権者としての意思の発現は大川隆法しかおらず、直接大川へ本件について訊くことによる管理権者看守者についての当該意思の立証証明の必要性を訴えた。裁判官は“やむを得ない理由と必要性の判断から”改めて大川隆法の人証請求を却下、大川隆法がこの件において法廷で証言する可能性は潰えた。
大川隆法の人証申請却下に異議を唱える紀藤正樹弁護士
(法廷画家“BAN苦死慰”氏作)
◆次回は最終弁論と論告・求刑

 次回公判は2月17日、最終弁論と論告求刑が予定されている。

◆順調な滑り出しのクラファン

 刑事被告人にされた藤倉氏を支援するためのクラウドファンディングが始まっている。詳細は以下。
クラウドファンディングサイト・MOTION GALLERYクラウドファンディング・プラットフォーム『ジャーナリストが一般公開施設を取材したら建造物侵入罪!? 取材・報道の自由を守るための刑事裁判

公判日程

東京地裁平成30年刑(わ)第1508号
建造物侵入事件 被告人 藤倉善郎
東京地裁715号法廷
 
第1回(終了)
2020年12月22日13:30~15:30
冒頭手続及び証拠調べ手続
 
第2回(終了)
2021年1月8日13:30~17:00
証人尋問手続(幸福の科学職員2名)
 
第3回(終了)
1月19日10:00~12:00
証人尋問手続(幸福の科学職員=元広報局長)
 
第4回(終了)
1月26日13:30~17:00
被告人質問
 
第5回(終了)
2月9日13:30~17:00
証人尋問手続(宗教社会学者)

第6回
2月17日13:00~15:30
論告・求刑
 
第7回
3月15日
判決言い渡し(予定)


~取材協力~

法廷画家“BAN苦死慰”氏
法廷画家“信濃川スペシャル”氏

~関連記事~

ハーバー・ビジネス・オンライン

やや日刊カルト新聞






4 コメント:

匿名 さんのコメント...

そもそも塚田穂高氏が幸福の科学から拒絶されている理由は、
客観的事実に基づいた論文ではなくウソを書いたため。

講談社フライデー事件は実質講談社側の敗訴になっていて、
記事内容の多くが否定された形だ。

元信者からの献金返還訴訟は、自分からお布施をしたとして
元信者が敗訴している上、山口広弁護士がテレビで
幸福の科学に強制的にお布施を献金させられたとウソの発表をしたために
幸福の科学側から8億円訴訟を起こされたのが実情だ。
確かに裁判では8億円訴訟は威嚇訴訟と認定されて幸福の科学は敗訴しているが、
この騒動で誰が一番悪いかといえば元信者と山口広弁護士だ。
山口広弁護士がテレビでウソの発表をしなければ8億円訴訟は起こされなかったわけだ。


藤倉善郎は、そもそも記事内容に信憑性がないために、
新潮社を除く他のマスコミで、幸福の科学に関する記事は実質書けていない。
他のマスコミは敗訴リスクを恐れて藤倉善郎を敬遠しているためだ。

俺も藤倉善郎のやや日刊カルト新聞を長年見ているが
You TuberのKAZUYA氏のほうが幸福の科学に関する取材力が優れているのが真相だ。
KAZUYA氏は幸福の科学と創価学会の違いを明確に言えるが、
藤倉善郎氏は幸福の科学と創価学会の違いを明確に言えない。

他のマスコミ関係者も俺は話したことがあるが、
幸福の科学に関して藤倉善郎よりも詳しいのが実情だ。
つまり、藤倉善郎は幸福の科学に関する取材能力に欠けている上、
ウソを書くから幸福の科学に拒絶されているのが真相だ。


國學院大學の高橋昌一郎教授は明らかな勉強不足による正当性を欠く批判だ。
幸福の科学と高橋昌一郎双方の言い分を見れば、説得力があるのは幸福の科学側であり、
高橋昌一郎氏がウソを書くから幸福の科学に批判されているだけの話に過ぎない。

匿名 さんのコメント...

藤倉善郎、このブログで幸福の科学に関するウソを書くな。
裁判でも幸福の科学に関するウソを他の人に言わせるな。
お前の主張は単なる嫉妬の原理で幸福の科学を誹謗中傷しているだけだ。

ジャーナリストなら中立的観点に基づいた本当のことを書け。
お前の主張は事実を捻じ曲げたウソを書いているだけだ。

egitimweb さんのコメント...

Topraksız Tarım Gübresi
Eğitim Haber

匿名 さんのコメント...

こちらの記事ですが、大変勇気をもって発信されていることに、共感を覚えました。

まず、
2019年4月30日に、「幸福実現党」の発信で、「御代がわりにあたって(党声明)」、
2019年10月22日に、「幸福実現党」の発信で、「即位礼正殿の儀にあたって(党声明)」をしており、」
一見、平和な団体を【偽装】しています。

一方で、
2016年8月13日に、公職選挙法逮捕事件の後『幸福実現党本部 家宅捜索の真相を探る』なる本を、
2016年9月2日に、『菅官房長官の守護霊に訊く 幸福実現党“国策捜査”の真相』なる本を出版しています。

『幸福実現党本部 家宅捜索の真相を探る』なる本によれば、
「安倍【前】内閣」に対する「批判」をしています。

『菅官房長官の守護霊に訊く 幸福実現党“国策捜査”の真相』なる本は、
【現在】の総理大臣、当時の「菅官房長官」に対し、
組織立って、ストーキング・つきまとい・嫌がらせ等して、引き出した個人情報等を元に、
「守護霊」に訊きました本を出しているようです。


幸福の科学、幸福実現党には、
どの組織に、どんな人物がいるか「不明」であり、
大手ITベンダーのF通にもいるようです。

幸福の科学、幸福実現党には、
工作員・サイバー攻撃部隊がいると思われ、
今回、この記事のコメントに投稿している人は、
工作員、のようです。