2009年7月12日日曜日

大川隆法氏「九億円なんてゴミ」「ウチは宗教界のトヨタ」

 『文藝春秋』で、<幸福の科学「霊界」から「政界」への奇怪>と<大川隆法インタビュー「ウチは創価学会より集票力がある」>の記事が掲載されています。

【文藝春秋 2009年08月号】大川隆法インタビュー「ウチは創価学会より集票力がある」
(略)
──つまり、選挙後の政界再編も視野に入れている、と。
大川 そう。一定の議席が確保できれば発言力も増してくるので、再編の形に関してもイニシアティブがとれるかどうか。数でいえば、派閥一つ分が最低ラインかな。
──ということは、二十~三十議席が目標ですか。かなり強気ですね。
大川 派閥一つって、そんなに少ないですか? そんな数じゃ、泡派閥ですよ(笑)。最悪の場合でも自民党の大きめの派閥くらい。

──最大派閥は清和会の衆参併せて約九十人ですから相当数。公明党をも上回るのですか。
大川 負けるとは思いません。向こうは小選挙区には八選挙区しか立てないんだから、そもそも第一党になる気さえないでしょう。
──十八年前のインタビュー(本誌九一年八月号)では、大川総裁自身、「失礼かもしれないけど」と断った上で、公明党結党が創価学会の失敗だった、と断罪していますね。
大川 はい、言いました。
──それを、宗教団体の政治進出に対する批判だと受けとめました。しかし、今回の政党結成はそれと同じ轍を踏もうとしているように見える。幸福の科学は変質したのですか。
大川 それは考え方の違いもあるでしょう。向こう様は、我々に対して「次元が違うよ」と言っているようですが、それはウチも一緒。「その通り、次元が違うよ」とお答えします(笑)。
 国内の様々な宗教団体にお聞きになれば分かるでしょうか、戦後の宗教のイメージを悪くした団体は一体どこか? 挙がるのはただ一つですよ。やはり創価学会・公明党のイメージの悪化とイコールになって何十年と広がったことに、宗教界全体は迷惑しました。
(略)

 この後「公明党は宗教界の意見を必ずしも代弁していない」「公明党とはまったく違う考えで動く宗教政党があることを知っていただく方が、日本国民の啓蒙にもいいんじゃないですか」といった発言のほか、創価学会と幸福の科学とでは「教えと信者の行動パターンが違う」とか、創価学会は激しい他宗排撃をしましたは、その点、ウチは他宗に寛容」といった話になっていっています。

 大川氏は結局、「宗教団体の政治進出」の問題や、大川氏自身が創価学会による公明党結成を批判していた過去との整合性に関する問に答えないまま、話が別の方に行ってしまっています。

 政教分離問題については、記事の中でこういうやりとりもありました。

【文藝春秋 2009年08月号】大川隆法インタビュー「ウチは創価学会より集票力がある」
──夫人の大川きょう子党首が政教分離について、「宗教施設を政治的に使ったり、宗教法人の役職についたまま立候補することも、法的には問題ない」と発言されたが、これについてはどう考えますか?
大川 今の段階は、ある程度仕方がないでしょう。今後は政党として自前の組織や施設、資金を調えていきますので。何らかの母体がなければ政党はできませんから、一、二年は緩めに見ていただきたいですね。
──三百小選挙区全てに候補者を立てるには莫大な供託金が必要です。一人三百万円で三百選挙区だと合計九億円にも及びますが?
大川 小さい、小さい。そんなゴミみたいな(笑)。その質問は、トヨタ自動車に「株価が何円下がったら潰れますか」と質問するのと一緒ですよ。トヨタだって、単年度では赤字決算が出たとしても、会社全体はビクともしないでしょ。
 ウチも仮に九億円没収されたとしても、それで潰れるような教団ではありません。財務体質から見ても、「宗教界のトヨタ」ですから、ウチは(笑)。
(略)

 前半に引用した部分では、「戦後の宗教のイメージを悪くした団体は創価学会」「公明党は宗教界の意見を必ずしも代弁していない」と語っているわけです。じゃあ幸福の科学は日本の宗教のイメージを良くしたり宗教界の代弁者になっているのかというと、教祖が、結党したばかりだから「(政教分離問題を)緩めに見ていただきたい」とか九億円を「ゴミ」とか言っている宗教団体が、そのような位置にあるともとうてい思えません。

 大川氏の言葉を引用するまでもなく、幸福の科学がかつて講談社や日刊ゲンダイに対して組織的かつ執拗に行った業務妨害行為や訴権の濫用を見れば、その性格は明らか。なぜ、多くのメディア(今回の文藝春秋も含む)は、「フライデー事件」の詳細を解説せず、それを「抗議行動」などと呼んで幸福の科学を論じるのでしょうか。幸福の科学が「フライデー事件」によって示した恐ろしさに、メディアはいまだ呪縛されているのでしょうか。

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