2009年11月16日月曜日

mixiが人類滅亡商法

 ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)のmixi(株式会社ミクシィ=東京都渋谷区)が、人類の滅亡をネタにして、たちの悪いおふざけキャンペーンを始めました。
【mixi 2009年11月09日】2012年12月21日 ミクシィは無くなるかもしれません

2012年12月21日、ミクシィは無くなってしまうかもしれません。いえ、ミクシィというより世界そのものが消滅してしまうかもしれないのです。
いま、その理由をお伝えすることはできません。但し、我々はこの危機を乗り越えるための準備をしています。

【ミクの方舟】
この船に乗船すれば、2012年12月21日がきてもあなたのミクシィアカウントは安泰です。しかし、この舟は誰でも乗れるわけではないのです。
乗船許可証を発行されるための方法はただ一つ。携帯から人類最後の日がきても“生きたい”という意思を日記に書いてください。この内容が認められれば、乗船許可証を発行します。
     2009年11月9日 ミクの方舟開発委員会
 mixiユーザーの日記やヲチコミュ、アンチコミュの内容を総合すると、“生きたい”という意思をユーザーが日記に書くと、「ミクの方舟」への乗船が許可されたとか許可しないとかという連絡が来るようです。また、乗船が許可された場合のようなんですが、手続きの過程で「2012年12月21日(最後のミクシィ日記)」というタイトルで、なんか人類滅亡を前にした感じの内容の日記が、ユーザーの日記として自動生成されるようです。そしてその日記には、読んだ人がまたさらに「ミクの方舟」に登録するよう誘導するQRコードとURLが記載されます。

 その結果、「2012年12月21日(最後のミクシィ日記)」というタイトルの日記がmixi内に大増殖し、11月16日午前10時現在、その数は17万500件にものぼります。
 「ミクの方舟」の告知画面のデザインからするに、映画『2012』とのタイアップ企画っぽく見えます。ページのタイトルバーに「映画『2012』」との文字もあります。しかし、表示画面では、これが広告なのかどうかや、どういうキャンペーンなのかについての説明は一切ありません。現在、mixiからは、このキャンペーンの実態を説明するニュースリリースなども出ていません(mixiに電話で確認済み)。

 mixiユーザーが立ち上げたミクの方舟コミュニティによると、同コミュニティ管理人がmixi運営事務局に問い合わせたところ、事務局はこう回答したそうです。
ミクの方舟(コミュ)

mixi運営事務局です。
pr_2012.pl?
上記ページにつきましては、映画「2012」の PR 広告ページとなります。
上記ページより日記の作成を行っていただかなくても、アカウントが削除されるということはございませんので、ご安心ください。
この度は掲載の広告につきまして、困惑をお招きしたことをお詫び申し上げます。
この度いただいたご連絡につきましては、今後の改善のための貴重なご意見として、参考にさせていただきたく存じます。
また何かお気づきの点がございましたらぜひお寄せください。
今後とも mixi をよろしくお願いいたします。mixi運営事務局:mixi@mixi.jp
 映画『2012』は、マヤの暦をネタ元とした人類滅亡説を描いた映画です。つまりmixiは、

(1) ユーザーに対して、「ミクの方舟」が広告であることを明示せずに映画の宣伝の一環として、
(2) 2012年に「人類が滅亡する」「アカウントが消滅する」と煽って企画に登録させ、
(3) ユーザーに、さも人類滅亡を予感させるような日記を自動生成させ
(4) さらにその日記を読んだユーザーを「ミクの方舟」に登録させるよう誘導する

 ということを行っているというわけです。人類滅亡をネタにした悪ふざけもしくは悪質な広告です。

 映画『2012』は、どうせフィクションです。しかし、フィクション映画の広告であることを明示せずにユーザーの不安を煽って人類滅亡祭りを仕掛けるというのは、常軌を逸しています。

 かつてオウム真理教の教祖・麻原彰晃は、1999年にハルマゲドン(最終戦争)を予言しました。麻原に限らず、20世紀末はノストラダムスの予言とかで人類滅亡ネタが盛り上がっていました。1995年にオウム真理教が摘発を受けた後も、信者たちは麻原の「1999年」の予言を信じて、オウム事件を反省せず教団を維持しました。

 普通に考えれば、フィクション映画が人類滅亡を描くくらいのことは娯楽の一環ということで済む程度の話かもしれません。しかしフィクションと現実の区別を付けずに不安を煽りそれを広めていけば、娯楽の域を超えた事態にもつながりかねません。

 通常、テレビや新聞が、「広告と区別がつかない広告放送、広告記事によって、さも人類が滅亡するかのような情報を垂れ流し視聴者・読者の不安を煽っている」としたら、どうでしょう。mixiのユーザー数は1700万人を超えたとも報じられています。株式会社ミクシィは、すでに大きな社会的影響力を持ったサービスを提供する上場企業です。もうちょっと良識を身につけた方がいいと思います。

 そうしないと、人類滅亡より前にmixiが滅亡するのではないでしょうか(これは予言ではなく、ただの皮肉です)。

※1カ所訂正しました。日記が自動生成されるのは「乗船許可証」をもらえた人だけではなく、登録申請する過程で日記が自動生成されるようです。(11/16 18:00)

2 コメント:

エイト さんのコメント...

mixi運営事務局は以前にも、mixi内にユーザーがupした日記の文章や画像をmixiが勝手に使うことができるという無茶苦茶な規約を作り、町山智浩氏らに罵倒されてすぐに引っ込めたことがありましたね。

【mixi利用規約 制定日 平成20年4月1日 制定
第18条 日記等の情報の使用許諾等
1. 本サービスを利用して、ユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。
2. ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします。】



今回もやれやれといった感じです。

藤倉善郎 さんのコメント...

 最近も、中国のゲーム会社のアプリを導入して課金トラブルとかユーザー情報のセキュリティがザルだったとかってのがありましたね。もともとリテラシーもなければリスクマネジメントもなってない会社なので、今回のような問題も、ひどいとは思うけど驚きはしません。mixiなんて、こんなもんです。