本紙・藤倉が名指しで批判されているのは、日本ホメオパシー医学協会サイト内の<週刊新潮の記事(「ホメオパシー」にハマっている有名人)に対しての見解>と題するページ。先週発売の週刊新潮(8月26日号)に掲載された記事に関する、同協会の反論らしきものです。副題に<週刊新潮 vs 日本ホメオパシー医学協会>などという表現もあって、どことなく楽しんでいるようにも見えます。
■何をどう「理解できていない」の?
【日本ホメオパシー医学協会 2010年08月19日】週刊新潮の記事(「ホメオパシー」にハマっている有名人)に対しての見解
(略)
ジャーナリストの藤倉善郎氏のコメントとされる一文 週刊新潮記事から引用
「病気の原因となる物質を分子すら残らないほど希釈して服用することで、自然治癒力が向上し、さまざまな病気に対応できると言われています。当然、飲んでも毒にも薬にもなりませんが、問題点は病状が悪化しても本来必要な医療を拒否する人がいることです。西洋医療を否定する傾向があり、治療を受けずに手遅れとなるケースもあるんです」
上記前半部分のコメントから、藤倉善郎氏はホメオパシーを理解できていないことがわかります。またホメオパシー療法をきちんと調査していないこともわかります。後半部分のコメント(問題点は……)に対しては、ホメオパシー新聞その4の中の(2)「通常の医療行為を拒否」でJPHMAの見解を示していますので参照してください。
●ホメオパシー新聞 その4 「朝日新聞の誤解を招く報道に対しての見解」(2)
(略)
※同協会サイトの表記に倣い、記事からの引用部分を赤字、協会側の文章を黒字で表示しています)
藤倉のコメントの前半部分については、<上記前半部分のコメントから、藤倉善郎氏はホメオパシーを理解できていないことがわかります。>だけで片付けられてしまっていて、何がどう間違っているのかが書かれていません。
コメント後半部分については、協会側は●ホメオパシー新聞 その4 「朝日新聞の誤解を招く報道に対しての見解」(2)を参照するように書かれています。参照先の該当部分を要約すると、こういう内容です。
・「ホメオパシー利用者」と「通常の医療を拒否する人」とは、別々の事象である。
・由井寅子会長自ら、日頃の講演で「現代医療を頑なに拒否することのないように」と注意を促している。
・ホメオパシー利用者であるなしにかかわらず、頑なに現代医療を拒否する人はいる。
・朝日新聞が報じた2件の死亡例は、ホメオパシーと結びつけて報道するのは公正ではない。
そして、2件の死亡例のうち1件について、<本ケースは司法解剖も行われており、事件性がないことが明らかになっています。すなわち、乳児の死亡とホメオパシーの因果関係がない>と書いています。
ホメオパシーのレメディは毒にも薬にもならない「ただの水」と砂糖玉なので、司法解剖によってわかる類の因果関係なんてあるはずもありません。朝日新聞が報じたのは、「レメディを飲むと死ぬ」ということではなく、「ホメオパシー信奉者が通常の医療を拒否することで死に至ったケースがある」という事実です。
また、由井会長が「現代医療を頑なに拒否することのないように」と注意を促しているということと、各ホメオパスやホメオパシー信奉者がその注意どおりの行動をとっているかどうかとは別問題。ホメオパシー信奉者が医療を拒否している事例が存在しないという主張をするならともかく、由井会長が注意を促しているといくら主張しても意味がありません。
結局、藤倉のコメントに対する反論にすらなっていない「見解」です。
■何が「誤解」なの?
【日本ホメオパシー医学協会 2010年08月19日】週刊新潮の記事(「ホメオパシー」にハマっている有名人)に対しての見解
(略)
ジャーナリストの藤倉善郎氏のコメントとされる一文 週刊新潮記事から引用
「たとえ病気が進行して症状が悪化しても、“好転反応”と言って、自己治癒力が高まった証拠になるんだそうです」(藤倉氏)
週刊新潮は、「ホメオパシー推進側の説明には不可思議な点も少なくない」として上記コメントを紹介していますが、上記コメントは藤倉氏の誤解に基づくコメントであり、JPHMAのコメントではありません。
この好転反応についての説明は、ホメオパシー新聞その4の中の(7)「ホメオパシーでは、病気の症状が重くなっても、自然治癒力が増した証拠の「好転反応」ととらえる。これが患者を病院から遠ざけているという指摘がある」でJPHMAの見解を示していますので参照してください。
●ホメオパシー新聞 その4 「朝日新聞の誤解を招く報道に対しての見解」(7)
(略)
これも、
参照先の●ホメオパシー新聞 その4 「朝日新聞の誤解を招く報道に対しての見解」(7)の好転反応云々の部分を見ても、何がどう誤解なのかの説明になっていません。要約すると、こんなことが書かれています。
・病気が重くなったら無条件に好転反応と捉えるわけではない。
・病気の悪化なのか好転反応なのかは、経験を積んだプロのホメオパスであれば概ね正確に判定できるが、100%正確とは言えない。
・当協会会員がクライアントが病院に検査に行くことを止めることもないし、判断がつかないときはホメオパスが積極的にクライアントに検査をすすめる。
もともと藤倉はホメオパシーについて、「病気が悪化した場合にその“全て”を好転反応と捉えている」などとはコメントしていません。日本ホメオパシー医学協会の由井会長がセンター長を務める日本ホメオパシーセンターでは、好転反応についてこう説明しています。
【日本ホメオパシーセンター】ホメオパシー用語集
ホメオパシーには5つの治癒の法則が存在します。
ホメオパシーのレメディーをとることによって、バイタルフォースの歪みや滞りが正常に流れ出し、心や体に溜め込んだ感情や老廃物を排出します。この排出反応を好転反応と呼びますが、これは治癒の過程で必ず必要な事です。その人の心や体の負荷が大きければ、おのずと溜まっているものも多く、排出にも苦痛が伴う場合もあります。
【ホメオパシーの治癒の法則】
1. 心から身体へ
2. 重要な臓器から、それ程重要でない臓器へ
3. 内側から外側へ
4. 上から下へ
5. 逆順序の法則(過去の症状が一時的に戻ってくる)
全体的に、症状の拡大や新たな病気の併発などと区別する基準が不明です。<逆順序の法則(過去の症状が一時的に戻ってくる)>という部分にいたっては、これでは同じ症状の悪化や再発と改善の前兆とが区別できません。
ホメオパシーに、症状の悪化も含めて好転反応と呼ぶ思想があることは明らかですから、藤倉のコメントには何ら誤解はありません。
なお、好転反応とそうでないものをホメオパスであれば判断できるというのが日本ホメオパシー医学協会の見解ですが、実際に判断できようができまいが、医師ではないホメオパスが業務として診断行為を行うこと自体、「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と定める医師法に違反する可能性もありそうです。
■これも“好転反応”ですか?
今回の週刊新潮の記事について日本ホメオパシー医学協会が気に食わなかったのは、藤倉のコメント部分だけのようです。
週刊新潮8月26日号 |
<マスコミでもはじめて、ホメオパシー新聞に書かれたJPHMAの見解がとりあげられました>
<公正な報道において必要なこと>
<全文を読みたい方は「週刊新潮」(8月26日号)をご購入ください>
週刊新潮の購入まで勧めちゃうほどの浮かれぶりです。
でも週刊新潮の記事って、<死亡者複数という奇妙な「ホメオパシー」にハマっている有名人>という見出しなんですよね(同協会は「見解」の中で、見出しの後ろ半分しか記載していないけど)。週刊新潮では記事本文中の小見出しにも<症状悪化でも“好転反応”>って書かれています。いくら信奉者の言い分が載っているとは言え、藤倉のコメントも含めて、「こいつらおかしいですよ」という情報とニュアンスがてんこ盛り。
普通の判断力・読解力がある人なら、この誌面を見て、ホメオパシーのおかしさは充分わかると思います。
自分たちにとって決して有利ではない記事を称賛して、購入まで勧めてしまう日本ホメオパシー医学協会は、頭が悪いのでしょうか。これは、頭の悪さが治っていく過程の“好転反応”なのでしょうか。それとも単なる症状の悪化なのでしょうか。教えて、ホメオパス。
6 コメント:
Unknown (Unknown)
2008-10-17 22:27:10
藤倉氏は思い込みの激しいストーカーのような人です
さすがカルト。気持ち悪い信者が至るところに湧いてきます。
殺人予告とかしないでくださいね。
こういうのが出てくると、ああカルトなんだなって確信できるよね。
カルト宣言、ご愁傷様です。
「思い込みの激しい」は単なる中傷だけど、「ストーカーのような人」って、フリーライターにとってはむしろ褒め言葉www
インチキ療法ホメオパシー
はやくなくなれ
商売ネタだったって事に気付けない人も多いんだろうね
心因性疾患の治癒とかあると声高々に喧伝する人も居るからね
ホメオパシーの理論でいくと普通に呼吸して食事してたら病気にはならないだろうに・・・
井上円了の言うとこの心の文明開化ができてないというのが平成の世の中になっても多いというのが現実ですね
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