【前回からのつづき】2011年5月15日に投票・開票された東京都足立区区議会議員選挙で4位当選した現職の足立区議・長谷川たかこ(長谷川貴子)氏が、2007年の区議選で統一協会信者らの支援を受けていたことを前回の記事でリポートした。本紙の取材に対して「(統一協会と)全く関係ありません!」と全否定してみせた長谷川区議。今回は、統一協会信者がどのように長谷川区議を支援してきたのか、元信者の証言を紹介する。また、取材の中で明らかになった、ほかの民主党議員と統一協会との関係にも触れる。
◆区議は本当に知らなかったのか?
記者に「初めて聞きました。全く関係ありません!」と語った長谷川区議、しかしその時期足立教会に所属していた複数の元信者や当時を知る関係者からは草の根ムーブメント、ビギン、及び小林氏と長谷川区議との関係をうかがわせる証言が、多々出てきた。
「足立教会のビルの1階を以前青年部が借りていて、YFWPたんぽぽ(YFWP-tanpopo/世界平和青年連合 北東京連合会)や草の根ムーブメントが外来的に使っていたのですが、そこに長谷川さんもよく来ていました。そして束のチラシを渡されて『よろしくね』と言われたこともあります」
「選挙前、足立教会は長谷川さんを推していました」
「ビギンには配りきれない程の長谷川さんのチラシが当時山積みになっていました。配りきれなくて一人一束ずつ持って帰り各自で捨てたこともありました」(以上、元信者Aさん)
「長谷川さんは私がいた時から荒川の清掃手伝いに来ていました」(元信者Bさん)
「選挙の時、統一教会がバックアップしたかは覚えていませんが、かなり密接した関係だったことは間違いないです」
「程度は分かりませんが、統一原理を受け入れているようなことは自分でも言っていたと思います」
「統一教会のイベントでは何回も見ました。統一主催のイベントに参加していたというよりも、足立区議会議員だから、統一教会が取り込んで入り込んでいる地域のイベントの場にはよく参加してた記憶があります。荒川の灯籠流しやビギン生が出し物をする竹ノ塚ファミリーフェスティバルにもいたと思います」
「小林宗一郎氏とは仲良しだと思います、彼女が来た時は常に小林氏が側にいました。小林氏が荒川青年部に異動してからは足立青年部に姿を見せることはなくなったようです」(以上、元信者Cさん)
「朝早くから雨が降っている時に、駅前で(選挙運動に)好き勝手走る長谷川候補が雨に濡れないようにビギンの女の子が傘を持って何人もくっついて追いかけ回してたのを覚えています」
「(統一教会と)知らないわけないですよ、竹ノ塚のフェスティバルにも招待されて来てるんですから。そこでは統一教会のチラシも撒かれていたのですから。フェスティバルには自民党の議員も来てましたよ」(以上、当時を知る関係者Dさん)
2007年12月1日の長谷川区議のホームページの活動記録『長谷川たかこ忘年会』の画像にはVサインをする3人の草の根メンバーの姿が確認できる。
「毎年8月に開催される『荒川灯籠流し』ですが、灯籠流しの実行委員として当選以降灯籠流しに長谷川さんを呼んできたのは小林さんです」(元信者のAさん)
◆草の根リーダーの隣に座る区議
長谷川区議にとって「どの人の事を言っているのか判らない」小林宗一郎氏だが、その小林氏の隣に座る区議の画像が長谷川区議のホームページの活動記録にあった。
後ろ向きで座っている写真、左端が長谷川区議、その隣が小林氏だ。(6月7日に改めて長谷川区議に訊いたところ「小林さんという名前の方は知ってますけれど、その方がその方なのかは存じません」と、回答に微妙な変化があった)
◆都議会議員や国会議員の名も
元信者のAさんが言う。
「長谷川氏の当選後、地元に地盤を持たず選挙予算も全くない無名の候補者のトップ当選に『草の根ムーブメントというボランティアが働いたらしい』との噂が流れた。これを受けて、長谷川区議と近しい他の民主党の議員や候補者も草の根ムーブメントの活動に参加したり足立教会青年部の礼拝に参加するようになった」
2009年7月12日投票の東京都議会議員選挙で再選を果たした東京都都議会議員のE氏が足立教会青年部の礼拝に参加し挨拶をしたことがあったとする元信者の証言もあった。その件についてE議員に質問状を出したが、
―『草の根ムーブメント』について
「このような団体は、名前を聞いたこともありません」
―足立教会の礼拝参加について
「礼拝に参加したことはありません」
と完全否定だった。
足立教会とのかかわりに於いては、2009年8月の衆院選で初当選を果たしたF議員の名も挙がっている。民主党の、ある東京選挙区内の総支部長を務めるF議員は、元信者によると足立教会への礼拝参加と挨拶だけではなく草の根ムーブメントの活動にも参加し挨拶をしたそうだ。
2階に足立教会が入るツォード千住壱番館ビル
足立教会礼拝場
元信者によれば、民主党がF氏を推して2008年10月10日に綾瀬の区会館で決起集会を開いた際にも、足立ビギンと西日暮里アドバンスのメンバーが参加していたそうだ。メンバーは「政治の世界も知らないといけない。勉強になるから」と、グループの活動スケジュールに組み込まれており、2008年10月10日のF議員のオフィシャルホームページのコラム(ブログ)の決起集会の画像を見ると、聴衆の中にビギン生の姿が確認できる。
F衆議院議員に問い合わせたが、6月6日に設定した期限までに質問状に対する回答はなかった。但し、先月末の時点でF議員は「『何のことかよく判らない』と話していた」と秘書から聞かされた。
F議員のホームページのプロフィールには「2009年8月30日、第45回衆議院総選挙において、多くのボランティアの人に支えられた手作り選挙で初当選。」との記載がある。
◆ビギンの強化
元信者の証言を総合すると、ビギンでは、「若者に健全な心を教育する」という名目で、
◎政治活動に興味を持たせる → 選挙手伝い、
◎地域活動に興味を持たせる → 大勢をボランティアに参加させて地元有力者へ接近
◎親子・人間関係の改善 → 原理・ご父母様(教祖夫妻)に依存
という図式が強化されたという。
今回判明した一連の事柄について元信者の一人は話す。
「長谷川さんも、統一教会と分かった段階で何かしらの対応が必要だったと思います。違法勧誘をしてマンパワーがある統一教会と、無償で動ける人がいない候補者との利害が一致してしまったのでしょう」
「流れでいうなら、前回の選挙は『草の根からのアプローチ』で、その後のポスター貼りやチラシ配りの依頼は『長谷川さんからのお願い』ということになるでしょうね」
◆見返りは?
無償で献身的にボランティア選挙運動員として働く信者、その組織的な選挙運動と応援を受け、結果としてトップ当選を果たした区議、統一協会側は長谷川区議に何の見返りを求めたのであろうか。
選挙の時だけ手伝いをさせ、当選後は関係を否定するというのでは、献身的に選挙活動を手伝った教会員も納得がいかないだろう。
長谷川区議の回答を、ある現役信者(Gさん)に伝えたところ、
「長谷川さんは教義の内容を知って、それが良いと思った上で、私たちと考え方が似ていると。そうだったからこそ私たちは応援した。教会に気を遣ってそう言っているのかな。それもとやはり保身のためなのかな。それが長谷川さんの本当の心だとしたらさみしい」
と語った。 【つづく】
◆区議は本当に知らなかったのか?
記者に「初めて聞きました。全く関係ありません!」と語った長谷川区議、しかしその時期足立教会に所属していた複数の元信者や当時を知る関係者からは草の根ムーブメント、ビギン、及び小林氏と長谷川区議との関係をうかがわせる証言が、多々出てきた。
「足立教会のビルの1階を以前青年部が借りていて、YFWPたんぽぽ(YFWP-tanpopo/世界平和青年連合 北東京連合会)や草の根ムーブメントが外来的に使っていたのですが、そこに長谷川さんもよく来ていました。そして束のチラシを渡されて『よろしくね』と言われたこともあります」
「選挙前、足立教会は長谷川さんを推していました」
「ビギンには配りきれない程の長谷川さんのチラシが当時山積みになっていました。配りきれなくて一人一束ずつ持って帰り各自で捨てたこともありました」(以上、元信者Aさん)
「長谷川さんは私がいた時から荒川の清掃手伝いに来ていました」(元信者Bさん)
「選挙の時、統一教会がバックアップしたかは覚えていませんが、かなり密接した関係だったことは間違いないです」
「程度は分かりませんが、統一原理を受け入れているようなことは自分でも言っていたと思います」
「統一教会のイベントでは何回も見ました。統一主催のイベントに参加していたというよりも、足立区議会議員だから、統一教会が取り込んで入り込んでいる地域のイベントの場にはよく参加してた記憶があります。荒川の灯籠流しやビギン生が出し物をする竹ノ塚ファミリーフェスティバルにもいたと思います」
「小林宗一郎氏とは仲良しだと思います、彼女が来た時は常に小林氏が側にいました。小林氏が荒川青年部に異動してからは足立青年部に姿を見せることはなくなったようです」(以上、元信者Cさん)
「朝早くから雨が降っている時に、駅前で(選挙運動に)好き勝手走る長谷川候補が雨に濡れないようにビギンの女の子が傘を持って何人もくっついて追いかけ回してたのを覚えています」
「(統一教会と)知らないわけないですよ、竹ノ塚のフェスティバルにも招待されて来てるんですから。そこでは統一教会のチラシも撒かれていたのですから。フェスティバルには自民党の議員も来てましたよ」(以上、当時を知る関係者Dさん)
2007年12月1日の長谷川区議のホームページの活動記録『長谷川たかこ忘年会』の画像にはVサインをする3人の草の根メンバーの姿が確認できる。
・『長谷川たかこ活動報告』に残る統一協会の痕跡(5)元信者によると小林宗一郎氏もこの場に居たそうだ。
2007/12/01 --- 長谷川たかこ忘年会
→ 削除された『長谷川たかこ活動報告』の2007/12/01記事のWeb魚拓
・『長谷川たかこ活動報告』に残る統一協会の痕跡(6)女性信者に囲まれる長谷川たかこ区議。街頭で統一協会の偽装勧誘をしていた女性信者が確認できる。
2010/08/04 --- 長谷川 たかこを囲む会 「納涼の夕べ」
→ 削除された『長谷川たかこ活動報告』の2010/08/04記事のWeb魚拓
→ 改ざん後の『長谷川たかこ活動報告』2010/08/04記事
「私が区議会議員を志したときは、まさに地盤(後援会等)・看板(知名度)・かばん(お金)の無い中、ゼロから活動を始め、今では、家族のように接してくださる温かいお気持ちを持った皆様が私の活動を支えてくださっています。」
「毎年8月に開催される『荒川灯籠流し』ですが、灯籠流しの実行委員として当選以降灯籠流しに長谷川さんを呼んできたのは小林さんです」(元信者のAさん)
・『長谷川たかこ活動報告』に残る統一協会の痕跡(7)昨年の松戸市議選にも登場したソーラン節を踊る青年信者たち(足立教会ビギン生と荒川教会アドバンス生と2世信者で編成)の画像がUPされている。浴衣の女性は、元信者によると足立教会のリリーガーデン(足立教会のダミー着付け教室、街頭での違法伝道に気持ちが向かえない人用の伝道ライン。着付けやパン教室やボランティアを看板に参加者に講義を勧め、だんだんと教会に入れていく流れ)による着付けで、「殆どが教会員」とのことだ。
2010/08/07 --- 千住 灯篭流し
→ 削除された『長谷川たかこ活動報告』の2010/08/07記事のWeb魚拓
◆草の根リーダーの隣に座る区議
長谷川区議にとって「どの人の事を言っているのか判らない」小林宗一郎氏だが、その小林氏の隣に座る区議の画像が長谷川区議のホームページの活動記録にあった。
・『長谷川たかこ活動報告』に残る統一協会の痕跡(8)上の写真、一番手前に座っている男性が小林宗一郎氏。
2010/08/10 --- 勝専寺での灯篭のお焚き上げ
→ 削除された『長谷川たかこ活動報告』の2010/08/10記事のWeb魚拓
後ろ向きで座っている写真、左端が長谷川区議、その隣が小林氏だ。(6月7日に改めて長谷川区議に訊いたところ「小林さんという名前の方は知ってますけれど、その方がその方なのかは存じません」と、回答に微妙な変化があった)
◆都議会議員や国会議員の名も
元信者のAさんが言う。
「長谷川氏の当選後、地元に地盤を持たず選挙予算も全くない無名の候補者のトップ当選に『草の根ムーブメントというボランティアが働いたらしい』との噂が流れた。これを受けて、長谷川区議と近しい他の民主党の議員や候補者も草の根ムーブメントの活動に参加したり足立教会青年部の礼拝に参加するようになった」
2009年7月12日投票の東京都議会議員選挙で再選を果たした東京都都議会議員のE氏が足立教会青年部の礼拝に参加し挨拶をしたことがあったとする元信者の証言もあった。その件についてE議員に質問状を出したが、
―『草の根ムーブメント』について
「このような団体は、名前を聞いたこともありません」
―足立教会の礼拝参加について
「礼拝に参加したことはありません」
と完全否定だった。
足立教会とのかかわりに於いては、2009年8月の衆院選で初当選を果たしたF議員の名も挙がっている。民主党の、ある東京選挙区内の総支部長を務めるF議員は、元信者によると足立教会への礼拝参加と挨拶だけではなく草の根ムーブメントの活動にも参加し挨拶をしたそうだ。
2階に足立教会が入るツォード千住壱番館ビル
足立教会礼拝場
元信者によれば、民主党がF氏を推して2008年10月10日に綾瀬の区会館で決起集会を開いた際にも、足立ビギンと西日暮里アドバンスのメンバーが参加していたそうだ。メンバーは「政治の世界も知らないといけない。勉強になるから」と、グループの活動スケジュールに組み込まれており、2008年10月10日のF議員のオフィシャルホームページのコラム(ブログ)の決起集会の画像を見ると、聴衆の中にビギン生の姿が確認できる。
活動日記 2008年10月11日 F議員の日記よりビギン生以外の青年信者も、人手が足りない時はF議員のマニフェストチラシを配っていたそうだ。
『10月10日決起大会』
F衆議院議員に問い合わせたが、6月6日に設定した期限までに質問状に対する回答はなかった。但し、先月末の時点でF議員は「『何のことかよく判らない』と話していた」と秘書から聞かされた。
F議員のホームページのプロフィールには「2009年8月30日、第45回衆議院総選挙において、多くのボランティアの人に支えられた手作り選挙で初当選。」との記載がある。
◆ビギンの強化
元信者の証言を総合すると、ビギンでは、「若者に健全な心を教育する」という名目で、
◎政治活動に興味を持たせる → 選挙手伝い、
◎地域活動に興味を持たせる → 大勢をボランティアに参加させて地元有力者へ接近
◎親子・人間関係の改善 → 原理・ご父母様(教祖夫妻)に依存
という図式が強化されたという。
今回判明した一連の事柄について元信者の一人は話す。
「長谷川さんも、統一教会と分かった段階で何かしらの対応が必要だったと思います。違法勧誘をしてマンパワーがある統一教会と、無償で動ける人がいない候補者との利害が一致してしまったのでしょう」
「流れでいうなら、前回の選挙は『草の根からのアプローチ』で、その後のポスター貼りやチラシ配りの依頼は『長谷川さんからのお願い』ということになるでしょうね」
◆見返りは?
無償で献身的にボランティア選挙運動員として働く信者、その組織的な選挙運動と応援を受け、結果としてトップ当選を果たした区議、統一協会側は長谷川区議に何の見返りを求めたのであろうか。
選挙の時だけ手伝いをさせ、当選後は関係を否定するというのでは、献身的に選挙活動を手伝った教会員も納得がいかないだろう。
長谷川区議の回答を、ある現役信者(Gさん)に伝えたところ、
「長谷川さんは教義の内容を知って、それが良いと思った上で、私たちと考え方が似ていると。そうだったからこそ私たちは応援した。教会に気を遣ってそう言っているのかな。それもとやはり保身のためなのかな。それが長谷川さんの本当の心だとしたらさみしい」
と語った。 【つづく】
3 コメント:
カルトが政治家に取り入って、気づいた時には、持ちつ持たれつの関係になっていたということがあったとしたら、罠にかかってしまったということでそうかね。
こういったとき、この議員さんはどのような行動をすることがいいのか・・・
選挙で当選したいという誘惑
政治家になりたいという欲望
社会的地位を築くという野心
カルトはそんなところにスッと入り込むのか・・・
長谷川貴子女史が、カルト教団の盲目な羊となっているのかが、気になるところではあります。
カルト宗教と気がつかずに接触してしまった。
元信者であった。
現在も信者である。
どれだろ?統一協会は平気で嘘を付くから分かりにくいよね。
統一教会は末端信者に対して「長谷川たかこ議員は統一原理の賛同者である」と吹聴している。
長谷川たかこ議員は一般の有権者に対して「(統一協会と)全く関係ありません」と主張している。
少なくともどちらかが嘘を付いている事になりますね。
騙されるのは、末端信者や一般の有権者です。
統一教会にはあまり期待できませんが、せめて長谷川たかこ議員については、説明責任を果たしていただきたいです。
アメリカではロビー活動の透明化が法律によって定められています。
日本でもその様な規制が必要であると感じます。
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