尖閣に上陸した日本人は幸福実現党・党員シンガー

魚釣島に上陸した幸福実現党員・TOKMA氏（同氏の公式サイトより）

9月18日に尖閣諸島の魚釣島に上陸した日本人が、幸福の科学の政党「幸福実現党」の党員であることがわかりました。この党員は、TOKMAと名乗るミュージシャンで、これまで幸福実現党のイベントでライブをするなどの活動をしている人物です。

尖閣諸島をめぐっては、日本による国有化を契機に中国での反日デモが盛り上がり、尖閣諸島に中国の漁船約1000隻が向かっているといったニュースが流れ、両国は現在、深刻な緊張状態にあります。特に18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件から81年の記念日で、中国では120都市で反日デモが行われたと報じられています。

よりによってそんな日の朝9時半ごろ、尖閣諸島に上陸した2人の日本人。1人は鹿児島県内の政治団体「薩摩志士の会」（旧・対話の会鹿児島）代表者の福沢峰洋氏。もう1人は同会のメンバーで歌手のTOKMA氏。また船には、船長と船員のほか、もう1人、同会メンバーが乗船しており、朝日新聞の報道によると、この人物とTOKMA氏が幸福実現党員とのこと。

この3人が、石垣島から船で魚釣島に向かい、うち2人が魚釣島近くから船を降り泳いで上陸。約１時間滞在し、慰霊碑に花を手向け、日の丸を掲げたとのことです。

上陸したTOKMA氏は、『ボディ・ジャック』というトンデモ映画の主題歌を歌っていた人物。これまで幸福実現党のイベントでライブを行ったり、幸福実現党政策応援歌『I love ジパング』という曲を作るなどしています。2010年には、音楽イベント「サマーソニック2010」では、ネット投票で出場者を決める関連企画「出れんのサマソニ」に『I love ジパング』でエントリー。無名シンガーにもかかわらずネット投票でトップになったことから、幸福の科学信者による組織票疑惑が音楽ファンの間で囁かれた、いわくつきのシンガーです。

ちなみに『I love ジパング』は、芸術的な狂気とは一味違った狂気を楽しめる名曲です。


さて、「元・幸福の科学信者のブログ」には、幸福の科学信者に向けて幸福実現党が配信したと思われるメールの文面が掲載されています。

【元・幸福の科学信者のブログ 2012年09月18日】信者さんからのメール

■党員による尖閣諸島・魚釣島上陸について

○本日９月18日午前、幸福実現党員で歌手のTOKMAさんが尖閣諸島・魚釣島に上陸しました。

TOKMAさんは、本日未明、漁船で石垣島を出航し、魚釣島に近づき、泳いで上陸した後、警察からの呼びかけに応じ、漁船に引き返しました。
その後、石垣島まで戻り、約20社のマスコミによる記者会見を行ないました。
そこでTOKMAさんは、自分が幸福実現党員であることをはっきりと述べるとともに、自らの気持ちを伝えました。

○今回の件に関しては、実現党本部にもマスコミ取材があり、実現党としては「今回のことは、日本の領土主権が脅かされている中、日本国民としての、やむにやまれぬ思いに駆られての行動と推察する。

日本政府に対して尖閣防衛のため毅然とした対応を取るよう要望する」との回答をしております。
以上

「推察する」ということは、党でもTOKMAの行動を把握できていなかったということでしょうか。

一方ロイターは、この上陸事件に関連して、こんな報道。

【ロイター 2012年09月18日】中国で反日デモ拡大、日本人の尖閣上陸でさらに反発も
（略）
中国外務省の洪磊報道官は声明で、日本人２人の上陸が中国の領土主権を侵す深刻な挑発的行為との見解を示した。上陸について日本側に抗議したとし「対立を激化させるすべての行動を停止させるため、効果的措置を講じるよう日本に要請する。同時に、中国はさらなる行動を起こす権利を有する」とした。
（略）

日に日に悪化する日中関係。ことと次第によっては、戦争とまではいかなくても小競り合いや小規模な戦闘くらいはやむなしという場面もあるかもしれません。しかし、幸福の科学が原因で日中が交戦なんてことになったら、日本としては恥ずかしすぎます。