「日本で最も強力に家庭連合に反対してきた言論人」本紙、鈴木エイト主筆が統一教会・家庭連合の総会長から新たな“法名”を授かる

本紙主筆のツイートと本紙による教団偽装勧誘記事が上映

本紙・鈴木エイト主筆が、統一教会・家庭連合から新たな“法名”『今まで、日本で最も強力に家庭連合に反対してきたインターネット新聞を出している一人の言論人』を授かっていたことが判った。

この新“法名”は今年5月、韓国で同教団の宋龍天・全国祝福家庭総連合会総会長が、日本での成果を韓鶴子総裁に報告した際に飛び出したものだ。
また、宋総会長が日本のメディアに関して、デマを報告した疑惑も浮かび上がった。

◆本紙主筆の新たな法名は「最も強力に反対してきた言論人」

これまで統一教会・家庭連合から「要注意人物！」「新興宗教を茶化す活動家」などの“法名”を授かっていた本紙・鈴木エイト主筆が新たな“法名”を得た。

宋総会長の発言があったのは今年5月19日、韓国の教団聖地・清平で開かれた『天地人真の父母様主管 韓・日・米 希望前進大会 勝利 特別報告会』での一幕だ。
教団の最高権力者・韓鶴子総裁に日本での同教団の成果を報告した宋総会長は、5月14日の有明コロシアムで開催した１万人イベント『天地人真の父母様 日本特別集会 -孝情文化フェスティバル in TOKYO』について、パワーポイントで作成したスライドを上映しながら解説。

韓鶴子総裁に報告する宋龍天総会長

そして、筆者（本紙・鈴木エイト）のツイート画面と同教団の偽装勧誘をスクープした本紙の記事『「個人的に書写の仲間作りをしているだけ」「伝道ではない」池袋で統一教会（家庭連合）信者グループが偽装勧誘』のキャプチャ画像を上映し、以下の発言を行った。生中継での日本語の同時通訳、そして後日、英語の同時通訳で確認したところ、どちらも「これまで真の父母様について最もネガティブなメディアは、ツイッターでこのイベントをライブで報じ、敵対的なメディアでしたが、真のお母様の話を聴いてその内容がとてもポジティブに変わりました」と訳されていた。
しかしながら筆者は、そのような内容をツイートした覚えがない。同式典に来賓として出席した山本朋広・前衆議院議員（衆院選神奈川4区自民党公認候補・防衛副大臣）が同教団との昵懇関係をあからさまに語った発言内容を聴き「山本の発言は統一教会・家庭連合と自民党の関係性を『創価学会――公明党』のように同教団を支持母体として自民党が公けに認めるのではないかと予感させるもの、潮目が変わる可能性がある」との内容のツイートを発信しただけだ。

◆フジテレビと朝日新聞の記者の談話をねつ造か

問題のデマ報告

また、宋総会長は「大会に参加したマスコミの反応」として、イベントを取材した朝日新聞とフジテレビの記者の発言として韓国語で書かれた以下の内容を紹介した。

朝日新聞「青年から老人まで、老若男女を問わず多くの人達が並んで参加していることにとても驚きました。一昨年の幕張出帆式でも似たような光景を目にしましたが、今回はそれを凌駕する大盛況であり、壇上に立たれた韓総裁のカリスマ性を肌で感じました」

フジテレビ「完全な満席で成された長大な大会だったので本当にびっくりしました。韓総裁を通して家庭連合にもっと深く関心が湧きました」

本紙読者であれば、この「報告」に既視感を抱くであろう。韓国のメディアがフジテレビの関係者の話として『誤報』を出した件については本紙既報記事『韓国メディア２誌、統一教会（家庭連合）を「日本国内で認知度が高く影響力が大」と『誤報』？』で報じた。韓国の複数のメディアによる「誤報」と同じような内容を総会長自らが発信していたのだ。これらの「デマ」はやはり教団主導で流布されたものだったのではないか。

◆教団に質問書を送信

筆者に関する発言、そして「朝日新聞とフジテレビの反応」について教団広報文化局に問い合わせた。

【 質問書 2017年9月2日】

質問書


今年5月19日に韓国・清平で開かれた『天地人真の父母様主管 韓・日・米 希望前進大会 勝利 特別報告会』に於いて、貴法人の宋龍天全国祝福家庭総連合会総会長が、その5日前の5月14日に有明コロシアムで貴法人主催により開催された『天地人真の父母様 日本特別集会 -孝情文化フェスティバル in Tokyo 』に関して、以下の内容が韓国語で書かれたスライドを上映し、その旨を言及されました。

「大会に参加したマスコミの反応
朝日新聞：青年から老人まで、老若男女を問わず多くの人達が並んで参加していることにとても驚きました。一昨年の幕張出帆式でも似たような光景を目にしましたが、今回はそれを凌駕する大盛況であり、壇上に立たれた韓総裁のカリスマ性を肌で感じました。
フジテレビ：完全な満席で成された長大な大会だったので本当にびっくりしました。韓総裁を通して家庭連合にもっと深く関心が湧きました。」

以前、韓国のメディア『THE FACT』と『時事ジャーナル』が、フジテレビや朝日新聞の関係者が「日本国内で家庭連合の認知度や影響力がかなり高い（大きい）」「家の価値を介して、様々な社会問題を解決し、さらに日韓関係はもちろん、世界の平和を成し遂げなければならないという家庭連合の価値観が日本社会で大きな関心を受けている（集めている）」と述べたとの「誤報」を出した件を照会しました。

この件について以下の質問や要望にお答えください。

・宋龍天総会長の報告内容は事実に基づいていますか？実際に当日、当該イベントを取材に来た朝日新聞やフジテレビの関係者が発したものでしょうか？
・貴法人は宋総会長の報告内容を承知されてましたか？
・宋総会長の報告内容に事実として疑わしい内容はなかったでしょうか？
・「真実を伝えることを大切にしている」貴法人にお願いです。宋総会長の報告内容が事実かどうか調査をお願いします。貴法人は「いかなる媒体に対しても当法人に関連する誤報があれば間違いを正し、真実を伝えることを常日頃から努めて」おられるとのことですので「真実を伝え誤報を拡散しない」ためにもお願いいたします。

・また、宋総会長が私（鈴木エイト）に関しても、私のツイートと『やや日刊カルト新聞』の画像を上映しながら「これまで真の父母様について最もネガティブなメディアは、ツイッターでこのイベントをライブで報じ、敵対的なメディアでしたが真のお母様の話を聴いてその内容がとてもポジティブに変わりました」などと語っていたことを確認しています。しかしながら私はそのような内容をツイートした覚えがありません。これは、誤報を拡散していることに他ならないと思われますが、この件についての貴法人の見解を教えてください。

・
以上の点について、2017年9月5日までに回答をお願いします。
草々

◆教団の回答は“真摯”

教団からは、以下の回答があった。

【回答書 2017年9月16日】。

鈴木エイト様　　　　　　　　　　　　　　　2017年9月15日

9月2日付けで貴殿から頂いた「質問書」にお答えします。

　マスコミの反応としてスライドで上映された発言につきましては、現場から伝えられた内容が、宋龍天・全国祝福家庭総連合総会長に報告されるまでに、複数の人を経たこともあり、取材に来たマスコミと他の人が話した内容が混同され、宋総会長へ伝わったことが確認できました。
　結果的には、事実と異なる内容となってしまいましたので、今後は、事実が誤って伝わることがないよう、常に真実を伝えることができるよう、報告体制を見直していきます。

　次に、貴殿のツイートに関する内容につきましては、貴殿の指摘は「英語の同時通訳に基づく発言内容」とのことでしたので、通訳の入っていない原語である韓国語のみのビデを取り寄せ確認しました。
　その結果、原語では貴殿が指摘したような内容は語っていないことが明らかになりました。
　貴殿が、指摘した内容に該当する箇所を韓国語から日本語に訳しますと以下のようになります。
　「今まで、日本で最も強力に家庭連合に反対してきたインターネット新聞を出している一人の言論人が、今回ピースTVで生中継された大会を見ながらツイッターを通して中継までしていました。ところで、それほどに反対していたその言論人が、変化しました。そのツイッターで、創価学会と公明党の関係のように、今後、家庭連合の影響力が大きくなると分析をしたのです」
　従って、宋総会長の発言の中に、貴殿が指摘する「ポジティヴに変わりました」という意味に該当する表現はありませんでした。同時通訳では100％完璧に訳すことは困難なこともあり、意訳した結果御指摘の表現になったと思われます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
　ちなみに、創始者の文鮮明・韓鶴子ご夫妻は、原語の違いによる齟齬、意思疎通の不備が起きることがないよう、教会員に韓国語の習得を推奨しておられます。
以上

宗教法人　世界平和統一家庭連合
広報文化局長　加藤誠也

加藤局長からは前もって同月4日に、期限までに回答ができないとの連絡があった。調査に時間がかかること、そして翌日には韓国で開催される合同結婚式イベントや文鮮明教祖の聖和5周年イベントのため渡韓するとのことで、期限内の回答は難しいとのことだった。
この教団広報責任者の「調査した上で誠実に回答する」という姿勢は評価したい。質問書を送っても何ら回答しようとしない国会議員には、統一教会・家庭連合の姿勢を見習ってほしいものだ。

◆新環境大臣はずぶずぶ

また、宋総会長のスライドには、5月14日の『孝情文化フェスティバル in TOKYO』の成功を祝って、同日夜に京王プラザホテルで開催された祝勝会『真の父母様御来日歓迎及び東京1万名大会祝勝会』の模様が映し出さたのだが、そこに2人の参議院議員が祝辞を述べる姿が映っていた。
8月3日発足の「仕事人内閣」で環境大臣に任命された中川雅治参議院議員と、2013年に同教団の組織票支援で当選した北村経夫参議院議員だ。

元環境事務次官で自民党政調副会長、自民党総務会長代理、参議院運営委員長・参議院国家安全保障特別委員会委員長などを歴任してきた中川は、これまでに同教団やその関連団体と懇意にしてきたことが判っている。
・2011年12月2日、東京蒲田の大田区民ホール・アプリコに約1,500人の統一教会信者が動員され開かれた集会『アジアと日本の平和と安全を守る全国大会』に来賓出席し「自民党政調副会長としてきました」と挨拶。大会の主催は『アジアと日本の平和と安全を守る全国大会実行委員会』後援は国際勝共連合、世界平和連合、平和大使協議会と同教団関連団体が名を連ね、メインスピーカーは文鮮明教祖の四男文國進、大会実行委員長は日本統一教会会長（当時）の梶栗玄太郎、宋榮渉総会長（当時）。
・2013年7月2日、参議院議員会館で開催された「日韓有識者特別懇親会　東アジアの未来と日韓協力の展望」に徳野英治日本統一教会会長や宋龍天総会長ら日韓の同教団幹部と列席。主催はやはり統一教会のダミー組織である平和大使協議会。
・参議院運営委員長・参議院国家安全保障特別委員会委員長を兼任中の2013年10月16日、さいたまスーパーアリーナに２万人の信者を集めて開催された統一教会の大規模イベント・韓鶴子講演会『祝福原理大復興会』に来賓出席し挨拶。
・2014年10月11日に八王子市文化芸術会館で日本統一教会の徳野英治会長の特別講演会に総裁特別補佐だった萩生田光一自民党幹事長代行（東京24区）とともに来賓出席し、挨拶した。

祝勝会で来賓挨拶する中川雅治環境大臣と北村経夫参議院議員
（以上、画像はPeaceTVより）

◆北村は4年越しの“恩返し”

また、2013年の参院選全国比例区で統一教会の組織票8万表の上積みで当選した北村経夫参議院議員も、同祝勝会に来賓出席し祝辞を述べた。

実は、この時まで北村は、当選の見返りとして同教団や関連団体への「お返し」を全く行っていなかった。そのため、同教団と勝共連合の幹部からは「俺たちのおかげで国会議員になれたくせに、なんだあいつは！」と不満の声が上がっていたという。今回の祝勝会での祝辞によって、北村は、ようやく義理を果たしたことになる。
北村は菅官房長官の差配で選挙運動期間中、極秘に統一教会地区教会で礼拝に参加し講演していたことが、判明している。

中川と北村に質問書を送付したが、どちらも回答期限間までに回答はなかった。
北村の事務所は、折り返し電話すると言った切り、一向に電話を掛けてこなかった。
中川の事務所に至っては10数回電話して応答があったのは僅か1回のみで、それも「電話番」と名乗る女性が応対したのみだった。


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