2018年8月31日金曜日

日本脱カルト協会、公開講座『オウムのすべて』を開催

開会挨拶を行う西田公昭教授
8月25日、都内で日本脱カルト協会が公開講座『オウムのすべて』を開催した。
 オウム事件の裁判を取材してきたジャーナリストの他、学者、弁護士などが登壇。またオウム元信者3人が体験談を独白、「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人の高橋シズヱ氏も心境を語った。


 25日、東京五反田の立正大学品川キャンパスで日本脱カルト協会(JSCPR)の公開講座『オウムのすべて ―事件をふりかえって そしてこれから-』が開かれた。主催者発表によると入場者は約200名。
開演前には「麻原法廷物語」のシリーズアニメ動画作品が流された。
日本脱カルト協会が公開講座『オウムのすべて』 2018年8月25日】

プログラム

・開会あいさつ
西田公明(立正大学教授・社会心理学 JSCPR代表理事)「拘置所での面談をふりかえって」
・ジャーナリストがみたオウム法廷
青沼陽一郎(ジャーナリスト)「麻原法廷とは」
降幡賢一(元朝日新聞記者)「法廷で何がわかったのか」
・元信者3名による体験発表
・滝本太郎(弁護士 JSCPR理事)「オウムの現状、被害とは」
・高橋シズヱさん(「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人)さんよりご挨拶
・山口貴士(弁護士 JSCPR事務局長)
・ディスカッション




青沼陽一郎氏
西田公昭氏は開会挨拶で 「彼らは荒唐無稽なものを信じた愚か者ではなかった」と麻原以外の元死刑囚について言及。

 ジャーナリストの青沼陽一郎氏は 「麻原は立件された全事件について見解を述べている。全部無罪で弟子がやったと意見陳述している」 と指摘。事件が麻原の指示であったことを弟子自身が罪を認め死刑覚悟で語ったことを強調。 『オウム事件真相究明の会』の主張を完全論破した。

 この日、もっとも印象的だったのは高橋シズヱ氏のあいさつ。

高橋シズヱ氏
「被害者の会の人には言いづらいが」と前置きし「死刑囚の母親と話した」と明かす。「仏壇に手を合わせてくれた。自分たちも苦しんでいる、同じ年代の子どを持つ」「死刑判決後に法廷の外のベンチでがっくり」していたという死刑囚の母親。その「手に手を乗せた」という高橋氏。「覚悟してましたから」と話す母親に「お気の毒だなと」
「傍聴抽選に並んでいる時。加害者側のご遺族が『高橋さん、本当に申し訳なかった』なんで遺族が遺族に謝るんだと思った」
オウム被害者家族の会の永岡英子氏が傍聴時に「申し訳なくて一緒には座れない」と話していたことも明かした。
 前日「別の事件のご遺族の発言」として『遺族には恨みの対象が必要』との内容を聴いたという高橋氏。和歌山カレー事件のことだと思われるが、同氏は「被害者遺族にいろんな意見。被害者遺族の中にもいろんな人たちがいる。昨日の発言を見て、一律に『被害者はこう思っている』と言われてしまうのは嫌だなと思った。被害者遺族はいろんな感情を持っているということを知ってほしいと思った」と語った。


 この公開講座を多くのメディアが報じた。
【毎日新聞 2018年8月25日】

 オウム真理教 元信者「疑念持たず」 事件振り返り講演(抜粋)

脱会信者でつくる「カナリヤの会」のメンバー3人が初めて講演し「疑念を持たず、教団幹部に絶対的に服従することが良いことだと思っていた」などと当時の心境を語った。


【産経新聞 2018年8月25日】

 オウム死刑執行 事件の教訓、学び伝える カルト専門家が市民に講座(抜粋)

協会の代表理事の西田公昭立正大教授は「後継団体が活動を続けている。もっと危険な別の団体が現れる可能性もある。事件で明らかになったことをしっかり学び、教訓として伝えることが大事だ」と述べた。

 平成7年3月の地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズヱさん(71)も出席。裁判が開かれていた当時、刑が執行された元死刑囚の親族と傍聴の際に顔を合わせていたと明かし「(逮捕されるまでは)息子が事件に関わっていたとは知らなかっただろう。お気の毒だなという気持ちで見ていた」と述べた。

【共同通信 2018年8月25日】

 オウム事件の教訓、学び伝える 日本脱カルト協会が市民に講座(抜粋)

 協会の代表理事の西田公昭立正大教授は「後継団体が活動を続けている。もっと危険な別の団体が現れる可能性もある。事件で明らかになったことをしっかり学び、教訓として伝えることが大事だ」と述べた。

 松本サリン事件で使われたサリン噴霧車製造に関わったとして服役した元信者の男性が発言。「教えに自分の全てを預けるのは、非常に危険」と強調した。

【YOMIURI ONLINE 2018年8月26日】

 オウム事件の検証続けて…都内で被害者ら集会(抜粋)

地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズヱさん(71)は「被害者遺族には、死刑を強く求めた人もいれば慎重な意見の人もいた。遺族にも色々な感情があることを知ってほしい」とあいさつした。

同協会代表理事の西田公昭・立正大教授は「教団の後継団体などで松本元死刑囚に帰依する信者らは今も多数おり、事件は終わっていない」と話し、再発防止のため、元信者らが教団に入り、犯行に手を染めていったプロセスなどを引き続き検証するよう提言した。

【朝日新聞DIGITAL 2018年8月26日】

 報道・裁判に出ない「オウムの悲劇」 元信者は目にした(抜粋)

オウム真理教による一連の事件で、13人の元教団幹部の死刑が執行されてから約1カ月。事件を後世に伝えるため、模索を続ける関係者にとって課題の一つは、教団に関する様々な資料をどのように保存、活用するかだ。
(写真提供:藤倉善郎)

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