2025年2月3日月曜日

鈴木エイト氏と統一教会信者が双方勝訴宣言=N国・立花孝志氏などが信者側に便乗

東京司法記者クラブで会見する鈴木エイト氏と弁護団
 統一教会(指定宗教法人・世界平和統一家庭連合)信者の後藤徹氏がジャーナリストの鈴木エイト氏の発言などを名誉毀損であるとして1100万円の損害賠償を求めていた訴訟で1月31日、東京地裁(一場康宏裁判長)は、後藤氏への11万円の支払いをエイト氏に命じる判決を言い渡した。これを受けて、訴額ベースで99%の正当性を認められた被告・エイト氏と、同1%の賠償認定を得た原告・後藤氏側が、双方「勝利宣言」。また後藤氏側に便乗して、選挙ウォッチャーちだい氏から「反社会的カルト集団」と呼ばれている「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表や浜田聡参議院議員が、デマや誇張を付け加えた情報をネット上で発信している。

 ジャーナリストの藤倉善郎氏は、「阪神が巨人に99対1で勝てば、それは阪神の勝ちである。1失点を理由に阪神の負けとは言わないし巨人の勝ちとも言わない」として、エイト氏の勝訴を強調する。


 今回の裁判で原告側が名誉毀損を主張していたのは、「やや日刊カルト新聞」の記事を含めたエイト氏のネット投稿やメディアでの発言など5つの表現について。このうち、親族に拉致監禁されたと主張する後藤氏についてエイト氏が「引きこもり」と表現した2つを、東京地裁は違法性ありと認定した。「拉致監禁」問題をめぐっては、後藤氏が親族らを相手取った民事訴訟で後藤氏の勝訴(親族らに2200万円の賠償命令)が確定したが、刑事告訴は不起訴となっている。

支援者を前に穏やかな表情で勝訴を宣言する鈴木エイト氏
 エイト氏と代理人弁護士らは今回の判決について、民事訴訟以外の情報も踏まえた「引きこもり」との論評を違法とする判決を不服として、控訴を表明。しかし訴額ベースで99%、原告のその他の請求がすべて退けられたことから、エイト氏は判決の同日開いた支援者への報告集会の席で改めて「勝訴宣言」を行った。

「〝引きこもり〟という評論部分にしか違法性を認めておらず、記事やツイッター投稿の削除を求める原告の主張も退けられている。こちらの勝訴という認識を持っています」(エイト氏)

■双方〝勝利宣言〟、N国が信者側に便乗

N国・立花孝志代表
 一方、後藤氏側代理人の徳永信一・中山達樹両弁護士はツイッターなどで「勝利」「完全勝訴」と騒ぎ立てた。またN国・立花孝志代表は、徳永弁護士のツイートを引用する形で「鈴木エイト氏が、統一教会信者に裁判負けました!」「負けた弁護士 紀藤正樹」などとツイート。しかし紀藤正樹弁護士はエイト氏の代理人を努めてはおらず、完全なデマだ。

 N国の浜田聡参議院議員も、YouTubeで今回の判決に関する動画を公開。「立憲民主党が拉致監禁に関わっている可能性」などという、裁判の内容と関係のない根拠不明のことまで口走っている。統一教会や信者へのアプローチを強めるN国関係者が、後藤氏側の「勝利宣言」に乗じてデマや誇張を吹聴しているという構図だ。

ホリエモンのツイートは笑いものに
 しかし、事実関係を確認せずにこれを鵜呑みにする者もいる。堀江貴文氏は、徳永氏のデマツイートに乗せられ「笑」「さらに紀藤が弁護人なんだ。笑える」などとツイートして笑いものになっている。

■「阪神が99対1で巨人に勝ったのを〝巨人の勝ち〟とは言わない」

 ジャーナリストの藤倉善郎氏は、今回の判決について、こう解説する。

「今回の地裁判決は、唯一違法性を認定した〝引きこもり〟という表現について、後藤氏が親族らを訴えた際の民事訴訟の確定判決に反するという理屈を持ち出した。これは非常に危険だ。エイト氏の発言は、後藤氏の親族らを不起訴とした検察や検察審査会の判断や親族らの主張など、民事判決以外の事実も踏まえている。東京地裁は多面的な評価が存在する現実社会の事柄を民事判決のみがコントロールすると言わんばかりで、思い上がりも甚だしい。裁判所は裁判という名のケンカのレフェリーにすぎず、判決がこの世界の全ての真実を作るわけではない。東京地裁は聖書でも書いているつもりなのか? エホバに謝れ」

 統一教会の違法性を認定した民事判決はいくつもある。信者が、民事訴訟の確定判決に沿わない評論は違法だなどという理屈の判決を喜んでいると、自分たちも裁判所が出す判決や決定に反する主張をできなくなりかねないが、大丈夫なのだろうか。裁判所による解散命令が待ち遠しくなる。

 原告側の「完全勝利」や「鈴木エイト氏敗訴」といった言説に対しては、藤倉氏は「エイト氏が99対1で勝ったのだから勝訴だ」と、エイト氏の勝訴を強調する。

「阪神が巨人に99対1で勝てば、それは阪神の勝ちである。1失点を理由に阪神の負けとは言わないし巨人の勝ちとも言わないだろう。負けた側が判決の部分的な〝勝ち〟を〝実質勝訴〟〝一部勝訴〟といった表現でアピールすること自体は、一般的にも珍しくはないし不当でもない。しかし〝完全勝訴〟〝エイト敗訴〟などと騒ぎ立てるのは、さすがに針小棒大すぎて異常だ。そんなんでいいなら、99対1で勝った方がよっぽど〝完全勝訴〟だろう」

 もともと、メディアや報道関係者が名誉毀損を理由に提訴され、1点の非の打ち所もない「完全試合」で勝訴するケースは必ずしも多くはない。報じた内容の主要部分は認められても、細部について根拠の弱さを指摘され数十万円の賠償を命じられるというケースは、しばしばある。今回の11万円という賠償額は、それらと比べても少額だ。

■N国参戦を警戒

 「鈴木エイト氏を支える会」代表でもある藤倉氏は、N国関係者・支持者の「本格参戦」への危惧ものぞかせる。

「信者側がネット上で騒ぎ立てる中、N国までもが首を突っ込んできて独自のデマや誇張を加えてエイト氏への攻撃を強めている。兵庫県知事問題に続く新たなN国問題が、エイト氏の裁判をめぐって発生している状態だ」

 斎藤元彦兵庫県知事の問題をめぐっては、立花氏が斎藤氏を擁護。批判的な人々への威嚇的な発言を行いネット上で敵意を煽った。県議会の百条委員会委員として斎藤知事関連の問題の調査を担った竹内英明元県議(今年1月に自死)もターゲットの1人にされ、ネット上での中傷やいたずら電話に悩まされていたという。

「これまで統一教会の信者や関係者たちも、2世の元信者を含め批判的な人々への中傷をネット上で展開してはいる。しかし、死者が出るレベルでのネット上でのいじめを煽るN国の恐ろしさは全く異質。N国が本格参入してくると、これまでの〝統一教会との戦い〟は大きく風景が変わる。エイト氏に限らず統一教会問題に取り組む全ての人々が、今までと比較にならないほど誹謗中傷で神経をすり減らすことを強いられ、当人や家族の生活や身ばかりか安全すらも危ぶまれる事態が発生しかねない。これを踏まえた対応を意識する必要を感じる。引き続き、皆様の支援・応援をお願いしたい」(藤倉氏)



5 コメント:

匿名 さんのコメント...

堀江貴文なんて所詮、N国立花と同じ穴のムジナだよね。
出自の怪しさなんかもそっくり。
笑いものにするのが丁度いい。

匿名 さんのコメント...

精神勝利してて草
見苦しいにも程があるw

鈴木エイトは敗訴した
これが事実

残りの2つの裁判でも敗訴するだろうね

匿名 さんのコメント...

裁判所からも違法行為を断罪された鈴木エイト(田中清史)を起用する日本テレビは反社会的カルト団体と言っても過言ではないてすね。
24時間テレビで視聴者から得ていた多額の献金を横領していた事実も発覚。
日本の大スター大谷翔平の家に無断凸し、大谷翔平を退去に追い込んだのも日本テレビ。

匿名 さんのコメント...

統一教会信者工作員らしき連中のコメントが目障りだな。
この手の連中が全国各地の選挙管理委員会にも潜り込んで、教団の意に沿わない票をこっそり大量廃棄したりしてないか(捨てた分は「投票率が低かった」ことにすればいくらでも誤魔化せるからね)懸念せざるを得ない。

匿名 さんのコメント...

鈴木エイトのような人間が批判する統一教会は逆説的に正しい宗教団体ということ?