2011年7月11日月曜日

足立区のアレフ施設に初の警察捜査=公務執行妨害容疑

 公安調査庁が団体規制法に基づいて足立区にある宗教団体アレフ(旧・オウム真理教)施設を立入検査した際、検査妨害があったとして警視庁に告発。警視庁が、足立区内にあるアレフの3施設について、公務執行妨害容疑で家宅捜索しました。


 アレフは今年4月に世田谷区から足立区に本拠地を移しています。これに足立区の住民や行政がこれに反発し、団体規制法より厳しい条例(後に一部改正されています)を制定して、警戒を強めていました。足立区のアレフ施設に、公安調査庁の立入検査ではなく警察の捜査が入るのは、今回が初めてです。

【毎日jp 2011年07月08日】アレフ3施設捜索:立ち入り検査妨害容疑 警視庁
 オウム真理教の主流派アレフの信者が公安調査庁の立ち入り検査を妨害したとして、警視庁公安部は8日、東京都足立区の「保木間施設」と「足立入谷施設」など3カ所を公務執行妨害容疑で家宅捜索した。足立入谷施設は出家信者約50人が暮らすアレフの全国最大拠点とされ、警察による捜索は初めて。

 捜索容疑は、7日午前11時ごろ、公安庁が団体規制法に基づいて保木間施設を立ち入り検査した際、アレフ幹部の男(38)がビデオ撮影していた職員のカメラを手でたたき落とし、検査を妨害したとしている。公安庁が7日、警視庁に告発した。

 足立入谷施設は昨年3月、アレフ関連会社が約1億円で購入し、他施設の出家信者が転居するなど拠点化が進んでいる。足立区は活動報告などを義務付ける条例を制定し、地元住民も反対運動を続けている。

 公務執行妨害の内容については、メディアによって報道の表現に若干の違いがあります。上記の毎日新聞は、アレフ幹部が「職員のカメラを手でたたき落とし」と報じていますが、日本テレビは漠然と「暴行」と表記しています。

【日テレNEWS24 2011年07月09日】オウム主流派「アレフ」の拠点を家宅捜索

 オウム真理教に対する公安調査庁の立ち入り検査の際、信者が職員に暴行したとして、警視庁公安部は8日夜、東京・足立区の教団の新たな拠点に家宅捜索を行った。

 公務執行妨害の疑いで家宅捜索を受けたのは、足立区入谷などにあるオウム真理教の主流派「アレフ」の3か所の施設。公安調査庁が7日、これらの施設に立ち入り検査をした際、撮影をしていた調査官がアレフの38歳の出家信者に暴行されたとの告発を受け、警視庁が捜査に乗り出したもの。

 アレフは今年4月、東京・世田谷区から足立区に拠点を移しているが、足立区入谷の施設に警視庁が強制捜査を行うのは今回が初めて。

 最近は、オウム真理教関連で新たな事件や訴訟が相次いでいます。たとえば昨年3月に国松孝次警察庁長官銃撃事件(1995年)が時効を迎えた際に警視庁が記者会見で「オウム真理教による組織的テロ」と発表したことについて、アレフが名誉毀損であると主張して東京都を提訴。5000万円の損害賠償を求めています。

 また、アレフから分派したひかりの輪(上祐派)の信者2人が、保険金詐欺容疑で逮捕(詐欺容疑で「ひかりの輪」在家信者2人逮捕)。さらに、この容疑者のうち1人が、「眠っている知人女性の裸を撮影し、ばらまくと伝えて現金49万円を脅し取った」として、再逮捕されたと報道されています(ひかりの輪在家信者を再逮捕 大阪)。

 ひかりの輪信者の事件は、ひかりの輪の組織的関与があるという報道ではありませんが、アレフについては、明らかに教団の組織活動に関するものです。周辺住民、行政、警察権力との対立が深まっている状況は、要注意でしょう。

8 コメント:

匿名 さんのコメント...

カメラを手で払いのけた際にカメラマンが手を怪我したと言い張っているのか、暴行されたカメラマンに対しアレフ側がカメラを払いのけただけと主張しているのか、報道では判断出来ませんね。
どちらにしても警察の捜査が出来るようになったという事で、怪しいものに対しては厳しく取り締まって頂ければと思います。

匿名 さんのコメント...

だから、カメラを叩き落とした行為を暴行と表現しただけだろう。

おそらく信者は、会員の顔を撮られるのを恐れたんだろうが。

おかげで足立の施設も警察が捜査できるようになったわけだ。

匿名 さんのコメント...

オウム関係で公務執行妨害罪っていうと、森達也監督のドキュメンタリー『A』を思い出すな。
明らかな言い掛かりで人が(たとえ相手がオウム信者でも)逮捕される様子は見てて怖かった。

まぁ、今回のことはわからないので、何とも言えないけど。

匿名 さんのコメント...

転び公妨ね。

藤倉善郎 さんのコメント...

 『A』のあのシーンはよかった。センスのないBGMの使い方も良かった。映画好きの女友達と二人で観に行ったんだけど、二人して劇場で声を出して笑ってしまいました。

 今回のケースは状況がわからないけど、転び公妨とか別件逮捕とかには全般的に、たとえ相手がオウムでも違和感は感じますね。

 ちなみに、転び公妨と似たものに、転び幸暴(幸福の科学暴行罪)というのがあります。教団の施設建設に反対する住民の家を訪れ、話すことはないと住民がドアを閉めるのを教団職員が抑える。ドアを抑えている職員の手を住民が振り払ってドアを閉めると、職員は暴行罪だと言って警察に被害届を出すと。実話です。住民は、不起訴に放ったものの送検までされて、延々取り調べされたそうです。

匿名 さんのコメント...

大津市のここの記事のコメント欄を見ていても
転び幸暴は想像できますし、怖いですね。

オホーツク海岸の論客 さんのコメント...

「転び公妨」「転び幸暴」・・・・・・

どちらにしても恐ろしいですな。

警察とかの捜査って、進行中の場合は報道できないけど、捜査が行われたら(過去形になったら)報道できるのね。

私の知人が宗教団体からネットで中傷されました。大きな声では言えませんが、警察の捜査が進行中だそうです。どうぞ、彼の人生に多くの「幸」がありますように・・・・・・(祈)

匿名 さんのコメント...

 そんな微罪で捜査してもたいしたことは立件できないのは目に見えています。マインドコントロール技術を悪用した詐欺について本格的に捜査する方がカルト対策になるのですが、やっぱり政治的な圧力がかかるのでしょうか。
 オウムについてはサリン事件で強制捜査されるまでは詐欺も拉致監禁もやりたい放題だったということがもっと知られるべきだと思います。白昼堂々と拉致を行なっても警察は動かなかった、あの強制捜査の時、サティアンに監禁されていた多くの人々についてはその後殆ど報道がなくなり、今や忘れ去られていますが、そのことももっと知られるべきです。
 でも今や舛添、西部といったオウムの勢力拡大に手を貸した御用評論家がテレビで言いたい放題、あげくに最大の共犯者島田裕己が東大の先生になっているに至っては、日本人はどこまでお人よしなのかとあきれるばかりです。こういうことが改善されない限り日本はカルト天国のままですね。