2011年11月6日日曜日

【書評】 現代宗教社会学研究の画期的書籍“情報時代のオウム真理教”

今年7月、春秋社よりオウム真理教研究に関する画期的且つ集大成的な書籍が発売された。

(財)国際宗教研究所・宗教情報リサーチセンター編、國學院大學神道文化学部教授で宗教社会学者の井上順孝氏が責任編集した”情報時代のオウム真理教”だ。


帯には

真実のオウム探究はここから始まる。

オウム真理教とは、
いったい何であったのか。
さかのぼって教団の全容を詳細に分析し、
〈宗教〉と〈社会〉の相克を
浮き彫りにする画期的な書。

との記載があるとおり、現代宗教社会学の研究者ら17人の執筆者が様々な視点で、オウム真理教について検証している。
残された多岐に亘る膨大な資料を繙き、分析するのは大変な作業であったと思われる。

序論一章に於いて井上順孝氏は、新宗教の研究者としてサリン事件以前に的を絞り、資料やデータの収集・整理・分析作業の重要性を指摘する。

序論二章でフォトジャーナリストの藤田庄市氏は、オカルトを母体にしたオウム真理教の源流から“救済=無差別大量殺人”への道程を論じている。

第Ⅰ部はオウム真理教から発せられた情報を分析・検証している。
一章でのアニメ・ビデオなどの映像メディア検証から以降七章までそれぞれ、ラジオ・説法テープ・オウム音楽・書籍・基幹機関誌・教本から詳細な論考がなされている。

第Ⅱ部ではメディアなど外部社会から発信された情報の分析がなされる。
一章から四章まで新聞報道・雑誌報道・テレビ・書籍と学術研究の素材からの情報を列記することで各メディアのスタンスなどを読者が比較・検討できる構成になっている。

第Ⅲ部では、惨敗した真理党の衆院選、オウムが展開した事業、森達也の『A』『A2』、脱会者、陰謀論、ロシアでの活動、国外の研究者のオウム研究、宗教法人解散からアレフ及びひかりの輪、とそれぞれのテーマで、論じている。

あとがきで井上順孝氏は、サリン事件前のオウムに対する自身の調査・研究が中途半端なものにとどまっていたことを明かしている。そして1991年に富士宮総本部、1997年に上九一色村で解体中のサティアンを訪れたことに触れ、1998年の宗教情報リサーチセンターの発足にオウムの事件の影響があったことを記している。。
本書の分析について井上氏は「情報時代が本格化していく社会背景に形成された運動ということに、一つの焦点を定めた」と記す。

そして井上氏は「癒しブームやスピリチュアル・ブームに棹さしたような論考のなかには、何か危ういものが混じっているのを感じることがある」と、昨今のジャーナリズム、特にテレビの報道姿勢に警笛を鳴らす。


テレビ番組等でも、連日“占い”の時間が設けられ特集番組まで組まれている。民放連の放送倫理規定に抵触する行為が日常的におこなわれている現状は、カルト団体による霊感商法等の素地ともなっている。


先日、坂本弁護士失踪事件直後のテレビ放送のVTRや波野村での反対集会の映像を観る機会があった。波野村での映像はまだ日本国内でカルト問題が顕著ではなく対策も現在に較べ不充分だった時期のものとして、貴重な映像資料であった。

記者がオウムの名を初めて目にしたのは20数年前、杉並区内の電柱に貼られていたビラだった。ビラに記載されたメンバーの“ミラレパ”、“ウッパラヴァンナー”などの名前(ホーリーネーム)から、当初はお笑い系の劇団かと勘違いをしていた。

本書を読み進める内、オウム真理教が無差別大量殺人テロに行きつくまでに表れていた以下の萌芽、極端な二元論・家族に監禁されている信者の奪還を命じる箇所・説法での終末論・性欲コントロール・脱会者は地獄行きとの刷り込み・殺人をも肯定してしまう教義・「宗教弾圧」との抗弁・カルト問題の親子対立問題へのすり替え、信者の子供への偏った刷り込み教育等は、現在国内で跋扈する諸カルト団体の現在の状況と通じるものがありその不気味な符合には戦慄すら覚えた。

現在もSNSなどを利用し、多くのカルト団体が盛んに布教・伝道活動をおこなっている。本書で触れられている“情報時代”は現代社会に於いては更に進化を遂げている。

尚、本書によると、1994年7月の日刊スポーツ紙面に、元日劇トップダンサーだった鹿島とも子のオウムへの出家報道に際し“統一教会の広報”の言葉として「鹿島さんは自分のことばで本心を語ることができ、信仰者として深みのある立派な人だと思いました。オウムさんは社会でいろいろ言われていますが、いい信仰教育をされていますね」との発言が掲載されていたそうだ。そのことを付け加えておく。

10 コメント:

匿名 さんのコメント...

こんなクソつまんねー書評を書かれちゃ作者も迷惑だろ。
逆に読む気失せたわ。

チラシの裏に書いてろ、な。

匿名 さんのコメント...

わたくし本HP閲覧歴は短いのですが、オウム―統一教会ラインを主張されているのでしょうか?

匿名 さんのコメント...

まだカルト活動してるの?
それより現役カルトの方が面白い

匿名 さんのコメント...

 >こんなクソつまんねー書評を書かれちゃ
 >作者も迷惑だろ。

 >逆に読む気失せたわ。



そう思うなら
カルト新聞を読みにくるなよw

お前は、このサイトを誰かに強制されて、見たくも無いのに見たのか? あ?

匿名 さんのコメント...

著者の一人です。
我々の論集を、このように大きく取り上げていただいた上に、御自身の体験に根差した的確な評をいただき、感謝申し上げます!
帯にあるように、この本は「始まり」の書ですので、これからもがんばります!
今後も楽しみにさせていただきます。

匿名 さんのコメント...

 

●公明党議員(=創価学会)を追うとオウムの闇も見えてくる?

http://blog.goo.ne.jp/c-flows/e/406f9b8d555bb79fac86ff29bdf64e6a

 

オホーツク海岸の論客 さんのコメント...

宗教って、形や質が違っても原始時代から人間が続けてきた営みだから、その時代に応じた伝わり方があるんですよね。

今回はオウム真理教がサンプルになったようですけど、日本におけるリトル・ペブル運動を調べてみるのもおもしろいと思います。宗教学の先生、カトリック教会、精神科医、元関係者、現役信者の冷静な態度が肝心です。現在はデータ収集が中心ですので、どこかがドアを閉めてしまうとその部分が調べられないという困難にぶつかる事がありえるのですが、後の時代には必要な研究の成果になるはずです。

匿名 さんのコメント...

この本は買ってもいいかな・

ま、私は元々、統一教会もオウムも幸福の科学も似たようなもんと思ってますから、

組織や信者の性質がね・。

匿名 さんのコメント...

オウムよりも、今はコーフクが問題だと思いマス!

匿名 さんのコメント...

ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111117-00000067-jij-soci
最近オウム信者が増えているようですね・・。