【滋賀】幸福の科学学園落慶式と住民集会が同日開催

嘉田由紀子・滋賀県知事の認可によって今年4月の開校が決まった幸福の科学学園関西校（中学・高校）で2月24日、「落慶感謝式典」式典が開催され、幸福の科学信者たちがエル・カンターレ（教祖・大川隆法総裁）に感謝しまくりました。一方、7割以上の住民が開校に反対している地元・仰木の里学区では、自治連合会が学園問題を考える学習会を開催。住民たちから、依然として学園を容認できないとする声が挙がったほか、教団による地域進出や反対のぼりに対する教団側の対応等への不安も聞かれました。


■信者たちで溢れかえった仰木の里

本紙・藤倉は、落慶式の関西校周辺を取材するため、いつものように京都駅からJR湖西線でおごと温泉駅へ向かいました。車内では、隣の席の年配女性が、耳障りな大声で同行の人たち相手にペチャクチャしゃべくり倒しています。ものすごくうるさかったのでガンくれてやったのですが、女性は全く気づかず、なおもでかい声でしゃべり続けます。

「ベガがシータで、真理子さんがイシスで、鞍馬天狗は宇宙と関係があるのよ！」（年配女性）

本紙・藤倉が大好きな世界の言葉が耳に飛び込んできます。おや？と思いよく見ると、年配女性の同行者の男性の手に「THE SPIRIT OF A RELIGIOUS NATION」（『宗教立国の精神』という大川隆法総裁の著書タイトル）の紙袋。

なんだ、おまいらも……。そう思ったら、女性のでかい声が、ちっとも耳障りではなくなりました。信仰のなせるワザでしょうか。

いつもはごく普通の静かな湖西線が、この日は胸躍るオカルト列車になっていました。ウキウキしながらおごと温泉駅に降りると、列車に乗っていた人々がぶわ～っとこぞって同じ駅で下車します。

おまいらみんな……

感動です。おごと温泉駅がこんなにごった返しているのを見たのは、初めてです。

日曜日の昼間だというのにまるで通勤ラッシュのような状態の改札口を抜けて、そのまま人混みに流されて進むと「学園行きシャトルバスはこちらで～す」という案内の声が。いつの間にかそんなバスができたのか、こりゃ便利とばかりに、信者たちに混じってシャトルバスに乗りました。

駅から学園まで、バスに乗るとほんの数分で着いてしまいます。学園が目と鼻の先に迫ってきた頃、バスの窓から、「STOP 断固反対！幸福の科学グループ進出」と書かれたのぼりが立ち並ぶ住宅街が見えました。ある年配の女性信者が、同行の女性信者たちに向かって苦々しげに吐き捨てていました。

「何が断固阻止や、ほんまに。闇の抵抗勢力や。悪やな」

すごくガラが悪く聞こえたのは、藤倉が関西弁に慣れていない関東人だからでしょうか。女性のその言葉に、話しかけられた信者たちは笑っていました。

幸福の科学学園の林雅敏副理事長は、教団内イベントで関西校周辺の住民たちについて「左翼」「唯物論」「最大最強の敵」などと罵って信者の敵意を煽っていました。バス車内での様子を見る限り、信者たちはしっかりと地域への敵意が根付いているようです。

■相変わらず公道すらも支配下に

バスはそのまま、関西校の門を通りぬけ敷地内に入って行きました。ありゃ、これはまずいです。藤倉は学園まで行きたかったのですが、落慶感謝式典には呼ばれていないので、敷地内に入ってしまうときっと怒られます。

バスを降りた信者たちが学園の玄関に入っていくのに、藤倉は一人スタスタと逆方向に進み、正門から外に出ていきました。不審に思ったのか、職員らしき男性が1人、後をつけてきました。

電車でのオカルトトーク、シャトルバスでの住民敵視発言、そして尾行と、早くも幸福の科学学園名物のフルコースです。

尾行を従えたまま学園周辺をぶらついていると、これまでの取材で面識がある地元住民に出会いました。

「藤倉さん、お疲れ様です。これひどいんですよ。こんなにたくさんバスが出入りして、危ないんです。学園の目の前の区域の自治会に何の事前連絡もなかったんですよ」

「事前連絡なかったんですか！　相変わらずやりたい放題ですねえ」

ひっきりなしに出入りする大型バスの写真を住民が道路から撮影していたら、藤倉の後をつけていた職員らしき男性が近づいて来ました。

職員「写真撮影はご遠慮願えますか」

住民「どうしてですか？　風景の写真を撮って何がいけないんでしょう」

公道での撮影を制止する教団職員（左）

藤倉「ぼくは風景ではなくて、天下の公道で一般の住民の行動を制限している宗教団体の様子を観察しているところです」

職員「何も制限してませんけど」

藤倉「写真を撮るという行動を制限してるでしょ」

職員「特にこちらに確認なくお撮りになっているので」

住民「確認を取らなきゃいけないんですね」

藤倉「幸福の科学学園の敷地ってここ（公道）までですか？」

職員「いま中に入ってましたよね」

藤倉「はい。バスが中まで入っちゃったんで。でも部外者だからすぐ出て来ました」

住民「学校撮ったらあかんのですか」

職員「はい。無断ではちょっと」

藤倉「ここは公道なんで問題ないです。撮られたくないなら屋根までフェンスでも付けたらいい。ノゾキでもなんでもなく普通に見える範囲のものを撮影するのは何の問題もない」

職員「中に入ってましたよね」

藤倉「中で写真なんか撮ってないでしょ。いま写真の話してるんじゃないの？」

職員「はい。写真はご遠慮ください」

住民・藤倉「遠慮なんかしませんよ！」

職員「中に入りましたね。はい」

職員は、そう言って学園の門の方に去って行きました。よくわかりませんが「撮影やめろ」的な話はどこかえ消えてしまったので、その後も撮影を続けました。

藤倉が確認しただけでも、学園を出入りした車の数は大型バスだけでものべ6台以上。おごと温泉駅をひっきりなしにピストン輸送していたようなので、実際ののべ台数は10台ではきかないかもしれません。

学園の敷地は、校舎棟と宿舎棟とグラウンドがそれぞれ公道によって分断されています。この日は、落慶感謝式典に参列する信者たちが学園施設の見学でもしていたのでしょう。校舎棟と宿舎棟の間の公道をダラダラと絶え間なく信者たちが渡っていました。そこを、地元住民らしき人が不愉快そうな表情をしながら車で通り過ぎる光景も見られました。

■住民を無視してきた関西校

関西校内で落慶感謝式典が始まってほどなく、徒歩で10分ほど行ったところにある仰木の里市民センター内では、地元の自治連合会主催の住民集会「幸福の科学学園について考える会　～あなたは　このまま容認できますか～」が始まりました。

まず、幸福の科学学園が仰木の里学区内に土地を購入してから現在に至るまでの経緯が報告されました。

学園が土地を購入したのが2010年に10月。地元住民には事前にも直後にも告知されておらず、住民の大半は突然の新聞報道でこの事実を知らされました。その時点では、すでに土地は購入された後でした。住民向けに説明会が開催されたのは3カ月後の2011年1月でした。

1月に学園側が行った説明会は、自治連合会加盟自治会（17自治会）向けのものでした。ここでは住民側から開校までのプランの提示、教育内容の提示、経営計画の提示などを含めた要望や質問が出されたものの、学園側はその場では回答せず再度の説明会開催を約束。しかしこの約束は守られず、現在に至るまで説明会は開催されていません。質問への回答もなされていません。

1月下旬から2月にかけて、今度は自治連合会に加盟していない自治会を対象に個別の説明会が、学園から5km近くも離れた公共施設で開催されました。遠方での開催が、「学園側は住民に説明する気がハナからないのではないか」（住民）との不信感を買いました。それでも説明会に参加した住民は、複数の自治会への説明会を同時に行う合同説明会の開催を要求し、学園は承諾。学園側は住民側に質問項目等を文書で提出させておきながら、ここでも次回以降の説明会開催を拒否しました。

以降、学園側は、住民との間で日時の調整すらもせずに一方的に「対話会」なるものを開催し、地元住民がほとんど出席しないままこれを16回も開催しています。

続いて、学園の敷地の地盤問題について説明がありました。これは本紙が繰り返し報じてきているものです。学園が立っている敷地の地盤は、東日本大震災で多くの被害を出した「谷埋め盛り土」と呼ばれる地盤で、専門家も学園の地盤の脆弱性を指摘しています。

さらに、大川隆法総裁の出生地である徳島県川島町における教団と住民とのトラブル事例が報告されました。これもまた本紙が繰り返し報じているもので、教団施設の建設に反対した住民を教団側が恫喝したり、住民の自宅敷地内の反対看板を教団職員が無断で撤去破壊したり、地元自治会を分裂に追い込むなどしてきた事実や、その上さらに土地を買い増して新たな施設を建設しようとしていることなどが報告されました。

■自治連合会の学習会で住民の不安噴出

意見交換に入ると、フロアから

「幸福の科学はカルトだ。個人崇拝をしていて、教祖が行ったことはなんでもやる。あんなものは宗教ではない。宗教だからしょうがないんだという声も聞かれるが、しっかり反対していくべきだ」

といった声も出ました。これに対しては、学習会に出席した藤倉が発言を求められたため、こう説明しました。

「ぼくも幸福の科学はカルトだと思います。しかしこの問題に際して、幸福の科学をカルト呼ばわりすべきではない。幸福の科学側が『何をもってうちをカルトと呼ぶのか』と反論してきたり、名誉毀損だとか言って裁判を起こしてきたりすれば、なぜ学園に反対なのかという本題ではなく『カルトかどうか』が論争になってしまう。また、幸福の科学は宗教です。いい宗教ではありませんが、宗教です。そして個人崇拝自体が常に悪いとは限りません。たとえば天皇陛下を尊敬したりダライ・ラマを尊敬することに問題はない。問題は、どういう人間に対して個人崇拝をしているのか、ということ。霊言という宗教行為を利用して他人を誹謗中傷したりするような人間を崇拝しているのが幸福の科学。それを子供にも教育する学園はおかしい。そういう理屈で主張していった方がいいのではないかと思います。『宗教だからしょうがない』という声については、オウム真理教に殺された坂本堤弁護士の有名な言葉で『（信教の自由はあっても）人を不幸にする自由はない』というものがあります。宗教だからといって、やっていいことと悪いことがある。それはハッキリと主張していいと思います」

また他の住民からは、

「信者が家族で地域に転入してきたりして、子供を地元のスポーツサークルに入れてほしいと言ってきても、正直なところ一緒にやりたくない。自治会に入れて欲しいと言われても、気持ちとして入れたくない。断ることはできるのか」

との質問も。これについては、自治連合会の野田幸夫会長が、こう回答しました。

「拒否はできません。それをしたら差別することになってしまいます」

奥に見えるのが関西校の校舎棟

ほかにも、「幸福の科学の戸別訪問お断り」の看板を設置している住民宅に、教団関係者が看板を無視して戸別訪問して、反対ののぼりを外してくれないかなどと言ってきているケースがあることも報告されました。

早くも、住民が早急に対応策を話しあわなければならない摩擦が起こり始めています。

■一方、関西校の中では……

では、この頃、関西校で行われていた落慶感謝式典では、どんなことが行われていたのでしょうか。

まず式典の冒頭、司会を務めた関西校教頭の半井庸子氏は、こう言い放ちました。

「全国からお集まりの信者の皆様、そして衛星中継会場の皆様、こんにちは！　ただいまより幸福の科学学園関西中学校高等学校の落慶感謝式典を開催いたします」

幸福の科学の信者しかいないことが前提のセリフです。幸福の科学学園は「信者でなくても入学は可能」（幸福の科学グループ広報局）なので、タテマエ上は、信者ではない人が入学したり、信者ではない親が自分の子供が入学する学校の式典に来ることもあり得ます。なのに「全員が信者」であることが前提の発言が出てくるということは、子供たちが入学する前から「全員信者」であることを学園側が把握しているということです。入学後の学園生活の中で「信者ではないことがわかった」のではなく、入学前からすでにわかっているわけです。

何を信仰しているか入学前からチェックすることは「信教の自由」を脅かす行為だと思うのですが、日ごろ「信教の自由」を振りかざしている幸福の科学の皆さん、その点、どうお考えなのでしょう。

さて、司会者の言葉は続きます。

「では初めに幸福の科学学園関西校エル・カンターレ像の開眼をとり行います。様々な分野で1番の成功を目指して欲しい、そう願われる主のお姿をこれより謹んで拝観させて頂きます。その後、主への祈りを皆さんとともに唱和致します」

壮大な音楽とともに、講堂の祭壇中央に金ピカのエル・カンターレ（大川隆法総裁）像が現れます。エル・カンターレ像は、幸福の科学の施設によって様々な形のものがあります。たとえば両手を合わせたポーズのものとか、大川総裁の出生地・徳島県にある四国正心館のものは、カバンと本を持った学ラン・学帽姿の「若き日のエル・カンターレ」像だったりします。関西校のエル・カンターレ像は、右手の人差指を上に向けて立てて「イチバーン！」な感じのポーズです。

男性が壇上に立ち、像に向かって「主への祈り」を始めます。会場の信者たちも唱和します。

「主エル・カンターレよ　あらゆる光と　あらゆる力と　あらゆる知恵と　あらゆる愛の　根源の方よ　我らに光をお与えください　我らに力をお与えください　我らに知恵をお与えください　我らに愛をお与えください　主よ　我らの父よ　この愛の星地球をお守りください　われらを一切の悪よりお守りください　我らに未来をお与えください　主よ　御光をお与えくださって本当にありがとうございます　心より感謝いたします」

みんなで合掌。男性が続けて

「偉大なる地球神にして始原なる根本仏　主エル・カンターレ　大川隆法総裁先生　日々大いなる御光をたまわり誠にありがとうございます　日本全国の子供たちへの限りない愛と使命感に燃えて設立を目指された幸福の科学学園関西校　本日ここにめでたく落慶を迎えることができました　主の大いなるご慈悲に仏弟子一同心より感謝を捧げます　我ら仏弟子一同　必ずや未来に向かって羽ばたく大鷲たちを数多く輩出し　主の願われる地球ユートピアの実現に貢献して参ります　主よ　ご指導誠にありがとうございました」

初っ端から個人崇拝全開です。

学園の玄関（敷地外からも見える場所）にあった張り紙は「落慶式」ですが、司会の言葉にもあるように実際のイベント名は「落慶感謝式典」。落慶を宇宙の根本仏であり地球神である大川総裁に感謝するという趣旨の宗教儀式ですから、大川総裁を讃えまくるのは当然といえば当然です。

■次々と倒れて救急車って……

学校法人幸福の科学学園・九鬼一理事長の挨拶です。

「主より様々なご指導をいただきお導きを賜り関西校が落慶いたしましたことを改めまして主エル・カンターレ、大川隆法総裁先生に心より感謝申し上げます（合唱しながらエル・カンターレ像に深々と礼）。この滋賀県大津市に関西校を開かせていただくということは大変大きなことでございます。主よりこの度賜りました新刊経典『教育の使命』にもそのことが書かれております。第2章、この大津市でご講演をされた時のご法話が収録されておりますけども、その中で主は、この近江の地の聖なる人と呼ばれている中江藤樹先生の例を引き合いに出されてお話をされております。そこで、中江先生のように徳力を身につけて、その徳力によって感化をしていくと。感化力を持った人材を養成していかなければならないんだということをお示しいただいております」

ここで、那須本校のチアリーダー部からのビデオメッセージが上映されました。

「関西校の皆さん、御落慶おめでとうございます。そして全国の信者の皆さん、いつも私たちを支えてくださりありがとうございます！種の理想を実現するために姉妹校としてともに頑張ってまいりましょう。世界大会でも優勝して、このエル・カンターレ信仰のパワーを全世界に知らしめてきます。私たちも幸福の科学大学で勉強して、明るい未来を作っていきます！」

九鬼理事長の挨拶は続きます。

「まだこの地には、私どもの教育活動について十分にご理解いただいていない方もいらっしゃるかと思います。そういう方々におきましても、この徳力からの感化力によって、必ずや私どもの志、そして理想に向かって精進する姿でもってご理解いただけるように努力、精進を続けてまいりたいと思っております」

いや、住民たちが学園開校に理解を示していないのは、学園側が真摯な説明を行って来なかったからです。感化力の問題ではありません。というか、この期に及んで感化してやろうとしか思っていないということは、やはり話し合いや説明によって解決する気はないということでしょうか。

つづいて関西校・富岡無空校長の挨拶です。

「こちらの建築は過去ないくらい大変な建築だったと伺っております。建築を担当した方からも、最後、竣工式の日にお話を伺いましたら、最後までどうなるかわからないドラマの連続であったと。この事業やっている中で、今日はおめでたい席なので苦しい話ばっかりしたくないんですが、まあ大変でした。次々と倒れて救急車で運ばれるとかですね。一時期はそういった時期もございましたけれども、今日、この日を迎えまして、全てが私たちを鍛えて達成感を味合わせるための主のご慈悲であったんだなあということを、本当に強く感じさせていただいております」

次々と倒れて救急車で運ばれるとか、関西校建設中に教団内で何が起こっていたのでしょう。複数の人間を倒して病院送りにした大川総裁の慈悲とは、いったい何だったのでしょうか。

ケリューケイオンの杖（左上）

そんな不穏な謎を残したまま、関西校内の施設写真が映写され、富岡校長が解説します。

正面玄関については、

「かつてない大きさのケリューケイオンの杖。遠慮なくつけさせていただきました」（富岡校長）

校舎棟2階の礼拝室については、

「これは那須にはなかったものですが、宗教科の授業であるとか、祈願やお祈りができるようにということで作っております」（富岡校長）

那須校以上に宗教色が強められていることがわかります。

■「必ずいつかユートピアを実現する」

宗教法人幸福の科学エル・カンターレ信仰伝道局・榊原俊尚局長も挨拶に立ちました。

「いまから4年あまり前。この幸福の科学学園関西校の設立にあたりまして、主より幸福の科学学園関西校設立記念植福修行祈願という祈願を賜りました。その祈願に込められた主の願いは、戦後、左翼思想や唯物論教育がもたらした学校荒廃、学級荒廃、いじめ問題、そういった学校の荒廃に対して主がこの日本の未来を背負って立つ子供たちを憂い、子供たちを愛するあまり、止むに止まれぬ思いで、この学校建設におきましては初めての祈願経文に、主のそのような願いが込められて、私たちに託されたわけでございます。この祈願経文の中にもございますように、時はまだ先行きの見えない長期不況と言われるような世界的な不況、日本においても経済的な低迷の中で、この主の願いにいち早くお応えしようと、先行きの不安よりも生活の安定よりも、この主の願いをとられました皆様の信仰心が、いまこの祈願の成就となって、この関西校の本日落慶を迎えることができたと思っております。改めまして感謝申し上げますとともに、本当に祝福させていただきたいと思います！」

先行きの不安や生活の安定のためのお金まで「植福修行祈願」で差し出した信者がいるようです。

次に壇上で信者代表として挨拶に立ったのは滋賀大津支部所属のOさんという年配の女性。

「この日のために主は何度も何度もお心を砕いていただき、この滋賀大津の地にお入り下さいまして、主のその巨大な御光でこの地を浄化してくださいました。地区の私達は、冬の寒い日も夏の暑い日も、主への燃えるような信仰を胸に秘め、この学園の土地を何度も何度もスプレッド（チラシのポスティングのこと）させていただきました。また難しい局面に立ちはだかった時には、滋賀の信者一同、琵琶湖正心館に結集し仏の勝利を願い、何度天上界に向かって祈りを捧げたことでしょうか。また関西校成就のために毎月毎月植福修行祈願を重ねられます尊い信者の皆様の後ろ姿に頭が下がる日々は何度もございました」

エル・カンターレが「この地を浄化」って、まるでそれ以前は穢れていたかのような物言い。

それにしても、壇上に立つ人立つ人、みな口々に「植福（お布施）」の話をします。みなさん、相当大変だったのでしょう。

最後は、那須校からバスで9時間かけてかけつけたという合唱部を中心とする生徒たち数十人が合唱曲を披露しました。

「今日歌う曲『未来への誓い』は、エル・カンターレ信仰を元にした感謝と誓いが込められた歌です。まだまだ具体的に報恩ができていないぼくたちですが、必ずいつかユートピア、仏国土を実現すると。あと少し、あと少しだけ待っててください。今日はそういう気持ちを込めて歌わせていただきます」（男子生徒）

壇上に立った人たちはみなとても嬉しそうでした。何人もの人が挨拶しながら感極まって涙ぐんだりしていました。彼らにとっても、苦労が多かったことが見て取れます。

みなさん、お疲れ様でした。でも、すでに地元住民から相当な反感を買っているので、これまでの何倍も頑張らないと地域連携を実現するのは難しそうですよ。世の中、お布施とお祈りだけで全てが解決できるわけではありません。