後藤事件の控訴審判決、監禁主張の原告への損害賠償認定額が約5倍に増額＝統一教会弁護士は「まだ少ない」と不満顔

判決後、拡声器を持つ鴨野広報局長や原告・後藤徹氏らと
並んで独り取材を敢行する本紙・鈴木エイト記者（右端）
USTREAMより

12年5ヶ月の期間、監禁され棄教を迫られたとして、統一教会信者が親族や脱会カウンセラーらを訴えていた裁判の控訴審判決が出た。13日の判決言渡で東京高裁の須藤典明裁判長は、一審の損害賠償認定額を大きく上積みした額を認定。一審で責任を認定しなかった牧師に対しても連帯して5分の1の金額を支払うよう命じた。

一審の損害賠償額から約5倍近く増額された認定額にも、原告代理人の福本修也弁護士は「少ない」と不満顔を見せた。

そして恒例となった裁判所前での統一教会によるネット中継では、原告や代理人弁護士、本部教会の幹部らが信者ら支援者を前に勝訴報告を行なったが、実際に放映された映像では、取材中の本紙記者が長時間映り込むという事態に。


13日午後、東京高裁前には42枚の傍聴券を求め116人が列を作った。松濤本部教会の幹部を含め多くの統一教会関係者が並び、法廷内も8割方が統一教会関係者だった。

須藤裁判長は判決主文で被告である原告の親族に連帯して1100万円と遅延損害金、統一教会が目の敵にする脱会カウンセラーの宮村氏に被告親族と連帯して660万円と遅延損害金、一審では責任を問われなかった松永牧師に被告親族と宮村氏と連帯して440万円と遅延損害金を支払うよう命じた。

判決の要旨説明で裁判長は、被告側に違法行為があったと指摘し、日額4千円の損害賠償額を算定した根拠を述べた。

一審と違ったのは法廷内の雰囲気だ。法廷秩序などお構いなしに振舞っていた松濤本部歴史編蚕室の井口康雄氏が姿を見せなかったためか、判決言渡はスムーズに進行した。

閉廷後、高裁のエレベーターホールにいた原告代理人の福本修也弁護士に損害賠償認定額について訊くと「まだ少ない」と不満顔だった。

判決後、統一教会側は一審判決後と同様に高裁前でUSTREAM中継を行なった。
本紙編集部が確認したところ、映像には原告や「勝訴」の紙を持った本部職員の隣りで、取材を行なう本紙・鈴木エイト記者の姿が頻繁に映り込んでいた。
鈴木エイト記者によると、そんな本紙記者を執拗に撮影する統一教会本部カメラマンの姿もあったという。

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ＵＳＴＲＥＡＭ中継映像

統一教会サイドは拡声器と判決等即報用手持幡を用意、「勝訴」を持つのは本部のイケメン職員

信者ら支援者に”勝訴”報告する原告

その前を「失礼」と横切る本紙記者

撮影開始！

真ん中でカメラを構えるのが本紙・鈴木エイト記者だ

撮影しながら

少しずつ

徐々に近付き・・・

真横から撮影

一旦少し

離れるも・・・

鴨野広報局長が話すので

寄ってみた

異分子が一人

変な構図

取材を続ける

背を向ける本紙記者（背番号3）

聴衆の後ろに回る

推定3億円の豪邸に住む福本弁護士が挨拶

杉並の偽装施設の責任者の後ろから撮影する本紙記者

徐々に・・・

近づく

また「マンセー！」

福本修也弁護士の

コメントを取る本紙エイト記者（背番号３）

損害賠償算定額に不満な様子の福本弁護士に、上告の意思を問うと「まだ」「これから」との回答、後藤徹氏も同様だった。 

 今回の高裁判決に対し、被告の支援者の一人はこう語る。

「この判決は、統一教会問題や脱会支援に関わってくれる牧師やカウンセラーを牽制するものだ。一審の相澤判決も酷かったが、今回の判決はそれ以上に事実認定が酷い。司法判断が疑われる」

別の支援者も憤りを見せる。「統一教会は後藤家の家族間の関係をズタズタにした。その上、家族側にこれだけの賠償額を命じるとは・・・」

被告側は当然上告するとみられ、次回は最高裁が舞台となるのか注目される。


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