幸福の科学学園裁判、新潮社側の勝訴が確定＝最高裁が上告不受理

『週刊新潮』の記事をめぐって、学校法人幸福の科学学園（栃木県那須町）が発行元の新潮社と記事執筆者のフリーライターを訴えていた裁判で、最高裁判所は1月22日、幸福の科学学園側の上告を不受理と決定しました。新潮社側が完全勝訴した東京高裁の判決が確定しました。記事を執筆した藤倉善郎氏は、これを受けて1月31日に都内で「祝勝会」を開催し、その場で、現在も存続している幸福の科学学園の問題についてぶちまけるとしています。


■“デタラメ授業”“独房懲罰”“恐怖の学園”

問題とされた記事は、『週刊新潮』2012年11月22日号に掲載された〈特別読物　文科省も県もお手上げ！　子供に嘘を刷り込むデタラメ授業！　「坂本龍馬の前世は劉備」と教える「幸福の科学」学園の罪〉。この中で執筆者の藤倉氏は、幸福の科学学園那須本校の元生徒らへの取材を元に、社会科など通常の科目ですら授業中に教師が「坂本龍馬の過去世は劉備玄徳」などと、教祖・大川隆法総裁による「霊言」にもとづく内容を教えている事実や、学園が生徒に幸福実現党を支持する政治教育を行っている事実を指摘。これが学習指導要領や教育基本法に反しているとしていました。

また、寮生活などのルールに違反した生徒を他の生徒から隔離し携帯電話を取り上げ、寮の部屋で一人で生活させて教祖の説法DVDなどを見せ続ける“独房懲罰”（部屋に鍵はかからない）の存在も指摘し、「デタラメ授業」「オカルト授業」「独房懲罰」「恐怖の学園」といった表現で学園を批判しました。

学園側は記事は名誉毀損に当たるとして、1億円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めて東京地裁に提訴。2014年12月に東京地裁が、2015年3月に東京高裁が、新潮社側の完全勝訴の判決を言い渡し、学園側が上告していました。

■きれいサッパリ完全勝訴

今回の最高裁決定によって確定した高裁判決は、記事の真実性・真実相当性、公共性、公益目的を認めた地裁判決を支持。その上で、取材時に学園側が藤倉氏に対して取材妨害を行った事実を追加で認定。さらに「独房懲罰」についても、「全くの自由時間が予定されていないものでかなり厳しいもの」として、「（記事が）このような表現となってもやむを得ない」との文言を追加していました。

また地裁判決は、「デタラメ授業」「オカルト授業」「独房懲罰」「恐怖の学園」といった評論表現についても、「評論の域を逸脱するものとまでは認められない」としています。

記事が指摘した事実関係だけではなく、その事実を元にした評論表現も含めて全て問題なしとする、新潮社側の完全勝訴判決が確定しました。

■1月31日、都内でトークイベントへ

最高裁決定を受けて、藤倉氏は1月31日の日曜日、午後6時から都内のライブハウス「高円寺パンディット」で「祝勝会」と題したトークイベントを開催することを急遽決定。取材から裁判までの総括に加えて、現在も存続し、裁判の間に関西校も開校されている幸福の科学学園の問題について報告するとしています。

前売り800円、当日1000円 （共にワンドリンク付き）、幸福の科学学園の生徒・卒業生は学生証提示で無料。詳細は高円寺パンディット。

藤倉氏のコメント：

「幸福の科学学園が違法な教育によって未成年信者の人権を侵害する“恐怖の学園”であることが法廷でもはっきりした。この重大な事実を告発してくれた元生徒や保護者の皆さんに感謝と敬意を表する。しかし学園は、記事で指摘された問題について反省しないまま現在も存続しており、学園がある栃木県と滋賀県はそれぞれ、年間1億円前後の私学助成も行っている。元生徒や保護者たちは残された生徒たちの人権や将来を危惧して内情を語ってくれたのに、その情報が活かされていない。今後も、“恐怖の学園”の問題に取り組んでいきたい」

2016年1月22日・最高裁判所决定
2015年3月26日・東京高裁判決
2014年12月12日・東京地裁判決

◇緊急開催！やや日刊カルト新聞主催「対 幸福の科学学園裁判・祝勝会 ～“恐怖の学園”の裁判と現状を語る～」

【会場】高円寺パンディット
【日時】2016年1月31日（日）
【時間】OPEN 17:00 ／ START 18:00
【出演】藤倉善郎（やや日刊カルト新聞社創始者兼総裁・フリーライター）
ゲスト交渉中
【料金】 前売り800円／当日1000円 （共にワンドリンク付き）、幸福の科学学園の生徒・卒業生は学生証提示で無料

　詳細と予約は高円寺パンディットで。


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