統一地方選、幸福実現党の活躍はいかに 投開票日に本紙恒例“落選速報”

2009年に自ら衆院選に立候補し落選して以降、二度と立候補しなくなった幸福実現党・大川隆法総裁

4月21日、統一地方選後半戦の投開票が行われる。前半戦で圧倒的な強さで全員落選した幸福実現党は、84の市町村選に84人が挑む。

これまでの同党の地方選挙の傾向をおおまかにまとめると、定数に対する当選倍率が低く1ないし2人の落選者しか出ない選挙においては比較的安定して最下位を獲得しているものの、落選者が3人以上いる選挙では最下位を逃しがちだ。多くのライバルと最下位の座を争う「激戦」選挙が目立つ後半戦、同党の戦いに注目したい。

幸福実現党は前半戦で、10の政令市議選に18人の候補者を擁立。全員が落選したが、うち15人が全候補者中最下位という強さを見せた。しかし落選者が3人以上いた9の「激戦区」では3選挙区で最下位を逃した。

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後半戦では、定数に対する候補者数が多く、多くの落選者が最下位を争う「激戦」選挙が目立つ。ここでどこまで最下位数を伸ばせるかが鍵となる。

4月21日に投開票が行われる後半戦で同党は84の市区町村議選に候補者を擁立している。このうち落選者3人以上となる「激戦」選挙は69にのぼる。定数48に対して70人が立候補している杉並区議選や、定数50に対して75人が立候補している世田谷区議選など、特に都市部で苦戦を強いられそうだ。

杉並区議選は中核派の活動家・ほらぐちとも氏このような「強敵」もいる。また愛知県の東浦町議選（定数16、候補者23）の同党候補・原田えつこ氏は、現在22人いる同党の現職地方議員（今回、改選は4人）の1人。

一般的に現職候補は、相当な不祥事やぶっ飛んだ政策をアピールできない限り、実績があるかのような印象を有権者から抱かれやすく、最下位獲得のハードルは高い。激戦選挙の中にあって、いっそう厳しい戦いになりそうだ。

一方、落選者2人以下の「無風」選挙では、落選しさえすれば最下位を取ることは比較的容易だ。同党としては取りこぼしたくないところだ。後半戦では、すでに北海道の浜中町議選で同党・小松克也氏が無投票で当選し、最下位の座を逃した。残る無風選挙は16ある。

しかし、ここにも現職組が3人いる。北海道の幕別町議選（定数19、候補者21）の小島ちえ候補、群馬県の藤岡市議選（定数18、候補者19）の小西たかこ候補、埼玉県の三芳町議選（定数15、候補者16）の細田みつえ候補の3氏だ。無風選挙とはいえ不利は否めない。

同党の強みは、幸福の科学教祖で同党総裁でもある大川隆法氏が様々な霊を呼び出す「霊言」にある。同党では、霊言にって霊からの指導を受けながら、様々なぶっ飛んだ政策や主張を打ち出してきた。たとえば、日本の核武装や、防衛等の目的でのUFOや宇宙人にかんする調査の推進といった調子だ。「南京大虐殺や従軍慰安婦問題は歴史の捏造」とする歴史修正的な主張も行っている。それでいて憲法で天皇制を定めず大統領制を導入するとして右翼を激怒させた憲法試案も発表している。

霊に頼らず自分たちの肉体を使ったデモ活動にも熱心に取り組んできた。「河野談話」について、なぜか当時の官房長官だった河野洋平氏ではなく河野太郎氏に対して抗議し、河野太郎氏とも違う全く別人の自宅に抗議文を投函するという珍しいデモ活動を行った。東日本大震災の被災地で「原発はクリーンエネルギーだ！」と叫ぶデモを行い、広島県内で「核の傘は必要です！」などと叫んだこともある。大川隆法総裁自身、かつて選挙街宣で「死にたくなければ幸福実現党と書いてください！」と有権者を脅迫したことがある。

こうした主張や実績が有権者に伝わりさえすれば、大量の最下位落選は決して無謀な目標とは限らない。

開票が行われる4月21日夜から、本紙では藤倉善郎総裁のTwitterアカウント（@daily_cult3）で恒例の落選速報を行う。ハッシュタグは「#幸福実現党 #落選速報 #供託金奉納祭」。