2025年11月30日日曜日

都内で帝国憲法復活呼びかける集会 ドクター・中松氏が3年後の都知事選「100歳で」出馬宣言

幸福実現党時代の中松氏(2010年)
 旧大日本帝国憲法の施行日に当たる11月29日、都内で開催された帝国憲法復活を目指す集会で、中松義郎氏(97)が3年後の東京都知事選への出馬を宣言。約60人の参加者を前に「ご支持をお願いしたい」と呼びかけた。

 中松氏は、2009年から11年まで幸福の科学の政治部門「幸福実現党」の特別代表を務めた、自称・金剛大阿闍梨(称号を授与したとされるチベット僧側は否定)。10年参院選(比例代表)では、当時の同党党首・石川悦男氏の3倍近い3万8242票を獲得して落選した。


■元参政党幹部や元神真都Q顧問弁護士ら登壇


 この日、開かれたのは、「正統皇室典範・正統憲法の復原改正を求める國民大集会」(主催・日本の憲法記念日を祝ふ会、共催・木原くにや後援会、後援・日本誠真会)。定員240名のところ、約60名の参加者が詰めかけた。

 皇居の方角を向いて君が代を斉唱し、敬礼後、教育勅語を奉読する「臣民儀礼」から始まった集会は、登壇者7人のうち過半数にあたる少なくとも4人が日本誠真会(党首・吉野敏明氏=元参政党ボードメンバー)の関係者。同党顧問の南出喜久治弁護士などが、「現在の日本国憲法は無効」「大日本帝国憲法は現在も有効」とする「真正護憲論」を訴え、日本国憲法の改正ではなく帝国憲法の復活に向けた「臣民」による運動を呼びかけた。

 南出氏は、かつて反ワクチン団体「神真都Q」の顧問や、建造物侵入罪などで立件されたメンバーらについて木原くにや弁護士とともに弁護人を務めた人物でもある。

 会場では、表面に反ワクチン、裏面に排外主義の主張を記載したチラシが、「若者への啓発用」と称して配布された。

チラシの表は反ワクチン、裏は排外主義

■中松氏の立候補表明に公選法違反疑惑


 中松氏は来賓として講演した。日本国憲法下の日本を「違憲状態」だとして、3年後の都知事選出馬を表明した。

「今こそ我々の総力をあげて我が国を行動で直しましょう。私は次の都知事選挙に100歳で立候補する。ぜひ皆さんに、私の都知事選挙に対して、ご支持をお願いしたい。都知事によって憲法違反問題を取り上げ、東京を中心としてこの国を変えていく。違憲状態にないようにする」

 また、現在の「違憲状態」を解消するために「アール理論」を作ったと語った。時間の都合上、理論の内容についての説明は省略された。

陰謀論と排外主義
好評発売中!
 公職選挙法では、立候補届出前の選挙運動を「事前運動」として禁じており、罰則もある。28日に発売されベストセラーとなっている扶桑社新書『陰謀論と排外主義』の共著者の1人、フリーライターの藤倉善郎氏は、不安を隠しきれない。

「公選法違反にあたるおそれはあるものの、現時点で立候補は実質的に仮定の話に過ぎない。問題は健康面だ。中松氏の講演に続いて登壇した吉野敏明氏は、『小麦粉や甘い物を食べる人は病気になって死ぬ』と言っていた。中松氏が、3年後の都知事選まで健在でいること。公選法違反をするためには、そのハードルをまずクリアする必要がある」

ドクター中松スイーツ・セレクション(同氏Xより本紙選定)

 中松氏が3年後の都知事選に立候補できた場合、吉野氏の自説が覆されることになる。今後議論を呼びそうだ。

■メロンパン論争、再燃か


AIに作らせたメロンパンの画像
 吉野氏は、元参政党ボードメンバーで、現在は日本誠真会党首。集会では、こう発言していた。

「小麦粉や甘い物を食べる人は病気になる。皆さん良かれと思って食べている。健康にいいと、体にいいと。これ完全に洗脳です。そういう人たちが最後に言うのは、笑い話じゃないですけど、本当に『もう一回メロンパン食べたい』とか言って亡くなっていくんです」

 この発言について、陰謀論などをウォッチする識者らから、疑問の声が噴出している。

「それはメロンパンのせいで死んだのではなく、単にメロンパンが好きだったという話なのでは」
「健康にいいと思ってメロンパンを食ってるやつがいるのか」
「メロンパンを我慢していたのに死んだのか」
「食わせてやりたかったな、メロンパン」

 今夏の参院選では、参政党批判の際に語られることが多かったメロンパン。今後、日本誠真会関連でも議論を呼びそうだ。

■右翼呼ばわりは誹謗中傷?


 集会では、日本誠真会の副党首でもある木原くにや弁護士が、「開會の辞」「基調講演」「閉會の辞」で3度も登壇した。

 木原氏は最後の「閉會の辞」で、こう訴えかけた。

右翼呼ばわりは誹謗中傷らしい
「皆さんにお配りしたチラシや、(会場の)この横断幕で、日章旗の他に旭日旗を掲げております。これ対して、一部からは右翼だとかそうした誹謗中傷も実際にあった。しかし我々の運動は、右翼と言われようが、天皇原理主義者とか、いろんな誹謗中傷を受けても絶対屈しない。その軍人魂や大和魂が、皆さん必要じゃないですか」

 前出の藤倉氏は首を傾げる。

「やっているや言っていることは、どう見ても右翼。何より『右翼』とは必ずしも悪口ではない。誇りを持って堂々と活動している右翼に対して失礼ではないか」

葛飾区議選での丸吉氏
 「誹謗中傷」をめぐっては、11月に行われた葛飾区議選で、落選した丸吉孝文候補(日本大和党推薦)が、街頭演説中に「元NHK党」と指摘された際、「誹謗中傷だ」と言い返して大爆笑された経緯がある。自らが所属していた「NHK党」が社会的評価を低下させる存在であることを、丸吉氏自身が選挙演説で公然と認めた形になったからだ。

 今回の木原氏の発言は、同様に「右翼」が社会的評価を低下させる存在であるとするものと受け取られかねず、今後議論を呼びそうだ。

 集会は、最後に参加者全員で「天皇陛下バンザイ!」を連呼して終了した。

■記念撮影の掛け声にも疑問の声


桜井誠氏ではない
 その後、主催者と参加者たちは日比谷公園に移動し、デモ行進を行った。数寄屋橋交差点では、信号待ちの通行人から、こんな会話が聞こえてきた。

「いいこと言ってるじゃないか」
「あれ、桜井誠ってやつ?」
「桜井誠は死んだんじゃなかったっけ? 最近聞かないよ」

 桜井誠氏はおそらく存命中だが、果たして「桜井誠」呼ばわりは誹謗中傷にあたるのか。今後議論を呼びそうだ。

 中松氏はデモに参加していなかったが、終着地点では参加者たちが「ドクター・中松~」の掛け声で記念撮影をしていた。中松氏が過去に選挙に立候補した際にも、街頭での写真撮影の際に用いていた掛け声だ。

「通常、写真撮影の際の掛け声は、『勝利~!』(統一教会)などのように、イ行で終わる。口周辺の筋肉を笑顔に近いものにするためだ。『ドクター中松~』だと、終わりがウ行なので、みんなタコの口になってしまう」(前出・藤倉氏)

 今後議論を呼びそうだ。

1 コメント:

匿名 さんのコメント...

「深見東州爆笑対談」(たちばなかっぽれ文庫)でドクター・中松氏と対談した、
深見東州氏の主宰する右翼系の神道系団体「ワールドメイト」という、天皇と神社参拝を売り物にしている団体が、訴訟沙汰のトラブルを起こしていることにも注意を払っておく必要があります。

94年には、パワフルコスモメイト(当時。現在ワールドメイトと名乗る)の会員が、主宰者の深見青山さん(当時。現在、深見東州と名乗る)を相手取った訴訟が短期間に二件続きました。

まずは五月には「この家はひどい所に建っている」とされ、「『救霊師』資格を得るための玉ぐし料」「除霊」「御神事」などの名目で約8000万円を支払わされたと、慰謝料など計8500万円余の賠償請求がありました。

そして翌月の六月には「子どもがいじめられる原因は水子の霊」とされ「除霊」費用に5000万円をだましとられたと。7000万円の損害賠償請求が起こされました(いずれも東京地裁)。

パワフルコスモメイトの訴訟内容に見られるように、最近では、壷や多宝塔や墓といったモノだけでなく、「霊視」や祈祷の手数料といった「リスクマネジメント」的な性格の「ビジネス」を含んでいるという点で、

「新たな霊感商法」(「毎日」94年5月24日付)としての性格もあるといえます。

これらはマスコミ媒体によっては「霊視商法」といわれることもありますが、いずれにしても占いがけっして侮れない尖兵的役割を果たしているんだ、ということを認識してほしいと思います。
https://w.atwiki.jp/wmdata/pages/13.html



ワールドメイトというのは、神道系の宗教団体ということになっていますが、もともと「手相」「おまじないグッズ」などのビジネスの大変熱心な団体です。