カルト団体教祖の自叙伝宣伝番組が社会福祉法人運営の日本福祉放送や全国のコミュニティFMで放送

番組HP

統一協会（統一教会）の文鮮明教祖の自叙伝をPRする番組が全国15局のコミュニティFMとUSENのJBS日本福祉放送で放送されている。

霊感商法や偽装勧誘をおこない全国各地で問題を引き起こしてきた団体の教祖の自叙伝番組を放送することの是非を追った。




カルト団体教祖の自叙伝宣伝番組名は“愛・家族・人生・夢　～ハートフルメッセージ～”　、パーソナリティはTAZU／片山タズなる女性で運営会社は自叙伝を出版した創芸社だ。

統一協会本部HPでは“自叙伝ラジオ番組”と表現されている。

既に7週に渡り放送されている“愛・家族・人生・夢　～ハートフルメッセージ～”　。過去の放送内容をアーカイブスで確認すると、毎回パーソナリティのTAZU／片山タズが「世界基督教統一神霊協会の創始者・文鮮明師は～」と自叙伝の内容を紹介している。更には偽装勧誘でビデオセンターへ連れてきた“ゲスト”に観せるビデオに登場する原理講師・森山操を「心理カウンセラーの森山操先生は～」と紹介した回まであった。

放送局一覧

JBS日本福祉放送に問い合わせた。

JBS日本福祉放送は社会福祉法人“視覚障害者文化振興協会”が運営する視覚障害者専用放送だ。

社会福祉法人がカルト団体の教祖を持ち上げ褒め称える内容の放送を流していることへの違和感を伝え、自叙伝番組放送の経緯を問うた。
電話口の男性は「全国のコミュニティFMで流れている番組ということで認識はしている。数ケ月前に急遽コミュニティFMの関係の人の方から話が来た」と答え、統一協会からお金が支払われているということは？と訊くと「ないですね」と即答した。

また、この男性によるとJBS代表者が「今後番組枠は作っていかなければならないので、統一教会だけでなく他の宗教とかも入れていかないとバランスが取れなくなっていく」と話していたそうだ。
ではJBSには“統一協会”との認識はあったということか？と訊くと「そうですね」などと認めた。


現在“自叙伝ラジオ番組”を放送中のあるコミュニティFM局の局長は本紙記者に「代理店経由で来た話」「当初私に上がってきた時には普通のキリスト教系の企画内容との話だった」「他のコミュニティFM局から『本当にやるんですか？うちはやらないよ。統一教会らしいじゃないの』と言われた」「個人的には如何なものかという感じで相当検討した」「好んでやっているわけではない」「勧誘などではないので取り敢えずクリアー」「「嫌だという声があれば次回の番組審議委員会に上げて考えていこうという段階」「今後議題に乗せ継続が許されるか審議する予定」と話した。

日本に200以上ある全国のコミュニティFM局のうち、何社に働きかけがあったのかということについて正確な数は判明していないが、「ウチは断った」という局もあれば、「私が今いる局にはそんな話は回ってきていません」との情報を寄せてくれた局もあった。当該代理店が放送を働きかけたうち、OKが出したのがこの15局というわけだ。

コミュニティFMやJBSで自叙伝番組を放送することで、街頭での自叙伝を使った勧誘の際の権威付けに利用される惧れもある。

今後、聴取者からのクレームが各コミュニティFMなどに入ることが予想され、番組の放送エリアは縮小していくと思われる。