幸福の科学・総裁御生誕祭潜入記

7月25日、埼玉スーパーアリーナーで開催された幸福の科学・大川隆法総裁の御生誕祭が開催されました。事前に幸福の科学関係者から「来ないでください」と言われていた本紙主筆・藤倉は、会場に足を運んだものの入場口付近で教団関係者に見つかり、円満に追い返されました。入場できた方が、生総裁を拝めなかった藤倉を哀れんで、中の様子を寄稿してくれました。

拝啓　やや日刊カルト新聞　藤倉主筆様

やや日刊カルト新聞、いつも楽しく読ませていただいています。

私は幸福の科学の信者ではないのですが、7月25日にさいたまスーパーアリーナで行われた、幸福の科学の御生誕祭「希望の復活」に潜入してきましたので、レポ送ります。

夜7時前、さいたま新都心駅を出ると、早速、会場へと誘導するスタッフの姿がありました。流れゆく人々の群れに交じって入場口へ向かいました。

入場口でスーツ姿の若い女性にチケットを渡し、中へ入ると通路に数々のブースがありました。幸福の科学の本がたくさん売られているようです。文藝春秋創業者の菊池寛の霊言の本もありました。すれ違うスタッフさんたちからはなぜか口々に「おめでとうございます」と声をかけられました。いやいや、僕の誕生日ではないんだけど。。。通路には、お布施を入れる箱や金ぴかに光り輝くエル・カンターレ像も置いてありました。エル･カンターレ像をはじめて近くで見ましたが、本当に大川隆法総裁とそっくりな顔立ちなんですねぇ。合掌。

と、その時、入場口の方面が何やら少し騒がしくなったので振り返ってみると、なんとそこに藤倉主筆（実物）が降臨しておられました。入場口で数人のスタッフに囲まれて、なにやら話している様子だったので、こっそり写真を撮らせていただきました。

どうやら藤倉主筆は会場に入らせてもらえない様子でした。しかし、なぜか藤倉主筆は終始笑顔でした。特に変装するでもなく、イベントなどで目にする服装そのまんまでした。

ふと柱に目をやると、そこには「本日、マスコミ関係者の取材はお断り致します。」の張り紙が。やや日刊カルト新聞がマスコミに該当するのかどうか私には分かりませんが、しばらくして、藤倉主筆のTwitterを見てみると「大川隆法総裁の御生誕祭に入れなかったので、「関係者用」駐車場のバスの台数を数えてたそがれています。」とのツイートがっ！

「こ、これは、なんとしても藤倉主筆に代わって潜入を敢行し、レポートを送り届ねばっ！　不惜身命っ！！」

そう思ったか思わないかのうちに開演時間となり、客席へと急ぎました。ところが、ゲートから入ろうとすると「満席なので奥へお周りください」と次々に女性スタッフの声が。結局、かなり長く通路を歩き、ようやく自分の席を確保。中では幸福の科学の宣伝ビデオが流されていました。ビデオでは、2013年には幸福の科学学園の関西校を開校、2015年には大学を開校する予定と言っていました。どうやら、その前にはウガンダの歌手が歌ったりしてたようです。司会は白倉律子という女性でした。

周りの客席を見渡すと確かに５階席までほぼ満席のようでした。ステージの配置は、アリーナモードのエンドステージ２の配置でした（参考）。ステージから見てスタンド右側には約100席、アリーナ前部には30席ほどの空席ありました。ウィキペディアを見るとアリーナモードの収容人数は12,500～22,500人らしいので、ステージ裏側が黒い壁で覆われていたことを考えると、参加人数は1万数千人といったところでしょうか。

客席にいるのはほとんど信者さんなのでしょうか。皆、背筋をピンッと伸ばして真っ直ぐ前を向いて心を整えるかのように座っているのが印象的でした。

カラフルな照明が回り、大袈裟な効果音が鳴って、かなりもったいぶった演出が繰り広げられた後、パルテノン神殿のようなステージに大川隆法総裁が登場し、会場は拍手に包まれました。アリーナではスタンディングオベーションしてる人もかなりいましたが、スタンドでは一部のみでした。両手を大きく上にあげて拍手してる人も多く見られましたが、そろそろ筋肉痛が来ている頃ではないでしょうか。

大川総裁は開口一番、「（海外講演が多いからか）最近、私は日本語でうまく喋れなくて……」と言い、会場の笑いを取りました。つかみはオッケーというやつでしょうか。なんなら英語で講演してもらっても面白そうだったのですが。

講演は30分ほどだったでしょうか。話の内容は、宗教の話というよりは政治的な話のほうが多かったような気がしました。さすが、300以上の選挙区に候補者を立てて「必ず第1党になります！」と会見でぶちかました政党を擁する宗教団体だけのことはあります。

近くに座っていた男性は講演内容をびっしりとノートに書き込んでいました。親子連れも多数おり、ある子供は「希望の復活」と書かれた手作りノートを持っていました。ノートには「幸福の科学NO.1」との記載も。この子供は生まれたときから幸福の科学信者として人生を歩むことが決められているのか、と思うとなんだかちょっと複雑な気持ちになりました。

大川総裁が「日本は自由な国です。幸福実現党を落選させるだけの自由がある国なんですっ！」と自虐的に言うと、会場は笑いに包まれました。しかし、その直後に「天罰が下るかもしれません」と釘を刺すことも忘れていませんでした。

演説の声は予定していたかのように節目節目でどんどん大きくなっていき、身振り手振りも大きくなっていきました。「日本は、ギリシャやスペインとは違って黒字の国なんです。絶対につぶれませんっっ！！！」と力強く言い放つと、会場はまたもや大きな拍手に包まれました。いやはや、すごいですね。戦前のドイツにもこんな力強い演説をしていた政治家がいたような気もしますが。

大川総裁は原発の問題にも触れ、「原発の事故が起きましたが放射能で死んだ人はいません。熱射病ではたくさん死んでいるのに国民は1日で忘れてしまいます」などとも言っていましたが、そんなこと言っちゃって大丈夫なんでしょうか。

大川総裁は講演の中で「北朝鮮にも信者がいる」と言っていましたが、北朝鮮に生まれ、そして幸福の科学に入信するとか、すごい人生だなあと、その人の人生に思いを馳せました。

そんなこんなで、講演が終わると、映画の次回作の宣伝が行われましたが、会場は足早に席を立って出口へ向かう人の姿が多数見られました。ブースの担当者も持ち場に戻ったんでしょうか。昨年末のエル・カンターレ祭では大川総裁の息子さんが映画の宣伝などをしていましたが、今回はその姿を見ることはできませんでした。

講演終了後、出口へ向かう人の流れとは反対に、アリーナ前方へ押し掛ける婦人たちの流れがありました。近くに行ってみると、先ほどまで大川総裁が講演をしていた壇上に携帯電話を向けて写真を撮りまくっていました。記念にするんでしょうか。

その後、最前列2列に座っていた人たちがステージで表彰らしきものを受けていました。エル・カンターレ祭では1000万円以上を奉納した信者たちがこうして記念写真を撮っていたようですが、この人たちは一体いくらほど奉納をしたのでしょうね。

アリーナを出て、出口へ向かうと大変な混雑でした。そんな中、幸福実現党のブースでは女の子たちが音楽に合わせて元気に踊っていました。ナレーションによるとアイドル養成所（？）のようなところの生徒さんたちだそうです。若いって良いですな。

エル・カンターレ祭でも売られていた宇宙人クリアファイルが売られていたので、売り子のお姉さんに「この宇宙人って実在しているんですよね？」と聞くと、ドヤ顔で「そうです！」とのこと。お、おう。よく分からんが、とにかくすごい自信だ。実在しているはずの宇宙人はすべてイラストで描かれていました。

通路には、幸福実現党の立木秀学党首の姿があり、大勢の人の握手に応じていました。その隣には、髪を伸ばしてちょっとワイルドになった初代党首の饗庭直道氏が、心なしかちょっと寂しげに立っていました。オレンジ色の服を着た釈量子青年局長もいました。出口付近には、里村英一広報局長と「ご帰天」発言で有名な小林早賢氏のお姿もありました。小林早賢氏の髪の色は白みがかっており、苦労が伺えました。

テレビカメラのような大きなカメラを向けて、参加者にインタビューしているスタッフの姿もありました。出口付近の入会・三帰誓願コーナーでは、なにやら拍手を受けているおじさんの姿もありましたが、きっと入会したんでしょうね。合掌。

外へ出ると、確かに駐車場には無数のバスが止まっていました。全国各地から信者を動員したのでしょうかね。このバスを数えるのは確かに大変だなあと藤倉主筆に思いを馳せつつ、会場を後にしました。