ASK代表、セミナー中の死亡事故で書類送検に

2010年1月に自己啓発セミナー会社であるASKグローバルコミュニケーション（現在はASKアカデミージャパン）主催のセミナーで受講中の男性が死亡した事故で、ASK社の代表ら3人が書類送検されました。

【時事ドットコム 2013年3月16日】自己啓発主催者ら書類送検＝セミナー中に男性死亡‐遺棄致死容疑で・警視庁
　マルチ商法団体の会員らによる自己啓発セミナーで2010年、大阪市の男性=当時(26)=が亡くなる事故があり、警視庁府中署は16日までに、保護責任者遺棄致死容疑で、セミナーを主催した人材能力開発会社「ASKグローバル・コミュニケーション」(東京都豊島区)の代表(61)と団体の幹部ら計3人を書類送検した。送検は先月28日付。遺族が刑事告訴していた。
　告訴状などによると、男性は、連鎖販売取引(マルチ商法)を用いた米国の健康用品販売会社の会員で構成する団体「ワンダーランド」に入会。10年1月、東京都府中市のホテルの地下で行われた会員らの自己啓発セミナーに参加した。セミナーの3日目、激しい運動をしている最中に倒れ、搬送先の病院で亡くなった。
　送検容疑は、現場にいたワンダーランド幹部らが、倒れた男性に必要な医療措置を行わず、部屋の隅に放置して死亡させた疑い。
　この運動では「お前本気出しているのか」「逃げるな」などと怒鳴られながら、手足を激しく動かしたり飛びはねたりするという。遺族側は「セミナーはマルチビジネス拡大のための洗脳が目的で、過酷な運動を強いられた」としている。
　事故をめぐっては、ASK社などが安全配慮を怠ったのが原因として、遺族が損害賠償を求め提訴。大阪地裁は12年1月、「主催者らは男性の生命の危険を認識できなかった」として訴えを退けた。遺族が控訴し、大阪高裁で審理が続いている。
　ASK社の顧問弁護士の話　民事訴訟では過失責任がないと判断されており、刑事的にも責任はないと考えている。(2013/03/16-05:24)

この事故に関して男性の遺族は、ASK社と男性がディストリビュータとして所属していたマルチ商法会社のニューウエイズジャパン（NWJ）及びNWJのディストリビュータグループが興した販売会社ワンダーランドの3社を相手取り損害賠償を求める民事訴訟を起こしています。

自己啓発セミナーで死亡　セミナー会社を提訴
自己啓発セミナーで死者、法廷で明かされるASK社の実態(上)

自己啓発セミナーで死者、法廷で明かされるASK社の実態(下)

民事訴訟での原告側の主張によると、男性は「ストレッチ」と称する変身劇の実習で少なくとも30分踊ったあと倒れ、約1時間半後にセミナー会場のホテルのフロントが消防に通報したものの病院に搬送後に亡くなっています。
今回の容疑は遺棄致死なので、男性が倒れてから1時間半もの間、適切な措置を取らなかったのが問題になっているようです。

一審の大阪地裁では原告である遺族側の訴えは退けられましたが、現在は大阪高裁で控訴審が行われています。
検察が起訴することになれば民事訴訟の方にも少なからず影響がありそうです。