“教団内で特別扱い”の桜田淳子は「加害者」 全国弁連と被害者家族の会が「反省無き芸能活動再開には反対！」と声明

会見場には報道各社が取材に訪れた

24日、東京・霞ヶ関の弁護士会館に於いて全国霊感商法対策弁護士連絡会と統一協会被害者家族の会が、先月26日に銀座博品館劇場で20年ぶりに芸能活動を行なった桜田淳子に関する記者会見を行ない、声明を発表した。

会見には、統一教会の元信者も同席し、桜田淳子が統一教会内部で果たしてきた役割やその影響について実情を語った。


◆全国弁連が声明


会見の冒頭、全国霊感商法対策弁護士連絡会の山口広事務局長は以下の声明文を読み上げた。

紀藤正樹弁護士　　　山口広弁護士　　　神保廣次会長

【全国霊感商法対策弁護士連絡会 　声明　2013年12月24日】　　　　　　　　　桜田淳子氏のタレント活動について　全国霊感商法対策弁護士連絡会　　　　　当連絡会は、世界基督教統一神霊協会（以下「統一教会」）による組織的な霊感商法の手口による物品販売や献金強要、更には詐欺脅迫的勧誘による被害を、桜田淳子氏が組織内で特別扱いの信者として増長させてきた責任は重大であると考えています。桜田氏がその責任について反省し、これまでのように統一教会の反社会的組織活動の支援、増長の活動をしないことを誓約しないまま、タレントや芸能人などとして公的活動を行うことに強く反対します。桜田氏は1992年の合同結婚式に参加する前から、統一教会信者であることを公言し、霊感商法について「どこが悪いんですか」「普通のビジネスです」などと開き直りの発言をしてきました。着物や宝石などを不当かつ強引な手口で高額で売りつける展示会にも参加し、手伝っています。また、統一教会やそのダミー団体の会合で発言したり、歌を歌うなどして信者らの活動を励ましてきました。桜田氏は信者らが従事させられている違法な組織的活動を支え増長させる役割を果たしてきました。ほとんどの信者は、繰り返し指示される献金や信者勧誘のノルマの達成に酷使され、貧困の中で活動している実態がある中で、桜田氏は、明らかに特別扱いされて、統一教会に利用されてきたのです。万一、桜田氏が公的活動を認められることとなれば、統一教会やその信者らは「社会が統一教会を受け入れた」ととらえて、正体を隠した勧誘活動や献金等金銭収奪の活動を活発化させること口実にすることは必定です。桜田氏が参加した合同結婚式に参加して、韓国人男性を配偶者としてあてがわれ、韓国で夫婦生活をしている日本人女性信者が約７千人おり、生まれた子は約２万人を超えていると考えられます、その韓国の家庭で、多くの日本人女性が言葉の壁を克服できず、DVや貧困、夫の家族による虐待などで苦しみ続けているのです。夫を殺害した日本人女性、焼身自殺した女性の事件は、これらの苦しみの氷山の一角にすぎません。桜田氏は、自身が特別扱いの信者として、統一教会に利用されてきたこと、そして今後も利用されるであろうことを十分判っているはずです。そのような桜田氏が、タレントとして統一教会の反社会的組織活動を増長させることにならないよう、当連絡会は注視し続けます。

◆桜田淳子のデビュー40周年の「40」は統一教会の原理数

続いて、全国統一協会被害者家族の会の神保廣次会長が声明を述べた。

【全国統一協会被害者家族の会 声明　2013年12月24日】　桜田淳子氏の公なの芸能活動再開に抗議します　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　当会は、世界基督教統一神霊協会（以下：統一教会）による正体隠しの違法勧誘、法外な額の献金や高額な物品購入を強いる経済活動に加え、先祖が地獄で苦しんでいるなどと精神的に畏怖困惑させた状態での金銭収奪行為が継続している状況を許すことはできません。統一教会は、いわゆる「合同結婚式」において韓国人男性の妻となることが最も幸せなことであるとして、約７千名ともいわれる日本人女性信者を韓国で生活させています。彼女たちから当会に寄せられる相談は、生活苦だけでなく夫の暴力や家族・地域住民からの疎外など悲惨なものが多いのです。被害はそれだけではありません。二世と呼ばれる合同結婚式で結婚した方たちの子供からの相談はもっと深刻で、自分自身が生きる価値を感じられないということまでも悩み苦しんでいます。面識もない桜田さんに今回このような抗議をするのは、桜田さんが統一教会信者である限り公けな芸能活動の再開を自粛して頂きたいと思っているからです。桜田さんが所属されていた事務所の社長さんが亡くなられた際、生前の言葉として「統一教会を脱会して謝罪するまでは芸能活動を認めない」という言葉がテレビ、新聞などで流れましたが、当会も全く同じ考え方です。我々は、芸能活動停止後２０年、そしてデビュー４０周年にあたるこの時期に活動を再開することにより、一層の被害拡大に繋がるのではないかと危惧しております。４０周年の４０という統一教会内で「原理数」に合わせた活動再開も信者らの気持ちを煽ることになるでしょう。統一教会に関わった当初は、誰もが「被害者」なのですが、誰かを勧誘したり何かを販売したりと時間が経つにつれ「加害者」へと変わっていきます。我々被害者からみると桜田さんは「加害者」になります。今のあなたは信者を集めるだけの広告塔ではなく、信者を統一教会に引き留め志気を高めるための働きもしているのでありませんか。私たちは、歌が好きです。あなたが統一教会から離れたうえで行う芸能活動なら、いちファンとして応援したいと思う人もいます。多くのファンの皆様も同じ気持ちではないかと思います。是非とも統一教会を離れ、皆さまから喜んで受け入れてもらえることを願っています。当会が桜田淳子さんを批判するこのような発表をしたことに関し、ファンの皆様には大変不快な思いをさせてしますと思いますが、反社会的行為を繰り返している統一教会を知っていただき、なぜ当会がこのような抗議をするに至ったのか共に考えて頂ければと思います。願わくは、みなさんのお力で桜田淳子さんが統一教会を離れることができますようご協力いただければと思います。

教団の広告塔として統一教会系化粧品会社の宣伝に

◆元信者が教団内での桜田淳子の役割を証言

会見には元信者二人も同席した。

1991年に「学生サークル」と偽った正体隠しの勧誘から入信し、桜田淳子が合同結婚式に参加した1992年頃、熱心に活動を行なっていたという元信者の男性は当時を振り返り「霊感商法の統一教会」から「桜田淳子の統一教会」に言い方が変わったと語った。
そして、教団関連販社の浄水器販売やそのカートリッジ交換の際、教団関連の講演会に「桜田淳子が来られるかもしれませんよ」と一般の人を誘うなど桜田淳子の存在が対外的な勧誘に使われていたことや、参加費用100万円の女性だけの修練会への勧誘時に桜田淳子の参加を呼び水にするなど内部の広告塔としての役割をも果たしていたことを明かした。
そして現在の桜田淳子について「教団内で神格化されている」「教祖の死でカリスマ性を失った教団に大きな力となる」と語った。

1994年に入信し1998年に脱会した元信者の女性は、桜田淳子が果たしていた役割について話した。14万4千人の女性を韓国へ入国させる“摂理”に桜田淳子も歌を歌うなどして参加していたことや、篤志家と呼ばれる高額献金者には桜田淳子と食事をしたり一緒に写真を撮るなどの特典がることも明かした。
また、両国国技館で開催された教団販社の着物展に於いて「桜田淳子が見立ててくれるのよ」とゲストを勧誘し50万円の帯を買わせていたことなどを告白した。

◆「最大の消費者被害」「桜田淳子の芸能活動復帰は統一教会の指示」

全国弁連の紀藤正樹弁護士は統一教会による莫大な被害や現状について詳細に解説。
統一教会の問題は、被害相談だけで今までに1150億円もの金額が計上されており、実数は少なくともその10倍の1兆円規模とみられ最大の消費者被害であると力説、教団が全国の信者を駆使して組織的に行なっていると話した。

紀藤弁護士は、桜田淳子について教団の対外的な広告塔というだけでなく、内部の信者に対しての志気高揚という重要な役割を果たしていることが、最近の被害相談から改めて明らかになったと話した。
民事でも宗教活動の根本が違法であるとする判決が確定していることや刑事事件の実例を示し、桜田淳子の謝罪や総括の無い芸能界復帰は教団の違法活動を正当化するものであるとした。
そして桜田淳子を“出した”のは、昨年の教祖の死後、教団の（集金）活動が停滞したため芸能復帰させたとし、桜田淳子本人の意思というより統一教会の指示・指導の下であろうとした。

また、桜田淳子が教団内で教祖一族や幹部と同じ様に自分の財産を持てることなど特別扱いを受けていると話し「特別扱いの上でぬくぬくとしている」「被害や現場を見ようとしないで高みに立ちながら人として母親として非人道的な感がある」とした。そして被害や現場を見てほしい、見たいのならお手伝いをしたい、亡くなったサンミュージックの相澤会長も同じ気持ちだったと語った。

◆集金目標達成率は2.5％

情報筋によると、日本統一教会のひと月の集金目標額200億円に対して実際に集まったのは5億円だったという。これでは韓国からの集金命令に報いることは不可能だ。内部の志気高揚の手段としての今後の桜田淳子の動向に注目が集まっている。