2015年4月30日木曜日

ライフスペース後継団体による紀藤弁護士への請求棄却、15年ぶり2度目=反訴認めSLAPPへの警笛も

判決後の記者会見でSPGFによる批判本を示す紀藤弁護士
千葉県成田市で1999年に『ミイラ事件』を起こしたライフスペース。その後継団体SPGF(釣部人裕代表)が名誉毀損を理由として紀藤正樹弁護士に対して損害賠償を請求していた民事訴訟の判決言い渡しが28日、東京地裁であった。

江原健志裁判長はSPGF側の請求を却下。反訴していた紀藤弁護士へSPGF側から損害賠償金を支払うよう命じる判決を出した。
SPGFが紀藤弁護士に敗訴するのはライフスペース時代を含め15年ぶり2度め。



SPGFは、1999年に千葉県成田市内で「ミイラ事件」を起こしたライフスペースの後継団体。この事件は、ライフスペース代表(当時)の高橋弘二元受刑者が、頭を叩く「シャクティパット」で病気を治せるなどと称して、男性を死亡させ、死亡後もそのままホテルで「治療」を続けミイラ化させたというもの。高橋元受刑者は、保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕され、その後、殺人容疑で起訴。懲役7年の実刑判決を受けて服役し、2009年に出所した。



当時、ライフスペースは、批判的なコメントをした識者やメディアなど20者に対して「名誉毀損」を理由に提訴。紀藤弁護士も被告の一人にされたこの裁判の中で、ライフスペース側が高橋元受刑者の特殊な能力を証明するためとして病気治療に関する写真を提出。その中にミイラ化した遺体が写っていたことから団体内部での死者の存在が発覚し、一連の「ミイラ事件」に発展した。



当時、ライフスペースは紀藤正樹弁護士について第二東京弁護士会に対して懲戒を請求。その中で「定説どおり申せば、インド伝統上のGuruをおちょくれば、縛り首になっても当然」などと主張した。裁判は2000年にライフスペース側の敗訴が確定。同年、紀藤弁護士についての懲戒請求も却下された。

その間もライフスペースはSPGFとして活動を続け、高橋受刑者の出所後から再び活発化させた。ミイラ事件を冤罪と主張するシンポジウムをたびたび開催し、紀藤弁護士を誹謗中傷する書籍などを何冊も出版し、2013年には紀藤正樹弁護士に対して、13年ぶり2度めとなる訴訟提起と懲戒請求を行っていた。これが、今回地裁判決が言い渡された訴訟だ。


今回の訴訟でSPGFは、紀藤弁護士がブログやウェブサイト、ツイッター、フェイスブック、著作などでSPGFの反社会性を指摘した発言が名誉毀損にあたると主張し、紀藤弁護士に100万円の損害賠償とブログ記事等の削除を求めた。これに対して紀藤弁護士もSPGFや高橋元受刑者を被告として、600万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めを反訴していた。28日に言い渡された判決は、SPGF側の請求を退けると同時に、SPGFに対して紀藤弁護士に110万円の損害賠償を支払うよう命じたほか、SPGF側がウェブサイトに掲載した紀藤弁護士関連の記事を削除し、ウェブサイト・書籍出版・出版物への掲載、放送、上演、戯曲化、映画化等の一切の方法による公表をしないように命じた。

しかし紀藤弁護士側の反訴で釣部人裕代表とともに被告の一人となっていた高橋元受刑者については、判決では「共同不法行為責任は問えない」とし、損害賠償や謝罪広告の掲載は認めなかった。

被告弁護団による記者会見
判決後、紀藤弁護士は司法記者クラブで会見し、判決について「私を誹謗中傷する書籍の著者として名を連ねている当事者である高橋弘二への反訴が認められなかったことは納得できない」として控訴の意向を示した。また今回の裁判のSLAPP(スラップ=いやがらせ訴訟)性について「私の発言を封じることが狙い」と語り、日本での反SLAPP法の制定の必要性を訴えた。

「もともと宗教的団体からのSLAPP訴訟というのは非常に多く、今回の訴訟もそのひとつ。荒唐無稽な訴訟については、3年も4年もかかる裁判をやること自体がおかしい。即座に却下させるか、一定程度の書面がなければ訴訟に移行しないアメリカのような制度にするか、SLAPPを行ったこと自体を損害賠償請求の対象にするか、何らかの対策が求められます。表現の自由は大切ですが、それを利用して裁判を起こすのはマスメディアではなく、お金を持っている企業や宗教団体です。そういう人たちが個人を相手に訴訟を起こして、マスメディアではなく取材源である個人を潰す」(紀藤弁護士)

紀藤弁護士によると、高橋元受刑者の出所時のSPGFの会員数は150人程度で、現在は60から70名と思われ、都内某所で一定箇所に集まって住んでいるようだ。高橋・元受刑者は御付きの者の世話を受け湯河原に在住しているという。

判決言い渡し前、紀藤弁護士は反訴に踏み切った理由を本紙に「(自分が被告となった裁判で)反訴したのはこれが初めて。こういうこと(懲戒請求や民事訴訟などのSLAPP)が繰り返されるから、どこかで止(と)めなければならない」「他人を誹謗中傷すると責任を負うことになると判らせないといけない」と語り、今回の裁判のSLAPP的な問題性について述べていた。

ちなみに2013年にSPGFが紀藤正樹弁護士に対して行なった懲戒請求は、翌2014年に却下されている。

SPGFは本紙の取材に対し「現在、判決文を精査中です」と答えている。 


~本紙関連記事 ~

ライフスペースが紀藤正樹弁護士を提訴=13年ぶり2度目

4 コメント:

匿名 さんのコメント...

ロン毛のカッパも生きてるんですかねえ。

匿名 さんのコメント...

今年は、福永法源の復活といい、ライフスペースの再興といい、アレフの信者増加といい、新興宗教の新たなステージの幕開けですか???
それにしても、紀藤サンも老けましたな・・・

匿名 さんのコメント...

スラップ訴訟は知り合いがやられたよ。
個人対個人だけどね。
原告は訴訟マニアで弁護士なしで裁判回せる。
これが強み。資金力があるのに等しい。
で、悪が勝った。
裁判というのは戦争と同じだと思い知らされた。
真実が勝つのではなく、
リソース、戦略、戦術に長けた側が勝つわけだ。

スラップ対策をしても
この本質は変わらないだろうけど
最低限の補正として必要。

匿名 さんのコメント...

<ウサギ虐待死>18歳の3人逮捕 ボール代わりにける

 小学校で飼育していたウサギをサッカーボール代わりにけって殺したとして、警視庁少年事件課は15日、いずれも東京都江東区に住む18歳の無職少年3人を動物愛護法違反などの容疑で逮捕したと発表した。