やや日刊カルト新聞社、音楽活動開始へ＝統一教会関連組織の東京五輪便乗イベントに便乗か？

「夏フェス」と云えば、通常「野外音楽イベント」を指すが、今夏はカルトの関連団体による夏フェスが目白押しだ。

本紙で報じた統一教会三男派の関連団体による東京五輪便乗イベント「多文化おもてなしフェスティバル」に負けじと、統一教会主流派の関連団体もオリンピック便乗イベントを開催することが判った。

8月1日に都立石神井公園で開催される「多文化交流フェスティバル in Tokyo」 がそのイベントだ。
「2020東京オリンピックを成功させよう！」「始めよう！国際交流、つなげよう！世界の絆」をスローガンとし、プログラムにはメインステージとなる野外ステージでのレンジャーショーやパフォーマンスの他、公園周辺での自転車リレーやランニングも記載されている。

取材を進めるうちに、この野外ステージへの出演者募集に呼応し、本紙有志からなる「やや日刊カルトバンド」が出演申し込みを行なっていたことが判明した。

実現すれば、カルト関連団体のイベントで初お披露目となる「やや日刊カルトバンド」　その動向に注目が集まっている。

◆統一教会系団体「世界平和青年連合（YFWP）」によるフェス

多文化交流フェスティバルin Tokyo を主催するのは「多文化交流フェスティバル in Tokyo 実行委員会」なる組織だ。同実行委員会の所在地を訪ねると、事務所ドアにはNPO法人エンチャイルドとの表記。

NPO法人エンチャイルド（2011～）は統一教会の海外ボランティア活動体だったOne Child One Peace-Project(OCOP、2001～2011）の後継団体だ。

情報筋によると、同フェスティバルを主導しているのは統一教会の関連組織「世界平和青年連合（YFWP）」だという。

本紙では、今までに世界平和青年連合（YFWP）の偽装ボランティアグループによる正体を隠した老人ホーム慰問活動の実態などを告発する記事を掲載してきた。同連合HPに掲載された写真などから当該老人ホームを突き止め、その背景を暴く記事をシリーズ連載したのだが、その影響で 同連合のHPが一時期閉鎖されたという経緯がある。

NPO法人エンチャイルドのYOU TUBE映像、統一教会の偽装勧誘員の姿が確認できる

◆国際“祝福”カップルが次の献金集めのターゲットに、外国人信者は戦々恐々

統一教会の内情に詳しい事情通は、今回のフェスティバルについて「元々世界平和青年連合がやってきたイベントの総集編的のようなもの」と話す。

更に事情通は「統一教会では日本人祝福家庭から搾り取るだけ献金を絞り取ったため、最近では日本人信者と合同結婚式でマッチングされた『国際祝福家庭』の外国人信者が次なるターゲットとして注目されている」と明かした。今回のフェスにはそのような国際祝福家庭が総動員されるという。 

ある国際祝福家庭の外国人信者は心境をこう吐露する。

「日本で生活するのは大変。言葉も文化も違うから。日本の統一教会って別の宗教みたい。驚きの連続。幸せになる筈がみんな不幸になってる」

そして「日本人から搾り取るだけ搾り取ったら、次は日本在住の外国人かよ！」と憤りを露わにした。

◆統一教会関係者に取材

13日、多文化交流フェスティバル実行委員会事務局に統一教会や世界平和青年連合、そしてNPO法人エンチャイルドとの関係を照会したところ、担当者は「エンチャイルドは実行委員会の一つに入っていて場所を借りている。実行委員会には幾つかの団体が入っていて世界平和青年連合は協力団体の一つ」と回答。統一教会自体の関わりについては「宗教法人として関わっているところはない」と否定した。

そして同フェスのHPに「本フェスティバルの実行委員会は国際貢献や国際交流活動を進めているNPO、NGOの代表、専門家、そして在日外国人により構成されています」と記載されていることから、当該NPO・NGOの名や実行委員長が誰であるかを質したが、担当者は「ちょっと今そのご質問には答えにくい・・・カルト新聞さんですか・・、私一人では答えにくい・・・」と渋り、回答は得られなかった。
 
統一教会本部広報局は同フェスについて「世界平和青年連合が主催のイベントだと聞いている。詳しいことは判らないが、統一教会の国際家庭が参加するのかもしれない。イベント自体は世界平和青年連合が主催なのか後援なのか関わっているイベントだと聞いている」と話す。

また同広報局は「One Child One Peace-Project(OCOP)」の運営を引き継いだNPO法人エンチャイルドについては「もともと世界平和青年連合の企画の一環だったと思うが、今は独立したNPOになってやっているようだ。世界平和青年連合との関係は判らないが統一教会とは関係ないと思う」と無関係であるとのスタンスを示した。しかし「但し、青年連合の会員と統一教会の教会員が被っている可能性はある」と含みを持たせた。

◆世界平和青年連合会長が責任者？

本紙は、多文化交流フェスティバルの責任者と目される世界平和青年連合（YFWP）の松田幸士会長に接触を試みた。

14日になって松田氏の方から連絡があった。10名からなる多文化交流フェスティバルの実行委員の中で松田氏は副委員長としてイベントに関わり、実行委員長は元ネパール大使の水野達夫氏が務めているという。

松田氏は、世界平和青年連合（YFWP）がイベントを主導していることを「実務面に於いては」と認め、NPO法人エンチャイルドや平和青年連合以外の協力団体として国連NGOのUPF（天宙平和連合）の名を挙げた。勿論UPFも統一教会系の団体だ。

松田氏によると統一教会系ではない協力団体もいくつかあるそうだ。

イベントと統一教会との関係について松田氏は「統一教会の方々にも御案内はさせていただいている」と回答、国際祝福家庭の信者を強制的に動員させているのではないかとの質問については明確に否定した。

そして、多文化交流フェスティバルのHPのどこを見ても世界平和青年連合の名が出されていないことについて、松田氏は意図的に隠しているのではという疑惑を否定し「訊かれたら答えている」「これからHPにUPすることも可能」と答え、当日のパンフレットにはその旨が記載されることも明かした。


◆「世界の食糧難と紛争解決」を訴える「やや日刊カルトバンド」も出演か？

そんな複雑な背景のある多文化交流フェスティバルへの出演申し込みをしたのが、「やや日刊カルトバンド」。

本紙が独占入手した申込書の演技内容欄には「暴飲暴食とロックを融合させ、世界の食糧難と紛争解決を訴えるステージパフォーマンス」と記載されている。

謎のベールに包まれたバンドメンバーだが、本紙が独自に入手した出演予定メンバー表にはYOSHIRO（ギター、ボーカル、暴飲暴食）、EITO（ベース、ボーカル、暴飲暴食）、mamma（ドラムス、ボーカル、暴飲暴食）の名が、記載されていた。

やや日刊カルトバンドが出演する気満々の石神井公園野外ステージ

「カルト関連団体の夏フェスで何をしでかすのやら」と憂慮する本紙に対し、やや日刊カルトバンドのリーダーを自称するYOSHIROは、フェスへの意気込みを熱く語る。

「ステージ上で暴飲暴食をしながらパンクロックをかまし、世界の飢餓と紛争をなくすためのメッセージを発信するという世界初のステージパフォーマンスです。日韓国交正常化50周年を記念して、多文化交流フェスでキムチを暴飲暴食する新曲を披露できるよう頑張りたい」

果たして『やや日刊カルトバンド』はカルト夏フェス“多文化交流フェスティバル”のステージに立てるのか、興味は尽きない。