2018年6月30日土曜日

成城警察署が無差別大量殺人集団に個人情報を漏洩か

藤倉総裁らに職質する成城署の警察官と公安調査庁職員
警視庁成城署の警察官が、無差別大量殺人行為を行った団体への規制を定めた団体規制法の対象団体「ひかりの輪」(代表=上祐史浩氏)に対して一般市民の個人情報を漏洩していた可能性が高いことがわかった。成城署では今年5月、オウム真理教の後継団体のひとつであるひかりの輪の本部施設を取材のため訪れたやや日刊カルト新聞社・被告人兼総裁の藤倉善郎氏ら5人に対して職務質問を行ったが、そこで得た情報を同署の警察官からひかりの輪関係者に伝えられたとみられる。

漏洩した情報によって、取材に同行していた一般市民がひかりの輪に特定され、後日、上祐氏から直接、恫喝を受けた。藤倉総裁は成城署に対し、情報漏えいの再発防止に加え、すでに漏洩した情報をひかりの輪に悪用させないよう指導することを求め非公式に抗議を行った。成城署の担当者は「漏洩はありえない」としているが、ひかりの輪幹部は警官から情報を得たことを認めている。

地方公務員法は、地方公務員が職務上知り得た情報を漏らすことを禁じており、懲役1年以下または罰金3万円以下の罰則を定めている。


5月12日に行われた抗議デモ
今年5月12日、ひかりの輪本部施設がある世田谷区南烏山で「烏山地域オウム対策住民協議会」がひかりの輪に対する抗議デモを開催した。ひかりの輪は、オウム真理教の後継団体の一つである宗教団体。無差別大量殺人を行った団体を規制する団体規制法に基づいて観察処分の対象となっている。ひかりの輪は不当な処分であるとして訴訟を起こし一審では勝訴しているが、訴訟は継続中。現時点でひかりの輪は、国が無差別大量殺人を行った危険なテロ集団と認定している状況だ。

デモ隊が抗議文を読み上げたが、ひかりの輪は受け取りに出てこなかった
デモ隊は本部施設が入るマンション「GSハイム」に抗議文を届けたものの、ひかりの輪側は誰も対応に出ず。デモ隊の代表者がその場で抗議文を読み上げ、ポストに投函した。

デモ終了から2時間半後、自らが事務局長を務めるひかりの輪被害者団体「インコの会」関係者やデモに参加した一般市民の計4人と連れ立って、改めてGSハイムを訪問。ひかりの輪関係者が不在だったのか、いたのに抗議文の受け取りに出てこなかったのかを確認しようとした。

対応に出た広末氏
一行は副代表・広末晃敏氏の部屋のインターホンを鳴らし、対応に出た広末氏から「抗議文を受け取りに出ることはしないということで、協議会側と話がついている」といった趣旨の説明を受けた。協議会関係者は「出てくるかどうかは任せる」と言っただけで、「出てこなくていい」と言った覚えはないと主張している。

GSハイム前には成城署や公安調査庁の職員の詰め所が設置されており、ひかりの輪への訪問者に対して職務質問等を行っている。取材の際にも藤倉総裁らに警察官が職務質問し、氏名等を控えた。

取材に同行した一般市民の1人であるAさんは教団スタッフと顔見知りだったため、訪問したことを知られないよう、広末氏から見えない位置に立っていた。ところが後日、ひかりの輪副代表・細川美香氏からメールで「12日のデモでAくん(原文は実名)も206(広末氏がいる部屋の番号)まで来たんですってな」とメッセージが入った。疑問に感じたAさんが否定も肯定もせず「誰情報ですか」と尋ねると、細川氏は「警察の方から聞きました」と答えた。

この直後、藤倉総裁にも広末氏から、12日の取材に抗議する旨が伝えられたという。

「正確には、ひかりの輪からの抗議というより、GSハイムの一般住民である管理組合からの抗議をひかりの輪が代弁するという体での抗議でした。取材について一般住民が迷惑しておりGSハイムの管理組合から警察に対して再発防止を申し入れたという内容です。しかし成城署の担当者に確認したところ、警察に申し入れをしたのはひかりの輪だけで、GSハイムの管理組合は申し入れを行っていないことがわかりました。ひかりの輪はウソつきなので、今後、ひかりの輪が代弁する“住民の声”はウソだと思うことにしました」(藤倉総裁)

また成城署に対しては、藤倉総裁らが「拡声器で騒いだ」「デモの直後に(デモの流れでGSハイムに侵入した)」「上祐出てこいなどとわめいていた」等のデマが伝えられていたため、藤倉総裁はそのような事実は一切ない旨を説明。さらに情報漏えいについて抗議したた。

AさんはGSハイムの一般住民らとは一切、面識がないという。仮に取材の様子を目にした住民がいたとしても、そこにAさんがいたと認識することは不可能だ。一方、取材のための訪問を受けた広末氏も、藤倉総裁に対して、取材にAさんが同行していたことには気づかなかったと語っている。また広末氏によればGSハイムに監視カメラはない。成城署員が職質で得た個人情報をひかりの輪に漏洩する以外に情報が漏れる可能性がほとんどない上に、副代表・細川氏自身が「警察の方から聞きました」とハッキリ認めている。

こうした事情を藤倉総裁が成城署の担当者に伝え再発防止を求めたところ、担当者は「そのようなことはありないが、改めて現場の警察官に徹底する」との趣旨の回答だったという。

およそ1カ月後の6月25日。都内のライブハウス「ロフトプラスワン」で開催された上祐氏のイベントをAさんが聞きに行くと、開演前にAさんは上祐氏から声をかけられた。

上祐氏はコスプレが嫌い?
「ロフトプラスワンの受付を通った時点ですぐにひかりの輪の細川さんから“不法侵入~”と言われました。さらに上祐さんがやってきて、5月のGSハイムでの取材について住居侵入(建造物侵入罪)で告訴するつもりであるかのようなことを言われ、“共犯として在宅起訴されるぞ”と言われました。上祐さんは自分の手をクロスさせて、手錠をはめられたポーズを取って私に見せてきました。また2年前に上祐さんの誕生会に参加した藤倉さんがサンタクロースのコスプレをしていたことを、なぜか上祐さんは怒っていて、“お前は楽しいかもしれないけど!”などと言われました。告訴とか起訴という言葉も怖かったのですが、上祐さんから“お前”などという言葉で責め立てられたのがショックです。いつもイベントやメディアでは温厚そうな態度を見せているのに、気に食わないことがあるとああいう調子で圧をかけてくる人なんですね」(Aさん)

漏洩された情報によって一般市民が、無差別大量殺人を行った団体の幹部らから公共の場で恫喝を受けるという新たな実害が発生した形だ。これを受け、藤倉総裁は6月29日に改めて成城署に対し非公式に抗議。漏洩した情報が無差別大量殺人を行った団体に悪用されていることについても、警察の責任において対処するよう求めた。

これに対して成城署の担当者は情報漏えいを改めて否定した上で、申し入れの内容を上祐氏に伝えることと、職質で得た情報をひかりの輪に伝えないことを改めて警察官に徹底するとした。

建造物侵入だとするひかりの輪の言い分については、藤倉総裁は5月に成城署の担当者から、「取材という目的があったのだから法的に問題があるとは考えていない」という趣旨の見解を得ているという。また6月29日にも同じ担当者から、取材に同行したAさんを含めた4人についても同様の見解が示されたとのこと。

「状況的に警察から情報が漏れたとしか考えられない上、ひかりの輪幹部自身がその事実を認めている。にもかかわらず成城署の担当者は、事実確認の調査すらせずに“そんなことはありえない”で済ませようとしている。これでは有効な再発防止策をとれるわけがないし、漏洩された情報を悪用しないよう上祐氏らに要求することもできるわけがない。こんなことでは、恐ろしくて職務質問に協力できなくなる」(藤倉総裁)

地方公務員が職務上知り得た情報を漏らすことは地方公務員法で禁じられており、違反者には懲役1年以下または罰金3万円以下の罰則が定められている。

ひかりの輪の現役信者や脱会者からの相談を受けている被害者団体「インコの会」の代表で、今回の取材にも同行していた中山尚氏は、こう指摘する。

「オウムでは、反対勢力はもちろんのこと、信者でもスパイと疑われただけで殺されています。オウム時代なら、拉致監禁され、自白させられ、殺された上で焼却処分でしょう。そのようなオウムの後継団体に警察から情報が漏れるとなると、信者は教団に疑問を持ったとき誰に相談できるのでしょうか。

ひかりの輪は観察処分があればこそ大人しくしている部分もあり、それでも、このようにすぐさま恫喝してくる。ひかりの輪の本質はオウムから変わっておらず、そのような恫喝に出るであろう事は容易に想像もできるはず。

本来、市民の安全を守るべき警察が、市民をテロ団体に引き渡すようなことをするとは言語道断です。絶対に許されるべきことではありません。徹底した再発防止を求めます」

ひかりの輪本部があるGSハイム前に常駐する警察官は、本来なら信者の最も身近にいる中立的な部外者だ。実際、ひかりの輪から黙って抜け出そうとした際にGSハイム前の警察官に助けを求めた脱会者もいる。

仮に情報漏えいが事実だとすると、信者が外部に助けを求めることも困難になりそうだ。

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