仰木の里学区内の学園予定地 |
■隣接地区の住民に情報が来なかった
本紙<幸福の科学学園が大津市内の土地購入で正式契約、住民との対話に課題>でも触れたように、地元住民が今回の一件を知ったのは、UR都市機構と学園との間で土地の売買契約が正式に結ばれる直前でした。URや幸福の科学学園は、契約することが決定した直後、正式契約の約3週間前には、予定地が含まれる学区自治連合会の会長や大津市役所にその旨を伝えたとしています。
ところが、このうち少なくとも仰木の里学区内の予定地隣接地区では、自治会が自治連合会に加入していなかったり、新興住宅地であるため自治会の準備会しかなかったりしたため、これらの区画の住民には仰木の里学区自治連合会からは何の情報も伝えられていませんでした。
また仰木の里学区自治連合会の松村勝会長は、学園が土地を購入することを遅くとも10月7日に知っていたはずなのに、10月11日に開かれた地元の運動会の挨拶の席で「学園が来る」と住民に告げただけで、それが幸福の科学の学園であることは言わずにいました。
■自治連合会長は取材拒否
松村会長は、本紙・藤倉の取材の申し入れに対して「話すことはない」と取材拒否。しかし電話でやりとりした際、いくつかの質問には答えてくれました。
─地元では反対の声もあるようですが、自治連合会では何か話し合いはしないのでしょうか。
「法的に問題がないなら、どうしょうようもないやろ。(個別の自治会からも)何も言われてないから、次回(11月20日)の定例会でも議題には上っていない。いまは、ですよ。12月はどうなるかわからない。売買されることはもう決まったんだから。皆さんが反対するのは自由ですよ」
─10月7日に今回の件を知っていたのに、なぜ11日の運動会で「学園が来る」とだけ言って「幸福の科学」だということを隠していたのですか?
「そんなもん、まだ聞いていなかったからや」
─URでは、10月7日に事業者が決まってすぐ、連合会長に伝えたと言っていますが。
「だけど、(その時点では)幸福の科学からは何の挨拶もなかった。私は住民に事実を伝えるのが仕事ですから。幸福の科学から何も言われていないのに、(住民には)何も言えない」
─事実を伝えるのが仕事なら、地元に来るのが幸福の科学だということを伝えないのはおかしいですよね。
「幸福の科学だと伝える必要なんかない。そんなこと関係ないやろ。○○自治会とかが連合会に加入していないんだから、うちでどうこうできるものでもない。そこが連合会に入っていないことは、URにも幸福の科学にも説明してるんだから」
松村会長がこのとき少なくとも2つ、重大なウソをついていたことが、その後の取材でわかりました。
■未加入自治会の存在を無視
学園予定地に面する新分譲地は、まだ自治会がない |
「事業者(土地の販売相手)が決まった10月7日に、自治連合会の会長さんに連絡しました。しかし我々は、地元に連合会未加入の自治会があることを知りませんでした。これまで10年以上、仰木の里の住民とのやりとりは連合会長を通じて行われており、それで全てカバーできていると思いこんでいた。隣接地への連絡を意図的に遅くしたわけではなく、たまたま確認できなかったのです。住民のみなさんには、本当に申し訳ない」(担当者)
担当者によると、URが隣接地の自治会の存在を知ったのは、10月25日。地元住民を名乗る人からの電話連絡だったといいます。これを受けてURの担当者が連合会未加入の自治会に関する情報を得たのは、仰木の里にある市役所支所からだったとのこと。
学園側も同様で、未加入自治会の存在を知ったのは住民からの連絡だったとのことです。
「10月23日、京都新聞に掲載され、それ以降に近隣の方3名から当学園に問い合わせがあり、その後URにも確認し、連合会に未加盟の自治会の存在を明確に知りました。10月27日、仰木の里支所に出向き、連合会長および支所の方から、自治会の区割りを地図上で確認しました」(幸福の科学グループ広報担当者)
結果、URや学園は土地購入が決定した10月7日のうちに関係方面への連絡や説明を始めていたのに、肝心な隣接地区の住民への説明は、土地購入の正式契約が済んだ後の11月に入ってからになってしまいました。
にもかかわらず松村会長は、本紙の取材に対して「URにも幸福の科学にも伝えた」などとウソのコメントをしていました。
■「幸福の科学」だと知っていながら……
松村会長は本紙の取材に対して、運動会の挨拶で幸福の科学学園が来るとことをはっきり説明しなかった理由を「幸福の科学から連絡がなかったから」と説明していましたが、実はこれもウソだったようです。
URの担当者は、土地の購入予定者が決定した10月7日のうちに、松村会長にその事実を報告したとしています。学園側も、同日に松村会長に連絡を取り、土地購入の件を伝えて面談のアポイントを取っています。実際に面談したのは10月14日ですが、松村会長は10月7日の時点ですでに、URだけではなく学園からも情報を得ていました。
にもかかわらず松村会長は、その4日後に開かれた地元の運動会で「幸福の科学」という名前を伏せて「学園が来る」とだけ発言し、なおかつその理由について本紙にウソの説明をしていたわけです。
■「市長も協力すると言っている」もウソ?でも……
琵琶湖ものぞめる予定地は、教育施設誘致計画地区内 |
住民が不安を抱いている最大の相手は幸福の科学です。しかし土地購入の事実に関する情報伝達の不備に限って言えば、元凶は学園ではなく自治連合会の松村会長のように見えます。その松村会長は、本紙・藤倉が取材の申し入れを行った電話の中で、こんな発言もしていました。
「(大津)市長も、(学園開校に)協力すると言っている」(松村会長)
市長が本当にそんなことを言っているのか、大津市役所に確認してみました。
「市長に直接確認してみましたが、そんなことは言っていないとのことです」(同市企画調整課の担当者)
松村会長、またウソですか。もっとも、市の担当者からは、こんな話も。
「大津湖南都市計画の中の地区計画で、仰木の里には研究・教育・研修・保養施設を誘致する方針になっており、幸福の科学学園もこの計画に合致する。宗教だから反対とは言えない。市長は『申請があれば粛々と(手続きを)進めるしかない』と言っています」(同担当者)
市長は「協力する」とは言っていないとのことですが、かといって反対するつもりもないようです。
17 コメント:
幸福の科学学園とURが口裏合わせてウソをいってる可能性はないですか?
なるほど、自治連合会会長が幸福の科学学園排除に動いていたというわけか。よくぞ調べてくれた。だから地元自治会の関係者は幸福の科学に対する偏向発言をしたというわけか。
幸福の科学の名誉を毀損する発言をされては非常に迷惑やな。
藤倉氏には事実に基づいた中立的な立場で報道することを期待する。偏向報道やウソの報道をしない限りは、こちらも一切口を挟むことはない。
自治連合会加入、学校建設予定地の隣接地区の住人です。
学校建設の情報が↑で自治会が自治連合会に加入していなかったり、新興住宅地であるため自治会の準備会しかなかったりしたため、これらの区画の住民には仰木の里学区自治連合会からは何の情報も伝えられていませんでした
と書かれておられますが、連合に入っている地区ほど未だに学校建設に関する情報が回覧ですら廻って来ておりません。それはなぜか?定例会で松村会長が地区の役員に口止めされたということが噂では無いという事のようですね。
松村会長が市長も協力する・・・は本当かもしれません。連合役員の方に聞いたところ、学校建設の際に市から出る補助金を学園側はいらないと言っているとか・・市にとってはこれが得か?
ウソや口止め・・ここまでする松村氏にとっての得とは何でしょうか?
・市長は学園開校に対して否定的では無い
・市長は学園開校に「協力する」との明言は避けたい
なんとなく、双方が自身の責任回避をしているだけのような印象を受けます。
だとしたら松村会長のあとの発言「市長も協力していると言っている」はあながちウソとは言い切れない?
まぁ言った言わないの水掛け論ですね。
お隣さんと学校法人の間にとんでもない障害があるんですね……
あまりにも広い地域だからやりやすいように仕事をしてしまうのかな?
会長さんには「やや日刊カルト新聞」の読者がいることを知らせた方がいいのでしょうか?そういうことでしたら、私の住所と本名お知らせしますよ。
主筆様、個人情報のお取り扱いは「流出」がないようにお願いします。
ジランさん
> 幸福の科学学園とURが口裏合わせてウソをいってる可能性はないですか?
その可能性を疑うだけの根拠が、取材からは見出せませんでした。双方とも、日付まで挙げて非常に具体的に説明しています。
また、学園とUR双方が「連合会長とやりとりしていたにもかかわらず、未加入自治会の存在を知らなかった」と語れば、それは当然、連合会長が両者にそれを伝えていなかったということになります。学園とURが連合会長と仲良くするために口裏を合わせるなら理解できますが、口裏を合わせて連合会長に不利になることを言う動機も想像がつきません。
というわけで、幸福の科学学園とURが口裏合わせてウソをいってる可能性については、とりあえず除外して考えています。その可能性を疑うべき具体的な情報が出てきたときに考えます。
匿名さん(2010年11月27日17:47)
> 連合に入っている地区ほど未だに学校建設に関する情報が回覧ですら廻って来ておりません。
> それはなぜか?定例会で松村会長が地区の役員に口止めされたということが噂では無いという
> 事のようですね。
松村氏には、まだまだ聞くべきことが残っていますね。取材、受けてくれるかなあ。
> ウソや口止め・・ここまでする松村氏にとっての得とは何でしょうか?
まあ、そこから先は、証拠を押さえないまま語ると完全に名誉棄損になるので、この場ではとりあえず「情報をお持ちの方、ご連絡ください」に留めておきます。
匿名さん(2010年11月27日19:20)
> なんとなく、双方が自身の責任回避をしているだけのような印象を受けます。
そう。全体的に、そういう空気も感じます。
連合会長についても、悪いうわさや憶測はいろいろ耳にしますが、何か悪意や裏があってのことともとれなくはないし、一方で、単に反対運動とか面倒くさいからテキトーにやり過ごしちゃえってことのように見えなくもないし。
オホーツク海岸の論客さん
ごめんなさい。ちょっと意味がわかりません。
個人情報を漏らしたりはしませんが、意図不明の個人情報を送ってこられても困ります。やめてください。会長さんに用があるなら、会長さんに直接連絡してあげてください。
藤倉さん
回答ありがとうございます。
今までの記事なら「ウソ(?)」というようにされていたのが
今回はウソと言い切ってしまって、万一の場合あとで問題が起こらなければいいのですが。
こういった連絡ごとを、地区が全部参加していない自治連合会任せにしていいのか?と感じました
公共施設の建設反対の署名活動を受けたことがあるのですが、
何ヶ月もの間活動を続けられて、自治会の方は大変そうでした。
公共施設で、地域の意向ありきという性格のもので
論点がはっきりしていたので、すぐに多くの署名が集まり建設は中止されました。
でも、こういう話なら、面倒臭がるのもわからなくもないです
苫米地うぜえ
俺の家の裏山が空いてるからそこに学園建ててもらっても構わんのだがなあ。
ジランさん
ご心配ありがとうございます。実は過去にも、たとえばアグネス・チャンのオカルト商法やヨハン早稲田キリスト教会について記事にした際、「ウソ」と断定調で書いているケースはあります。断定調で書くことは避けるというのを原則としているわけでもないんです。断定調で書くだけの根拠があるかどうかによって、その都度判断してます。
匿名さん(2010年11月28日14:58)
> こういった連絡ごとを、地区が全部参加していない自治連合会任せにしていいのか?と感じました
実は今回の件に限らず、そもそものこうした自治連合会のあり方自体がおかしかったのかもしれませんね。
記事中のURのコメントにもありますが、連合会長はこれまで10年以上もやりとりしてきたURに対しても、未加入自治会があるということを言ってきていなかったようです。で、URはいままでずっと、全地区参加ではない自治連合会が全ての住民を代表するものであるかのように(思いこんで)扱ってきたと。それは連合会長だけではなくURのいい加減さでもありますよね。もともとがそうだったから、今回みたいな問題が持ち上がった時には、よけいややこしい話になるということかと。
で、2010年11月27日17:47の匿名さんが書いてくれていますが、連合会に加入している自治会でも情報が回覧されていないという話も。連合会に入っている自治会の住民ですら置いてけぼりにされているとなると、話はさらにややこしいですよね。
幸福の科学学園のチアダンス部のデビュー戦、35組中19位だったそうだね。
これからもがんばってほしいね。
http://happy-science.ac.jp/2010/11/post-64.html
私も連合加入の近隣住民です。
区民運動会へは参加せず、京都新聞・毎日新聞は取っておらずで、初めてこのことを知ったのは11/29に廻ってきた回覧に載っていた『学校法人 幸福の科学 地盤調査のお知らせ』のような内容の紙切れでのみでした。
!?ちょっとどういうことですか???と、うちの自治会役員方にもかなり不信感を持ち、憤りすら湧いてきます。
連合会長がGO!だから連合加入の各自治会役員もそれに従ってだんまりを決めておいた・・・としか思えません。
その後、近隣の方々から情報収集を始めましたが、今更何ができるのだろうか・・・と一住人の無力さと、きっと胡散臭いお金が絡んでるんだろうなぁと思うと、不甲斐なさだけが残ります。
『地盤調査の段階なだけで決定ではない』とそのころ聞いていましたが、昨日だったかな(?)朝日新聞朝刊に12/2幸福の科学とURが正式調印したと載っていましたよ。
12/12に東2丁目自治会主催の住みよいまちづくりを考える会というのが開かれるそうですが、そこでディスカッションをして果たして中止となるのでしょうか。
本当に住民への情報が遅すぎます!
どうにかして建設中止にしたいけど、連合や大津市がOK出してる今、どうしたらいいんでしょう。
仰木の里自治連合は仰木の里と言えば幸福の科学があるとこねぇ。と言われてもいいの?
大津市は関西の幸福の科学の学校がある市だわね。と言われてもいいの?
静かだった住みよい住宅街を幸福の科学がこわして変えてしまうようなら、私は迷わず他へ引っ越します。
家の価値も下がってしまって買い手もつかないかもしれませんが、無理して住むのは嫌です!
そんな大津市に市民税や固定資産税を払うのは嫌です。
住みにくくした自治会、自治連と一緒の自治会にいるのは嫌です。
大津市の自治連合会の制度にも大きな問題があると思います。大津市の別の地区でも、大津市がある公共事業を決めたものの、それが住民に知らされたのは最後の最後。住民が説明会を求め、各自治会ごとに賛成・反対の調査をしましたが、その結果は無視されて、最終的に自治連合会の密室の話し合いを経て、市の事業に賛成を表明しました。
選挙で選ばれたわけでもない自治連合会長が、住民の意見を無視して、市の言いなりになるという構図が出来上がっているのではないでしょうか。
コメントを投稿